ズボラな私の異世界譚〜あれ?何も始まらない?〜

野鳥

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5 パパンのお野菜

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「という事で、セラは学校に行かない事になったから」
「そう、わかったわ」
「ん、セラがそれでいいなら構わないぞ」

夕食時、カールがセラの学校の話を両親にふると、呆気なく了承の返答がされた。
義務教育って感じじゃないんだ。

「ルー兄、わたし魔法使いたい!」

異世界あるあるの魔力暴走とか怖いから基礎は怠っちゃダメだよね。

「じゃあ明日は魔法のお勉強しようか」
「やったぁ!」
「ちぇっ、オレだって剣術ならセラに教えてやれるのに…」

ルイスは魔法があまり得意ではないようで、羨ましそうにカールを睨んでいる。

「スー兄の剣術も教えてほしいな」
「え?マジで?」
「楽しそうだもん!そうだ、わたしいつか世界中を旅してみたいんだー。剣術は身を守るのに必要でしょ?」

車や電車、飛行機なんて便利な乗り物はないから基本馬車移動。そんなのいくら平和だからって山賊や盗賊が出ないわけじゃない。
魔法でちょちょいのちょいでも良いけれど、能ある鷹は爪を隠すってね!
変な奴らに目をつけられたくないの。

「世界中を旅…凄く楽しそうだね」

カールが微笑ましそうにセラを見つめる。

お、シスコンだから反対するかと思ったけど大丈夫そうだ。

「それまでにお金沢山貯めなきゃね」
「うん!」
「俺が」
「うん?」
「いや、オレも頑張って貯めるぞ。3人分…いや、2人分だからちょっと骨が折れるな」
「ん?ルイスも来るのか?無理しなくてもいいよ。俺と一緒に行こうね、セラ」

安定のシスコンでした。

「いやいや、無理じゃねーから。カール兄は行くなら自分の金は自分で貯めろよ。オレはセラと自分の分しか貯めないからな」
「え~お母さんもセラちゃんと旅行したーい」
「おおっじゃあお父さんも行くぞ」
「それただの家族旅行じゃないか。父さんは畑仕事があるし、母さんはカフェの仕事休めないでしょ」
「「ええ~カールとルイスだけ狡い」」

いや、そもそも1人で行くつもりだったんですけど。
今それを言うと色々な問題が起きそうだから、旅立つ直前にしとこ。それでもルー兄は着いてきそうだけど…。

目の前で家族全員喧々諤々……とまではいかないが、騒がしく言い合っているのを後目に肉じゃがっぽい料理を口に頬張る。


………ん?

なんか……えぐい……気がする。

芋っぽいものを選んで食べてみる。

うん、野性的な味がする。

人参っぽいものを食べてみる。

うん、漢方っぽい味がする。

………野菜が不味い。


そういえば記憶が戻る前も野菜嫌いだったな。原因は野菜の野性味か。肉は美味いのに勿体ない…。

セラが肉のみをモリモリ食べているのにカールが気付き、「ちゃんとお野菜も食べないとね」と言いながらセラの口に少量の芋をスプーンに乗せて差し出してきた。

あーん、ですか。

「だって、このおやさい苦いんだもん」
「苦いかい?」

父親が首を傾げているが、日本の野菜を食べた後だと、全てがえぐい。品種改良の鬼みたいな国だったな…。何でもかんでも野菜を甘くしてたし。果物も激甘だし。

あ~日本の野菜が恋しいよ~。


そうか、魔法を駆使して美味い野菜と果物を作ろう。パパンのお野菜を美味しくして、というか食べられる物にして家の食事を変えなければ!

食の改善は異世界あるあるだしね!

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