カスタマイズの番外編(エロ満載ッ!)

そば太郎

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75、ある日の出来事〜冒険編⓶〜

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 転送された先は、草原だった。塔の中なのにそんな様子はなく、ここが室内? とは思えないぐらい広い。まっ、次元が歪められているから、当然ちゃあ当然なんだけどね♪

 フロアの中にある階段を探し出し、上層階に行く一般的なダンジョンと同じだ。10階層毎にボスがいて、それを倒すと転移陣があらわれ、帰還できる。

 これぞ、ファンタジー。

 さてと、とくに見渡す限り冒険者はいない。そりゃそうか、あのときすでにS級冒険者になっていたし、結構潜っていたと思うしね。

「じゃ、ちょっと狩ってくるな!」
 ルークが我慢できずに、魔物にむかって駆け出していく。1階フロアでキスされた羞恥心より、冒険心が勝ったらしい。あっという間に、見える範囲の魔物を倒していき、1分をしないうちに、フロアの魔物は全て仕留めてしまった。

 ……ウォーミンうアップにもならなかったルークは、すっごく不満そうにしている。
 そりゃそうだよね。ルークは、もう人類最強といっていいレベルに到達しているんだから。

 つか、下界にいる生き物すべての頂点じゃないのかな?

 不貞腐れるルークの口にリンゴ飴を差し込むと、途端に嬉しそうにする。そんなルークを横抱きにすると、俺は階段に向かって駆け出した。身長差があるけど、横抱きにしているから大丈夫。

 ある程度方向は分かるし、ルークが遊べる階層までこのまま行くつもりだ。

 ルークが食べ終わると、次のフルーツ飴をあげながら駆け抜けていく。何人かの冒険者に出会ったが、ただひたすらに走る。特に気配を消していないけど、これだけ速いと個人を認識することもないだろう。

 そうしてたどり着いた何十回目のフロアボスの手前。今まさに入ろうとしている冒険者グループがいた。あの時の冒険者だ。

 ふ~ん、結構小綺麗じゃん。俺たちにしたら雑魚ばかりだけど、S級とはいえ人間レベルには手こずると思ったが……。
 一見して人間に見えるが、きっと何らかの血が入っているんだろうね。ただの人間がここまで到達出来るとは思わない。

 ふふっ。やっぱりちょっと、遊んでもいいかもしれないね。

 ポカッ
「あいたっ。」
 痛くはないけど。抱き抱えていたルークが、俺を見下ろしていた。
「お前……。」
 ジト目で見られている。

「あ、違うから!ほら、先輩冒険者として後輩を鍛えるのも悪くないなって思っただけだから!うん!」
 そんな性格じゃないことを重々理解しているルークからの視線が痛い……。

 フロアボスを彼らが倒すまで、扉前で誤魔化すように屋台の料理を取り出して差し出す。未だ訝しげにして食べていたが、すぐにその美味しさに夢中になってバクバクと食べ始める。

 ふぅ、これでよし。トドメとばかりに、特大お肉を取り出すと、目を輝かせて、ヨダレを垂らしている。簡単に火であぶり、大きく開いた口に入れると、満面な笑顔になった。

 完璧、さっきのことは忘れた様子のルークに、内心ふふっと笑う。ちゃんとデザートも食べて、ちょっとイチャイチャしていると、扉がギギギと開いた。

 彼らが、フロアボスを倒したか、負けたか。まっ、勝ったんだろうけど♪

 フロアボスは、ルークに任せた。1時間ほど抱えていたため、そろそろ戦いたくなったらしい。
 目の前で繰り広げられる戦闘は、他者からすると気が狂ったかと思う光景だった。

 そうルークは、手足を拘束した状態でフロアボスと戦っているのだ。

 手応えがないのなら、ペナルティを自分に課す方法を提案したら、嬉々として受け入れた結果だった。

 鎖の長さを短くしているため、思ったように身体を動かせず、攻撃を食らうルーク。だが、その顔は一切悲痛な色は見えず、嬉しそうに笑っていた。

 動ける範囲が制限される中、敵からの攻撃を避け、࣪限りある能力で効率よく倒す方法を身をもって習得していく。根っからの戦闘バカともいえるルークは、圧倒的な戦闘センスと動物的勘で恐ろしいスピードで検証と修正を繰り返し、適応していた。

 俺はそれを見ながら、この先にいる彼らとどう遊ぼうかと思案する。

 あの冒険者……。
 俺たちが到着する前から俺たちを注視していた。

 そして俺たちが現れたその瞬間、見開かれる茶褐色の瞳。熱を帯び赤らめる目元。高鳴る心臓の鼓動。

 5人いる冒険者の中、あの冒険者だけが反応した。本能で感知したかのような反応。

 ……またひとり、ルークに魅入られた。

 美少女顔をした俺ではなく、俺の愛すべきルークを。

 ああ、たまらない……。

 自分の伴侶が、俺以外の雄から想いを寄せられる。その事実が、感情を昂らせ、自然と唇が弧を描く。そんな時、笑い声が響き渡った。

「はははははっ!おもしろいっ、リオン!これ、いいな!」
 手足を拘束されているというのに、短刀を手に持ち立ち回るルーク。

 最初四苦八苦していたけど、よくそんな状態で戦えると感心するばかりだ。一瞬の隙をついて、大きく跳躍すると、脳天に短刀を突き立てた。

 当然の結果ではあるものの身体強化を一切使わず、基礎能力だけで仕留めるとは……。

 枷を以外にも、制限をかけている状態なのに、ね。

 ますます強くなっていくルーク。ゾクゾクした快感が背筋を駆け抜けていく感覚に高揚感が沸き立つ。

 眩しいその姿に俺は目を細めた。

 ホント……穢したくなる。

 つい、そう思った瞬間、
 ゾクッ
 悪寒が走ったのか、キョロキョロ周囲を見渡したあと、俺を捉えた。そんなルークににっこり微笑んでみせると、キョトンとしたあと再びジト目で見られちゃった。

 あはっ。

「お前なんか企んでいないか?」
 拘束状態のまま俺の元へと跳躍し詰め寄ってくる。

「気のせいじゃない?」
 視線を合わせないように誤魔化してみるけど、ジト目は変わらない。更にダラダラと汗が流れ落ちる。

「あ、拘束したままだったね!ごめん、気が付かなくて!」
 わざとらしく大声を出し、枷を外してあげるが、ルークは軽く手足を動かしながらも、俺から視線を離さない。

 ダラダラ

「ほ、ほら、それよりルーク!宝箱だよ。」
 フロアボスが消倒されたあとに現れた恒例の宝箱を指す。

 宝箱の中身は、階層があがる度にレア度が高くなる。それはどこも変わらない。そして、宝箱の色である程度判別でき、それはオリンピックにお馴染みの金銀銅だ。

 ここにある宝箱は、金。破格の色ともいえる。恐らく、階層的には銀が妥当なところ、金が出た。もしかして、戦闘内容によって加算されたと考えるべきか?

 ダンジョンあるある、ダンジョンマスター。これまで会えたことはないし、その気配すら察したことはない。けれど、もしかしたら、いるのかもしれない。 

 必死に金の宝箱だよっ!とアピールすると、訝しげに振り向いた先にある金色の箱に釘付けになっている。え? まじ? とかいいつつ、宝箱をツンツンつつき、はしゃいでいるルークは、おばかさんで愛おしい存在だ。

 ホッとため息を吐き、開けていいよと許可をだした。わくわくしながら、宝箱をあけるルーク。これまでも金色の宝箱をあけたことはあるものの、毎回このように嬉しそうにあけるのだ。その姿毎回俺もキュンキュンしてしまう。

 いつまでたっても、冒険心をなくさず鍛錬しつづけるルークが、好きだ。元々人間(妖精とのハーフだったけど)の身で、悠久の時を生きる存在にさせられ、もう500年以上生きている。

 狂ってもおかしくないというのに、俺と一緒にいれるのが嬉しいと微笑んでくれる。

 隣にいてくれる。

 毎日楽しそうに、俺に笑いかけてくれる。そんなルークが、本当に愛おしく、大切だ。

「なぁ、リオン、これってなんだ?」

 宝箱を覗き込むと、お手紙と一冊の本が入っていた。

「は? 」
 目をしばかせて、もう1回宝箱の中身を見るが、
 そこには変わらず、リオン様へ古代文字で書かれた手紙と本があるだけ。

 嫌な予感しかない……が、ルークが見たそうにしているため、見ないわけにはいかない。本心は燃やしたいところたけどね。

 手紙を取り出し、中身を見るも中身も古代文字で書かれていた。パッと目を通し、まじかと頭を抱えたくなる。

「なぁ、リオン。なにが書かれてあったんだ? この本見ていいか? 」
 ルークが、興味津々に聞いてくるが、俺は何も言えなかった。

 手紙に書いてあったのは、熱烈なファンレターだったからだ。

 俺への賛辞に始まり、ルークへの崇拝の如くの文字の羅列。

 なんで、ダンジョンマスターが、腐ってるんだよ?!つか、この本絶対教本だよな?!どこから手に入れたんだよ!

 しかも、ルークがいる場所で!金の宝箱にいれるか、普通?!

 教本?には、付箋が貼っていた。
 なになに? 教本にサイン下さい?

 …………。

 ヤバい。
 こんなのが、金の宝箱の中身と知ったら……。

「ーーーーっ!」
 絶対、ショックを受ける。つか、腐教解散させられるんじゃないか? あそこには色々働いてもらっているから無くなるのは非常に困る。しかも、解散となれば絶対に暴動が起きるだろう。

 絶対に阻止しなければ!

 ルークに、追加のデザートを渡すと、素直に食べ始めたのを確認してから古代語で話しかける。

『ルークにバレたら殺す』

 その反応は劇的だった。宝箱がブルブル震えたかと思えば箱が閉まり、ピカピカ点滅を繰り返し始めた。その異様な光景に、ルークが、クレープをかぶりつこうとした状態のまま固まっている。

 あ、かわいい。

 数秒後パッカーーーンと勢いよく宝箱の蓋が開くと同時に、絶対に入らないであろう大きさの刀が、宝箱の上に鎮座していた。

 漆黒の刀身の刀。触るだけで皮膚が切れそうなほど研がれており、鏡のように俺たちを写している。一目見て、名刀だとわかるシロモノだ。

 これこそ、ルークに相応しい。

 ルークが手に取り、握り心地を確かめる。そして、一閃。光の残滓が残るほど、美しい。ルークのエフェクトと合わせると、幻想的な光景になるだろう。是非とも、みたい♡♡

「……うん。いいな、コレ。リオン、これ貰っていい?」
 刀を鑑定すると、持ち主がルークになっていた。銘はないみたいだけど、これほどのものは今まで見たことはないし、これはルークに相応しいものだ。

 頷いてみせると、嬉しそうに振り回している。しかし、鞘がないのは一体どうしたものか。

 手に持っている手紙が光り、文字が消え、新しく文字が現れる。

『リオン様。問題ありません。あの刀は自我があるのです。主と定めたルーク様を決して傷つけることはありません。』

 そう書かれていた。

 自我ねぇ。ふふっ、へぇ、おもしろいかも。

「ルークが、喜んでいるし、殺すのは勘弁してあげる。」
 そう伝えると、手紙が緊張から開放されたような感じにへにょりとへたった。

 ……まさか、この手紙がダンジョンマスターってこと、ないよね?

「ちょっと、聞きたいことがあるんだけど。」
 声をかけると、返事をするが如く、シャキーンと元気に広がった。

 手紙には、
『リオン様!なんでしょうか? この下僕めに、何でも聞いてください!』
 なんか、手紙なのに必死さがすごいというか、文字も丁寧ながらも血走ったかんじがするのは、気の所為じゃないんだろうな。

 下僕……。

 少し遠い目になる。

 個性的なキャラばかり、俺たちの周りに集まってくると思いつつ声には出さない。何故なら、ルークを可愛がるためにそう仕向けているのは、自分なのだから。

 まともだったやつらも、今ではあんな感じだしね♡

 もっと、もっとルークを淫らにしたい。未だはしゃぐ姿を見ながら、俺は手紙にむかって口を開いた。



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