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桂さんの言葉に、一瞬降りた沈黙。
「……俺にもよくわからない。ゆうと二人で暮らしてるとかも、全く予想外だったしな。
でも……ゆうのお陰だな。多分」
みんなの目線が私に集まるのが痛い。
特に桂さん、、何故そんなにも目を細めているのですか??お、怒ってる?何で?
「っーか、俺変だと思ってたんだけどさ」
突然、赤髪のチャラ男の1人が席を立ち、私の方に歩いてきた。
え?!なに?!こっちに来るんかい!?
顎に手を当ててジッとしゃがんでいる私を見つめる。
「弟、って言ってなかったっけ?俺の勘違い?ブレザー着てたよな。寮に来た時」
ヒィー!そ、そうです。。アホで男の子のフリしていきました。だって怖かったんだもん!
「何?!そんなことがあったのか?詳しく話せ、ヒロ」
ヒロと呼ばれた双子の片割れは、やはりにーちゃんの取り巻きの一人だったようだ。
私が寮に来た時のことなんかをにーちゃんに説明している。
や、ヤバい。違う意味で嘘ついてたのがバレる!どうしよう!?このギャラリーの前で全部語るとか、どんな羞恥プレイ?!
「ユウくん、ちょっとお手洗いお借りしていいかな?」
説明を聞くにーちゃん、話す双子。
私もできればこの場から逃げたい!ので
「はい!こちらです」
ぴょんっと立ち上がって、桂さんを案内する。
ちょっと分かりにくいんだけど、玄関横に扉があって、開けると洗面所。その中にさらに扉があってトイレとお風呂で分かれているのだ。
洗面所の扉を開けて、トイレの扉を示す。
「ここです、どうぞ使ってください」
言うと、桂さんはそのまま私を洗面所の扉の中に押し込んだ。
え?
そのまま、桂さんは後手に扉を閉める。
洗面所兼脱衣所なので簡単な鍵がついてるんだけど、それもカチャリとかける音がした。
「え、桂さん、お手洗いは」
びっくりして見上げると、にこやかな瞳が何故か怖い。やっぱり何か怒ってる?!
「本当は何があったの?ユウくん、いや、ユウちゃん、か。俊に何かされなかった?大丈夫?」
しゃがんで目線を合わせるようにして、桂さんは優しく言った。
「な!何でそんな、何かされたとか……」
はあ、とため息をついて、やれやれと言わんばかりに桂さんは首を振る。
「俊は、君のことをすごく大事に想っている。それは知ってた。けど、記憶を失くした俊は……君を弟だと思い込んでいた。そして、君も不思議な事にそれを訂正していない。
弟で同性であるにも関わらず、僕と君が二人でいた時、俊はまるで嫉妬しているようだった。
妹、いや、女の子だとわかると……二人きりの空間で、記憶のない彼が何をしでかすか、なんとなく察しが付く。……押し倒された?何かされた?僕は、君が心配なんだ。俊は元に戻ったから良いとはいえ」
「桂さん……」
察しが付くってどういうことだ?!にーちゃんは昔から私のこと?!いやいや、んな馬鹿な。
嫉妬してたことなんてあった?
色々なツッコミが頭を駆け巡った。
けど、そんな私を桂さんは柔らかく抱きしめてくる。
その温もりに、ほとんど知らない人なのに、何かが緩んでしまった。私の中の。やばい耐えろ!この泣き虫!なんか最近男性の胸の中で泣いてばっかじゃないか?堪こらえるんだ!
だけど意思に反して弱すぎる私の瞳の筋力。
ホロっと、目から水が落ちた。そしてボロボロと続くそれは、どんどん桂さんの黒いシャツに染み込んでいく。申し訳ない。けどなんか、止められない。
「……にーちゃん、怖かった、です」
うぐっと、汚く鼻をすすりあげる。前にもこうやってこの腕の中で泣いたな、、と想い出しながら。
「にーちゃんは、にーちゃんのハズなのに。やっぱり違う人で、女の子じゃねーかって言われて……ヒック……私が悪いんだ、全部私が悪いんだけど……にーちゃんが、女、として私を見てるとか。考えたこともなくて。。こわ、怖かった」
落ち着かせるように、背中を優しく叩かれる。
「……どこまで?……とか訊いても大丈夫?返答次第では、僕はこのまま彼に殴りかかるかもしれない」
「え!?そんな、どこまでって、あの、えと、何故か突然押し倒されて、にーちゃんを思いっきり殴っちゃって。それで記憶戻ったって、いうそんな感じです」
質問にヒクッと涙が止まる。
「そう……」
頭上の声が暗く響くのになんでだか鳥肌が立った。
「……キス、くらいはされてそうだな」
ボソッとさらに低音で呟く声。
思わず身体が硬直してしまった。な、なんで?この人見てたのか?!
でも声は怖かったけど、私を撫でてくれている手はそのまま優しくて。
「ユウちゃん、俺のケータイ番号とアドレス教える。だから、何時でもいいから、怖くなったらすぐ、直ぐに連絡して欲しい」
「え……それってどういう」
涙で目が腫れぼったい。グシュグシュ鼻をすすりながら、私は顔を上げた。
真剣な黒い瞳に、こんな時なのに魅入られる。私が映ってる。綺麗な目。
「君のご両親は今も海外だろう?もし、君の同意なしに、俊が君に手を出そうとするなら、それは犯罪だ。いつでも僕が駆けつけて、友人である俊と、君を守る」
「桂さん……」
泣きながら握りしめてしまった桂さんのシャツ。まだ握ったままのそこに優しく彼の手が重ねられた。
「記憶が戻った俊なら、大丈夫だと思うけど。まさかこんな展開になると思わなかったから。……気がつかなくてゴメン」
「そ、そんな!悪いのは全部嘘ついた私ですから」
慌てて重ねられた手を退けようとすると、ぎゅっと強く握り締められた。
「いつでもいいから。僕を頼って。俊も何かの衝撃でまた倒れるかもしれないし」
君が心配なんだ。
……突然噛みつかれたりとか、謎の人すぎたけど。桂さん……すごいにーちゃんのことも、私のことも心配してくれてたんだ。耳に深く染み入る真剣な声に、知らずと私は頷いていた。
「ありがとうございます」
くしゃくしゃの私の髪に、柔らかくてあたたかいものが優しく触れた。
ん?何だ今の……?も、もしや唇!?も、もったいね!!もったいなすぎだよ!こんなちんちくりんに!
そして、呆然とする間もなく、急かされてポケットに入れていたスマホの番号を教え合う。
「おい、遅くないか?桂?ゆう?」
不意に廊下を歩く音がして、桂さんは音を立てずに鍵を開けた。
「ユウちゃんは顔を洗ってたんだよ。どうした?」
平然と出て行く桂さん。確かにこの顔は洗う必要がある。。パシャパシャと顔を洗い、口をゆすぐ。
なんか、スッキリして冷静になれたかも。
もし、にーちゃんが暴走しても、大丈夫。
きっと桂さんが助けてくれる。
スマホをギュッと握りしめて、リビングに戻る。私に気づいた双子の片方が
「まあ、何にせよ女で良かったよなー」
「ん?!」
どういう意味だ??変な顔をした私に彼は嬉しそうに言った。
「俊、男にしかキョーミねぇからさ!」
え?!何それ?!知らなかった!そうなの?公言してたの?だからあの取り巻きの数だったの!?
じゃあなんで私が迫られたんだ。
「おい、リヒト、止めろ」
うるさそうににーちゃんが手を上げて彼の発言を遮る。
「近所の女子高の女どもが煩くてな。断るためにそーゆーことにしといたワケ。
それよりゆう、後でいろいろ聞きたいことがあんだけど。覚悟しとけよ」
な、なんやそれ、、嘘かいな、、って私も嘘ついてたんだけどさ。そして後半コワイヨ!嫌な予感しかしないヨ!
びくびくする私を尻目に、彼らは手伝いをしに来たんだから何か手伝わせろと言い出した。
いきなり来た知らない人たちに一体何を手伝わせればいいのかわからず、とりあえず台所のお皿とお鍋を棚に入れて、彼らは帰って行った。
「ユウちゃん、いつでも。何があってもなくても、毎日待ってるから」
桂さんの優しい口調に、は!そうか、心配だから兄の現状報告も毎日せよというワケだな、と頷いていたら、小耳に挟んだ兄が
「は?何言ってんだ?桂」
こちらに動こうとした身体に双子がくっつく。うん、若干キモい。
「しゅーん!会えなくなるの寂しいー!またすぐ手伝いに来るから!!」
猛烈なアピールと、ヤメろ!と煩がる兄とが騒がしくなったので、私と桂さんはそのままにこやかに別れたのだった。
「……俺にもよくわからない。ゆうと二人で暮らしてるとかも、全く予想外だったしな。
でも……ゆうのお陰だな。多分」
みんなの目線が私に集まるのが痛い。
特に桂さん、、何故そんなにも目を細めているのですか??お、怒ってる?何で?
「っーか、俺変だと思ってたんだけどさ」
突然、赤髪のチャラ男の1人が席を立ち、私の方に歩いてきた。
え?!なに?!こっちに来るんかい!?
顎に手を当ててジッとしゃがんでいる私を見つめる。
「弟、って言ってなかったっけ?俺の勘違い?ブレザー着てたよな。寮に来た時」
ヒィー!そ、そうです。。アホで男の子のフリしていきました。だって怖かったんだもん!
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ヒロと呼ばれた双子の片割れは、やはりにーちゃんの取り巻きの一人だったようだ。
私が寮に来た時のことなんかをにーちゃんに説明している。
や、ヤバい。違う意味で嘘ついてたのがバレる!どうしよう!?このギャラリーの前で全部語るとか、どんな羞恥プレイ?!
「ユウくん、ちょっとお手洗いお借りしていいかな?」
説明を聞くにーちゃん、話す双子。
私もできればこの場から逃げたい!ので
「はい!こちらです」
ぴょんっと立ち上がって、桂さんを案内する。
ちょっと分かりにくいんだけど、玄関横に扉があって、開けると洗面所。その中にさらに扉があってトイレとお風呂で分かれているのだ。
洗面所の扉を開けて、トイレの扉を示す。
「ここです、どうぞ使ってください」
言うと、桂さんはそのまま私を洗面所の扉の中に押し込んだ。
え?
そのまま、桂さんは後手に扉を閉める。
洗面所兼脱衣所なので簡単な鍵がついてるんだけど、それもカチャリとかける音がした。
「え、桂さん、お手洗いは」
びっくりして見上げると、にこやかな瞳が何故か怖い。やっぱり何か怒ってる?!
「本当は何があったの?ユウくん、いや、ユウちゃん、か。俊に何かされなかった?大丈夫?」
しゃがんで目線を合わせるようにして、桂さんは優しく言った。
「な!何でそんな、何かされたとか……」
はあ、とため息をついて、やれやれと言わんばかりに桂さんは首を振る。
「俊は、君のことをすごく大事に想っている。それは知ってた。けど、記憶を失くした俊は……君を弟だと思い込んでいた。そして、君も不思議な事にそれを訂正していない。
弟で同性であるにも関わらず、僕と君が二人でいた時、俊はまるで嫉妬しているようだった。
妹、いや、女の子だとわかると……二人きりの空間で、記憶のない彼が何をしでかすか、なんとなく察しが付く。……押し倒された?何かされた?僕は、君が心配なんだ。俊は元に戻ったから良いとはいえ」
「桂さん……」
察しが付くってどういうことだ?!にーちゃんは昔から私のこと?!いやいや、んな馬鹿な。
嫉妬してたことなんてあった?
色々なツッコミが頭を駆け巡った。
けど、そんな私を桂さんは柔らかく抱きしめてくる。
その温もりに、ほとんど知らない人なのに、何かが緩んでしまった。私の中の。やばい耐えろ!この泣き虫!なんか最近男性の胸の中で泣いてばっかじゃないか?堪こらえるんだ!
だけど意思に反して弱すぎる私の瞳の筋力。
ホロっと、目から水が落ちた。そしてボロボロと続くそれは、どんどん桂さんの黒いシャツに染み込んでいく。申し訳ない。けどなんか、止められない。
「……にーちゃん、怖かった、です」
うぐっと、汚く鼻をすすりあげる。前にもこうやってこの腕の中で泣いたな、、と想い出しながら。
「にーちゃんは、にーちゃんのハズなのに。やっぱり違う人で、女の子じゃねーかって言われて……ヒック……私が悪いんだ、全部私が悪いんだけど……にーちゃんが、女、として私を見てるとか。考えたこともなくて。。こわ、怖かった」
落ち着かせるように、背中を優しく叩かれる。
「……どこまで?……とか訊いても大丈夫?返答次第では、僕はこのまま彼に殴りかかるかもしれない」
「え!?そんな、どこまでって、あの、えと、何故か突然押し倒されて、にーちゃんを思いっきり殴っちゃって。それで記憶戻ったって、いうそんな感じです」
質問にヒクッと涙が止まる。
「そう……」
頭上の声が暗く響くのになんでだか鳥肌が立った。
「……キス、くらいはされてそうだな」
ボソッとさらに低音で呟く声。
思わず身体が硬直してしまった。な、なんで?この人見てたのか?!
でも声は怖かったけど、私を撫でてくれている手はそのまま優しくて。
「ユウちゃん、俺のケータイ番号とアドレス教える。だから、何時でもいいから、怖くなったらすぐ、直ぐに連絡して欲しい」
「え……それってどういう」
涙で目が腫れぼったい。グシュグシュ鼻をすすりながら、私は顔を上げた。
真剣な黒い瞳に、こんな時なのに魅入られる。私が映ってる。綺麗な目。
「君のご両親は今も海外だろう?もし、君の同意なしに、俊が君に手を出そうとするなら、それは犯罪だ。いつでも僕が駆けつけて、友人である俊と、君を守る」
「桂さん……」
泣きながら握りしめてしまった桂さんのシャツ。まだ握ったままのそこに優しく彼の手が重ねられた。
「記憶が戻った俊なら、大丈夫だと思うけど。まさかこんな展開になると思わなかったから。……気がつかなくてゴメン」
「そ、そんな!悪いのは全部嘘ついた私ですから」
慌てて重ねられた手を退けようとすると、ぎゅっと強く握り締められた。
「いつでもいいから。僕を頼って。俊も何かの衝撃でまた倒れるかもしれないし」
君が心配なんだ。
……突然噛みつかれたりとか、謎の人すぎたけど。桂さん……すごいにーちゃんのことも、私のことも心配してくれてたんだ。耳に深く染み入る真剣な声に、知らずと私は頷いていた。
「ありがとうございます」
くしゃくしゃの私の髪に、柔らかくてあたたかいものが優しく触れた。
ん?何だ今の……?も、もしや唇!?も、もったいね!!もったいなすぎだよ!こんなちんちくりんに!
そして、呆然とする間もなく、急かされてポケットに入れていたスマホの番号を教え合う。
「おい、遅くないか?桂?ゆう?」
不意に廊下を歩く音がして、桂さんは音を立てずに鍵を開けた。
「ユウちゃんは顔を洗ってたんだよ。どうした?」
平然と出て行く桂さん。確かにこの顔は洗う必要がある。。パシャパシャと顔を洗い、口をゆすぐ。
なんか、スッキリして冷静になれたかも。
もし、にーちゃんが暴走しても、大丈夫。
きっと桂さんが助けてくれる。
スマホをギュッと握りしめて、リビングに戻る。私に気づいた双子の片方が
「まあ、何にせよ女で良かったよなー」
「ん?!」
どういう意味だ??変な顔をした私に彼は嬉しそうに言った。
「俊、男にしかキョーミねぇからさ!」
え?!何それ?!知らなかった!そうなの?公言してたの?だからあの取り巻きの数だったの!?
じゃあなんで私が迫られたんだ。
「おい、リヒト、止めろ」
うるさそうににーちゃんが手を上げて彼の発言を遮る。
「近所の女子高の女どもが煩くてな。断るためにそーゆーことにしといたワケ。
それよりゆう、後でいろいろ聞きたいことがあんだけど。覚悟しとけよ」
な、なんやそれ、、嘘かいな、、って私も嘘ついてたんだけどさ。そして後半コワイヨ!嫌な予感しかしないヨ!
びくびくする私を尻目に、彼らは手伝いをしに来たんだから何か手伝わせろと言い出した。
いきなり来た知らない人たちに一体何を手伝わせればいいのかわからず、とりあえず台所のお皿とお鍋を棚に入れて、彼らは帰って行った。
「ユウちゃん、いつでも。何があってもなくても、毎日待ってるから」
桂さんの優しい口調に、は!そうか、心配だから兄の現状報告も毎日せよというワケだな、と頷いていたら、小耳に挟んだ兄が
「は?何言ってんだ?桂」
こちらに動こうとした身体に双子がくっつく。うん、若干キモい。
「しゅーん!会えなくなるの寂しいー!またすぐ手伝いに来るから!!」
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