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第17話
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新しい部屋着(私にとっては普段着)に着替え、顔も洗って少しお腹が空いたが、
「こちらにお持ちしておりますので、お部屋にてお召し上がりくださいませ。食べられましたら歯を磨かれて、その後、またベッドへお入りください。私共は下がっております故。」
と、やはりダイニングではなく、自室のテーブルで食事となった。
病み明けのため、消化の良い粥がメインだったが、約3日、水分以外とっていない私の胃には優しく染み渡った。
言われた通りに歯磨きをして、いざ夫が眠るベッドに腰掛ける。
だが、隣で横になろうとは到底思えず、ただぼんやりとこの状況を考えた。
毛利さんと武田さんの驚き様。
夫はベッドが嫌いなのか?
そういえば、夫婦の寝室も和室で布団仕様だった。
インテリアを手がける会社の社長なのに、メイン商品のベッドが嫌いなんて絶対口外できない。
トラウマ?
小さい頃に何かあったのかな?
落ちて怪我したとか、飛び跳ねすぎてスプリングが壊れて足を捻ったとか……うーん、よくわからない。
ーーそういえば……
夫の手には既に包帯は巻かれていない。私が噛んだ跡ももうわからないくらいだ。
ということはーーー
ヤバいんじゃない?!
初夜ってやつを迎えなきゃ出られないんじゃない?
最近は講義や何やですっかり忘れて熱まで出しちゃったけど、タイムリミットってやつが来たんじゃない?!
急にソワソワしてきて、心中落ち着かなくなると、それが通じたのか知らないが夫が目を開けた。
まだ眠そうな眼を擦り、まるで子供の様だ。
「……うーん……ふぁああ、なんか……久々によく寝たな……」
大きく背伸びをして、自分でもよく眠れたとわかっているようだ。
「……あれ?ここは……ん?……は?!!」
グルリと周りを見渡し、その過程で私と目が合う。
だが、すぐには気づかずに、一度通り過ぎたがまた戻ってきた。
「っな、なんでお前がっ!!」
「ご冗談はおやめ下さい。ここは私のベッドです。あなたが”なんで?”と言われる方でしょう?」
全くだ。
ここで責められるのは御免だ。
私、一応病み上がりなので!!
「そう言われたらそうだな。確かに……だが、俺としたことがどうしてこんなところに……しかも……おい、今何時だ?」
「目の前にある時計によると、現在9時前でございます。」
「そうか、9時か……9時?9時?」
そう叫ぶなり、夫は私の部屋の窓のカーテンを開け、動かなくなった。
な、何?まさか、本当はドラキュラで朝日を浴びたらヤバいやつだったとか?!いや、まさか。昼間に明るい外に向かって電話してる姿を見てるし。女に電話してる姿だけど。
「.……7時間か8時間か……継続して眠れるなど、何歳の時以来か……しかもベッドで、女のそばで……」
ブツブツ言いだしたので、もう大丈夫だろうと、私は念願のシャワーを浴びることにした。
「すみませんが、出て行ってくれます?今からシャワー浴びたいんで。」
「シャワー?なんでだ?お前、熱あるんじゃないのか?ダメだろう、酷くなるぞ!」
「でも、もう解熱してますし、汗かいたまんまで気持ち悪いし、臭いし」
「ダメだ。まだ寝ていろ。ベッドを使ってすまなかった。俺は出て行くが、とにかくお前はまだ寝ろよ。わかったなっ!シャワーなんか以ての外だ!少しくらい臭くても誰にも会わなければいいだろっ!」
急に怒り出した夫は、そのままドアを開けて部屋を出て行った。
急に優しくなったような気もする。
「こちらにお持ちしておりますので、お部屋にてお召し上がりくださいませ。食べられましたら歯を磨かれて、その後、またベッドへお入りください。私共は下がっております故。」
と、やはりダイニングではなく、自室のテーブルで食事となった。
病み明けのため、消化の良い粥がメインだったが、約3日、水分以外とっていない私の胃には優しく染み渡った。
言われた通りに歯磨きをして、いざ夫が眠るベッドに腰掛ける。
だが、隣で横になろうとは到底思えず、ただぼんやりとこの状況を考えた。
毛利さんと武田さんの驚き様。
夫はベッドが嫌いなのか?
そういえば、夫婦の寝室も和室で布団仕様だった。
インテリアを手がける会社の社長なのに、メイン商品のベッドが嫌いなんて絶対口外できない。
トラウマ?
小さい頃に何かあったのかな?
落ちて怪我したとか、飛び跳ねすぎてスプリングが壊れて足を捻ったとか……うーん、よくわからない。
ーーそういえば……
夫の手には既に包帯は巻かれていない。私が噛んだ跡ももうわからないくらいだ。
ということはーーー
ヤバいんじゃない?!
初夜ってやつを迎えなきゃ出られないんじゃない?
最近は講義や何やですっかり忘れて熱まで出しちゃったけど、タイムリミットってやつが来たんじゃない?!
急にソワソワしてきて、心中落ち着かなくなると、それが通じたのか知らないが夫が目を開けた。
まだ眠そうな眼を擦り、まるで子供の様だ。
「……うーん……ふぁああ、なんか……久々によく寝たな……」
大きく背伸びをして、自分でもよく眠れたとわかっているようだ。
「……あれ?ここは……ん?……は?!!」
グルリと周りを見渡し、その過程で私と目が合う。
だが、すぐには気づかずに、一度通り過ぎたがまた戻ってきた。
「っな、なんでお前がっ!!」
「ご冗談はおやめ下さい。ここは私のベッドです。あなたが”なんで?”と言われる方でしょう?」
全くだ。
ここで責められるのは御免だ。
私、一応病み上がりなので!!
「そう言われたらそうだな。確かに……だが、俺としたことがどうしてこんなところに……しかも……おい、今何時だ?」
「目の前にある時計によると、現在9時前でございます。」
「そうか、9時か……9時?9時?」
そう叫ぶなり、夫は私の部屋の窓のカーテンを開け、動かなくなった。
な、何?まさか、本当はドラキュラで朝日を浴びたらヤバいやつだったとか?!いや、まさか。昼間に明るい外に向かって電話してる姿を見てるし。女に電話してる姿だけど。
「.……7時間か8時間か……継続して眠れるなど、何歳の時以来か……しかもベッドで、女のそばで……」
ブツブツ言いだしたので、もう大丈夫だろうと、私は念願のシャワーを浴びることにした。
「すみませんが、出て行ってくれます?今からシャワー浴びたいんで。」
「シャワー?なんでだ?お前、熱あるんじゃないのか?ダメだろう、酷くなるぞ!」
「でも、もう解熱してますし、汗かいたまんまで気持ち悪いし、臭いし」
「ダメだ。まだ寝ていろ。ベッドを使ってすまなかった。俺は出て行くが、とにかくお前はまだ寝ろよ。わかったなっ!シャワーなんか以ての外だ!少しくらい臭くても誰にも会わなければいいだろっ!」
急に怒り出した夫は、そのままドアを開けて部屋を出て行った。
急に優しくなったような気もする。
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