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姫様、静かなスローライフを望んだらベリーハードだった件
姫様、ストレスで固有スキルを強化する
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質屋を出て、持ち金を使って材料を仕入れた後、森にある湖に戻ってきた。
「姫様。一体何をお作りになられるおつもりですか? 恥ずかしながら私は物を作ったことがございません」
オカリナが申し訳なさそうに言ってきたが、
「この森には毒キノコやしびれ草とか本来なら口にしてはいけない食べ物が豊富にあるわ」
「そうですね。そのためこの森には価値がなく誰も寄り付いておりません」
「なら、例えばこの幻惑を見せるキノコ。これをこのどこにでも売っている木の盾と融合させる」
試してみて。と、私はキノコと盾をオカリナに渡す。
「かしこまりました」
オカリナは何かを呟くと、紫色の波動が彼女から放たれた。おそらくこれが魔力というものなんだろう。
波動がおさまると、木の盾が少し形を変えて黄色く染められていた。
「姫様。幻惑の盾が出来上がりました。守備力は低いですが、この盾に武器を当てた者は幻惑状態になる効果がございます」
つまり攻撃してきた者を無力化することができる盾の完成だ。
「おっしゃ。オカリナのゴスロリドレスが作れるなら、こういうのも作れると思ったのよ」
言葉にはしないが心の中でガッツポーズを取る。
「よし。この盾はリィナに売ってもらうとして、次はこの禍々しい色を放っているキノコと折れた剣を融合してみよう」
「姫様、私の固有スキル『形態置換』は一日一度しか使えませぬ」
「え?」
「別々の物を一つにまとめるのです。簡単に見えると思いますが、固有スキルは一日一度が限界です」
「そっかぁ。なら実験や遊び半分でなく材質を厳選しないとゴミを生産しちゃって一日を無駄にしちゃうのね」
売れ筋商品もわからないし、適正価格もわからない。誰のせいでもないのだが、まさに前途多難。私はつい苛立ちを感じた。
すると、私の体内から闇を感じる。
あっ、この感じこの前と似てる。でも弱いのもわかる。
「ムッ、これが絶望の波動か」
それまで興味がなさそうに、あくびをしていたリィナが目を見開いた。
私は無意識にオカリナに言う。
「オカリナ・ベルゼ=シンフォニアよ。手を」
「……ハッ!」
いつもと声質が異なる私に驚きながらも、オカリナは手を差し伸べる。私はその手を掴むと闇の波動が手を光らせた。
闇の波動は、まるで心臓を握りつぶされるような不快感と共にすぐに消えた。
「ま、そうじゃろうな。そんなことで絶望の波動を放たれて、聖なる結界を破られてはたまらん。で、今、何をしたのじゃ?」
「形態置換が一日二回使えるようになってる......」
オカリナは信じられないといった顔をしている。
「なんじゃと!? 固有スキルは使用回数が限られていて増やすことなど不可能なはずじゃ」
オカリナとリィナが話をしているのだが、やはり絶望の波動は私のストレスに比例するらしい。困ったくらいなら、ほんの一瞬だけ。しかもストレスの原因を取り除くような効果。
思えば先日大声を出した時も、絶望の波動を放ったことによりオカリナがやって来て、孤独というストレスを解消した。その上、あの辺りは聖女の結界が破られ、オカリナは戦闘可能。つまり忠実なる護衛として、身の安全という安心感を得ている。
「ミナエよ。妾にも絶望の波動を使うのじゃ」
女神のくせにとんでもないことを言ってくる。
「貴様。姫様に命令とは。死にたいのか?」
オカリナが反射的に鎌を抜く。
「聖なる結界の中でお主に戦闘能力はないと何度言えば…って、痛い!」
オカリナが巨大な鎌をリィナの頭に振り下ろす。前回は何かに守られたバリアみたいなもので防がれたが、今回は命中した。
ただし、斬ることはできない。プラスチック製のバットで叩かれた感じに見える。
「おおっ、姫様のおかげで魔族以外の者に1のダメージを与えたぞ!」
感激するオカリナ。
「ふっ。しかし妾は多分百くらいの生命力がある!」
「ならば百回殴ればいいだけのこと!」
「ひぃっ!」
また不毛な争いが始まったので、
「やめなさい。今は売れ筋になりそうな商品の開発に専念するわよ」
私の一喝により、二人は大人しく使えそうなキノコや雑草を探しに行くのであった。
さて。何が売れるか考えなければ。
経験上最も売れるのは日用品だ。宿に泊まってわかったことだが、この世界、石鹸に至っては高級品だ。シャンプーなんかありもしない。しかし、一日二個しか作れないのであれば売れたとして利益は知れているだろう。
やはり賭博要素が大きいが、値は張るものが好ましい。
要するに今日の一品。まさに逸品。
そうなると客層は街人でなく、王族か貴族か。
だがなんか面倒くさくなりそうだし、基本私は庶民の味方でありたかった。元々、根が庶民だからなんだろう。
値段はちょっと高いけどあったら嬉しい物を考えないとね。
二人が戻って来たら一度市場調査をすることに決めた。
「姫様お待たせ致しました」
オカリナとリィナがカゴいっぱいにキノコや草を詰めて戻ってきた。
おそらくほとんどが毒なんだろうが、効果は不明である。かといって毒味はしたくないし、させたくない。
「さぁ女神よ。おそらく毒だ。遠慮なく食え」
「毒とわかって食べる奴がいるか!」
「このキノコなんか七色に発光している。さぞかし良い毒なんだろうな」
「良い毒ってなんじゃ! お主が食べれば良いではないか」
「私は悪魔大元帥。全耐性が完璧ゆえ効果がわからん。それに比べて貴様は全耐性がガバガバだからな。毒味にはうってつけだ」
「ひどい!」
二人の不毛なやり取りを見ていると、
「ピキーッ」
湖の水面がぷるぷる揺れて、丸い物体が近づいてきた。
「スライムですね。下等な魔物です。攻撃力は皆無ですので安心して下さい」
へぇ、そうなんだと思って見ていたら
「ピキーッ!」
七色に光るキノコを勝手に食べ出しては苦しみ出した。
「姫様、どうやら毒に当たったようです」
「ちょっと、自業自得とはいえ助けないと!」
「仕方ありません。形態置換を使います」
オカリナの放った魔力がスライムを包む。
「ピキーッ!」
何もなかったかのようにスライムは飛び跳ねているのだが、オカリナが驚いている。
「姫様。このスライムに毒、麻痺、沈黙、混乱、鈍足、呪い、睡眠の攻撃補助効果がついております」
「つまり?」
「攻撃されたら痛くはありませんが、先ほど申した異常状態になります」
「どうするのよ。これ」
問題が違う方向に向かったことに私は頭を悩ませるのであった。
「姫様。一体何をお作りになられるおつもりですか? 恥ずかしながら私は物を作ったことがございません」
オカリナが申し訳なさそうに言ってきたが、
「この森には毒キノコやしびれ草とか本来なら口にしてはいけない食べ物が豊富にあるわ」
「そうですね。そのためこの森には価値がなく誰も寄り付いておりません」
「なら、例えばこの幻惑を見せるキノコ。これをこのどこにでも売っている木の盾と融合させる」
試してみて。と、私はキノコと盾をオカリナに渡す。
「かしこまりました」
オカリナは何かを呟くと、紫色の波動が彼女から放たれた。おそらくこれが魔力というものなんだろう。
波動がおさまると、木の盾が少し形を変えて黄色く染められていた。
「姫様。幻惑の盾が出来上がりました。守備力は低いですが、この盾に武器を当てた者は幻惑状態になる効果がございます」
つまり攻撃してきた者を無力化することができる盾の完成だ。
「おっしゃ。オカリナのゴスロリドレスが作れるなら、こういうのも作れると思ったのよ」
言葉にはしないが心の中でガッツポーズを取る。
「よし。この盾はリィナに売ってもらうとして、次はこの禍々しい色を放っているキノコと折れた剣を融合してみよう」
「姫様、私の固有スキル『形態置換』は一日一度しか使えませぬ」
「え?」
「別々の物を一つにまとめるのです。簡単に見えると思いますが、固有スキルは一日一度が限界です」
「そっかぁ。なら実験や遊び半分でなく材質を厳選しないとゴミを生産しちゃって一日を無駄にしちゃうのね」
売れ筋商品もわからないし、適正価格もわからない。誰のせいでもないのだが、まさに前途多難。私はつい苛立ちを感じた。
すると、私の体内から闇を感じる。
あっ、この感じこの前と似てる。でも弱いのもわかる。
「ムッ、これが絶望の波動か」
それまで興味がなさそうに、あくびをしていたリィナが目を見開いた。
私は無意識にオカリナに言う。
「オカリナ・ベルゼ=シンフォニアよ。手を」
「……ハッ!」
いつもと声質が異なる私に驚きながらも、オカリナは手を差し伸べる。私はその手を掴むと闇の波動が手を光らせた。
闇の波動は、まるで心臓を握りつぶされるような不快感と共にすぐに消えた。
「ま、そうじゃろうな。そんなことで絶望の波動を放たれて、聖なる結界を破られてはたまらん。で、今、何をしたのじゃ?」
「形態置換が一日二回使えるようになってる......」
オカリナは信じられないといった顔をしている。
「なんじゃと!? 固有スキルは使用回数が限られていて増やすことなど不可能なはずじゃ」
オカリナとリィナが話をしているのだが、やはり絶望の波動は私のストレスに比例するらしい。困ったくらいなら、ほんの一瞬だけ。しかもストレスの原因を取り除くような効果。
思えば先日大声を出した時も、絶望の波動を放ったことによりオカリナがやって来て、孤独というストレスを解消した。その上、あの辺りは聖女の結界が破られ、オカリナは戦闘可能。つまり忠実なる護衛として、身の安全という安心感を得ている。
「ミナエよ。妾にも絶望の波動を使うのじゃ」
女神のくせにとんでもないことを言ってくる。
「貴様。姫様に命令とは。死にたいのか?」
オカリナが反射的に鎌を抜く。
「聖なる結界の中でお主に戦闘能力はないと何度言えば…って、痛い!」
オカリナが巨大な鎌をリィナの頭に振り下ろす。前回は何かに守られたバリアみたいなもので防がれたが、今回は命中した。
ただし、斬ることはできない。プラスチック製のバットで叩かれた感じに見える。
「おおっ、姫様のおかげで魔族以外の者に1のダメージを与えたぞ!」
感激するオカリナ。
「ふっ。しかし妾は多分百くらいの生命力がある!」
「ならば百回殴ればいいだけのこと!」
「ひぃっ!」
また不毛な争いが始まったので、
「やめなさい。今は売れ筋になりそうな商品の開発に専念するわよ」
私の一喝により、二人は大人しく使えそうなキノコや雑草を探しに行くのであった。
さて。何が売れるか考えなければ。
経験上最も売れるのは日用品だ。宿に泊まってわかったことだが、この世界、石鹸に至っては高級品だ。シャンプーなんかありもしない。しかし、一日二個しか作れないのであれば売れたとして利益は知れているだろう。
やはり賭博要素が大きいが、値は張るものが好ましい。
要するに今日の一品。まさに逸品。
そうなると客層は街人でなく、王族か貴族か。
だがなんか面倒くさくなりそうだし、基本私は庶民の味方でありたかった。元々、根が庶民だからなんだろう。
値段はちょっと高いけどあったら嬉しい物を考えないとね。
二人が戻って来たら一度市場調査をすることに決めた。
「姫様お待たせ致しました」
オカリナとリィナがカゴいっぱいにキノコや草を詰めて戻ってきた。
おそらくほとんどが毒なんだろうが、効果は不明である。かといって毒味はしたくないし、させたくない。
「さぁ女神よ。おそらく毒だ。遠慮なく食え」
「毒とわかって食べる奴がいるか!」
「このキノコなんか七色に発光している。さぞかし良い毒なんだろうな」
「良い毒ってなんじゃ! お主が食べれば良いではないか」
「私は悪魔大元帥。全耐性が完璧ゆえ効果がわからん。それに比べて貴様は全耐性がガバガバだからな。毒味にはうってつけだ」
「ひどい!」
二人の不毛なやり取りを見ていると、
「ピキーッ」
湖の水面がぷるぷる揺れて、丸い物体が近づいてきた。
「スライムですね。下等な魔物です。攻撃力は皆無ですので安心して下さい」
へぇ、そうなんだと思って見ていたら
「ピキーッ!」
七色に光るキノコを勝手に食べ出しては苦しみ出した。
「姫様、どうやら毒に当たったようです」
「ちょっと、自業自得とはいえ助けないと!」
「仕方ありません。形態置換を使います」
オカリナの放った魔力がスライムを包む。
「ピキーッ!」
何もなかったかのようにスライムは飛び跳ねているのだが、オカリナが驚いている。
「姫様。このスライムに毒、麻痺、沈黙、混乱、鈍足、呪い、睡眠の攻撃補助効果がついております」
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