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すずねのお宿
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僕達はすずねちゃんの村へと向かった。ドリームソレイユを出て西へと歩いていく僕達。道はどこに続いているのかは今の僕達には分からないけど進むしかない。
「ねえらいと!?」
「なんだ?みら?」
「すずねちゃんはさ…連れて来なくて良かったの?」
らいとは立ち止まるとふぅ~っと溜息をつき僕のおでこに指を突きつけてくる。
「いいかみら!?あんな幼い子に凄惨な現場かもしれない村を見せる必要はねえよ!」
「そう…だけど…さ。」
僕は生き別れたかもしれない母親とは会いたいだろうなと、どうしても思ってしまう。
「それにな…。」
「ん?それに…なにさ?」
「ん…もう着いた。」
「えっ?」
僕は立ち止まり気づくと辺りは森の中だった。らいとの後ろを歩いていたらいつの間にか森の入っていたみたい。そして目の前には小さな村が見えてきたんだ。
「あれ!?いつの間にか着いてたんだ。」
「ああ…みら気をつけろ。村に入るぞ…。」
こうして僕達は村に辿り着き門をくぐったんだ。
村は森の中にあり小さめで家は数十軒あるだろうか…少し奥に他の家よりは大きな宿屋があった。
「しかし…すずねは数時間前に逃げ出して来た感じだろ?」
「そうだよね…周りは荒れてる訳でもなく静かだね。」
僕達はすずねちゃんの家だと思われる宿屋の前に辿り着いたんだ…。すると中から女性の声が聞こえてきた。
「分かりました…。私一人で皆の命が助かるなら…。」
僕はこの声はすずねちゃんの母の声ではないかと推測する。
「らいと!この声は!?」
「ああ!入るぞ!!」
するとらいとはドアを思い切り蹴り開けたんだ
ドカッ!!!
「なんだお前ら!!?」
見るからに悪者に見える山賊達が叫ぶ。周りを見ると怪我をしている者。無傷だが悔し涙に震えている人。村の人達数人…そしてさっき聞こえて来た声の持ち主である女性はきっとすずねちゃんの母親だと思う。彼女は倒れて動かない男を庇っている。きっとすずねちゃんの父親なのだろう…。
「僕達はある人に頼まれてここに来たんだ!」
「えっ!?その子…って……?」
「はは…あんたはすずねの母親だろ!?」
僕達の言葉に彼女は口に手を当て震えながら涙を流し初めたんだ。
「すずね!?あの子は元気なんですか?」
「はい!無事今は保護されてますよ!」
するとすずねちゃんの母さんは泣きながら呟いた。
「良かった!本当にありがとうございます!」
「でもな……!」
らいとは、そう言うと僕とすずねちゃんの母親の前に立っている。
「安心して笑顔になるのはこいつらを倒してからだ!!」
らいとが叫ぶと山賊達はらいとと僕を取り囲む。各々が武器を手にしヘラヘラ笑っている。
するとその中のリーダーらしき人が話かけてきたんだ。
「おい!ガキども!俺達を分かってたてついてきてんのか?」
「ああ!さすがだな!よくわかってるじゃねえか!」
さすがらいと!こんな時でも大胆不敵だ。するとリーダーはプルプル震えていたが叫び出す!
「俺様の名前は山賊団『マウントラ』のリーダー【キューズ】様だ!!」
「ガキどもの出る幕はどこにもねえ!!」
キューズは思い切り叫んだ。僕達はこのムカつく奴らをどうしてやろうかと思っている。僕達は山賊達を睨んでいるとすずねちゃんの母さんが僕達と山賊の間に割って入ってきた。そして戦おうとしている僕達を制してくる。
「ん?どうしたんですか?」
「いえ…すずねが無事なら良かった。でもあなた達まで巻き込む訳にはいかないわ…。」
すずねちゃんの母親は僕達をも明らかに庇っている。
「おうおう!よく言ったぞ!やっぱりいい女だな。お前一人で俺もこの場は納めてやろうと思っていたからな!」
「でも…な…。こいつは……」
バキッ!!
山賊のリーダーは鋭い音をたてらいとを殴る。
「らいと!?」
僕とすずねちゃん母、そして村の人達が見てる中、リーダーの合図で山賊達はらいとをボコボコにしていく。
「もう、やめて!!」
すずねちゃんの母親は見ていられなかったんだろう…すずねちゃんの母親がそう叫ぶとバチッという音と共にらいとの身体が光る。すると取り囲んでいた山賊達は泡をふき気絶したんだ。
「あ~あ…だからやめとけば良かったのに…。」
僕の言葉にキューズはピクリと眉をしかめ反応する。
「なん…だと。」
キューズはプルプル震えると僕達を睨みつけ叫ぶ!
「おおおおっ!?お前ら!?俺をどうしても怒らせたいらしいなあ!!?」
叫ぶキューズ、でもこちらはらいとと僕がいる。負けないさ!僕達がそう思っているとそこにどこからともなく一羽の雀が迷い込んできたんだ。
「ママ!!お兄ちゃん達!!」
ポン!っていう音をたてすずねちゃんは獣人化をとく。
「すずね!」
「すずねちゃん!?」
「ママ!!??」
すずねちゃんはママと抱き合う。二人とも涙を流しながら再開を噛み締めあう。
「おう!お前ら!?よく俺様の邪魔をしてくれようとしてくれてんな!?」
「何言ってんだお前!山賊のリーダーだかなんだか知らねえけどお前は俺を怒らせたからな!覚悟しやがれ!?」
らいとが叫ぶとキューズは笑い出す。
「アッハッハッハッハッ!!笑わせてくれるな…うちの奴らをやったくらいで調子に乗ってるんだろう…。」
キューズは僕達の前までくると力を貯め始める!
「うりゃあ!!」
らいとの素早い攻撃!らいとの拳も蹴りもキューズを捉えまくる。キューズはらいとの攻撃を受け続ける。キューズはクラっとして崩れ落ちようとしている。
「トドメだ!!」
ドカッ!バキッ!という音を立てキューズは吹き飛んでいく。
ドガーン!!キューズの身体は積み重なっていた酒樽にぶつかり酒樽は粉々になる。
「やった!!」
僕は声をあげる。すずねちゃんもすずねちゃんの母も村人も歓喜の声をあげる。
「おおおおっ!?凄いぞ!」
「本当に…凄い……。」
「お兄ちゃん!やったね!」
でもらいとの顔色は変わらずキューズの吹き飛んでいった場所を見ている…。爆風が止み、そこには身体を獣人へと変化させた鼠の獣人キューズが立ちつくしていたのだった。
「うっ!?なにっ!?」
読んでいただきありがとうございました!!
壊滅したかに見えた山賊団。しかし……
どうなるみらいとらいと!
でも…負けるな!?
「ねえらいと!?」
「なんだ?みら?」
「すずねちゃんはさ…連れて来なくて良かったの?」
らいとは立ち止まるとふぅ~っと溜息をつき僕のおでこに指を突きつけてくる。
「いいかみら!?あんな幼い子に凄惨な現場かもしれない村を見せる必要はねえよ!」
「そう…だけど…さ。」
僕は生き別れたかもしれない母親とは会いたいだろうなと、どうしても思ってしまう。
「それにな…。」
「ん?それに…なにさ?」
「ん…もう着いた。」
「えっ?」
僕は立ち止まり気づくと辺りは森の中だった。らいとの後ろを歩いていたらいつの間にか森の入っていたみたい。そして目の前には小さな村が見えてきたんだ。
「あれ!?いつの間にか着いてたんだ。」
「ああ…みら気をつけろ。村に入るぞ…。」
こうして僕達は村に辿り着き門をくぐったんだ。
村は森の中にあり小さめで家は数十軒あるだろうか…少し奥に他の家よりは大きな宿屋があった。
「しかし…すずねは数時間前に逃げ出して来た感じだろ?」
「そうだよね…周りは荒れてる訳でもなく静かだね。」
僕達はすずねちゃんの家だと思われる宿屋の前に辿り着いたんだ…。すると中から女性の声が聞こえてきた。
「分かりました…。私一人で皆の命が助かるなら…。」
僕はこの声はすずねちゃんの母の声ではないかと推測する。
「らいと!この声は!?」
「ああ!入るぞ!!」
するとらいとはドアを思い切り蹴り開けたんだ
ドカッ!!!
「なんだお前ら!!?」
見るからに悪者に見える山賊達が叫ぶ。周りを見ると怪我をしている者。無傷だが悔し涙に震えている人。村の人達数人…そしてさっき聞こえて来た声の持ち主である女性はきっとすずねちゃんの母親だと思う。彼女は倒れて動かない男を庇っている。きっとすずねちゃんの父親なのだろう…。
「僕達はある人に頼まれてここに来たんだ!」
「えっ!?その子…って……?」
「はは…あんたはすずねの母親だろ!?」
僕達の言葉に彼女は口に手を当て震えながら涙を流し初めたんだ。
「すずね!?あの子は元気なんですか?」
「はい!無事今は保護されてますよ!」
するとすずねちゃんの母さんは泣きながら呟いた。
「良かった!本当にありがとうございます!」
「でもな……!」
らいとは、そう言うと僕とすずねちゃんの母親の前に立っている。
「安心して笑顔になるのはこいつらを倒してからだ!!」
らいとが叫ぶと山賊達はらいとと僕を取り囲む。各々が武器を手にしヘラヘラ笑っている。
するとその中のリーダーらしき人が話かけてきたんだ。
「おい!ガキども!俺達を分かってたてついてきてんのか?」
「ああ!さすがだな!よくわかってるじゃねえか!」
さすがらいと!こんな時でも大胆不敵だ。するとリーダーはプルプル震えていたが叫び出す!
「俺様の名前は山賊団『マウントラ』のリーダー【キューズ】様だ!!」
「ガキどもの出る幕はどこにもねえ!!」
キューズは思い切り叫んだ。僕達はこのムカつく奴らをどうしてやろうかと思っている。僕達は山賊達を睨んでいるとすずねちゃんの母さんが僕達と山賊の間に割って入ってきた。そして戦おうとしている僕達を制してくる。
「ん?どうしたんですか?」
「いえ…すずねが無事なら良かった。でもあなた達まで巻き込む訳にはいかないわ…。」
すずねちゃんの母親は僕達をも明らかに庇っている。
「おうおう!よく言ったぞ!やっぱりいい女だな。お前一人で俺もこの場は納めてやろうと思っていたからな!」
「でも…な…。こいつは……」
バキッ!!
山賊のリーダーは鋭い音をたてらいとを殴る。
「らいと!?」
僕とすずねちゃん母、そして村の人達が見てる中、リーダーの合図で山賊達はらいとをボコボコにしていく。
「もう、やめて!!」
すずねちゃんの母親は見ていられなかったんだろう…すずねちゃんの母親がそう叫ぶとバチッという音と共にらいとの身体が光る。すると取り囲んでいた山賊達は泡をふき気絶したんだ。
「あ~あ…だからやめとけば良かったのに…。」
僕の言葉にキューズはピクリと眉をしかめ反応する。
「なん…だと。」
キューズはプルプル震えると僕達を睨みつけ叫ぶ!
「おおおおっ!?お前ら!?俺をどうしても怒らせたいらしいなあ!!?」
叫ぶキューズ、でもこちらはらいとと僕がいる。負けないさ!僕達がそう思っているとそこにどこからともなく一羽の雀が迷い込んできたんだ。
「ママ!!お兄ちゃん達!!」
ポン!っていう音をたてすずねちゃんは獣人化をとく。
「すずね!」
「すずねちゃん!?」
「ママ!!??」
すずねちゃんはママと抱き合う。二人とも涙を流しながら再開を噛み締めあう。
「おう!お前ら!?よく俺様の邪魔をしてくれようとしてくれてんな!?」
「何言ってんだお前!山賊のリーダーだかなんだか知らねえけどお前は俺を怒らせたからな!覚悟しやがれ!?」
らいとが叫ぶとキューズは笑い出す。
「アッハッハッハッハッ!!笑わせてくれるな…うちの奴らをやったくらいで調子に乗ってるんだろう…。」
キューズは僕達の前までくると力を貯め始める!
「うりゃあ!!」
らいとの素早い攻撃!らいとの拳も蹴りもキューズを捉えまくる。キューズはらいとの攻撃を受け続ける。キューズはクラっとして崩れ落ちようとしている。
「トドメだ!!」
ドカッ!バキッ!という音を立てキューズは吹き飛んでいく。
ドガーン!!キューズの身体は積み重なっていた酒樽にぶつかり酒樽は粉々になる。
「やった!!」
僕は声をあげる。すずねちゃんもすずねちゃんの母も村人も歓喜の声をあげる。
「おおおおっ!?凄いぞ!」
「本当に…凄い……。」
「お兄ちゃん!やったね!」
でもらいとの顔色は変わらずキューズの吹き飛んでいった場所を見ている…。爆風が止み、そこには身体を獣人へと変化させた鼠の獣人キューズが立ちつくしていたのだった。
「うっ!?なにっ!?」
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壊滅したかに見えた山賊団。しかし……
どうなるみらいとらいと!
でも…負けるな!?
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