10 / 20
10 ガイストって何でしょうか?
しおりを挟む「タツチキ・・・入るしかないわね」
エレノアさんが言います。
「やめましょうよ、エレノアさん」
「何いってんのタツキチ!」
「でも、ココ入ったら、戻った人はいないんですよ?」
「それじゃ、あの落っこちた人はどうすんのよ?」
「仕方ないんじゃないんですか?
自分から落ちたんだし」
「ちょっとあなた!何言ってるのよ!
それに、なんとかっていう宝石を取ってこなくちゃダメなのよ!」
「そっか・・・」
「そ、そうよ・・・」
「・・・じゃ、どうぞ」
「え?」
「お先に、どうぞ」
「なに言ってんのよ!タツキチ!
あなたが先に入るのよ!」
「えー、そうなんですか?」
「そ、そうよ・・・あなた、勇者なんでしょ?」
「違いますよ」
「でも、この世界では、あなたは勇者よ」
「この世界でも僕はアルバイトです」
「いいわ!それじゃ、手をつないで一緒に行くわよ!」
「一緒にって、穴が小さいから入れな、」
「とりゃー!!」
そう叫ぶエレノアさんが僕の手を取って足から穴に飛び込むと吸い込まれていきます。
スーーーという感じです。
穴が小さく、僕はエレノアさんと手をつないでいるので必然的に頭から吸い込まれます。
水泳の飛び込み選手の感じです。
スーーーという無重力の感じがしたと思った瞬間、
ドスッと地面に着きます。
体感は低めのベッドから落ちた感じです。
30センチぐらいです。
ですがそこは地下の巨大空間です。
そしてなぜか薄明るいです。
天井は高すぎて見えません。
「エレノアさん・・・ここは?」
僕が尋ねると、エレノアさんが辺りを見回します。
「ここって、鉱山じゃないわ・・・」
「なんですかね?」
「わからないわ・・・」
僕たちが呆然としていると、
「タ!タツキチ!!」
さっき穴に落ちたキャサリンさんが駆け寄ってきます。
「キャサリンさん、大丈夫ですか?」
僕がキャサリンさんに問いかけます。
「大丈夫よ。あなた、私を助けるために穴に入ったの?」
キャサリンさんが、すがる様な目で顔を近づけます。
ですから僕は、
「はい。そうです」
と答えます。
エレノアさんがギロッと僕を見ます。
「そう、ありがとう」
キャサリンさんが、すがる様な目で見つめてきます。
「あの~キャサリンさん。ここって何です?」
僕が周りを小さく指差します。
「たぶん、地下の遺跡ね」
「遺跡?」
「そう、伝説でしか聞いたことなかったけど、本当にあったのね・・・」
「何の遺跡なんですか?」
「巨神族の遺跡よ」
「巨神族?」
「そう、巨人の国よ。
その昔、巨人たちの住む国があって、何らかの原因で一瞬にして地下に埋まったという伝説があるの」
「へぇー、そうなんですね」
ま、そんなことより、僕はこっちの方が気になりますね。
「あの~キャサリンさん、僕たちが入った穴はどこにあるんですか?」
僕が上を見上げて言います。
「あの穴は異空間の入り口よ」
「異空間?」
「そう、私たちの街、マモノースの入り口と同じよ。
入ると別の空間に飛ぶの」
「はぁ・・・で、コレって、どこから出るんですか?」
「分からないわ」
「わからない・・・」
「そう」
これ、あれですね。
出れないヤツですね。
そして僕はもう一つ質問があります。
「あの~キャサリンさん、ココどうして明るいんですか?」
「光虫パウダーが飛んでるのよ」
「光虫パウダー?」
「光虫という光る虫がいるの。
その虫の死骸が風化して粉末になって空気中を舞ってるのよ」
「人が吸い込んでも大丈夫なんですか?」
「害はないわ」
「そうなんですね」
「それより、タツチキ」
「はい」
「あなたに聞きたいことがあるの」
「なんでしょう?」
これ、きっとエレノアさんの事、ですよね。
「エレノアのことよ」
ね、やっぱりそうですよね。
「私、エレノアっていう妹がいるの・・・
いや、いたの・・・」
「はい」
「一年ぐらい前に突然、姿を消したの」
「はぁ、そうですか」
「私、妹を見つけるまで、絶対に諦めないって誓ったの。
でもね、正直もう会えないんじゃないかって、心が折れそうになる時もあるのよ」
「はい」
「それで、最近ガイスト鉱山の周辺で幽霊が多く目撃されているって噂があって、
そのタイミングでタツキチ、あなたがエレノアの名前を口にしたから、
私てっきり・・・」
「そうだったんですね」
「で、エレノアは今どこにいるの?」
「タツキチ!いないって言って!」
え?
僕の横でエレノアさんが食い気味で言います。
「あ、今はいません・・・」
「そ、そうなの・・・」
キャサリンさんがしょんぼりとうつむきます。
「はい。
それに僕がさっき話していたのは、キャサリンさんの妹さんではありませんよ」
「そ、そうよね・・・
でも・・・
なぜ、あなたには見えるの?その、エレノアが・・・」
「ごまかして!タツキチ!」
エレノアさんが叫びます。
「あ、えっと・・・
そういう能力です。
僕にはそういう能力があるのです」
「そうなの。
それじゃ、他にも見えるの?」
「え?」
「エレノア以外の、他の人も見えるの?」
「あ、えーと、見える時もあれば、見えない時もあったり・・・
そんな感じです」
「ふ~ん、そうなのね」
「それで、キャサリンさん。
これからどうするんです?」
「そうね。
出口を探しましょう」
「そうですね」
とは言うものの、ですよ。
「キャサリンさん。どうやって出口を探すんですか?」
「こうやるの」
キャサリンさんがそう言って、両手を高く上げ叫びます。
「チチランプウ!チチランプウ!出口を見つけて!」
すると、キャサリンさんの両手から無数の小さな青い光が放射状に広がります。
小さな青い光は、凄いスピードで空間を飛び回ります。
空間全体がより明るくなります。
「キャサリンさんは魔法使いなんですか?」
僕が聞きます。
「そうよ。まだまだ駆け出しだけどね」
「いや~、でもスゴイですよ。
ほら、あそこの壁、なんか動いてるし」
僕が指差します。
「あ、あれは違うわ!」
「え?」
「あれは私じゃないわ!」
いやいや、私じゃないって言われてもですね、
あそこなんか、壁が動いてますよ。
「キャサリンさん。あれ、なんですか?」
「あ、あ、あれ、巨人よ!」
「え?」
「きょ!巨神族よ!」
グゴゴゴゴゴーッ!!
巨大な壁が迫って来ます。
「へ?」
これ、巨人というか、でっかい壁なんですけど・・・
グゴゴゴゴゴーッ!!
どう見ても巨大な壁が迫って来ます。
「に!逃げるわよ!タツキチ!」
キャサリンさんが悲鳴をあげます。
僕は迫りくる壁を見上げます。
「何してるの!タツキチ!」
「ちょっと実験です」
僕は迫りくる壁に向かって両手を向けます。
「はぁ!?何!?あなた何言ってるの!?」
いや、まぁ。
ちょっと、ある実験をやってみようと思うのですよ。
僕はね。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
古代文明の最強王、5000年後に転生すると魔法が弱体化しすぎていたのでもう一度最強になります。~底辺貴族からの成り上がり~
しNぱ
ファンタジー
5000年前、魔法文明マギア魔導王国を築き、
魔法体系そのものを創造した王アーケ・マギアス・マギアは、
さらなる魔法の発展を求め、自らの魂を未来へ送る転生魔法を発動した。成熟した古代魔法を超える研究が進んだ世界を見たいという純粋な探求心から、5000年後の世界へと意識を沈めた。
目覚めた先は、スケルド男爵家三男レイフとしての赤子の身体だった。産まれた瞬間から記憶を持つ彼は、質素な家と薄い魔力の流れを前に、未来の魔法研究が古代よりも大きく退化していることに気づく。最底辺と呼ばれる家に生まれながらも、家族は温かく、彼の異常な魔力量を希望として受け入れた。
幼少期から魔力操作を自然に行い、三歳で石を浮かせ、五歳で光魔法を自在に扱うなど、古代王としての力を隠しながら成長する。外では古代魔法を使わず、転生者であることを悟られないよう慎重に振る舞いながら、未来の魔法体系を観察し続けた。
十歳になると身体強化などの古代魔法を最低限だけ使い、父との剣術訓練でも圧倒的な動きを見せるが、本来の力は隠したまま過ごす。そして十六歳、高等魔導学園に入学したレイフは、初日の実技試験で無詠唱魔法や術式無効化を用いて試験官を圧倒し、最底辺男爵家ながらA級判定を受ける。
その姿を見たストラング公爵家の令嬢エリナは、彼に強い興味を抱く。5000年後の世界は古代より魔法が退化していたが、だからこそ発展の余地がある。レイフは古代王としての知識をもとに、もう一度魔法の未来を切り開くことを決意する。
50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく
かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。
ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!?
俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。
第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。
「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」
信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。
賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。
様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する!
異世界ざわつき転生譚、ここに開幕!
※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。
※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる