39 / 40
偶然か、必然か、 39話
しおりを挟む夢見心地でまぶたを上げれば、目の前には綺麗な金色が広がっていた。
いつもとは違う柔らかな肌触りに不思議に思えば、徐々に視界がはっきりとなりその正体を映し出して行った。
「……まじか」
そこには、俺の腕の中で眠るレイナがいた。
昨日の記憶をぼんやりと思い出してみれば、俺は相当酔っていたみたいだ。どうやらそのまま眠ってしまったらしい。
しかも、曖昧ではあるがかなり恥ずかしい事を話していたような気もする。
……最悪だ。やっちまったな。
今までなら酔っ払って帰って来たとしても誰もいないのでやりたい放題だったのだ。
レイナと暮らし始めてからは一応酒もある程度セーブしてはいたつもりだ。…まぁ、レイナ曰く酔っ払って帰ってきた俺はセーブしていても面倒らしいのだが。
昨日は久しぶりに会う友達との同窓会だったこともあり、飲み過ぎないよう最初は気をつけていた。…がしかし、いろんな事件があったりもして、最終的には何も考えずにただただ楽しんで酔っ払ってしまっていたのだ。
そんなわけで、今の俺はパンツ一丁。
そこら辺には脱ぎ散らかした服や靴下がある。
そんな姿のまま、俺は今、部屋着姿の美少女をあろうことか抱きしめているわけだ。
「……んんー、これはまずいな」
これは、非常にまずい。
男なら皆そうだろう。パンイチで柔肌を感じてしまえば非常にまずいことになるのだ。
というか、何だこの事後のような光景は。
だいぶムラっとくるんだが。
そして、目の前のレイナからは何度か嗅いだことのある甘くてぼうっとしてしまうような、男には刺激的すぎる匂いがする。
……うん、正直に言おう。俺は今、だいぶムラムラしてしまっている。
「…うわ、まだこんな時間かよ」
変な時間に目が覚めたらしい。時計は朝の5時を指していた。
レイナを起こそうと思ったが、気持ち良さそうに寝ている姿を見れば、まだ時間も早いしなんだか悪い気がしてきてしまう。
しかし、そんなことも言ってられないのだ。
「……」
なぜなら俺の下半身が、限界を迎えようとしているからだ。
一応言い訳をさせてもらう。
朝だから、ということも考慮していただきたい。
久しぶりの女性の柔肌を感じたのだから当たり前だと思って欲しい。
あとレイナの匂いも身体もなんかエロすぎるのが悪いと思う。
……というか、だ。
さっきからずっと思っていたんだが、こいつ、
………ノーブラじゃね?
いや、わかる。
寝る時はつけたくないよなブラジャーなんて。
俺だってなんなら1人の時は全裸で寝ることもあったわけだし。
だが、しかし、今は着けていてほしかった。
前にチラッとみたブラジャーのサイズはやっぱ間違いじゃないんだなぁ、やらけぇなぁ、気持ち良いなぁ、なんて、無限に意識を注いでしまうほど、俺の裸の腹の上には立派なオッパイがのしかかっているのだ。
そして、下着と一緒に買った部屋着も可愛らしいちょっとふわふわした素材で、それも相まってめちゃくちゃ肌触りが最高なのだった。
下がショートパンツではなく長ズボンなのがまだ救いではある。
ショートパンツだったら終わってた。多分、俺の欲は爆発していたことだろう。
「……レイナ、ごめん起きて?」
そんなことを考えていれば、結局俺はレイナを起こそうとするのだった。
「……あれ、けんじ、さん?」
「…はい、憲司さんです」
「…んぅ、おはよう、ごじゃいます」
「……」
レイナを自分の身体から引き剥がすと、その衝撃で起きてくれたようだった。
そして、目の前で重たそうな瞼をゆっくり開けて俺がいることを確認してそう言った。
……なにこれ、可愛すぎるだろ。
普段のレイナからは想像もつかないようなそんな無防備な姿に、心臓を一瞬にして鷲掴みにされた俺。
え、「ごじゃいます」って言った?え、ていうかなにその仕草やば。
あのレイナが、眠そうに目をこすりながら舌足らずな口調でそんなことを言うのだから、俺のテンションはおかしなことになっていた。
レイナはいつも俺より早く起きていて、俺が起きた頃にはいつものしっかりとした姿で朝ご飯の準備をしている。
なので彼女の寝顔も寝起きの無防備な姿も、今までみたことがなかったのだ。
それが、コレ、ときた。
普段は見れないような彼女の爆発的なギャップに、おかしくなるのも無理はないだろう。
ますます危機を感じた俺は、溢れる気持ちをぐぐっとなけなしの理性で押さえつけて、そして、その場から急いで離れようとソファーから立ちあがろうとする。
「……ちょ、うわっ?!!」
———のだが、どうして、こうなったのだろうか。
やはり俺の身体はどうやらレイナの攻撃にかなりやられていたらしい。
立ちあがろうとした足には力が入らずふらっとそのまま倒れていくと、いつのまにか再びソファーに沈んだ俺は彼女に覆い被さっていた。
「……」
「……ご、ごめん」
目の前には鼻がぶつかりそうなほど、近くにある驚いた表情の綺麗な顔。
そして、片手に感じる柔らかいナニか。
「…ははっ、柔らか」
そう、俺は今、どこぞのラブコメのごとく、思いっきりレイナの胸を触っていた。
そして男ってやつはどうしようもない生き物なわけで。一度触ってその感触を味わえば、勝手にその手は動いてしまうもので。
久しぶりに感じた女の子特有の温もりにひどく感動してしまうのだった。
「憲司さん、まじでキモイです」
彼女の魔法の言葉なんて全く気にならないほど、最高のラッキースケベを堪能できたそんな清々しい朝。
———勿論、数秒後にはお決まりのビンタを盛大にくらうのでした。
「……」
「……すみませんでした」
あぁ、今日もいい一日が始まりそうだ。
ありがとうラッキースケベの神様。ありがとうレイナのオッパイ。
ありがとう、ノーブラ。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる