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第四章 通りすがりのダーティーエルフ編
第107話 “転機”…偽りのダークヒーロー編
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コリーヴレッカンはミトラを睨み付ける。
天空の雲の一部が一際濃くなったかと思うと、甲板上に落雷する。
ミトラは慌てて後ろに飛び退る。
兄とコリーヴレッカンは知る由も無かったが、『鎧』状態のミトラには雷は通じなかった。
だが『鎧』化が解け、生身が剥き出しになったとあっては、雷は充分な脅威だ。
「お誂え向きでございまするな」
コリーヴレッカンは僅かに首を上に向けると、そう言う。
ロングモーンのように直接雷を繰り出せる事も出来るが、天候をある程度操れるのがコリーヴレッカンの持ち味の一つだった。
嵐を消し去る事までは出来ないが。
風はますます強く、雨は密度を少しずつ上げて振ってきている。
ミトラは魔剣を再びプロテクターに変えると、手足に装着。落雷が消えると同時に兄へ突撃を開始する。
兄はミトラに気刃を撃つ。だがミトラは両手を顔の前でクロスさせると、そのまま突っ込む。
パキン、と音がして気刃は脆くも砕ける。
闇のオーラはかなり減ったが、思った通り兄も片手では攻撃力がガタ落ちだ。
落雷がもう一度。だが今度のそれは、ミトラが通過した後に落ちた。
兄に肉迫するミトラ。突撃の勢いそのままに右ストレートを叩き込む。
兄は刀でそれを受ける。左腕の子供を庇いながら。
だが、両手で握った刀でようやく凌げていた攻撃を、片手で受け切れる筈もない。
兄は受けた刀が体に押し付けられ、刀ごと殴り飛ばされた。
今度はわざと受けて自ら飛んだのではなく、正真正銘ミトラの攻撃をマトモに喰らったのだ。
辛うじて倒れる事なく堪えた兄。
しかし子供を片手に抱えているので機敏に動く事が出来ない。小回りの効く動きも出来ない。
攻撃も片手で振るったとは思えぬ威力を見せるが、やはり両手を使ってしっかりと振るう刀の威力には遠く及ばない。
今度こそ本当の防戦一方となり、押し込まれていく兄。
何度目かのミトラの渾身のストレートを兄が食らって吹き飛ばされた時、ミトラと兄との間に雷が落ちた。
さすがにバックステップで躱すミトラ。
だが今度の落雷は連続で落ちてくる。
その度ごとに後ろに下がらざるを得ず、兄と大きく距離を離された。
そうしておいてからコリーヴレッカンは、己の身に付けた岩塊を切り離すと逆円錐状に形を変えてミトラへ向けて落下させた。
兄とミトラの間に岩でできた壁が現れる。
ミトラがその壁を魔剣で砕こうとした瞬間、更に岩が大量に降ってきた。
周囲ぐるりを岩が取り囲み、更に上に岩が降り積もる。
ミトラを閉じ込めてドーム状になった岩。
兄は、岩屋の外でこの後の戦い方を必死に考えている。
雨が激しく降ってきた。
ふと、黒い思考が脳裏に浮かぶ。
──この子供を見捨ててしまえば、少なくとも身軽に動けるんじゃないのか?
兄は子供を見下ろす。
子供も兄の様子の変化に気付いて、不安げに兄を見上げる。
だが、そんな子供の表情にも構わず兄は、子供を抱える左腕の力を緩め……。
“その手を離すな!!”
相棒の激しく鋭い叱咤が、兄の脳裏を打つ。
──!?
“このクジラと以前に話した内容を思い出した! オメエは今、その手を絶対に離しちゃなんねえ!!”
「俺は」
“今だ。今この時がオメエの越えちゃなんねえ一線だ! アマローネ達がくれた人生を無駄にするかしないかのな!!”
「しかしミトラに勝つには、そんな甘い事なんて……」
“オメエがこのガキと最初に出会った時にガキを見捨てていたら、こんな事は言わなかった! だけど見捨てなかった!
それがオメエの本性だからだ!!”
「……」
子供を抱く力が逆に強くなった。
子供は兄の左腕に必死に縋り付く。
“オメエの心を、オメエ自身を殺しきるな。オメエにはそれが出来る。オメエはそれを赦された人間……いや、人だからだ。
自分の心を殺さずに済むほうが、今よりよほど良い人生を過ごせるぜ?”
雨が子供と兄の身体を叩く。
兄は顔を僅かに上に向ける。
子供の目からは、兄の表情は見えない。
コリーヴレッカンはミトラに攻撃をかけながら、兄に何も言葉をかけない。
やがて兄は静かに呟いた。
「……ちぇっ。俺がアンタと契約した時のセリフの意趣返しかよ、相棒」
“好きに取りな”
そうして改めてミトラを睨み付ける兄。
そこへコリーヴレッカンのほうから初めて声が兄へかけられた。
「逃げなされ」
「何っ!?」
コリーヴレッカンの表情も分からない。
兄が空中を漂うコリーヴレッカンを見上げても、何も読み取れない。
「主殿もその御子が気になって戦いに集中できぬご様子。ならばその御子の安全を確保するのが先決でござりましょう」
「だがここまで奴を、ミトラを追い込んだんだぞ!? 見ろ! アイツの訳の分からないオーラみたいなのが、あんなに薄れているのに!!」
「先ほどの戦いでは、とても追い込んでいるようには見えませぬでしたな。むしろ追い込まれていたように見えまする」
兄はミトラのいる方へ視線を向ける。
ミトラは岩屋から脱出するために、内側からガンガンと攻撃を続けていた。
兄は歯を食いしばる。
奥歯がギシリと音を立てた。
コリーヴレッカンが冷たく続ける。
「こう言わねば分かりませぬか? 足手まといなのですよ、今の主殿は!」
「ぐ……」
「もうじき主殿が手配していた回収用の飛行機も到着する事でしょうな。主殿がそれに乗り込む時間ぐらいは、私は雲を割り嵐を鎮めることが出来まする故」
“行こう相棒。気持ちを切り替えろ”
兄はそれでもしばらく黙り込み、食いしばった歯をキリキリと鳴らす。
やがて絞り出すように呻いた。
「……分かった」
決めたからには、兄の行動は迅速だった。
一旦、子供を下ろすとコートを脱ぐ。今までの攻撃でスソがズタズタだ。
コートの袖を踏み、もう一つの袖を切り株状の左手首に巻き付け縦に伸ばす。
右の袖を胴体部から紅乙女で切り離す。
兄の意図に気付いた子供が慌てて踏んでいた端を掴み、コートを広げて左の袖を切り易くした。
コリーヴレッカンが兄へ訊ねる。
「主殿、確か機関室に爆弾を仕掛けておいででござりまするな!?」
「そうだな、もう起爆しておく!」
その言葉とともにスマホアプリを呼び出し、遠隔の起爆スイッチを入れる。
船が大きく揺れた。
船尾のほうから黒煙があがり始める。
もう少ししたら、船底に空いた穴からの浸水で影響が出始めるだろう。
左手の使えない兄の代わりに、分割したコートを長いロープとして結び直していた子供も、不安げに船尾を見る。
だがすぐに手元に目を落とし、作業の続きを行う。
*****
ミトラが閉じ込められている岩屋が、内部から弾け飛ぶように爆発した。
破片がパラパラと雨と一緒に降り注ぐ。
そしてミトラも船尾を見た。立ち上がる黒煙、僅かにかしぐ船体。
そこへミトラに魔剣の鋭い思考。
“跳ねろ。横だ”
後ろを向いたミトラへ、すかさずコリーヴレッカンが雷を落とす。だが、魔剣の指示で真横へ跳ねて躱して、事無きを得た。
避けてすぐに兄を見る。子供と何か作業をしている。
よく分からないが、この船からの脱出を画策している事だけは理解した。
──逃すかよ。その脱出手段は俺のものだ!
兄へ再び突撃しようとしたミトラを牽制するかのように、コリーヴレッカンが口から何かを大量に放つ。
──ブレス? 何だこれ!?
甲板に食い込み突き立つソレは、大量の割れた貝殻の破片。
普通の人間が食らえば……いや、今の闇のオーラが尽きかかっているミトラも食らえば、身体がズタズタになるだろう。
──ち、面倒臭え。どうやって近寄る!?
兄にとってもミトラにとっても、時間との戦いが始まった。
天空の雲の一部が一際濃くなったかと思うと、甲板上に落雷する。
ミトラは慌てて後ろに飛び退る。
兄とコリーヴレッカンは知る由も無かったが、『鎧』状態のミトラには雷は通じなかった。
だが『鎧』化が解け、生身が剥き出しになったとあっては、雷は充分な脅威だ。
「お誂え向きでございまするな」
コリーヴレッカンは僅かに首を上に向けると、そう言う。
ロングモーンのように直接雷を繰り出せる事も出来るが、天候をある程度操れるのがコリーヴレッカンの持ち味の一つだった。
嵐を消し去る事までは出来ないが。
風はますます強く、雨は密度を少しずつ上げて振ってきている。
ミトラは魔剣を再びプロテクターに変えると、手足に装着。落雷が消えると同時に兄へ突撃を開始する。
兄はミトラに気刃を撃つ。だがミトラは両手を顔の前でクロスさせると、そのまま突っ込む。
パキン、と音がして気刃は脆くも砕ける。
闇のオーラはかなり減ったが、思った通り兄も片手では攻撃力がガタ落ちだ。
落雷がもう一度。だが今度のそれは、ミトラが通過した後に落ちた。
兄に肉迫するミトラ。突撃の勢いそのままに右ストレートを叩き込む。
兄は刀でそれを受ける。左腕の子供を庇いながら。
だが、両手で握った刀でようやく凌げていた攻撃を、片手で受け切れる筈もない。
兄は受けた刀が体に押し付けられ、刀ごと殴り飛ばされた。
今度はわざと受けて自ら飛んだのではなく、正真正銘ミトラの攻撃をマトモに喰らったのだ。
辛うじて倒れる事なく堪えた兄。
しかし子供を片手に抱えているので機敏に動く事が出来ない。小回りの効く動きも出来ない。
攻撃も片手で振るったとは思えぬ威力を見せるが、やはり両手を使ってしっかりと振るう刀の威力には遠く及ばない。
今度こそ本当の防戦一方となり、押し込まれていく兄。
何度目かのミトラの渾身のストレートを兄が食らって吹き飛ばされた時、ミトラと兄との間に雷が落ちた。
さすがにバックステップで躱すミトラ。
だが今度の落雷は連続で落ちてくる。
その度ごとに後ろに下がらざるを得ず、兄と大きく距離を離された。
そうしておいてからコリーヴレッカンは、己の身に付けた岩塊を切り離すと逆円錐状に形を変えてミトラへ向けて落下させた。
兄とミトラの間に岩でできた壁が現れる。
ミトラがその壁を魔剣で砕こうとした瞬間、更に岩が大量に降ってきた。
周囲ぐるりを岩が取り囲み、更に上に岩が降り積もる。
ミトラを閉じ込めてドーム状になった岩。
兄は、岩屋の外でこの後の戦い方を必死に考えている。
雨が激しく降ってきた。
ふと、黒い思考が脳裏に浮かぶ。
──この子供を見捨ててしまえば、少なくとも身軽に動けるんじゃないのか?
兄は子供を見下ろす。
子供も兄の様子の変化に気付いて、不安げに兄を見上げる。
だが、そんな子供の表情にも構わず兄は、子供を抱える左腕の力を緩め……。
“その手を離すな!!”
相棒の激しく鋭い叱咤が、兄の脳裏を打つ。
──!?
“このクジラと以前に話した内容を思い出した! オメエは今、その手を絶対に離しちゃなんねえ!!”
「俺は」
“今だ。今この時がオメエの越えちゃなんねえ一線だ! アマローネ達がくれた人生を無駄にするかしないかのな!!”
「しかしミトラに勝つには、そんな甘い事なんて……」
“オメエがこのガキと最初に出会った時にガキを見捨てていたら、こんな事は言わなかった! だけど見捨てなかった!
それがオメエの本性だからだ!!”
「……」
子供を抱く力が逆に強くなった。
子供は兄の左腕に必死に縋り付く。
“オメエの心を、オメエ自身を殺しきるな。オメエにはそれが出来る。オメエはそれを赦された人間……いや、人だからだ。
自分の心を殺さずに済むほうが、今よりよほど良い人生を過ごせるぜ?”
雨が子供と兄の身体を叩く。
兄は顔を僅かに上に向ける。
子供の目からは、兄の表情は見えない。
コリーヴレッカンはミトラに攻撃をかけながら、兄に何も言葉をかけない。
やがて兄は静かに呟いた。
「……ちぇっ。俺がアンタと契約した時のセリフの意趣返しかよ、相棒」
“好きに取りな”
そうして改めてミトラを睨み付ける兄。
そこへコリーヴレッカンのほうから初めて声が兄へかけられた。
「逃げなされ」
「何っ!?」
コリーヴレッカンの表情も分からない。
兄が空中を漂うコリーヴレッカンを見上げても、何も読み取れない。
「主殿もその御子が気になって戦いに集中できぬご様子。ならばその御子の安全を確保するのが先決でござりましょう」
「だがここまで奴を、ミトラを追い込んだんだぞ!? 見ろ! アイツの訳の分からないオーラみたいなのが、あんなに薄れているのに!!」
「先ほどの戦いでは、とても追い込んでいるようには見えませぬでしたな。むしろ追い込まれていたように見えまする」
兄はミトラのいる方へ視線を向ける。
ミトラは岩屋から脱出するために、内側からガンガンと攻撃を続けていた。
兄は歯を食いしばる。
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「ぐ……」
「もうじき主殿が手配していた回収用の飛行機も到着する事でしょうな。主殿がそれに乗り込む時間ぐらいは、私は雲を割り嵐を鎮めることが出来まする故」
“行こう相棒。気持ちを切り替えろ”
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やがて絞り出すように呻いた。
「……分かった」
決めたからには、兄の行動は迅速だった。
一旦、子供を下ろすとコートを脱ぐ。今までの攻撃でスソがズタズタだ。
コートの袖を踏み、もう一つの袖を切り株状の左手首に巻き付け縦に伸ばす。
右の袖を胴体部から紅乙女で切り離す。
兄の意図に気付いた子供が慌てて踏んでいた端を掴み、コートを広げて左の袖を切り易くした。
コリーヴレッカンが兄へ訊ねる。
「主殿、確か機関室に爆弾を仕掛けておいででござりまするな!?」
「そうだな、もう起爆しておく!」
その言葉とともにスマホアプリを呼び出し、遠隔の起爆スイッチを入れる。
船が大きく揺れた。
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もう少ししたら、船底に空いた穴からの浸水で影響が出始めるだろう。
左手の使えない兄の代わりに、分割したコートを長いロープとして結び直していた子供も、不安げに船尾を見る。
だがすぐに手元に目を落とし、作業の続きを行う。
*****
ミトラが閉じ込められている岩屋が、内部から弾け飛ぶように爆発した。
破片がパラパラと雨と一緒に降り注ぐ。
そしてミトラも船尾を見た。立ち上がる黒煙、僅かにかしぐ船体。
そこへミトラに魔剣の鋭い思考。
“跳ねろ。横だ”
後ろを向いたミトラへ、すかさずコリーヴレッカンが雷を落とす。だが、魔剣の指示で真横へ跳ねて躱して、事無きを得た。
避けてすぐに兄を見る。子供と何か作業をしている。
よく分からないが、この船からの脱出を画策している事だけは理解した。
──逃すかよ。その脱出手段は俺のものだ!
兄へ再び突撃しようとしたミトラを牽制するかのように、コリーヴレッカンが口から何かを大量に放つ。
──ブレス? 何だこれ!?
甲板に食い込み突き立つソレは、大量の割れた貝殻の破片。
普通の人間が食らえば……いや、今の闇のオーラが尽きかかっているミトラも食らえば、身体がズタズタになるだろう。
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