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第7部
第八章 夜に吠える狂犬①
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――ズシン……ッ!
広場に響く重厚な音。
力強く大地を踏みつけ、《朱天》は一歩前に進み出た。
対し、イアン達が操る八機は呼応するように重心を沈めて身構える。
その構えに緊張している気配はない。
『……へえ。流石は噂に聞くハウル公爵家の黒犬兵団だな。どいつもこいつも肝はすわっているって訳か』
アッシュは《朱天》の中でふっと笑った。
噂に名高いハウルの黒犬。その練度は中々侮れない。
周囲を警戒しつつ、とりあえず、アッシュはまずミランシャの方を一瞥して、
『ミランシャ。早く《鳳火》に乗れ。こいつらに邪魔はさせねえから』
「うん。分かったわ」
そう答えて、ミランシャは胸部装甲を開けたままの《鳳火》に乗った。
一方、黒犬達は当然妨害したかったのだが、《朱天》が全く隙を見せない。
ざわめくように苛立つ八機の機体。
それを牽制する漆黒の鬼。
と、そうこうしている内に突風が周囲に吹き荒れる。
大気を弾き、緋色の鎧機兵は、星の瞬く大空へと羽ばたいていった。
(――くそッ!)
空を見やり、イアンが内心で舌打ちする。
これで彼らは完全武装の《七星》を二人相手する事態に陥ってしまった。
『……隊長』
その時、部下の一人が口を開く。
『ここは我らも……』
と、提案するが、イアンは『いや待て』と指示する。
『それはまだ早い。もう少し時期を見定めるぞ』
『――はっ。了解いたしました』
静かに頷く部下の機体。他の部下達も同じように首肯していた。
いきなり現れた《朱天》に対してかなり動揺していた部下達ではあったが、すでに全員が冷静さを取り戻している。
そしてイアンの手元には『あの薬』もある。
これならば、まだ勝ち目はあった。
ただ、この状況にはまだ懸念すべきこともあり――。
(この国には《天架麗人》も滞在していたはず……)
イアンは《朱天》と《鳳火》を警戒しつつ周囲を見渡した。
(……あの女はどこにいるんだ……?)
イアン達の行動が筒抜けなら当然、あの女の参戦も予測できる。
しかし、周囲の森は沈黙するだけ。
三人目の《七星》の姿は、どこにも見当たらない。
(――何故ここにいない? まさか伏兵のつもりか? しかし、《七星》クラスの化け物がそんな小細工のような真似をするのか?)
と、眉根を寄せた時、
『……あら? イアン。もしかしてオトハちゃんを捜しているの?』
上空からそんな声をかけられた。
莫大な恒力を噴出して空に滞空する《鳳火》からの声だ。
当然、その声の主は、ミランシャである。
『オトハちゃんならいないわよ。彼女はあなた達の伏兵がいるかもしれないからユーリィちゃん達の護衛に回ってもらっているの』
と、空を統べる公女が告げる。
またしても心情を見抜かれ、イアンは舌打ちする。
が、これは朗報でもあった。
おかげで懸念事項はなくなった。《七星》が二人までならば勝算はある。
(ああ、そうだとも。まだ勝ち目はある。私は今こそ――)
イアンは懐から例の小筒を取り出した。
すでに『この薬』は、ほんの数滴だけ試している。
確かに、あの男の言う通り世界が変わる薬だ。
見えるモノすべてが鮮明となり、時間さえも停止したかのように感じるほど、全神経が異様に研ぎ澄まされる。
恐らくこれをすべて服用すれば、イアンは『生まれ変わる』ことになるだろう。
――ただの人から、怪物へと。
(私はもう迷わん。今こそ『獅子』になるのだ!)
イアンは、グッと小筒を握りしめた。
あの夜空を舞う緋色の大鳥。
そして敵機に囲まれてなお、泰然として佇む漆黒の鬼。
これら怪物と並ぶ存在へと進化するのだ。
イアンは覚悟を以て小筒の蓋を開けようとした――その時だった。
『なるほど。てめえがイアンって野郎か?』
『――ッ!』
突然、《双金葬守》に名を呼ばれ、イアンは息を呑んだ。
《双金葬守》の愛機は、真直ぐイアンの鎧機兵だけを見据えていた。
『……そうだ。私がイアン。この部隊の隊長だ』
今更誤魔化しても仕方がない。イアンは自分の存在を認めた。
すると、漆黒の鬼はイアンの機体を見据えたまま、ただ静かに佇んでいた。
が、不意に、ギシリと拳を握りしめて……。
『……そうか』
と、アッシュが呟いた。
だが、それ以上は語らない。森の中にしばし静寂が訪れた。
そして、イアンを筆頭に、ミランシャも含めた全員が訝しむ中――。
『……てめえに一つ訊きたい事がある』
アッシュは、イアンの機体を睨みつけて、そう口を開いた。
『てめえが《木妖星》のジジイから、その薬を受け取ったことは知っている。ハウルの爺さんがそう手紙に書いていたからな』
『な、なにッ!』
イアンはギョッとして息を呑んだ。
一体、ジルベールの赤い双眸はどこまで自分を見通していたのか。
ここにいない老人に恐怖さえ覚えるイアンだったが、
『それを前提に一つ訊くぞ』
アッシュの放つ冷淡な声に、今迫る危機を思い出し背筋が凍りついた。
『てめえは今でもあのジジイと――先代第5支部長と繋がりがあんのか?』
『……繋がりだと……?』
イアンは眉根を寄せた。
これは、もしや自分を通じてあの男を釣り上げるつもりなのか。
しかし、イアンには、あの男とのパイプなどない。
『……いや、ないな。あの男とは一度会った限りだ』
と、これもまた、真実を伝える。
戦術的に考えれば、ここでハッタリや嘘をついて敵の動揺を誘うという選択肢もあるのだが、イアンはあえて事実を告げた。
恐らくその場で思いつくような浅い嘘では即座に見抜かれる。何よりもその場合、この眼前の鬼の逆鱗に触れそうだったからだ。
それほどまでに張り詰めた空気を《朱天》は放っていた。
『……そうか』
アッシュは再び小さく呟いた。
そして《朱天》の中で脱力するように肩を落とす。
(まあ、これもいつものことか)
どうもあの男とは縁がない。
今回の一件。内心ではあの男の情報を得られるのではないかと期待したのだが、結局のところ、またしても外れのようだ。
一体、あの決して許せない男との邂逅はいつになることだろうか。
『……アシュ君? どうかしたの?』
と、上空からミランシャが訊いてくる。
アッシュは苦笑を浮かべて上空に目をやり、
『いや、なんでもねえよ』
そう言って、改めて八機の敵を見据える。
『まあ、おしゃべりはここまでにすっか』
わずかに諦観を込めて、アッシュはそう呟いた。
こうなればやることは一つだけだ。
主人の意志を感じ取り、《朱天》は両の拳を胸板の前で叩きつけた!
そしてアッシュは八機の敵を見据えて宣告する。
『さあ、こっからは殴り合いだ。覚悟すんだな。犬っころどもよ』
広場に響く重厚な音。
力強く大地を踏みつけ、《朱天》は一歩前に進み出た。
対し、イアン達が操る八機は呼応するように重心を沈めて身構える。
その構えに緊張している気配はない。
『……へえ。流石は噂に聞くハウル公爵家の黒犬兵団だな。どいつもこいつも肝はすわっているって訳か』
アッシュは《朱天》の中でふっと笑った。
噂に名高いハウルの黒犬。その練度は中々侮れない。
周囲を警戒しつつ、とりあえず、アッシュはまずミランシャの方を一瞥して、
『ミランシャ。早く《鳳火》に乗れ。こいつらに邪魔はさせねえから』
「うん。分かったわ」
そう答えて、ミランシャは胸部装甲を開けたままの《鳳火》に乗った。
一方、黒犬達は当然妨害したかったのだが、《朱天》が全く隙を見せない。
ざわめくように苛立つ八機の機体。
それを牽制する漆黒の鬼。
と、そうこうしている内に突風が周囲に吹き荒れる。
大気を弾き、緋色の鎧機兵は、星の瞬く大空へと羽ばたいていった。
(――くそッ!)
空を見やり、イアンが内心で舌打ちする。
これで彼らは完全武装の《七星》を二人相手する事態に陥ってしまった。
『……隊長』
その時、部下の一人が口を開く。
『ここは我らも……』
と、提案するが、イアンは『いや待て』と指示する。
『それはまだ早い。もう少し時期を見定めるぞ』
『――はっ。了解いたしました』
静かに頷く部下の機体。他の部下達も同じように首肯していた。
いきなり現れた《朱天》に対してかなり動揺していた部下達ではあったが、すでに全員が冷静さを取り戻している。
そしてイアンの手元には『あの薬』もある。
これならば、まだ勝ち目はあった。
ただ、この状況にはまだ懸念すべきこともあり――。
(この国には《天架麗人》も滞在していたはず……)
イアンは《朱天》と《鳳火》を警戒しつつ周囲を見渡した。
(……あの女はどこにいるんだ……?)
イアン達の行動が筒抜けなら当然、あの女の参戦も予測できる。
しかし、周囲の森は沈黙するだけ。
三人目の《七星》の姿は、どこにも見当たらない。
(――何故ここにいない? まさか伏兵のつもりか? しかし、《七星》クラスの化け物がそんな小細工のような真似をするのか?)
と、眉根を寄せた時、
『……あら? イアン。もしかしてオトハちゃんを捜しているの?』
上空からそんな声をかけられた。
莫大な恒力を噴出して空に滞空する《鳳火》からの声だ。
当然、その声の主は、ミランシャである。
『オトハちゃんならいないわよ。彼女はあなた達の伏兵がいるかもしれないからユーリィちゃん達の護衛に回ってもらっているの』
と、空を統べる公女が告げる。
またしても心情を見抜かれ、イアンは舌打ちする。
が、これは朗報でもあった。
おかげで懸念事項はなくなった。《七星》が二人までならば勝算はある。
(ああ、そうだとも。まだ勝ち目はある。私は今こそ――)
イアンは懐から例の小筒を取り出した。
すでに『この薬』は、ほんの数滴だけ試している。
確かに、あの男の言う通り世界が変わる薬だ。
見えるモノすべてが鮮明となり、時間さえも停止したかのように感じるほど、全神経が異様に研ぎ澄まされる。
恐らくこれをすべて服用すれば、イアンは『生まれ変わる』ことになるだろう。
――ただの人から、怪物へと。
(私はもう迷わん。今こそ『獅子』になるのだ!)
イアンは、グッと小筒を握りしめた。
あの夜空を舞う緋色の大鳥。
そして敵機に囲まれてなお、泰然として佇む漆黒の鬼。
これら怪物と並ぶ存在へと進化するのだ。
イアンは覚悟を以て小筒の蓋を開けようとした――その時だった。
『なるほど。てめえがイアンって野郎か?』
『――ッ!』
突然、《双金葬守》に名を呼ばれ、イアンは息を呑んだ。
《双金葬守》の愛機は、真直ぐイアンの鎧機兵だけを見据えていた。
『……そうだ。私がイアン。この部隊の隊長だ』
今更誤魔化しても仕方がない。イアンは自分の存在を認めた。
すると、漆黒の鬼はイアンの機体を見据えたまま、ただ静かに佇んでいた。
が、不意に、ギシリと拳を握りしめて……。
『……そうか』
と、アッシュが呟いた。
だが、それ以上は語らない。森の中にしばし静寂が訪れた。
そして、イアンを筆頭に、ミランシャも含めた全員が訝しむ中――。
『……てめえに一つ訊きたい事がある』
アッシュは、イアンの機体を睨みつけて、そう口を開いた。
『てめえが《木妖星》のジジイから、その薬を受け取ったことは知っている。ハウルの爺さんがそう手紙に書いていたからな』
『な、なにッ!』
イアンはギョッとして息を呑んだ。
一体、ジルベールの赤い双眸はどこまで自分を見通していたのか。
ここにいない老人に恐怖さえ覚えるイアンだったが、
『それを前提に一つ訊くぞ』
アッシュの放つ冷淡な声に、今迫る危機を思い出し背筋が凍りついた。
『てめえは今でもあのジジイと――先代第5支部長と繋がりがあんのか?』
『……繋がりだと……?』
イアンは眉根を寄せた。
これは、もしや自分を通じてあの男を釣り上げるつもりなのか。
しかし、イアンには、あの男とのパイプなどない。
『……いや、ないな。あの男とは一度会った限りだ』
と、これもまた、真実を伝える。
戦術的に考えれば、ここでハッタリや嘘をついて敵の動揺を誘うという選択肢もあるのだが、イアンはあえて事実を告げた。
恐らくその場で思いつくような浅い嘘では即座に見抜かれる。何よりもその場合、この眼前の鬼の逆鱗に触れそうだったからだ。
それほどまでに張り詰めた空気を《朱天》は放っていた。
『……そうか』
アッシュは再び小さく呟いた。
そして《朱天》の中で脱力するように肩を落とす。
(まあ、これもいつものことか)
どうもあの男とは縁がない。
今回の一件。内心ではあの男の情報を得られるのではないかと期待したのだが、結局のところ、またしても外れのようだ。
一体、あの決して許せない男との邂逅はいつになることだろうか。
『……アシュ君? どうかしたの?』
と、上空からミランシャが訊いてくる。
アッシュは苦笑を浮かべて上空に目をやり、
『いや、なんでもねえよ』
そう言って、改めて八機の敵を見据える。
『まあ、おしゃべりはここまでにすっか』
わずかに諦観を込めて、アッシュはそう呟いた。
こうなればやることは一つだけだ。
主人の意志を感じ取り、《朱天》は両の拳を胸板の前で叩きつけた!
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