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76、ある日の出来事~冒険編③〜
しおりを挟む情報を整理しよう。
やはりあの手紙を書いているのは、ダンジョンマスターだった。それに、腐教の信者だったし、なにもりも幹部のひとりだった。つまり、間接的ではあるもののルークの身体に触ってきたものだ。
10人ほどいる幹部のひとりが、ダンジョンマスターかぁ。
権力は有効に使わせてもらおう。まずは、何が出来るか確認だね。
うん、何か問題がある?そう問えば、
手の中の手紙が中央からぶんぶん左右にねじり、否はないと。
「うん、よろしくね!」
こくこく頷く手紙に満足する俺は、微笑んだ。
このダンジョンは、無限階層らしくダンジョン制覇とかの概念はないらしい。魔物の強さは上限はあるみたいなんだけど、一定階層を攻略すると、ダンジョンのコンセプトが変わるとのこと。
つまり、戦闘特化型ダンジョンから、次は癒し系ダンジョンとか、エロトラップ型のダンジョンに変更が出来るとか?
ちなみに、俺達にはエロトラップ型ダンジョンに行って欲しいと懇願された。最初からそのダンジョンにすれば良かったのにと言ったら、腐教に出会って腐ったらしい。
そのため、最初の設定通り戦闘ダンジョンから変更出来ないと嘆かれた。
そんな中、俺たちが自分のテリトリーに現れて、興奮してしまい、今のこの状況とのこと。
1回戦闘ダンジョンを攻略されると、ダンジョンマスターの権限で変えられるみたいで、ぜひ攻略して下さいと泣きつかれてしまった。
でも、攻略までまだちょっとかかりそうだし、なによりもルークのいやらしい姿が見たいんだよねぇ……。
目を瞑って考えたのち、手紙に指示を出したらすっごく喜んでくれて早速動いてくれることになった。
むふっ♡♡むふふふ♡♡♡
俺と下僕との綿密な打ち合わせを行う。その時間、30秒。趣味に生きるものたちはその分野に関しては脅威的な能力を発揮するものである。
何故か手紙が仲間に加わることになった。巻物状態になり、そこから手足が生えた奇妙な物体。コミュ障なため、直接的な会話は勘弁してくださいと懇願された結果、このような形になった。動物とかだったら、ルークが喜んだと思うが、そうなったら逆に指示が出しにくくなるから良かったかもしれない。
B5サイズの厚紙が丸められ、棒立ち状態で走る姿は、切られてもおかしくないが、そこは腐ってもダンジョンマスター。別次元に避難したりできるらしい。
ルークが、手に入れたばかりの刀で切れ味を確かめながら、俺たちは攻略を再開。抵抗なくバッサバッサと魔物たちを切り伏せられていく魔物のなんと哀れなことか。咆哮をあげる前にはもう倒されている。
手紙が、ぶるぶる震え、おしっこをちびっていた。汚いから近づかないでね。
そうして辿り着いたのは、広い空間。そこは洞窟のような空間で、ほのかに光を放っており、そこまで暗くはない。さらに奥の方には滝が流れており、湖を作っているようだ。
魔物は一匹もおらず、いわゆるセーフティゾーンといわれるフロアだ。これは、手紙に指示を出して作って貰った空間。こんな発想はなかったみたいだが、ちゃんと教えたとおり忠実に創られている。
湖の前にいるのは、フロアボスの時に見た冒険者グループがいた。焚き火の周りに集まり、こちらをみている。この空間に入ってすぐにルークは刀を消した。鞘がいらない理由は、次元に収納でき、ルークがこいと言うだけで、その掌には刀が握られる仕様だ。
マジックバッグとは違う次元。言葉は交わすことは出来ないけど、なんとなく意思疎通は出来るみたい。嬉しい、悲しい、とかの感情だけらしいが。
冒険者たちは、5人。前衛職3人に、僧侶1人、魔法使い1人といったところか。前衛職は剣士、モンク、盾役。バランスのいい配置だ。全員男だというところが、好感を持てる。
ちなみにあの時の冒険者は、剣士だ。グレーが入った落ち着いた青髪をウルフカットのようにした男。ルークと同じぐらいの身長だが、体格は細い。いかにも王子様的な風貌をしている。優男とは違う、クール系ジャンルってやつ?
あの時見た茶褐色の瞳は、ルークだけを捉えている。俺には眼中ないってかんじ。
他の人間は俺たちを警戒しているというのに、剣士だけが熱を籠った瞳で見ているのに、笑いが込み上げてくる。自分からこの場をセッティングしたのだが、こんなにも上手くいくとは思ってもみなかった。
ちなみに、フェロモン抑制アクセサリーを追加して装着させているから、元々好意を持っていないかぎり、堕ちることはないと思う。急遽準備したものだから、ちょっと不安ではあるんだけどね。
そんななかでも、こいつはルークから目を離さない。あはっ。多分、他の奴らは心に決めた相手がいるのだろう。ルークに惑わされていない。
好都合な状況にくすりと笑みがこぼれ、そのまま彼らに話しかけた。
「こんにちわ。私達もここで休憩してもいいですか?」
女言葉で話しかける。これまでも女装や女言葉は使ってきたことがあるから、ルークはもう驚かない。
手紙だけが、驚いている。失敬な。あとでお仕置だよ?
どこか恍惚としたようにくねっていた。心なしかピンク色に染まっている。
案の定女性と勘違いした彼らは、警戒こそ解いていないものの幾分雰囲気が柔らかくなった。ちなみに俺たちは、そこまで強い覇気は出していない。完全にコントロール出来ているし、消すことも出来る。相手に自分たちの強さを悟らせないため、また魔物たちが恐れて逃げ出さないようにするためでもある。
この階層で怪我ひとつ負っていないことに対して、警戒されるだろうが、それはポーションが解決する。マジックバッグは高ランクの冒険者なら一定数所持しているから、怪しまれることはない。
彼らも防具こそ擦り傷だらけだけど、その身には傷一つない。僧侶がいるからだろうけど。僧侶か……。僧侶は基本的に神殿に一定期間仕えたものがなれる職業。もしかしたら、セフィのことを知っているかもしれない。
俺たちの愛おしい子供たちのひとり。男ではあるが、聖女の称号を持って生まれた心優しいセフィ。神殿を立て直すと入信し、今では結構な地位に上り詰めているみたいだ。
まっ、みっちゃんから直々に神託があったのも大きいだろうけど。
目を細め、つい思いを馳せてしまう。隣のルークも僧侶をみており、懐かしそうにしている。いつまで経っても、子供が愛おしいのだ。
見つめられている僧侶が困惑しているが。
「ああ、ごめんなさい。ちょっと、神殿に知り合いがいるからつい懐かしく思ってしまったの。」
そう謝ると、僧侶の雰囲気が柔らかくなる。僧侶は、ピンク色の髪に薄緑色をした瞳のどこか中性的な男の子。ぱっとみ、未成年に見えるが、こうみえてドワーフのハーフらしい。
まさかのドワーフ。鑑定結果に驚きしかない。低身長だが、背の低い女性ぐらいだし、なによりももじゃもじゃしていない!
優秀な鑑定様は、恋人まで表示されていた。
この子のお相手は、盾役の男らしい。盾役は、まさにゴリラだ。ルークをカスタマイズする時に試したゴリマッチョ体型に似ている。この大男と、この子が恋人同士?
入るの?
下世話な想像をしてしまった。ルークから言わせてもらえれば、お前よりましだろうと言うだろう。
僧侶を先頭に少し談笑する。
このグループの中で俺たちを一番警戒しているのは、魔法使いだ。
ツンデレタイプの容姿をしており、ここが警戒しているからこそ、他のものたちは安心しているのだろう。魔法使いは、知的美人って感じでメガネをかけている。腰まで流れる黒髪に、透き通る薄い瞳。鑑定では、吸血鬼の血が流れているようだ。
純粋な吸血鬼ではなく、限りなく薄い。ヴァンピール系統ってやつか。薄い瞳の色は、よく見ると赤かった。あ、スキルに魅了が使えるみたい!
ふふっ。楽しみが増えちゃった♪
ちなみに、魔法使いは、想い人がいて相手は、あの剣士だった。幼馴染らしく、その頃からの片思いと記載されている。そこまで見てしまったことに少し罪悪感が芽生えてしまう。
余談だが、モンクはチャラ男っ感じだけど、想い人はよく行く食堂の看板娘だった。王道的に三角関係とか思ったりしたけど、それはないらしい。残念だ。
さてと、ひとまずここまででいいか。
彼らとは距離をとって、湖のそばにいくと、レジャーシートを敷く。安っぽいものじゃなくて痛くないように、低反発仕様なやつ!
ちゃんと、靴を脱いで腰をかけると、程よい弾力が支えてくれる。
手紙が、恐る恐る乗って、感動していた。こいつ、どんな生活をしているのか、哀れみの目を向けたが、手紙は気が付かない。
「なぁ、リオン。こいつ、なんて名前なんだ?」
一息ついて、ルークがそう聞いてきた。
「なまえ~? 手紙って呼んでいたけど、そうか、名前かぁ。」
名前あんの? って聞くと、手紙が開かれて付けてください!って書いてある。しかも、ルークにつけて欲しいってさ。
「俺でいいのか?」
ルークが、手紙に尋ねると、バサッバサッと縦に降っている。そんな手紙に笑いかけると、考え込み、
「テテは、どうだ!」
ドヤ顔のルークが、そう言った。
手紙だから、テテ。その安直さが、さすがルークだと思う。
ダンジョンマスターだというのに、手を組んでジーンと感動していた。気に入ったらしい。頭を撫でられて、すごく嬉しそうにしている。
さっき食べたばかりだけど、取り出したお弁当をガツガツ食べ始めた。ルークが好きなジュースを渡すと、ごくごく飲み干していく。
飲み込む度に上下に繰り返す男らしい喉仏に舌なめずりしてしまう。あ、危ない危ない。ルークに勘づかれるところだった。自分が作った渾身のお弁当を食べながらステルスタイプのドローンで、彼らの様子を観察してみる。
これ以上、ルークを見ていると性欲が抑えられなくなるからね。
高性能なドローンは、S級冒険者の彼らに一切気が付かれない。
あはっ、まだまだだね。5人の冒険者は聞かれているとは、思わずに俺たちの話をしている。見たことがない冒険者ということで、警戒は怠らないようにしようと話しているが、ただひとり剣士だけは、チラチラとルークを見ては、目尻を赤らめていた。
クール系だと思ったが、そうじゃないかもしれない。
さ、て、と、これからどうアプローチをかけようかなぁ?
コップが空になる度に、注いであげる♡♡
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