61 / 77
第4章
5.戸惑い
しおりを挟む
ガチャンと派手な音を立てて、中身が入ったままのティーカップが机に転がった。慌ててそれを拾いあげるも、時すでに遅し。
判を押したばかりの書類に紅茶色の染みが広がっていくのを眺めながら、わたしは大きくため息をついた。
トーヤに告白を受けてから数日。
今までと同じように、自然にトーヤと向き合いたいのに、いざ本人を目の前にするとあの時のことを思い出してしまってどうにもぎこちなくなってしまう。そんなわたしにトーヤは苦笑いして、無理しなくていいから、と笑ってくれる。これではどちらが告白したのか分からない。
どうすれば自然に話せるのか、今までどうやってトーヤと接していただろうかと、ずっと一人で悶々と考えている。そのせいで、今のようにカップを取り落したり、書類を廊下にばらまいたり、挙句の果てには間違えて男子トイレに入ってしまう始末だ。後ろを歩いていたリサが慌てて止めてくれたからよかったものの、私生活に支障を来していることは確かである。
「はあ……普通に、自然にしたいのになぁ……」
一人ぼやいて、汚れてしまった書類を持って立ち上がる。またソウに謝りに行かなければ。
*
「ソウ、いるー?」
「ユキちゃん? うん、おるよー」
ドアの外から声をかけると、中からのんびりとしたソウの声が返ってきた。それに安心してドアを開けると、ソファでお菓子を片手にくつろいでいるソウがいた。
「……お仕事中、すみませんね」
「あら、もしかしてボク嫌味言われてる? ユキちゃんの分もあるし、怒らんといてぇな」
「そういう問題じゃありません。……けど、お菓子は頂きます」
「現金な子やなぁ」
隣に座ると、ソウが笑いながらクッキーを手渡してくれる。それをかじりながら、わたしは今日何度目か分からないため息をついた。
「どないしたん、ため息なんかついて」
「……ごめんなさい。またミスしちゃった」
言いながら、紅茶のせいでよれよれになった書類をソウに手渡す。それを受け取ると、ソウはけらけらと笑った。
今週に入って、こうして書類を駄目にしてしまったのは三度目だ。さして重要な書類ではないからまだ良かったものの、同じ失敗を何度も繰り返してしまう自分に嫌気がさす。
「珍しなぁ、ユキちゃんがこない続けてドジすんの。あ、もしかしてこれを口実にボクに会いたかったん?」
「……これでも、結構落ち込んでるんだからね」
「そない気にせんでええよ。ただ、ぼーっとして怪我だけはせんといてな」
「うん……ありがと」
優しく頭を撫でられて、少しだけ気分が和らいだ。
思えば、サウスに来たばかりの頃はソウと話す際も緊張していた。いつの間にかその緊張は消え去って、こうして自然と会話もできる。ただ、ふとしたときに胸が高鳴るのだけはどうしても止められないのだが。
「ねぇ、ソウ。ソウはわたしと話すとき緊張する?」
「緊張? そんなんするわけないやん」
「……そうね。ソウは誰と話すときも緊張しなさそうだもんね……」
「それ、褒めてくれてるん? ……まぁ、ユキちゃんが誰と話すときに緊張してるんかは知らんけど、そない気張らんでええんちゃう? 無理に顔合わす必要も、わざと避ける必要もないやろ」
「それは、分かってるんだけど……」
「……はぁ。ほんま、手ぇのかかる子やなぁ……」
「え? どういうこと?」
「なんでもあらへん。独り言や」
なぜかソウまでもがため息をつく。かと思うと、残っていたクッキーを丸ごと一枚口に放り込んでから、面倒そうに立ち上がった。
「さて、ボクもそろそろ仕事しよかな。宰相に急ぎでって言われた件、忘れとったわ」
「……本当に忘れてたの?」
「さあ? ほら、ユキちゃんがここにおったらいつまで経っても仕事に戻られへんわ。部屋戻ってお昼寝でもしとき」
「……ここにいたら、駄目? 邪魔しないから」
「あらら、なんや今日は甘えん坊さんやねぇ? そこまで言うんやったら、仕事なんてしてる場合ちゃうな。おいで、可愛がったげるわ」
「なっ……! もうっ! そういう意味で言ったんじゃないから! 失礼しますっ!」
空気が変わったのを敏感に察知して、わたしはそそくさとソウの部屋を後にする。なんだか一人でいるのが嫌でソウと同じ空間にいたかっただけなのに、危うく昼間から大声で言えないような目に遭うところだった。
仕方なく、とぼとぼと自分の部屋に向かうことにする。
「なんか、体よく追い出されたって感じ……」
城の中央にある大時計が、いつもと同じように鐘を鳴らしている。まだ針は三時を回ったところだ。
仕事も失敗こそしたものの終えてしまったし、いつも相手をしてくれるリサは連休を取って実家に帰省している最中だ。怪我も病気もないのにタカミのいる医務室に行くわけにもいかないし、庭師のカンジも今日は城に来ていない。
ソウに言われた通り部屋に戻って読書でもしていればいいのだが、今の状態では内容が頭に入ってくるはずもない。残る選択肢は、あと一つだ。
「……トーヤ、いるかな」
あの時以降、自分からトーヤに会いに行ったことはなかった。廊下でばったり行き会って挨拶をした程度だ。
その程度でも緊張して固まってしまう自分が嫌になって、今のような状態になっているのだが。前のわたしだったら、迷わずトーヤの部屋に向かっていたことだろう。
「もしかしたら、仕事でいないかもしれないし……行くだけ、行ってみようかな」
そう自分に言い聞かせて、方向を変えてトーヤの部屋を目指した。
判を押したばかりの書類に紅茶色の染みが広がっていくのを眺めながら、わたしは大きくため息をついた。
トーヤに告白を受けてから数日。
今までと同じように、自然にトーヤと向き合いたいのに、いざ本人を目の前にするとあの時のことを思い出してしまってどうにもぎこちなくなってしまう。そんなわたしにトーヤは苦笑いして、無理しなくていいから、と笑ってくれる。これではどちらが告白したのか分からない。
どうすれば自然に話せるのか、今までどうやってトーヤと接していただろうかと、ずっと一人で悶々と考えている。そのせいで、今のようにカップを取り落したり、書類を廊下にばらまいたり、挙句の果てには間違えて男子トイレに入ってしまう始末だ。後ろを歩いていたリサが慌てて止めてくれたからよかったものの、私生活に支障を来していることは確かである。
「はあ……普通に、自然にしたいのになぁ……」
一人ぼやいて、汚れてしまった書類を持って立ち上がる。またソウに謝りに行かなければ。
*
「ソウ、いるー?」
「ユキちゃん? うん、おるよー」
ドアの外から声をかけると、中からのんびりとしたソウの声が返ってきた。それに安心してドアを開けると、ソファでお菓子を片手にくつろいでいるソウがいた。
「……お仕事中、すみませんね」
「あら、もしかしてボク嫌味言われてる? ユキちゃんの分もあるし、怒らんといてぇな」
「そういう問題じゃありません。……けど、お菓子は頂きます」
「現金な子やなぁ」
隣に座ると、ソウが笑いながらクッキーを手渡してくれる。それをかじりながら、わたしは今日何度目か分からないため息をついた。
「どないしたん、ため息なんかついて」
「……ごめんなさい。またミスしちゃった」
言いながら、紅茶のせいでよれよれになった書類をソウに手渡す。それを受け取ると、ソウはけらけらと笑った。
今週に入って、こうして書類を駄目にしてしまったのは三度目だ。さして重要な書類ではないからまだ良かったものの、同じ失敗を何度も繰り返してしまう自分に嫌気がさす。
「珍しなぁ、ユキちゃんがこない続けてドジすんの。あ、もしかしてこれを口実にボクに会いたかったん?」
「……これでも、結構落ち込んでるんだからね」
「そない気にせんでええよ。ただ、ぼーっとして怪我だけはせんといてな」
「うん……ありがと」
優しく頭を撫でられて、少しだけ気分が和らいだ。
思えば、サウスに来たばかりの頃はソウと話す際も緊張していた。いつの間にかその緊張は消え去って、こうして自然と会話もできる。ただ、ふとしたときに胸が高鳴るのだけはどうしても止められないのだが。
「ねぇ、ソウ。ソウはわたしと話すとき緊張する?」
「緊張? そんなんするわけないやん」
「……そうね。ソウは誰と話すときも緊張しなさそうだもんね……」
「それ、褒めてくれてるん? ……まぁ、ユキちゃんが誰と話すときに緊張してるんかは知らんけど、そない気張らんでええんちゃう? 無理に顔合わす必要も、わざと避ける必要もないやろ」
「それは、分かってるんだけど……」
「……はぁ。ほんま、手ぇのかかる子やなぁ……」
「え? どういうこと?」
「なんでもあらへん。独り言や」
なぜかソウまでもがため息をつく。かと思うと、残っていたクッキーを丸ごと一枚口に放り込んでから、面倒そうに立ち上がった。
「さて、ボクもそろそろ仕事しよかな。宰相に急ぎでって言われた件、忘れとったわ」
「……本当に忘れてたの?」
「さあ? ほら、ユキちゃんがここにおったらいつまで経っても仕事に戻られへんわ。部屋戻ってお昼寝でもしとき」
「……ここにいたら、駄目? 邪魔しないから」
「あらら、なんや今日は甘えん坊さんやねぇ? そこまで言うんやったら、仕事なんてしてる場合ちゃうな。おいで、可愛がったげるわ」
「なっ……! もうっ! そういう意味で言ったんじゃないから! 失礼しますっ!」
空気が変わったのを敏感に察知して、わたしはそそくさとソウの部屋を後にする。なんだか一人でいるのが嫌でソウと同じ空間にいたかっただけなのに、危うく昼間から大声で言えないような目に遭うところだった。
仕方なく、とぼとぼと自分の部屋に向かうことにする。
「なんか、体よく追い出されたって感じ……」
城の中央にある大時計が、いつもと同じように鐘を鳴らしている。まだ針は三時を回ったところだ。
仕事も失敗こそしたものの終えてしまったし、いつも相手をしてくれるリサは連休を取って実家に帰省している最中だ。怪我も病気もないのにタカミのいる医務室に行くわけにもいかないし、庭師のカンジも今日は城に来ていない。
ソウに言われた通り部屋に戻って読書でもしていればいいのだが、今の状態では内容が頭に入ってくるはずもない。残る選択肢は、あと一つだ。
「……トーヤ、いるかな」
あの時以降、自分からトーヤに会いに行ったことはなかった。廊下でばったり行き会って挨拶をした程度だ。
その程度でも緊張して固まってしまう自分が嫌になって、今のような状態になっているのだが。前のわたしだったら、迷わずトーヤの部屋に向かっていたことだろう。
「もしかしたら、仕事でいないかもしれないし……行くだけ、行ってみようかな」
そう自分に言い聞かせて、方向を変えてトーヤの部屋を目指した。
0
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
下賜されまして ~戦場の餓鬼と呼ばれた軍人との甘い日々~
イシュタル
恋愛
王宮から突然嫁がされた18歳の少女・ソフィアは、冷たい風の吹く屋敷へと降り立つ。迎えたのは、無愛想で人嫌いな騎士爵グラッド・エルグレイム。金貨の袋を渡され「好きにしろ」と言われた彼女は、侍女も使用人もいない屋敷で孤独な生活を始める。
王宮での優雅な日々とは一転、自分の髪を切り、服を整え、料理を学びながら、ソフィアは少しずつ「夫人」としての自立を模索していく。だが、辻馬車での盗難事件や料理の失敗、そして過労による倒れ込みなど、試練は次々と彼女を襲う。
そんな中、無口なグラッドの態度にも少しずつ変化が現れ始める。謝罪とも言えない金貨の袋、静かな気遣い、そして彼女の倒れた姿に見せた焦り。距離のあった二人の間に、わずかな波紋が広がっていく。
これは、王宮の寵姫から孤独な夫人へと変わる少女が、自らの手で居場所を築いていく物語。冷たい屋敷に灯る、静かな希望の光。
⚠️本作はAIとの共同製作です。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる