責任とってもらうかんな?!

たろ

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 風呂も済ませ、ベッドの上でごろりと寝返りを打つ。ユーグが入浴中なのを良いことに、独り占めしたベッドのど真ん中で大の字で占領してやった。
 悪魔、聖女の真実、イストの事と、久しぶりに新しい情報が詰め込まれたわりには意外と落ち着いているのは不思議だった。ちょっと前の俺だったら、色々と考え込んだりしたかもしれないが、異世界でユーグに振り回されながらの日々に慣れてしまったせいか、気にすることなく聞き流せるほど図太い性格へと進化しているのかもしれない。

 ユーグが見た目も能力も全てにおいて人間離れしていたせいもあるだろう。むしろ、あれだけのハイスペックな男が人間だと言われた方がビックリだよ。

「悪魔、ねぇ……」

 そういえば、悪魔との契約と言えば対価が必要なのが相場じゃなかっただろうか。大体は魂を取られる的な展開になるが、俺は大丈夫なんだろうか。ただ体を繋げているだけで、俺自身は何もしていないし……何よりも、気持ちいだけなのだ。俺に対してメリットしかないような契約だけど、これで対等と言えるんだろうか……

「ふふ、大丈夫、君の魂をもらうつもりは無いよ」
「?!」

 突然の笑いを含んだ声に、勢いよく飛び起きる。バスルームへと続く扉の前には、湯上りのユーグが楽し気に笑いながら髪を拭っていた。

「勝手に心読むなよ!」
「すまないね。私だって常に読んでいるわけじゃないんだが、扉を開けてもこちらへと気づかず、ずっと唸っているものだからどうしたのかと思ってね」
「え、そんな唸ってた?」
「ああ。心配事でもあるのかと覗いてみれば、可愛いことを考えていたね?」

 ベッドの淵へと腰かけたユーグから伸ばされた手が、俺の頬へと触れる。人差し指を使ってぐりぐりと撫でられる動きは、まるで小動物を可愛がっているようだ。

「可愛いって……俺にとっては結構大切なだったんだけど」
「国との契約の際に、定期的に魂の献上も追加したら快諾してくれているんだ。これで安心できたかな?」
「え、いや、確かに安心だけど、何、その怖い契約……」

 っていうか、本当に魂貰ってたんだ。貰ってどうするつもりなんだろう……食べる、とか……?

「犯罪者の魂なんだがね、これがまた、どろどろに熟してて中々の美味だよ」
「わぁ、知りたくなかった情報……」
「君のは、まだまだ青くて苦そうだね。頼まれても食べたくはないな」
「は? ディスられた?」

 少し困った表情で笑いながら告げられた言葉に、反射的に本音が漏れる。座りがちな目でユーグを見つめれば、困り顔のまま怒らないでおくれよと笑っていた。間違いなくディスられたわ、これ。
 あからさまに大きくため息を吐いていたら、頬を撫でていた指でクイっと顎を引かれる。顔が前に出た所へ、ユーグが唇を寄せた。

「今日は気分が良いんだ。契約など関係なしに、マコトを抱きたいんだが……構わないかい?」

 耳元で低い囁き声と共に軽くキスをされ、体が震える。その反応がお気に召したのか、ユーグがあろうことか耳の周りを執拗に唇で嬲ってきた。軽く食むられたかと思えば、中へと熱い物が入り込んでくる。ダイレクトに響く水音と吐息が急激に情欲を煽られ、仰け反るように背筋が伸びる。
 なんとか逃げようとする俺をユーグが許すはずもなく、背中かからしっかりと掻き抱かれた。掠れた声で名前を呼ばれ、閉じていた瞳を薄っすら開ければ、甘い色をした瞳と目が合う。

「抱いても、構わないね?」
「……いいよ」

 俺の返答に蕩けるように微笑むと、再び顔を寄せられる。黙って目を閉じて待っていれば、噛みつくように唇を塞がれた。
 契約とは関係なしと言っていた通り、いつもよりもがっついたキスに少しだけ驚く。口を開けば、すぐさま舌が滑り込み絡めとられる。頭を固定され、腰を引き寄せられ余裕なく貪るような動きのせいで、俺まで興奮してきてしまい、負けじと舌を動かした。

 屈服させるような口づけは呼吸すら食い尽くそうとする勢いで、それがユーグの気持ちをストレートに表しているようだ。下品なリップ音をたてながら解放されると、2人の間に糸が引く。酸欠気味のふわふわした頭でユーグを見上げれば、長い舌で自身の唇を舐めあげていた。めちゃくちゃにエロい姿をぼんやりと眺めていたら、ベッドへと押し倒される。激しい口づけとは対照的に、壊れ物を扱うように優しい動きに、胸が高鳴ってしまうのは許して欲しい。

 俺の上へと覆いかぶさり、見下ろしてきているユーグを見て、改めて美形でカッコいいと思い知らされる。俺がこんなハイスペックの男に抱かれているだなんて、人生何が起こるか分からないものだ。

「シャワーを浴びながら考えたんだ」

 垂れてきている髪を耳へと掛け直しながら、ユーグにしては珍しく、視線を泳がせながら消え入りそうな声で呟いた。セックスをしている時に余計は会話はしないタイプなのに、どうしたのか。黙って見つめれば、視線が戻ってきて、しっかりと見つめ返してきた。

「この感情を、なんて呼ぶのか」
「え……」
「ねぇ、マコト。私は、君のことが好きみたいだ」
「何、言って……」
「好きだよ、マコト」

 ストレートに告げられた言葉に、息が止まる。俺だって自覚したばかりで、持て余していた感情だって言うのに、ついさっき気づいた男は平気で告げてくる。俺の表情を見て、ユーグは蕩けた笑顔を浮かべた。

「自分の感情に気づいた瞬間から、君を抱きたくて堪らなかったんだ」

 今までだって優しかったが、気持ちに気づいたユーグの表情に、態度に、思いに、全てが俺をダメにしていく。俺からの返答を求めることもなく、彼は首元へと唇を寄せる。撫でるように触れ、時折きつめに吸い上げられれば、ピリっとした痛みと共に快楽を拾い上げた。流れる手つきで服を捲り上げられ、胸へと降りてきた所でわざと乳輪へと舌を這わせてきた。

「ぁ、……ッ」

 開発され、すっかりとここでも感じるようになってしまった胸のせいで、焦らされる度に腰が揺れる。乳輪を舐める片方で、同じように優しく指の腹で撫でられた。

「ユーグ……!」

 焦らさないで欲しい、そんな気持ちを込め呼びかけると、舌を出して舐めあげながら上目でこちらを見上げてきた。余裕のない俺の表情に、心得たと言わんばかりに口角をあげると、先端を強く吸い上げられる。同時に、もう片方を根元からつねりあげられた。

「いッ?!」

 あまりの衝撃に大きく跳ね上がる動きなど気にすることなく、ユーグの攻めは止まらない。軽く歯を立てられ、突き出した乳首を人差し指の爪で小刻みに引っ掻かれる。

「んぁああ?!」

 強すぎる刺激に堪らず上がった声は鼻にかかってて甘ったるい。痛いだけだったそれから、確実に快感を拾っている。これもユーグの調教のお陰なんだろうが、今はその順応力が恨めしかった。

「やぁ、つよ、い……!」

 このまま続けられたらどうにかなってしまいそうで必死に訴える。やめさせようとユーグの頭へと手を回すも、それはただ添えるだけで……柔らかな髪を指の間に絡ませている姿は、もっととせがんでいるみたいだった。
 俺の様子をチラッと確認して、ユーグの動きは更に激しさを増す。弾いたと思えば優しく撫でられ、舌先で弄ってすぐに軽く吸い上げる。緩急をつけた巧みな愛撫で、簡単に快楽は押し上げられていく。

「も、だ、~~~~~ッ!」

 呼吸が止まり、一気に弾けた。腰を震わせながらイった所で、やっと解放される。
 いつもならばここで一呼吸置いてくれるのに、ユーグは渦巻く熱をなんとか処理しようとしているの俺の体へ再びの愛撫を開始した。

「まっ、イったばっかだから……ッ!」
「そうだな。気持ち良いくてどうにかなりそうなんだろう?」

 ちゅ、ちゅ、とわざと大きな音を立てながら脇腹から腰辺りへと口付けを落とす。そんな優しい物にすら体は反応してしまい、大袈裟なほど腰が揺れる。いつの間にか寛げられていたのか、緩やかに立ち上がっている自身へ、ユーグの骨張り長い指が絡みついた。

「ぁう?!」

 精液を出さずに達するいわゆる中イキを強いられ、癖になっていただけに、最近ご無沙汰だった直接的な刺激が襲いかかる。

「可愛いな……久しぶりのこちらも中々良いかい?」
「あッ、やめ、あぁ、ッ」

 トロトロと先端から出ている汁を絡みつけながら上下に扱かれる。リズミカルな動きに合わせるように嬌声が漏れ出て、なぜだかいつもより羞恥心を煽られた。

「はッ、ん、や、だぁッ」
「美味しそうだね」

 その影響か、留まることなく出続ける汁を見ながら何やらユーグが呟く。上手く聞き取ることのできず、どうしたのかと相手へ視線をむければ、それは丁度大きく口を開けている姿だった。

「え?!」

 迷いなく怒張したそれを含んだユーグは、そのまま口を窄めて上下に動き出す。熱い口内に包まれて、先程以上の快楽が体全身を走り抜けた。

「ひぁあ?!」

 時折絡められる舌が、筋をなぞり上げ悪戯に先端の穴の中を抉るように舐め上げる。忘れていた男としての欲が溢れ出して、止まらない。
 無意識の内に、もっと奥へ種を植え付けようと腰が動いてしまう。苦しいはずだろうに、ユーグは決して離すことはなく吸い上げる。それがたまらなく気持ち良い。昔ならとっくにイってしまっていた刺激だったのだが……中を知ってしまった今ではどうにも物足りない。

「ゆーぐ、や、だってばぁ……!」

 必死に違うのだと首を振る。良い時の反応とは違うと気付いたようで、やっとユーグの口から自身を解放してもらえた。

「んぁ、はぁ……ッ」

 あがってしまった息を何とか整えていると、腰下へと腕が差し込まれ、高く持ち上げられる。驚いている間に、腰の下へクッションが差し込まれていて、腰が上がる体勢を取らされていた。

「君は、本当に堪らないな」
「は……?」
「中の方が具合が良くなってしまっただなんて……その淫猥さに、欲情してしまったよ」
「な……ッ」

 コイツ、心の中を勝手に読んだな?!
 正に思っていたことを言い当てられ、恥ずかしすぎて絶句した。手際よくズボンと下着を剥ぎ取っていくユーグの邪魔をしてやりたかったけど、生憎腰が砕けていて身動きが取れないのもまた悔しい。
 衣服を捨てた相手は、遠慮なく人の足を広げさせる。下腹の上へ手を当てお決まりの魔法をかけたのと同時に、窄まりへと顔を寄せた。まさか、と思った時には遅く、ユーグはひくつくそこへとかぶりついた。
  穴の中へと熱い舌が捩じ込まれ、嬲るように動き回る。それと共に体内へと直に大量の魔力を流し込まれた。

「んぁああ?!?!」

 下品な音を立てながら吸われ、舌が動き回る。信じられないぐらいの快感はまるで電気のようで、ひっきりなしに腰が揺れた。

「ぁ、待って、ぁあッ、あんッ!」

 いくら入浴済みだからって、そんな所汚いからやめて欲しい。今まで指では何度も解されてきたけど舌でなんかは初めてで、とにかく気持ち良くて、もう何が起こっているの理解が追いつかない。これも、正常な判断なんかできないように魔力を流し込まれたせいだ。

「やぁあ、ゆー、ぐぅ……!」
「どうした?」

 ギリギリ残っている理性でなんとかユーグを止めさせようと呼びかければ、意外とあっさり顔を上げてくれた。だが、そのせいで涎で口元がべったりと汚れている姿を目の当たりにして、残っていた理性は秒で吹っ飛んでしまった。
 そのいやらしい顔に、お腹の奥がきゅっと反応してしまう。

「早く、入れて」
「しかし、まだ解していないから、」
「大丈夫だから! 早く、奥欲しい……!」

 途中から被せて急かすと、驚いた表情は直ぐに人の悪そうな笑顔へと変わっていく。そこからの行動は早く、すぐにズボンへと手をかけると一気に脱ぎ捨てる。乱雑に床へと投げ捨て、俺の両ひざへと手を開けて大きく広げさせる。腰が上がっているせいでいつもよりもしっかりと曝け出されているそこへ適当に香油を垂らすと、一思いに挿入をしてきた。

「あ゛、ぁああ?!」

 普段の行為のお陰ですっかり受け入れることに慣れてしまった中は、待ちに待ったユーグの怒張へと絡みつき、思いきり打ち付けた腰はぱちゅんと水音と肌がぶつかり合う音を上げる。
 強く腰を押され、太ももが胸へと密着する。秘部の全てを晒した姿を見下ろして、ユーグは満足そうに片側だけ口角を上げた。

「繋がっている部分も、マコトの表情も両方しっかりと見えていて、良いね」
「へん、たい……!」
「ふふ、マコト限定では、そうかもしれないな」

 動くよ、と早々に会話を切り上げると、律動が始まった。先端の幅広い部分で入口の上の方を圧し潰されて、ひっきりなしに声が漏れる。激しく揺れる視界の先には、眉を寄せ一心不乱に腰を振り続けるユーグがいて、普段とのギャップを感じて胸が締め付けられる。次いで、こんな無防備な姿を晒しているのが俺だけの前だと思うと嬉しくて堪らない。

「あッ、ぁ、きも、ちッ、あんッ」

 知り尽くしているせいで、弱い所ばかりを突き上げられドロドロに思考が溶けていく。流れっぱなしの魔力も相まって、体中が甘くなってしまっているような錯覚に陥る。

「あ゛ぁあ゛ッ、ゆ、ぐッ!」

 覆いかぶさるように上へと跨り体重を使って圧される動きで、いつも以上に奥まで届く。ダイレクトに伝わってくる振動で気でも触れたのか矯声が止まらず、口を閉じることすらできなかった。
 助けを求めるように、俺を犯している相手の首へと腕を回す。舌を差し出して求めている俺に気づいたユーグが、珍しく息を切らせながら顔を寄せてきた。勢いよく絡み合わせた舌を動かし、ろくに力も入らない腕で引き寄せる。
 喘ぎ声と共に酸素まで飲み込まれ、危うく酸欠になりそうな所で解放され、再び口を塞がれる。飲み込み切れない涎が、口の端から零れ落ちることなど気にすることもなく、夢中でキスをしながら与えられる快楽を貪った。

「ふッ、んぅうッ、~~~~ッ!」

 限界が近い。遠慮ない圧し込みに追い詰められ、すぐに絶頂を迎えた腰が揺れる。暴れ回る快感を逃がそうと爪を立てて耐えている俺の動きを封じるかのように、ユーグが上から圧し掛かり最奥を抉り上げた。
 途端、腹の中へと熱い物がぶちまけられ、相手の体も小刻みに震える。今まで同じタイミングでイったことなどなかったのに……信じられないけど、耳元で繰り返し聞こえる荒い呼吸が、間違いではないと証明してきた。
 緩慢な動きで上体を少し起こした彼と目が合うと、微笑みが返される。

「好きな相手に求められるのが、こんなにも快楽に繋がるとは……初めて知ったよ」

 いつもより良かったと言われ、顔へ熱が集まるのを感じる。仰る通り、俺もいつもよりも気持ち良かったのだが、直接言われるとは思わなかった。
 ついでに言えば、初めて知ったってことは、長い年月を生きていたユーグにとって、恋人的位置づけとしてセックスをした相手は俺が初ってことで……

「そ、っか……」

 嬉しくて胸がいっぱいになる。慈しみすら感じる表情を向けてきているユーグの顔へと手をやり、落ちてきていた髪を耳元へと掛け直しながらそっと撫でる。相手は俺の手に頬を寄せながら、自身の手を這わせ指を絡ませた。

「ふふ、可愛い。そんなところも好ましいね」

 軽い口調と共に額へキスを落とされ、腹の奥がずくりと疼く。反射的に力を入れたせいでしっかりとユーグへも伝わり、纏う雰囲気が変わる。ふんわりした笑顔から、どろりと情欲に塗れた顔へと切り替わると、ぐるりと中をかき回された。

「あッ、」

 良い所を掠められ再びの声が漏れたせいか、中に入った物が膨れるのが分かる。大きくなった物をゆるゆると動かしながら、握り合っていた手を離し自身のインナーへと手を伸ばした。腹のあたりから一気に捲り上げて脱いだそれを乱雑に捨て、行く当てもなく彷徨っていた俺の両手へと再び指を絡ませる。しっかりと握りしめた両手を枕元へと縫い留めたら、大きく腰を打ち付けてきた。

「あ゛ぅッ、んぁあ、ッ!」

 初めの数回だけはゆっくり、段々とスピードを上げ突き上げてくる動きに合わせ声が上がる。再び揺れ出した視界いっぱいに、捕食者のように目をギラつかせたユーグが広がっている。
 いつもの飄々とした雰囲気は消え去って、単純に欲望を貪っている姿が、エロくてカッコいい。そんな顔を見ただけでも性感を拾ってしまい、絡めていた指へぎゅっと力を籠めた。

「ああ、可愛いな……ッ、マコト、好きだよ」
「んあッ、ゆー、ぐぅ……ッ」
「好きだ、好きなんだよ、マコト」
「俺も……ッ、あんッ、す、き……ッ、ああッ」
「んッ、本当かい?」
「すき、すきだ……ッ、ひ、ぁああ、す、きぃ……!」

 溶けるのではないかと思うぐらい甘ったるい声に毒されたように、気付けば俺の口からも好きと言葉が零れ落ちる。一度言ってしまえば最後で、壊れたように喘ぎ声と好きを言い続ける。
 とうとう白状してしまったけれど、与えられる刺激が強すぎて何も考えることができない。とにかくユーグと1つになりたくて、せがむように相手の腰へと足を回す。

「ああ、堪らないな……ッ!」
「あんッ、あぁあ、あ、す、き、あッ、ゆーぐ、」
「本当、孕ませたくなる……!」
「いい、よッ、すきに、して?」

 これ以上に溶け合うことができるなら、なんでも受け入れる。奇跡的に聞き取れたユーグの言葉に合意を示せば、ゆっくりとギリギリまで引き抜いて、承知したと小さく笑う。
 一体何をするのか、調教され尽くされている体では、この少しのお預けの時間も我慢できない。早くとうごめく中へ、ユーグは一気に剛直を差し込んだ。

「んあああッ!?」

 それはいつもよりも更に深くへと向かってめり込んでいく。行き止まりだと拒否している最奥の更に奥へと突き進むかのように暴かれていった。

「ひッ!? う、あぁあ゛ッ!」

 反射的に逃げようとしたが、支えられているクッションのせいでうまく動かせず、更に腰を高く上げ尻をユーグへと差し出す形になってしまった。その瞬間を見逃さなかったユーグは、ここぞとばかりにねじ込んでくれば、拒み続けていた壁をぐぽっと突き抜いた。

「お゛ぉ゛ぉ゛ッ?!?!?!」

 感じたことのない衝撃と共に、息が止まる。目の前に火花が散った気がする。入れられただけで軽くイき、痙攣する俺に攻め時だと踏んだ相手は、勢い良く最奥の更に奥への何度も突き上げてきた。

「ぉ゛、あ゛ッ、おお゛ッ?!」
「はは……ッ! 信じられない、食いつき、だッ」
「あ゛、ああッ、きも、ち゛、い゛、よぉお!」
「ああ、そうだね……ッ! 気持ち良すぎて、私も、飛びそうだよ……ッ!」
「お゛ぉ、ゆ、ぐぅ……ッ、すき、しゅ、き!」
「私もだ、マコト。さあ、集中して?」

 バチュンと激しい音をたてながら肌がぶつかり合う。もうすでにいっぱいだと言うのにこれでもかと魔力が送られ、体から溢れ出る感覚が性的興奮を更に煽って鳥肌が立つ。
 虚ろな目でユーグを見つめれば、真っ赤に染まりあがった瞳が細められる。

「ほら、孕むんだッ!」
「ぁあッ、しゅき、んああ゛ッ?!」
「出すよ、しっかり飲み込んで!」
「はいッ、ぁあ゛ッ、んあああーーーーッ!!」

 かつてない程の量の精液と魔力が流し込まれ、電流が全身に駆け抜ける。大きく跳ね上がり、ビクビクと痙攣し続ける腰で、イったことにやっと気づいた。

「??」

 死ぬほどの快楽に溺れていることだけははっきり分かっていて、何が起きたのか理解が追い付かない。絶頂後の敏感で気だるい疲労感に混乱している俺の隣の枕元へとユーグが顔を埋めてきた。
 ふわりと香るユーグの汗のにおいがして、それがまた興奮を煽る。きゅっと腹へ力が入ってしまい、くぐもったユーグの短い悲鳴が聞こえる。

「……貪欲だね?」

 頭を横へと動かし、片目だけを覗かせて笑う。そんなつもりじゃないと言いたくても、未だ痙攣し続ける体は言うことを聞いてはくれない。

「いいよ、何度でも出してやろう。それこそ、君が孕むまでね」

 前髪を掻き上げながら起き上がったユーグの舌なめずりをした姿は、まさしく悪魔そのもので、そんな姿にさえ性欲を掻き立てられ嬉しくなってしまう俺は、完全におかしくなってしまったんだろう。
 両腕を伸ばして求めれば、軽々と引き起こされて、そのままユーグの上へと座り込む。

「ぉ゛お゛ッ?!」

 上下が逆転し一旦引き抜けた穴の中へ、一気に入り込んでくる物に首を反らした。大した力も入らず支えきれない状態で馬乗りにさせられたせいで、何の配慮もなく再び奥へと飲み込み、つぷっと最奥の扉を先端が割入れる。

「動くよ」

 低く囁く声に再び始まる律動。
 とにかく気持ち良いこの行為に、ひたすらに溺れていくのだった。
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