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うまく言葉にできなくて
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来週まで、と言われたけれど、土曜日には完成してしまった。というのも、金曜日から和泉君が主演を務める「初恋上級者」の上映が始まったからだ。
サナの力も借りて、舞台挨拶には東京、大阪、名古屋とすべて行けた。この時点でもう三回観てるわけだが、まだまだイケる。和泉君のビジュが最高、それに加えめちゃくちゃ面白い。最初はいまいちだったネットの評価も、みるみるうちにひっくり返していっている。まあ今宮の作品だから当たり前なんだけど。
ひかりさんの影響はもちろん、私も早く小説というものを書いてみたい。
舞台挨拶初日、初恋上級者を見てさらに意欲が高まったというか。早く和泉君が主人公の話が、書きたくて。だってだって、自分の作品を世界で一番大好きな和泉君が演じてくれる。こんな最高で夢のような話、ある? 実現したら、もう何もいらない。
USBメモリに溜まっていく、小説の書き写し。机に積まれる本たち。あの日文芸マーケットで購入した、ひかるさんの冊子を手に取る。
……書いちゃおうかな?
私はワードを開くと、一文字目を打ち込み始めた。
ーー「あ、もう書き始めたんだ」
「う、うん。読む?」
「うん、読む」
居ても立っても居られなくて、私は一時間目の数学が終わると今宮の机に向かっていた。寝坊をしたのか、後頭部に寝癖がついている。
「5ページも書いたの?」
「待って」
「え?」
「や、やっぱり読まないで」
ちょっと待て、恥ずかしすぎる。
目の前で書いたもの読まれるとか。しかも絶対下手くそ。今宮から見たら、小説というより文字の羅列かもしれない。
「わ、私のいないところで読んで! 中にプロットとかも入ってるから!」
「あ、ちょ」
逃げるようにサナの元へ向かう。案の定今宮との仲をからかわれた。今宮以外に、創作活動をしている人はいないのか。ひかりさんがいたら良いのにな。
USBを返してもらったのは、放課後のことだった。
「良いと思う」
絶対に、お世辞だけど。お世辞に決まってるけど。嬉しかった。まだまだ、書かなきゃ。
帰宅してから、早速続きを進めようとワードを開く。そして目に飛び込んできたのは、赤色の訂正文字。
句読点の入れ方、表現の仕方。休み時間、いつもよりやけにキーボードを叩きまくってるなと思ったら、添削してくれてたんだ。
てかこれ六ページ目からクオリティ下がるやつじゃん。バレなきゃいいけど。なんて思いながら、私は嬉しくて一人ディスプレイを眺めた。
サナの力も借りて、舞台挨拶には東京、大阪、名古屋とすべて行けた。この時点でもう三回観てるわけだが、まだまだイケる。和泉君のビジュが最高、それに加えめちゃくちゃ面白い。最初はいまいちだったネットの評価も、みるみるうちにひっくり返していっている。まあ今宮の作品だから当たり前なんだけど。
ひかりさんの影響はもちろん、私も早く小説というものを書いてみたい。
舞台挨拶初日、初恋上級者を見てさらに意欲が高まったというか。早く和泉君が主人公の話が、書きたくて。だってだって、自分の作品を世界で一番大好きな和泉君が演じてくれる。こんな最高で夢のような話、ある? 実現したら、もう何もいらない。
USBメモリに溜まっていく、小説の書き写し。机に積まれる本たち。あの日文芸マーケットで購入した、ひかるさんの冊子を手に取る。
……書いちゃおうかな?
私はワードを開くと、一文字目を打ち込み始めた。
ーー「あ、もう書き始めたんだ」
「う、うん。読む?」
「うん、読む」
居ても立っても居られなくて、私は一時間目の数学が終わると今宮の机に向かっていた。寝坊をしたのか、後頭部に寝癖がついている。
「5ページも書いたの?」
「待って」
「え?」
「や、やっぱり読まないで」
ちょっと待て、恥ずかしすぎる。
目の前で書いたもの読まれるとか。しかも絶対下手くそ。今宮から見たら、小説というより文字の羅列かもしれない。
「わ、私のいないところで読んで! 中にプロットとかも入ってるから!」
「あ、ちょ」
逃げるようにサナの元へ向かう。案の定今宮との仲をからかわれた。今宮以外に、創作活動をしている人はいないのか。ひかりさんがいたら良いのにな。
USBを返してもらったのは、放課後のことだった。
「良いと思う」
絶対に、お世辞だけど。お世辞に決まってるけど。嬉しかった。まだまだ、書かなきゃ。
帰宅してから、早速続きを進めようとワードを開く。そして目に飛び込んできたのは、赤色の訂正文字。
句読点の入れ方、表現の仕方。休み時間、いつもよりやけにキーボードを叩きまくってるなと思ったら、添削してくれてたんだ。
てかこれ六ページ目からクオリティ下がるやつじゃん。バレなきゃいいけど。なんて思いながら、私は嬉しくて一人ディスプレイを眺めた。
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