6 / 54
姫様、静かなスローライフを望んだらベリーハードだった件
姫様、スライムの歴史を聞かされそうになる
しおりを挟む
「で、このスライムどうする?」
私は頭を悩ませていると、
「ピキーッ!」
スライムが私に懐いてきているように見える。
「スライムってこうやって見るとかわいいもんね」
私は思わず身体をなでる。
「さすが姫様。魔物を手懐けるとは」
隣でオカリナが感激している。
「妾も懐かれたい!」
リィナがなでようとすると、気に入らないのかスライムがリィナに体当たりをした。
「うっ、毒に冒され、手足が痺れ、呪われた感じがするのじゃ」
具合が悪そうに座るリィナ。
「やはり女神のくせに耐性ガバガバだな」
「でも三つの状態異常で済んだじゃない」
少し安心した私だが、
「さすがに即死はないみたいですし、無能なので沈黙効果はないのでしょう。混乱効果は、まぁ元が混乱してるような人なんでってことですかね?」
「女神に向かって無能とは失礼な。グピーッ」
その場で寝てしまったリィナ。
「睡眠効果が出たようです。見て下さい。鼻提灯がゆっくりです」
鈍足効果までしっかり表現されているとは。
「とりあえずリィナもどうする? しばらく起きそうにもないけど」
「正直、スライム以下の存在ですからね。宿につれていく義理もありませんし、ここに捨てておきましょう。これで当初のベッド足りない問題は解決しましたね」
そう言われて、今回の騒動が始まったことを思い出した。
「とりあえず明日も来るから、この辺にいてね。ついでにリィナに危害が及ばないように見守っていてくれる?」
「ピキーッ!」
言葉や表情はわからないが理解してくれたと思うことにした。
私は宿に戻る途中、あのスライムが話せるようになったら、とんでもない護衛ができるのではないかと考えていたのだが、
「姫様。確かに状態異常スキルはすごいですが所詮はスライムです。ちょっとした冒険者なら攻撃されるまえに倒してしまうでしょう。それくらいスライムは弱いです」
私の考えを読んだのか、オカリナが先に結論を言ってきた。
「それに、人間たちが作った冒険者ギルドで討伐依頼書が出たらすぐに見つけられ、殺されるのがオチです。人前には出さない方がよいでしょう」
「オカリナ。随分優しいこと言うのね? 気持ち悪いんだけど! 変なキノコつまみ食いした?」
「してません! 同じ魔族ならば当然の感情です!」
解決策を考えながら宿に着き、食事をとり、ぐっすりとベッドで寝た。
翌日の昼。買い物を済ませた後、森にある湖に再び来るとリィナが葉っぱに包まれて寝ていた。
「姫様。女神がまだ寝てますが毒は消えてしまってます」
オカリナが残念そうに言うと、
「消えてしまってるって」
「どうやら女神を包んでいる葉っぱ。毒消し草のようです」
葉を一枚手に取って舌打ちをするオカリナ。
「ピキーッ」
昨日のスライムが跳ねながらやって来た。
「おい。この葉はお前の仕業か?」
「ピキーッ!」
「何を言ってるかわからん」
「ピキーッ」
私に向かって跳ね出した。何かを訴えているように見える。
「まぁ、言語はおいておいて。この石とこのスライムを融合させてほしいんだけど」
私は先程宝石商でタダ同然で手に入れた宝石のかけらを手に出した。
「それはかまいませんが。形態置換」
オカリナの手から魔力が放たれると、スライムが輝きだした。
「姫様。スライムがメタリックスライムに進化しました。防御力は世界最高レベル。他に炎、冷気など全耐性がついております」
「それってすごいの?」
「すごいというか、倒す手段が見当たりません」
オカリナが少し困った顔をしている。
「ま、それなら討伐依頼書が出ても倒されないから安心ね」
「姫様。昨日の私の言葉を忘れていなかったのですね! なんて慈悲深い御心!」
一転して目が潤んでいる。
「私が勝手に形態変化させちゃったし責任取らないとなって思っていただけよ」
私はそっぽを向いて言うと、
「姫様。スライムが進化したことにより会話が可能です」
「そうなの?」
「はい。世界152ヶ国語話せます」
「話せすぎぃ!」
「ただ、ペペロン弁は苦手みたいです」
「聞いたことない言語言われても」
私はスライムの第一声を楽しみにしていると、
「姫様。ワシを進化させてくれてあんがとな!」
まさかの田舎ジジイ口調だった。
いや、ピキーッとか言ってたんだよ? 幼女キャラだと思うじゃん?
「姫様に言われた通り、この女神に危害がでないよう見守ってたわ。ま、死なれても困るから毒は消しといたけどな!」
「うん。お気遣いありがとうね!」
なんだ? 一気にこのスライムに冷めちゃったんだけど。オッサンだからなのか?
見た目は相変わらずプルプルしているのだが、なんかヒゲが生えているように見えてきた。
「で、姫様。これからワシは何をしたらいい? ダメージは与えられんが、状態異常はなんでもいけるぜ!」
「おい。進化したとはいえ、貴様はスライムだ。姫様に対する口の聞き方を考えろ」
オカリナがヌッと鎌をスライムにつきつけた。
「おいおい。勘弁してくれよ。悪気はないんだからさ!」
「姫様。こいつ可愛くありません」
わかってる。言うな。
「おい。おまえの名前はなんだ? ないならこちらで決めるが」
「ワシの名か? アレクサンドリア=ダンバイン三世だ」
誰だよそれ!
私は言おうとしたが、
「なるほど。アレクサンドリア系だったか」
納得しているオカリナ。
魔族の常識わからん!
「スライムの一族にアレクサンドリア王ってのがおりましてね」
いや、ここで興味がなくなったスライムの歴史を語られても。
「姫様。ワシは姫様に恩を返したい。何かできることはないか?」
突然そんなことを言われても。
私は次から次へと出てくる悩みに頭を悩ませていると、リィナが目を覚ました。
「なんじゃ、そのジジイくさいスライムは」
「ジジイとは失礼な」
「スライムよ。妾は今夜こそ宿でベッドで寝たい。妾のために働いて稼いでくれ」
「なんでオメェのために働かなきゃいけねぇんだ!」
二人のやり取りを聞いて私は閃いた。
「魔族による冒険者ギルド、姫様のしもべを作ろうか」
私の言葉に三人はキョトンとした顔をしたのであった。
私は頭を悩ませていると、
「ピキーッ!」
スライムが私に懐いてきているように見える。
「スライムってこうやって見るとかわいいもんね」
私は思わず身体をなでる。
「さすが姫様。魔物を手懐けるとは」
隣でオカリナが感激している。
「妾も懐かれたい!」
リィナがなでようとすると、気に入らないのかスライムがリィナに体当たりをした。
「うっ、毒に冒され、手足が痺れ、呪われた感じがするのじゃ」
具合が悪そうに座るリィナ。
「やはり女神のくせに耐性ガバガバだな」
「でも三つの状態異常で済んだじゃない」
少し安心した私だが、
「さすがに即死はないみたいですし、無能なので沈黙効果はないのでしょう。混乱効果は、まぁ元が混乱してるような人なんでってことですかね?」
「女神に向かって無能とは失礼な。グピーッ」
その場で寝てしまったリィナ。
「睡眠効果が出たようです。見て下さい。鼻提灯がゆっくりです」
鈍足効果までしっかり表現されているとは。
「とりあえずリィナもどうする? しばらく起きそうにもないけど」
「正直、スライム以下の存在ですからね。宿につれていく義理もありませんし、ここに捨てておきましょう。これで当初のベッド足りない問題は解決しましたね」
そう言われて、今回の騒動が始まったことを思い出した。
「とりあえず明日も来るから、この辺にいてね。ついでにリィナに危害が及ばないように見守っていてくれる?」
「ピキーッ!」
言葉や表情はわからないが理解してくれたと思うことにした。
私は宿に戻る途中、あのスライムが話せるようになったら、とんでもない護衛ができるのではないかと考えていたのだが、
「姫様。確かに状態異常スキルはすごいですが所詮はスライムです。ちょっとした冒険者なら攻撃されるまえに倒してしまうでしょう。それくらいスライムは弱いです」
私の考えを読んだのか、オカリナが先に結論を言ってきた。
「それに、人間たちが作った冒険者ギルドで討伐依頼書が出たらすぐに見つけられ、殺されるのがオチです。人前には出さない方がよいでしょう」
「オカリナ。随分優しいこと言うのね? 気持ち悪いんだけど! 変なキノコつまみ食いした?」
「してません! 同じ魔族ならば当然の感情です!」
解決策を考えながら宿に着き、食事をとり、ぐっすりとベッドで寝た。
翌日の昼。買い物を済ませた後、森にある湖に再び来るとリィナが葉っぱに包まれて寝ていた。
「姫様。女神がまだ寝てますが毒は消えてしまってます」
オカリナが残念そうに言うと、
「消えてしまってるって」
「どうやら女神を包んでいる葉っぱ。毒消し草のようです」
葉を一枚手に取って舌打ちをするオカリナ。
「ピキーッ」
昨日のスライムが跳ねながらやって来た。
「おい。この葉はお前の仕業か?」
「ピキーッ!」
「何を言ってるかわからん」
「ピキーッ」
私に向かって跳ね出した。何かを訴えているように見える。
「まぁ、言語はおいておいて。この石とこのスライムを融合させてほしいんだけど」
私は先程宝石商でタダ同然で手に入れた宝石のかけらを手に出した。
「それはかまいませんが。形態置換」
オカリナの手から魔力が放たれると、スライムが輝きだした。
「姫様。スライムがメタリックスライムに進化しました。防御力は世界最高レベル。他に炎、冷気など全耐性がついております」
「それってすごいの?」
「すごいというか、倒す手段が見当たりません」
オカリナが少し困った顔をしている。
「ま、それなら討伐依頼書が出ても倒されないから安心ね」
「姫様。昨日の私の言葉を忘れていなかったのですね! なんて慈悲深い御心!」
一転して目が潤んでいる。
「私が勝手に形態変化させちゃったし責任取らないとなって思っていただけよ」
私はそっぽを向いて言うと、
「姫様。スライムが進化したことにより会話が可能です」
「そうなの?」
「はい。世界152ヶ国語話せます」
「話せすぎぃ!」
「ただ、ペペロン弁は苦手みたいです」
「聞いたことない言語言われても」
私はスライムの第一声を楽しみにしていると、
「姫様。ワシを進化させてくれてあんがとな!」
まさかの田舎ジジイ口調だった。
いや、ピキーッとか言ってたんだよ? 幼女キャラだと思うじゃん?
「姫様に言われた通り、この女神に危害がでないよう見守ってたわ。ま、死なれても困るから毒は消しといたけどな!」
「うん。お気遣いありがとうね!」
なんだ? 一気にこのスライムに冷めちゃったんだけど。オッサンだからなのか?
見た目は相変わらずプルプルしているのだが、なんかヒゲが生えているように見えてきた。
「で、姫様。これからワシは何をしたらいい? ダメージは与えられんが、状態異常はなんでもいけるぜ!」
「おい。進化したとはいえ、貴様はスライムだ。姫様に対する口の聞き方を考えろ」
オカリナがヌッと鎌をスライムにつきつけた。
「おいおい。勘弁してくれよ。悪気はないんだからさ!」
「姫様。こいつ可愛くありません」
わかってる。言うな。
「おい。おまえの名前はなんだ? ないならこちらで決めるが」
「ワシの名か? アレクサンドリア=ダンバイン三世だ」
誰だよそれ!
私は言おうとしたが、
「なるほど。アレクサンドリア系だったか」
納得しているオカリナ。
魔族の常識わからん!
「スライムの一族にアレクサンドリア王ってのがおりましてね」
いや、ここで興味がなくなったスライムの歴史を語られても。
「姫様。ワシは姫様に恩を返したい。何かできることはないか?」
突然そんなことを言われても。
私は次から次へと出てくる悩みに頭を悩ませていると、リィナが目を覚ました。
「なんじゃ、そのジジイくさいスライムは」
「ジジイとは失礼な」
「スライムよ。妾は今夜こそ宿でベッドで寝たい。妾のために働いて稼いでくれ」
「なんでオメェのために働かなきゃいけねぇんだ!」
二人のやり取りを聞いて私は閃いた。
「魔族による冒険者ギルド、姫様のしもべを作ろうか」
私の言葉に三人はキョトンとした顔をしたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話
トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる