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来訪
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エルリィスはその日、不思議な夢を見た。
本来なら、決して見る筈の無い夢だった。 場所はいつもの自分の部屋、もとい牢獄で、見知らぬ少年に出会った。
「あなたは・・・・・・誰?」
エルリィスよりも五つ位は年下に見える少年で黒い髪に黒い瞳・・・・・・良く見ようとして視界はボヤけた。
「僕の名は----と言います。驚いた。君は--夢が----ですね。」
その夢はいつもの様に鮮明な夢では無く、酷いモザイクとノイズが掛かった様な夢だった。
二事三言言葉を交わすと次第に視界が薄れていった。エルリィスはこの感覚を良く知っていた。
「待って、まだ聞きたい事がっ」
エルリィスは消えかけていく少年に手を伸ばした。
「また、--内に・・・・・・お会い--よ。--なら、夢見の--さん・・・・・・」
エルリィスはふと目が覚めた。
耳を澄ませると鳥の声も聞こえず、城は静かで皆寝静まっている夜中なのだと分かった。エルリィスは聴覚に集中してもう少し遠くまで音を拾うと城門付近から衛兵達足音や声が聞こえた。何を言っているかまでは聞こえなかったが、いつもより唯ならぬ様子なのが分かった。何があったかは容易に想像が付いたので特に気に留める事はなかった。
エルリィスはあの不思議な夢を思い返した。何故あんな夢を見たのか。普段ならもっと鮮明でオルディンの事に関する夢を見る筈なのに。あの少年と何か話をした気もするが良く思い出せない。うたた寝をしてしまったからなのか・・・・・・。エルリィスは色々思案するものの、出口の無い迷路に放り込まれたかの様に答えは出なかった。
エルリィスが出口を探すのを諦め、もう一度眠ろうとした時だった。
「誰っ!?」
鉄格子の向う側に何者かの気配を感じていた。エルリィス衛兵ではないと確信していた。衛兵ならばいつもの様に遠くの方から足音が聞こえて段々と近づくのが分かる。だが、その足音が無かった。その何者かは足音を消して俊敏にエルリィス居る牢屋に忍び寄ったと考えられた。
「お前が夢見の巫女か?」
エルリィスは声を掛けられ心臓が飛び上がった。年若そうな男の声で、静かで、他の感情は読み取れなかった。そして、その声をどこかで聞いたことがあるような気もした。取り敢えず、男との間にある牢屋が皮肉にもエルリィスを守る壁となっていた。
男の声に敵意は感じられないが、エルリィスは警戒を緩めることなく男の問いに沈黙を貫いた。
「だんまりか、まあいい、俺はお前の敵ではない。今の所は・・・・・・な」
「え・・・・・・? あなたは一体何者なの?」
敵ではないならなんだと言うのか。こんな所にまで侵入出来るなんてまず一般人ではないのは確かだとエルリィスは思った。
「あんたは夢で未来を知る事が出来るんだろ? だったら俺の事も知っていると思ったが? 夢で俺を見たんだろう? 」
エルリィスはやっと男が誰なのかに気が付いた。
「あなたは・・・・・・まさかあの時の暗殺者?」
よく思い出してみればあの時夢で聞いた声質が確かにこの男のものと一緒だった。
「・・・・・・ご名答」
「そう、あなたが・・・・・・、もし、あなたに出会う事があれば言おうと思っていた事があるの。ありがとう」
エルリィスは微笑み、男は面食らった。
「何故礼を? 俺はお前にとって犯罪者という存在なのだろう?」
「だって、あの時、あなたわざとジムナートの訛りを使ったでしょ? だから私はオルディンに殺されずに済んだし、あの側近も助かった。それから、あなたがジムナート人のフリをする事で、とても沢山の命が救われた。だから、あの時私にヒントをくれてありがとう」
もしも、あの時ジムナートなど、とうの昔に滅びた国ではなく、今も現存する国の訛りならオルディンの事だ、躍起になってその国に喧嘩を売り、あっという間に戦争の始まりだ。訛りがなければ側近の命も自分の命も無かった。今もオルディンは世界に何人生き残っているかも分からないジムナートの民を無駄に探しているのだろう。
エルリィス答えに男は小さな笑い声を漏らした。
「上等だ。会いに来た甲斐があった様だ」
「でも、何故私が夢見の巫女だと分かったの? こんな檻の中に居て、こんな格好だし、どう見ても囚人にしか見えないと思うけれど」
エルリィスは自分の腕に付いた枷を見せる様に揺らして見せた。
「簡単な事だ。この城の牢屋と言えば二つ。まず、地下牢が有るがほとんど空だ。まぁ、オルディンは短気だからな、閉じ込めて飼うよりもすぐに処刑する方が好きなんだろうが。そしてもう一つがここの北の塔の天辺にある牢屋だ。牢獄に居たのはおまえだけだ。今日、騒ぎを起こして兵達はまだ城下町で俺を探し回っている。牢屋の警備はいつも以上に手薄だが、この塔の方が兵の数が多い、となれば答えは明白だ。そして・・・・・・」
男はエルリィスの方を見た。
「あんた、もう少し近くに来てくれないか」
「えっ」
エルリィスは男にそう言われ戸惑った。
「安心しろ、取って食いやしない」
わざとジムナートの訛りを使うくらいだ。きっと悪い人ではない。エルリィスはそう考え、男の居る鉄格子に近づいた。
「やはりな」
エルリィスは酷く狼狽した。男が鉄格子の隙間から手を伸ばし、エルリィスの頭に手を触れたからだった。正確にはエルリィスの頭に着いている物に触れていた。
「普通の囚人にはこんな物は付けない。囚人全員に付けるとしたらいくら金があっても足りない位だ。それ一つで城が一つ買える」
男はそれを良く見ようとエルリィスの頭をくりくりと角度を変え観察した。牢屋の中には灯はなく、廊下に一定の間隔に配置されているランプを頼りに男は目を凝らした。
「も、もう離してっ」
エルリィスは人形の様に頭を捻くり回された事に腹が立ち男から離れた。
「おっと、気に触ったか? それは恐らく呪具だろう? ヘルゲイム家の高等魔術か」
男の言うそれは、厚みのある黒鉄色の金属で、鉢巻の様な形状をしていて額から両目を覆う幅があり、真ん中には丸い輪の中に禍々しい目の模様を中心に棘のある蔦で縁取られた六芒星の紋章、後ろにはまた同じ紋章があり、その中心に鍵穴がある代物だった。
「ええ、そうよ。あなたの言う通り私は呪われている。この呪具がある限り私はこの城から出られない。城から出たり、無理に外そうとすれば呪いで死ぬ」
「俺が知ってるのは目を覆う程ではなかった筈だが、どうやら巫女様用に改良されている様だな。目を見えなくする利点はなんだ? 予言の能力に関わる事か・・・・・・」
エルリィスは頭の呪具にそっと手を触れて言った。
「良く知っているのね。私の予知夢の力は寝る前に一番最後に見た人を中心に夢を見る事が出来るの」
オルディンの元に連れて来られてからすぐにエルリィスはこの呪具を着けられた。
オルディンが遠征等で城を離れ、エルリィスと顔を合わせなくても未来を知る事が出来るようにする為だ。
「なるほどな、俺がここに来る事をあんたの反応からは何も知らない様子だった。おまえ自身についての事は予知出来なかった理由はそういうことか」
「ええ、夢の中で自分について見ようと思えば出来るけれど、オルディンに起こる事を毎日報告しなければならないから」
エルリィスにとってこの日課は欠かせないものだった。もしも、予知出来ず何かあろうものなら命は無い。そしてエルリィスはある事に気が付いた。
「あああっ、こうしてる場合じゃなかった! 早く寝ないと、夢を見ないと殺される」
エルリィスは慌てて外の音を拾う為窓に近寄った。
「まだ朝鳥の鳴き声は聞こえない・・・・・・今ならまだなんとかなるかな」
「そうだな、あと三時間程度で朝が来るだろう」
「も、もうそんな時間なの? ああ、どうしよう。と、とにかく、私はもう寝ないとだから・・・・・・私に何か用があったのかもしれないけど、ごめんなさい」
「いや、充分だ」
いそいそと寝る準備をしていたエルリィスの手が止まった。男の言葉は別れを意味していた。男がそう言うのなら、きっともう会う事はないのだろう。エルリィスの中で良く分からない感情が生まれていた。
「そう言えば、あんたの名前をまだ聞いていなかったな」
「え? 名前・・・・・・?」
エルリィスには男が何故名など聞くのか理解出来なかった。いつも城の人間には夢見の巫女と呼ばれ続けていて自分の名前を呼ぶ者は居なかった。エルリィスの価値はエルリィスに無く、夢見の巫女としか求められてはいない。だから誰も名を必要としなかった。
「言いたくなければ良いが、ずっとあんたとか、お前とかって呼ぶ事になるぞ」
「あ、あなただってまだ名乗ってないわ。私だって、あなたの事あなたとか、暗殺者さんって呼んじゃうんだから」
やれやれ、と男は嘆息を付いた。
「暗殺者はやめてもらおうか。アルフだ」
「アルフ・・・・・・」
エルリィスは初めて友達が出来たかの様に嬉しくなり顔が綻んだ。
「ほら、今度はそっちの番だ」
「エルリィスよ。その・・・・・・、また、会える?」
アルフの先程の『ずっと』という言葉の意図をエルリィスは考えた。この先、名前を呼んでくれる機会があるのだろうか。
「・・・・・・ああ、俺の事を秘密にしていられたらな。じゃあな、エルリィス」
アルフはそう言ってエルリィスの前から闇に溶けるかの様に素早く姿を消した。
エルリィスはアルフの気配が目の前からしなくなり、床に就いた。
「どうしよう・・・・・・」
エルリィスは小さく呟いた。暫くは嬉しさと寂しさが毒の様に胸を回ってすぐには眠りにつけそうになかった。
本来なら、決して見る筈の無い夢だった。 場所はいつもの自分の部屋、もとい牢獄で、見知らぬ少年に出会った。
「あなたは・・・・・・誰?」
エルリィスよりも五つ位は年下に見える少年で黒い髪に黒い瞳・・・・・・良く見ようとして視界はボヤけた。
「僕の名は----と言います。驚いた。君は--夢が----ですね。」
その夢はいつもの様に鮮明な夢では無く、酷いモザイクとノイズが掛かった様な夢だった。
二事三言言葉を交わすと次第に視界が薄れていった。エルリィスはこの感覚を良く知っていた。
「待って、まだ聞きたい事がっ」
エルリィスは消えかけていく少年に手を伸ばした。
「また、--内に・・・・・・お会い--よ。--なら、夢見の--さん・・・・・・」
エルリィスはふと目が覚めた。
耳を澄ませると鳥の声も聞こえず、城は静かで皆寝静まっている夜中なのだと分かった。エルリィスは聴覚に集中してもう少し遠くまで音を拾うと城門付近から衛兵達足音や声が聞こえた。何を言っているかまでは聞こえなかったが、いつもより唯ならぬ様子なのが分かった。何があったかは容易に想像が付いたので特に気に留める事はなかった。
エルリィスはあの不思議な夢を思い返した。何故あんな夢を見たのか。普段ならもっと鮮明でオルディンの事に関する夢を見る筈なのに。あの少年と何か話をした気もするが良く思い出せない。うたた寝をしてしまったからなのか・・・・・・。エルリィスは色々思案するものの、出口の無い迷路に放り込まれたかの様に答えは出なかった。
エルリィスが出口を探すのを諦め、もう一度眠ろうとした時だった。
「誰っ!?」
鉄格子の向う側に何者かの気配を感じていた。エルリィス衛兵ではないと確信していた。衛兵ならばいつもの様に遠くの方から足音が聞こえて段々と近づくのが分かる。だが、その足音が無かった。その何者かは足音を消して俊敏にエルリィス居る牢屋に忍び寄ったと考えられた。
「お前が夢見の巫女か?」
エルリィスは声を掛けられ心臓が飛び上がった。年若そうな男の声で、静かで、他の感情は読み取れなかった。そして、その声をどこかで聞いたことがあるような気もした。取り敢えず、男との間にある牢屋が皮肉にもエルリィスを守る壁となっていた。
男の声に敵意は感じられないが、エルリィスは警戒を緩めることなく男の問いに沈黙を貫いた。
「だんまりか、まあいい、俺はお前の敵ではない。今の所は・・・・・・な」
「え・・・・・・? あなたは一体何者なの?」
敵ではないならなんだと言うのか。こんな所にまで侵入出来るなんてまず一般人ではないのは確かだとエルリィスは思った。
「あんたは夢で未来を知る事が出来るんだろ? だったら俺の事も知っていると思ったが? 夢で俺を見たんだろう? 」
エルリィスはやっと男が誰なのかに気が付いた。
「あなたは・・・・・・まさかあの時の暗殺者?」
よく思い出してみればあの時夢で聞いた声質が確かにこの男のものと一緒だった。
「・・・・・・ご名答」
「そう、あなたが・・・・・・、もし、あなたに出会う事があれば言おうと思っていた事があるの。ありがとう」
エルリィスは微笑み、男は面食らった。
「何故礼を? 俺はお前にとって犯罪者という存在なのだろう?」
「だって、あの時、あなたわざとジムナートの訛りを使ったでしょ? だから私はオルディンに殺されずに済んだし、あの側近も助かった。それから、あなたがジムナート人のフリをする事で、とても沢山の命が救われた。だから、あの時私にヒントをくれてありがとう」
もしも、あの時ジムナートなど、とうの昔に滅びた国ではなく、今も現存する国の訛りならオルディンの事だ、躍起になってその国に喧嘩を売り、あっという間に戦争の始まりだ。訛りがなければ側近の命も自分の命も無かった。今もオルディンは世界に何人生き残っているかも分からないジムナートの民を無駄に探しているのだろう。
エルリィス答えに男は小さな笑い声を漏らした。
「上等だ。会いに来た甲斐があった様だ」
「でも、何故私が夢見の巫女だと分かったの? こんな檻の中に居て、こんな格好だし、どう見ても囚人にしか見えないと思うけれど」
エルリィスは自分の腕に付いた枷を見せる様に揺らして見せた。
「簡単な事だ。この城の牢屋と言えば二つ。まず、地下牢が有るがほとんど空だ。まぁ、オルディンは短気だからな、閉じ込めて飼うよりもすぐに処刑する方が好きなんだろうが。そしてもう一つがここの北の塔の天辺にある牢屋だ。牢獄に居たのはおまえだけだ。今日、騒ぎを起こして兵達はまだ城下町で俺を探し回っている。牢屋の警備はいつも以上に手薄だが、この塔の方が兵の数が多い、となれば答えは明白だ。そして・・・・・・」
男はエルリィスの方を見た。
「あんた、もう少し近くに来てくれないか」
「えっ」
エルリィスは男にそう言われ戸惑った。
「安心しろ、取って食いやしない」
わざとジムナートの訛りを使うくらいだ。きっと悪い人ではない。エルリィスはそう考え、男の居る鉄格子に近づいた。
「やはりな」
エルリィスは酷く狼狽した。男が鉄格子の隙間から手を伸ばし、エルリィスの頭に手を触れたからだった。正確にはエルリィスの頭に着いている物に触れていた。
「普通の囚人にはこんな物は付けない。囚人全員に付けるとしたらいくら金があっても足りない位だ。それ一つで城が一つ買える」
男はそれを良く見ようとエルリィスの頭をくりくりと角度を変え観察した。牢屋の中には灯はなく、廊下に一定の間隔に配置されているランプを頼りに男は目を凝らした。
「も、もう離してっ」
エルリィスは人形の様に頭を捻くり回された事に腹が立ち男から離れた。
「おっと、気に触ったか? それは恐らく呪具だろう? ヘルゲイム家の高等魔術か」
男の言うそれは、厚みのある黒鉄色の金属で、鉢巻の様な形状をしていて額から両目を覆う幅があり、真ん中には丸い輪の中に禍々しい目の模様を中心に棘のある蔦で縁取られた六芒星の紋章、後ろにはまた同じ紋章があり、その中心に鍵穴がある代物だった。
「ええ、そうよ。あなたの言う通り私は呪われている。この呪具がある限り私はこの城から出られない。城から出たり、無理に外そうとすれば呪いで死ぬ」
「俺が知ってるのは目を覆う程ではなかった筈だが、どうやら巫女様用に改良されている様だな。目を見えなくする利点はなんだ? 予言の能力に関わる事か・・・・・・」
エルリィスは頭の呪具にそっと手を触れて言った。
「良く知っているのね。私の予知夢の力は寝る前に一番最後に見た人を中心に夢を見る事が出来るの」
オルディンの元に連れて来られてからすぐにエルリィスはこの呪具を着けられた。
オルディンが遠征等で城を離れ、エルリィスと顔を合わせなくても未来を知る事が出来るようにする為だ。
「なるほどな、俺がここに来る事をあんたの反応からは何も知らない様子だった。おまえ自身についての事は予知出来なかった理由はそういうことか」
「ええ、夢の中で自分について見ようと思えば出来るけれど、オルディンに起こる事を毎日報告しなければならないから」
エルリィスにとってこの日課は欠かせないものだった。もしも、予知出来ず何かあろうものなら命は無い。そしてエルリィスはある事に気が付いた。
「あああっ、こうしてる場合じゃなかった! 早く寝ないと、夢を見ないと殺される」
エルリィスは慌てて外の音を拾う為窓に近寄った。
「まだ朝鳥の鳴き声は聞こえない・・・・・・今ならまだなんとかなるかな」
「そうだな、あと三時間程度で朝が来るだろう」
「も、もうそんな時間なの? ああ、どうしよう。と、とにかく、私はもう寝ないとだから・・・・・・私に何か用があったのかもしれないけど、ごめんなさい」
「いや、充分だ」
いそいそと寝る準備をしていたエルリィスの手が止まった。男の言葉は別れを意味していた。男がそう言うのなら、きっともう会う事はないのだろう。エルリィスの中で良く分からない感情が生まれていた。
「そう言えば、あんたの名前をまだ聞いていなかったな」
「え? 名前・・・・・・?」
エルリィスには男が何故名など聞くのか理解出来なかった。いつも城の人間には夢見の巫女と呼ばれ続けていて自分の名前を呼ぶ者は居なかった。エルリィスの価値はエルリィスに無く、夢見の巫女としか求められてはいない。だから誰も名を必要としなかった。
「言いたくなければ良いが、ずっとあんたとか、お前とかって呼ぶ事になるぞ」
「あ、あなただってまだ名乗ってないわ。私だって、あなたの事あなたとか、暗殺者さんって呼んじゃうんだから」
やれやれ、と男は嘆息を付いた。
「暗殺者はやめてもらおうか。アルフだ」
「アルフ・・・・・・」
エルリィスは初めて友達が出来たかの様に嬉しくなり顔が綻んだ。
「ほら、今度はそっちの番だ」
「エルリィスよ。その・・・・・・、また、会える?」
アルフの先程の『ずっと』という言葉の意図をエルリィスは考えた。この先、名前を呼んでくれる機会があるのだろうか。
「・・・・・・ああ、俺の事を秘密にしていられたらな。じゃあな、エルリィス」
アルフはそう言ってエルリィスの前から闇に溶けるかの様に素早く姿を消した。
エルリィスはアルフの気配が目の前からしなくなり、床に就いた。
「どうしよう・・・・・・」
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