最強の装備=紙袋……ってどういうこと?

野鳥

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8 優しいルディ

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まさか装備だと思われてるなんて、と驚いていると、またルディに顔を撫でられた。
紙袋だけど。

「イタルの涙を拭ってやりたいんだが」
「ぁ…」

凄く恥ずかしいことを言われてる気がする。
この雰囲気で紙袋を取るのもちょっと勇気がいるんだけど…。
でもお世話になってるのに顔も見せないなんて失礼だし。

イタルは勇気を出して、そっと紙袋をはずす。

「ああ、ようやく顔が見れた」

そう言ってルディは両手で頬を包み込んで、少しカサついた親指で俺の涙を拭ってくれた。

その優しい仕草に、また涙がこみあげてくる。

ぽろぽろと零れ落ちてくる涙は、全てルディが拭ってくれる。
色々と不安はあるけど、俺を心配してくれるルディの優しさに縋るように俺は堪えきれずに声を上げて泣いてしまった。

ルディは静かに俺を抱きしめて、優しく背中を撫でる。
時折顔中にちゅっちゅっとキスを落としてあやしてみたり、頭に頬をスリスリと擦り付けていたりと濃いスキンシップをされていたが、それすらも不安で押しつぶされそうな俺の心に柔らかく響いた。


いつの間にか泣き疲れて眠ってしまった俺は、窓から射し込む朝日に眉を寄せながら目が覚めると、後ろから抱え込まれるようにルディの腕の中にいた。

その重さと温もりに、ほんの少しだけこの世界に感じている不安が軽くなった気がする。






………ただ、全く動けないんだが!?

最初は喉が渇いたから水を飲もうと思って抜け出そうとしたんだ。でも全然動けない。プロレスの技がきまってるのか!?ってレベルで動かない。
てか足も俺の体に絡まっている…だと…?
とにかくルディの腕を強めにタップしたり、大声で叫んでも、ジタバタ…は出来なかったけど何をしても起きない。




そう…俺は今人間の尊厳と闘っている。








───尿意という敵と今死闘を繰り広げているんだ!





「マジで起きろルディ!!!!!」





その後俺の尊厳がどうなったかは俺だけの秘密だ。
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