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「あれから5年……来る日も来る日も、教習所を卒業してからも威さんにアタックし続けた5年間、まさかこんなことが起きるなんて夢にも思わなかった……!」
「お、おい、桃。何をぶつぶつ言ってるんだ? 大丈夫か」
「大丈夫なわけないでしょー!? 威さんのそんなえっちな姿見せられて、普通でいられる人がいると思いますかっ!?」
若干キレ気味に言うと、「なぜ怒る……」と威さんが少しばかりしゅんとする。そんな姿も愛おしいが、今はそれどころではない。威さんの大事な場所を覆っている、その可愛らしい下着について問いたださなければ。
「これ、一体どうしたんですか!」
「あー……端的に言えば、間違えて買った」
「間違えて……!? そんな、お花の刺繍まで付いたラブリーでセクシーな下着をですか!? いつもは地味な色のパンツしか穿かない威さんが!?」
そう、いつもは私が「たまには柄物のパンツも買いましょうよ」と言ってみても「普通でいい」なんて言って、無地のボクサーパンツしか買わないのだ。色は大体黒で、たまにグレーや紺が混じるくらい。あんまり同じようなものばかり買うから、どれが新品なのか分からないほどなのである。
そんな威さんが、繊細な白いレース地で、腰の部分なんか紐ほどの太さしかないいやらしい下着を穿いているのだ。しかも、よくよく見てみればTバック。これを見て驚かないわけがない。
「いや、あの、これはネットで買って……間違えたというか」
「何をどうやったら間違えるんですか!? 何か隠してますよね!?」
「えーと、そのー……」
その巨躯を縮こませながら、ばつが悪そうに威さんがぼそぼそと話し出す。
「……桃に、と思って」
「はい? わたし?」
「ああ……ふと目に入って、たまには桃にこういう下着をつけてみてほしい、と、邪な考えが浮かんで……つい」
「え……それならどうして、威さんが穿いてるんですか」
「それが、届いて開けてみたら男性用だったんだ」
威さんがすっと目を伏せる。そして、大きなため息をついた。
「よく見てみたら、男性用セクシーランジェリーだとかで……間違いにはすぐ気付いたんだが、下着は返品できないらしく……」
「はあ」
「捨てようとしたんだが、これは穿いてみたら一体どうなるんだ? と、つい気になって……」
「試しにこっそり穿いてみたところに、ちょうど私が帰ってきてしまったということですか」
「そうだ」
なるほど。謎は解けた。
それにしても、いつも大人っぽくて落ち着いている威さんが「桃に着てほしい」なんて考えてえっちな下着を隠れて買っていたなんて。しかも、間違いに気付いてからも好奇心に勝てずついそれを穿いてしまうなんて。
「……威さん、かわいいっ!」
「なっ……! そ、そんなにからかわなくてもいいだろう! もう十分恥はかいた!!」
ほんのり頬を赤くした威さんが勢いよく立ち上がる。そして、この事件を引き起こした原因であるフリフリパンティーに手をかけた。
「えっ、もう脱いじゃうんですか!?」
「当たり前だろう! さっさと着替える!」
「えー、もうちょっと見たい……威さん、これってパンツだけですか? ブラジャーみたいなのは」
「あるわけないだろ!」
「なーんだ……それにしても、本当に可愛いですねえ」
改めて、威さんの下半身をまじまじと見つめる。むちむちと筋肉のついた太ももやお尻、それに彼の一番大事な場所がフリフリのレースで彩られている様子はなんとも新鮮だ。フロント部分には赤とピンクの花の刺繍が施されていて、大事なものはサテン生地でちゃんと隠れるようになっている。とは言え、薄い布に無理やり押さえ付けられている感は否めないが。
「お、おい、桃。何をぶつぶつ言ってるんだ? 大丈夫か」
「大丈夫なわけないでしょー!? 威さんのそんなえっちな姿見せられて、普通でいられる人がいると思いますかっ!?」
若干キレ気味に言うと、「なぜ怒る……」と威さんが少しばかりしゅんとする。そんな姿も愛おしいが、今はそれどころではない。威さんの大事な場所を覆っている、その可愛らしい下着について問いたださなければ。
「これ、一体どうしたんですか!」
「あー……端的に言えば、間違えて買った」
「間違えて……!? そんな、お花の刺繍まで付いたラブリーでセクシーな下着をですか!? いつもは地味な色のパンツしか穿かない威さんが!?」
そう、いつもは私が「たまには柄物のパンツも買いましょうよ」と言ってみても「普通でいい」なんて言って、無地のボクサーパンツしか買わないのだ。色は大体黒で、たまにグレーや紺が混じるくらい。あんまり同じようなものばかり買うから、どれが新品なのか分からないほどなのである。
そんな威さんが、繊細な白いレース地で、腰の部分なんか紐ほどの太さしかないいやらしい下着を穿いているのだ。しかも、よくよく見てみればTバック。これを見て驚かないわけがない。
「いや、あの、これはネットで買って……間違えたというか」
「何をどうやったら間違えるんですか!? 何か隠してますよね!?」
「えーと、そのー……」
その巨躯を縮こませながら、ばつが悪そうに威さんがぼそぼそと話し出す。
「……桃に、と思って」
「はい? わたし?」
「ああ……ふと目に入って、たまには桃にこういう下着をつけてみてほしい、と、邪な考えが浮かんで……つい」
「え……それならどうして、威さんが穿いてるんですか」
「それが、届いて開けてみたら男性用だったんだ」
威さんがすっと目を伏せる。そして、大きなため息をついた。
「よく見てみたら、男性用セクシーランジェリーだとかで……間違いにはすぐ気付いたんだが、下着は返品できないらしく……」
「はあ」
「捨てようとしたんだが、これは穿いてみたら一体どうなるんだ? と、つい気になって……」
「試しにこっそり穿いてみたところに、ちょうど私が帰ってきてしまったということですか」
「そうだ」
なるほど。謎は解けた。
それにしても、いつも大人っぽくて落ち着いている威さんが「桃に着てほしい」なんて考えてえっちな下着を隠れて買っていたなんて。しかも、間違いに気付いてからも好奇心に勝てずついそれを穿いてしまうなんて。
「……威さん、かわいいっ!」
「なっ……! そ、そんなにからかわなくてもいいだろう! もう十分恥はかいた!!」
ほんのり頬を赤くした威さんが勢いよく立ち上がる。そして、この事件を引き起こした原因であるフリフリパンティーに手をかけた。
「えっ、もう脱いじゃうんですか!?」
「当たり前だろう! さっさと着替える!」
「えー、もうちょっと見たい……威さん、これってパンツだけですか? ブラジャーみたいなのは」
「あるわけないだろ!」
「なーんだ……それにしても、本当に可愛いですねえ」
改めて、威さんの下半身をまじまじと見つめる。むちむちと筋肉のついた太ももやお尻、それに彼の一番大事な場所がフリフリのレースで彩られている様子はなんとも新鮮だ。フロント部分には赤とピンクの花の刺繍が施されていて、大事なものはサテン生地でちゃんと隠れるようになっている。とは言え、薄い布に無理やり押さえ付けられている感は否めないが。
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