56 / 128
第三章 現代編
第55話 ─ ぼくたちの失敗 ─…ある男の独白
しおりを挟む
「はははは! 見ろよエヴァンすげェぞ、何種類の味の飴があるんだ!?」
「おいおい、はしゃぐなよリーダー恥ずかしい。ったく兄貴役ってのはこんなにも面倒なモンなんだな」
「何だコレこの飴、あずき味? あずきって何だ!? お、パイナップルの飴だってよ、芸が細かいな。ちゃんと輪切りパインみたいに穴空いて模様が刻んであるぜ!」
「あーもう完っっ全にガキに戻ってやがる。おいリーダー、いい加減にしとかないと金がいきなり無くなるぜ! 日本に来た早々に何やってるんだよ!?」
日本に来て早々に何をやってるかって?
飴を物色してるんだよ! 飴、飴!!
ヒャッホウ!
「あ~何だコレ? 平仮名と片仮名はなんとか読めるけど、漢字っていう象形文字はさすがに読めねェな。イラストで何となく分かるけど。日本のパッケージって親切だな!」
「リーダーが無茶しないように、半分お目付役のつもりで付いて来たんだけど。まさかこんな事で手綱を握らないといけなくなるとは思わんかった……」
「さっきの、ソバを『ハシ』で食うのは失敗して負けたけど、飴なら関係ねェぜ! あぁどこかで試しに味見させてくんねェかなぁ」
「食事に勝ち負けもねーだろ。まぁ俺もチョップスティック使おうとして手が攣ったけれども」
初めて来た国。初めて見る風景。そして自分の好物が目の前にずらりと並ぶ、夢のような光景。
そんなこんなで、すっかり舞い上がっていたんだろうな、俺は。
エヴァンもその俺の手綱握るのに必死で、周囲への注意が幾分散漫になっていたんだろう。
「そこのステイツから来た“騎士団”のお二人の御仁。飴がお好きなら、こちらで飴の試しの味見をしてみませんか?」
あからさまに裏社会の雰囲気を漂わせた怪しい男。
なぜ初対面のコイツが、俺達が“騎士団”の人間である事を知っているのか。
しかし、舞い上がっていたこの時の俺は、こいつの耳が横に飛び出たエルフだったとしても、気がつかなかっただろう。
こんなあからさまな怪しい誘いに引っかかるとは、何たる不覚。
「お? 日本にゃそんな良いシステムがあるのか! 行こうぜエヴァン!!」
「あ、おい待てよリーダー!」
来日早々の空港で、俺達はいきなりのポカをした事に気付いたのは、この後、手遅れになってからだった。
後悔先に立たず。
*****
目が覚めたのは、いきなり水をぶっ掛けられたからだ。
目の前には、裏の世界のヤバい雰囲気をプンプン漂わせた黒ずくめの男達。
俺はどこかの薄暗くだだっ広い倉庫の中で、椅子に座らされて両手足を椅子に括り付けられている。
そして俺のすぐ横でも、水がぶっ掛けられる音が聞こえた。
俺はそちらに顔を向ける。
と、そこには我等が偉大なお目付役、エヴァン・ウィリアムスその人が、俺と同じように椅子に縛りつけられ呻いていた。
「ようこそ、我が日本へ。“騎士団”の汚れ仕事の引き受け人が一人、ダーティーホワイトエルフボーイくん?」
声を発するのは、髭面の全身鎧を着込んだ壮年の男。
その姿は、俺達など及びもつかないほど「騎士」をしている。
さすがに剣は入手しにくいのか、剣の代わりに木刀を手にしていた。
「ダーティー……何だって?」
「俺達が付けてる貴様の仇名だ」
「知らねえよ」
男は俺の返答には無反応だった。
髭面の男はその木刀を床に突き立て、両手を柄の上に揃えて置くと、質問を口にした。
「“騎士団”のニンゲンがこの日本に何をしに来た。素直に話せば、痛い思いをさせずに殺してやる」
人の上に君臨する君主のような風格を漂わせる壮年の男は、苛烈な言葉を事も無げにあっさりと俺達に話す。
鎧姿が似合った男だが、強烈にこの場の雰囲気に似合っていない。
俺は仕方無しに、表向きの目的を話した。
「バカンスだよ。“騎士団”の仕事を干されたから、やる事もないし、サムライハラキリでも見ようかと思ってね」
バキッと隣で音がして、続けて呻き声。
慌てて隣を見ると、エヴァンが黒ずくめの男の一人にぶん殴られていた。
俺は髭面を睨みつける。
「てめェ……」
「俺が調べた限りのお前の性格では、己が自身を痛めつけられるよりも、親しい身近な人間を傷つけられた方がより苦しむ」
相変わらず感情のこもらない声でそう答えると、再び先程の質問を繰り返した。
「“騎士団”のニンゲンがこの日本に何をしに来た。素直に話せば、痛い思いをさせずに殺してやる」
「クソ野郎が。そんだけ流暢に英語を話せるなら、もっとマトモな仕事をしやがれ!」
再び隣で殴られる音とエヴァンの呻き声。
「考えて話さないと、まずはこの男が苦しんで死ぬことになる。もう一度言うぞ。
“騎士団”のニンゲンがこの日本に何をしに来た。素直に話せば、痛い思いをさせずに殺してやる」
「……まずはエヴァンを放せ。そして無事に帰国させろ。話はそれからだ」
またもエヴァンが殴られる。今度は音が止まらない。
「待て! 話す! だから止めろ! カタナだ! 退魔の日本刀を手に入れる為に来日したんだ!!」
とりあえずは音が止まった。
隣を見るが、エヴァンは呻き声をあげるだけで、グッタリしている。
「なぜ退魔刀を求める。“騎士団”特製の退魔剣が大量にあるだろう」
「さっきも言っただろう! 干されてるんだ! 俺達のところには退魔剣の再聖別も聖別弾も一切回ってこないんだ! だから独自に退魔刀を入手したかった!!」
「最近は“騎士団”がキナ臭過ぎる。退魔刀を持って帰って、自分のところの剣の性能でも引き上げるつもりか?」
「守旧派と改革派で内部分裂しかかってるんだ! キナ臭いのはそのせいだ! カタナは俺個人が欲してるだけだ!」
髭面は何一つ表情を動かさない。
そのまま無表情に俺に返す。
「あれは内部分裂などでは無い。何か強力な武力を手に入れた動きだ。さぁ、上っ面だけの言い訳はいいから、本当の事を話せ。
『裏』の貴様ならそこら辺、事情をご存知のはずだろう?」
「強力な武力だって? どういう事だ」
エヴァンがもう一発殴られた。くそっ。
「質問をしているのは、こちらだ。いま貴様が何も言わずともいずれ分かる。これは余計な手間を省くための尋問だ」
「拷問の間違いだろ」
「知らん。どう取ろうが今の状況は何も変わらん。三つ数える間に話せ。──ひとつ」
「もう洗いざらい話した! 俺は主流派じゃないからさっきの情報が全てだ!」
「他に情報は無いか、よく思い出せ。無いなら貴様達は死ぬだけだ。──ふたつ」
俺は髭面を睨みながら頭の中で思考を反芻していたが、結局知らないものは話せない。
くそッ、本当にこれ以上は何も知らないってのに!
どうすれば良い!? どうしたら、せめてエヴァンだけでも助けられる!?
「ふん……。情報をウタっていたなら、その間だけは生きていられたのにな」
その言葉を最後に、髭面が何の感情もなく最後のカウントを口にする。
俺は思わず目を瞑る。
「──みっ……ぐっ、お前どこから……!」
どこか慌てたような髭面の声で、俺は恐る恐る片目を開けた。
髭面の首元に何者かの手が回って、喉元を締めている。
その手を見た時に、初めて俺は奴の肩の辺りに、何かが覆いかぶさっているのに気がついた。
「三つ数える間に、貴様の手下を下がらせろ。でなければ貴様は死ぬ事になる」
聞き覚えのある声。だが聞き慣れない声。
いや、そもそもこんなに流暢に話す事など、アイツは出来なかった筈だ。
そう思いながらも、信じられない思いで髭面に覆い被さる影を、俺は見て叫んだ。
「タリス!?」
あの、いつの間にか姿を消していた女が、何故この場に居るのか──。
「おいおい、はしゃぐなよリーダー恥ずかしい。ったく兄貴役ってのはこんなにも面倒なモンなんだな」
「何だコレこの飴、あずき味? あずきって何だ!? お、パイナップルの飴だってよ、芸が細かいな。ちゃんと輪切りパインみたいに穴空いて模様が刻んであるぜ!」
「あーもう完っっ全にガキに戻ってやがる。おいリーダー、いい加減にしとかないと金がいきなり無くなるぜ! 日本に来た早々に何やってるんだよ!?」
日本に来て早々に何をやってるかって?
飴を物色してるんだよ! 飴、飴!!
ヒャッホウ!
「あ~何だコレ? 平仮名と片仮名はなんとか読めるけど、漢字っていう象形文字はさすがに読めねェな。イラストで何となく分かるけど。日本のパッケージって親切だな!」
「リーダーが無茶しないように、半分お目付役のつもりで付いて来たんだけど。まさかこんな事で手綱を握らないといけなくなるとは思わんかった……」
「さっきの、ソバを『ハシ』で食うのは失敗して負けたけど、飴なら関係ねェぜ! あぁどこかで試しに味見させてくんねェかなぁ」
「食事に勝ち負けもねーだろ。まぁ俺もチョップスティック使おうとして手が攣ったけれども」
初めて来た国。初めて見る風景。そして自分の好物が目の前にずらりと並ぶ、夢のような光景。
そんなこんなで、すっかり舞い上がっていたんだろうな、俺は。
エヴァンもその俺の手綱握るのに必死で、周囲への注意が幾分散漫になっていたんだろう。
「そこのステイツから来た“騎士団”のお二人の御仁。飴がお好きなら、こちらで飴の試しの味見をしてみませんか?」
あからさまに裏社会の雰囲気を漂わせた怪しい男。
なぜ初対面のコイツが、俺達が“騎士団”の人間である事を知っているのか。
しかし、舞い上がっていたこの時の俺は、こいつの耳が横に飛び出たエルフだったとしても、気がつかなかっただろう。
こんなあからさまな怪しい誘いに引っかかるとは、何たる不覚。
「お? 日本にゃそんな良いシステムがあるのか! 行こうぜエヴァン!!」
「あ、おい待てよリーダー!」
来日早々の空港で、俺達はいきなりのポカをした事に気付いたのは、この後、手遅れになってからだった。
後悔先に立たず。
*****
目が覚めたのは、いきなり水をぶっ掛けられたからだ。
目の前には、裏の世界のヤバい雰囲気をプンプン漂わせた黒ずくめの男達。
俺はどこかの薄暗くだだっ広い倉庫の中で、椅子に座らされて両手足を椅子に括り付けられている。
そして俺のすぐ横でも、水がぶっ掛けられる音が聞こえた。
俺はそちらに顔を向ける。
と、そこには我等が偉大なお目付役、エヴァン・ウィリアムスその人が、俺と同じように椅子に縛りつけられ呻いていた。
「ようこそ、我が日本へ。“騎士団”の汚れ仕事の引き受け人が一人、ダーティーホワイトエルフボーイくん?」
声を発するのは、髭面の全身鎧を着込んだ壮年の男。
その姿は、俺達など及びもつかないほど「騎士」をしている。
さすがに剣は入手しにくいのか、剣の代わりに木刀を手にしていた。
「ダーティー……何だって?」
「俺達が付けてる貴様の仇名だ」
「知らねえよ」
男は俺の返答には無反応だった。
髭面の男はその木刀を床に突き立て、両手を柄の上に揃えて置くと、質問を口にした。
「“騎士団”のニンゲンがこの日本に何をしに来た。素直に話せば、痛い思いをさせずに殺してやる」
人の上に君臨する君主のような風格を漂わせる壮年の男は、苛烈な言葉を事も無げにあっさりと俺達に話す。
鎧姿が似合った男だが、強烈にこの場の雰囲気に似合っていない。
俺は仕方無しに、表向きの目的を話した。
「バカンスだよ。“騎士団”の仕事を干されたから、やる事もないし、サムライハラキリでも見ようかと思ってね」
バキッと隣で音がして、続けて呻き声。
慌てて隣を見ると、エヴァンが黒ずくめの男の一人にぶん殴られていた。
俺は髭面を睨みつける。
「てめェ……」
「俺が調べた限りのお前の性格では、己が自身を痛めつけられるよりも、親しい身近な人間を傷つけられた方がより苦しむ」
相変わらず感情のこもらない声でそう答えると、再び先程の質問を繰り返した。
「“騎士団”のニンゲンがこの日本に何をしに来た。素直に話せば、痛い思いをさせずに殺してやる」
「クソ野郎が。そんだけ流暢に英語を話せるなら、もっとマトモな仕事をしやがれ!」
再び隣で殴られる音とエヴァンの呻き声。
「考えて話さないと、まずはこの男が苦しんで死ぬことになる。もう一度言うぞ。
“騎士団”のニンゲンがこの日本に何をしに来た。素直に話せば、痛い思いをさせずに殺してやる」
「……まずはエヴァンを放せ。そして無事に帰国させろ。話はそれからだ」
またもエヴァンが殴られる。今度は音が止まらない。
「待て! 話す! だから止めろ! カタナだ! 退魔の日本刀を手に入れる為に来日したんだ!!」
とりあえずは音が止まった。
隣を見るが、エヴァンは呻き声をあげるだけで、グッタリしている。
「なぜ退魔刀を求める。“騎士団”特製の退魔剣が大量にあるだろう」
「さっきも言っただろう! 干されてるんだ! 俺達のところには退魔剣の再聖別も聖別弾も一切回ってこないんだ! だから独自に退魔刀を入手したかった!!」
「最近は“騎士団”がキナ臭過ぎる。退魔刀を持って帰って、自分のところの剣の性能でも引き上げるつもりか?」
「守旧派と改革派で内部分裂しかかってるんだ! キナ臭いのはそのせいだ! カタナは俺個人が欲してるだけだ!」
髭面は何一つ表情を動かさない。
そのまま無表情に俺に返す。
「あれは内部分裂などでは無い。何か強力な武力を手に入れた動きだ。さぁ、上っ面だけの言い訳はいいから、本当の事を話せ。
『裏』の貴様ならそこら辺、事情をご存知のはずだろう?」
「強力な武力だって? どういう事だ」
エヴァンがもう一発殴られた。くそっ。
「質問をしているのは、こちらだ。いま貴様が何も言わずともいずれ分かる。これは余計な手間を省くための尋問だ」
「拷問の間違いだろ」
「知らん。どう取ろうが今の状況は何も変わらん。三つ数える間に話せ。──ひとつ」
「もう洗いざらい話した! 俺は主流派じゃないからさっきの情報が全てだ!」
「他に情報は無いか、よく思い出せ。無いなら貴様達は死ぬだけだ。──ふたつ」
俺は髭面を睨みながら頭の中で思考を反芻していたが、結局知らないものは話せない。
くそッ、本当にこれ以上は何も知らないってのに!
どうすれば良い!? どうしたら、せめてエヴァンだけでも助けられる!?
「ふん……。情報をウタっていたなら、その間だけは生きていられたのにな」
その言葉を最後に、髭面が何の感情もなく最後のカウントを口にする。
俺は思わず目を瞑る。
「──みっ……ぐっ、お前どこから……!」
どこか慌てたような髭面の声で、俺は恐る恐る片目を開けた。
髭面の首元に何者かの手が回って、喉元を締めている。
その手を見た時に、初めて俺は奴の肩の辺りに、何かが覆いかぶさっているのに気がついた。
「三つ数える間に、貴様の手下を下がらせろ。でなければ貴様は死ぬ事になる」
聞き覚えのある声。だが聞き慣れない声。
いや、そもそもこんなに流暢に話す事など、アイツは出来なかった筈だ。
そう思いながらも、信じられない思いで髭面に覆い被さる影を、俺は見て叫んだ。
「タリス!?」
あの、いつの間にか姿を消していた女が、何故この場に居るのか──。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる