ユメカナッ!!本編

冥クロハ

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異世界転移

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   異世界……それは自分たちが住んでいる世界とは異なる世界。あるかどうかなんて誰にも分からない。だからこそ、その魅力に取り憑かれるのかも知れない。そんな僕も異世界にもの凄く興味があって趣味で書いている物語は異世界に迷い込んでしまいその世界で生活をする話を書いているんだ。
僕の名前は南雲みらい。17歳の高校二年生。
    ある日の事、僕は学校の放課後いつもの様に図書室で物語を書いている。
「よう!みら、やっぱりここにいたのか?」
僕の背後からいつの間にかやってきて声をかけてきたのは僕の友人でもあり唯一無二の親友「黒闇らいと」だ。
「どうしたのさ?らいと?授業終わったのにいないからどこに行ったかと思ってたよ!」
「それが……な…聞くか?」
「ん~……たまには当てようかな?」
僕は「らいと」という大親友の事なら大体わかると自負している。
「えっとね……あ!あれかな?数学の林先生の授業中に頭の回転を良くするために皆DHAを取るべきって先生が言ったからってマグロの頭を持ってきてマグロの頭で味噌汁作り初めて騒いで怒られたあれかな?」
らいとは首を横に振ってる。ハズレか……。
「じゃあ、化学の実験の解剖のカエルを生き物を守れって言って学校中に逃がしたやつ!?」
「ブーー!チッチッチ!あれはマジ笑えたな!教頭のハゲ頭に乗っかって現国の佐藤が叩き落とそうとしてハゲ頭をパチーンって叩いて、しかも逃げられてるし!」
「確かにあれは笑ったけど教頭先生顔を真っ赤にして怒ってたじゃんか!」
「まあいいってことよ!次がラストだぜ!みら!」
僕は考えに考えた末に出た答えは……
「う~~ん……体育の脇田先生の女子の柔道の授業中に勝手に入っていって一本背負いで先生を気絶させたあれは?」
らいとは僕の席の前の椅子にドカりと座り僕をジーっと見てる……。
「あの時は、だな……あの変態野郎にイラッとしただけ……だ。」
「で?今日はどれで呼び出されたのさ?」
「教頭のズラをモップ代わりにして掃除しててバレた……。」
「………。」
「なんか言えよ……。」
そう言いながら、らいとは僕の書いていたノートを奪って読み始める。
「………。」
「ん?今回は……どお?」
ひとしきり、僕が書いていた作品を途中まで読むと、パンと音を立てノートを閉じる。僕はじっとらいとの反応を待ちゴクリと唾を飲み込む……。
「ふあ~~~!やっぱりみらの書く話はおもしれぇなあ!」
らいとはニコリと笑顔で僕に反応をくれる。
「でしょ、でしょう!?」
「おう!やっぱりあの主人公の二人の返しがいいよな?漫才師みたいなやり取り最高だし冒険もハラハラドキドキでさ!?」
そう……らいとは僕の作品のファンでいてくれるのだ!!
「あのさ…この物語の主人公は『僕』のつもりなんだよね…。」
「そうなのか?そう言われればそんな感じがするな?」
僕はちょっと恥ずかしいけどらいとにだから話したかった僕の思いがこの物語には詰まってるんだ。実際に物語のように知らない世界に行って冒険したり色々な種族の友達を作ったりそんな事が叶ったらどれだけ楽しいんだろう。
「らいとってさ?異世界の話とかって好きかなあ?」
「ん?俺か?………。」
らいとはそう言うと何故か質問に間を開けてくる。う~~どうなんだろ?ひかれたかな?僕の事おかしい奴とか思ったかな……僕はそんな事を考えてしまう。
「俺は……。」
僕はやっぱりいいや、と言おうとした時。
「異世界転移とか転生の話とかめっちゃ好きだぜ!」
「へ?……」
「あはははは!やっぱりみらをからかうとおもしれぇや!」
僕はからかって大笑いしてるらいとを見て顔が熱くなってくる。
「な!なんだよ!らいとも好きな話だったじゃんか!?」
僕は怒ってらいとの持ってるノートを取り上げる。
「もういいよ!らいとなんかにもう僕の物語の続き見せてやるもんか!?」
「わりいわりい!マジゴメンてみら!」
らいとは本気で謝ってる……のかな?僕はそう思ってらいとを見てるとふぅふぅと笑い過ぎて呼吸を整えてるとは……。
「大体らいとは……」
僕の言葉を片手で遮りらいとは真面目な顔をして語る。
「俺もな…実は異世界転生とか冒険ファンタジーだったり妖怪の世界とか好きなんだよな!」
「そうなの?」
大親友の意外な一面に驚いた。けど今まで確かにそんな話した事なかったかも……。
「好きだからこそ今までのみらの作品ずっと読んできたじゃねえか!?」
確かにその通りなんだけど僕にずっと気を使ってくれていたとばかり思ってたんだよね。
「って事は……そっかー、僕の作品ずっと追っかけてくれていたんだ。」
僕はついつい嬉しくなって話題を振ってしまう。
「僕はさ、今はこうしてらいとが友達になってくれて毎日楽しくすごせているけどさ…。書いてる作品の主人公は僕なんだよね?物語の中の僕は色んな種族の友人がいて剣も魔法なんかも使える勇者みたいな…僕の理想像で……あ!」
僕が我に返るとらいとはニコニコして僕を見てる。
「そっか!そんな世界…あったらいいな!」
らいとは呆れもせずにっこり笑顔で僕のノートに触れる。
「あ~あ……異世界転移したいな……。」
僕がつぶやくと……急に有り得ない突風が図書室内に吹き僕達が掴んでいたノートは手を離れ宙に舞い上がり光り出す!!僕の意識は光と共に失っていく………。

ユメカナっ!!本編第一話読んでいただきありがとうございました!
これまでの話と共によろしくお願いします。

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