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第七章 神 立
神 立 (ニ)
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兵太郎は、すでに小太郎が神立の里に潜入し、そこで匿われている明国皇女・秀華姫を護っているはずだと明かしてくれた。
「……弾正のやつめ、よもやおのが手が届くところに、秀華姫が潜んでいようとは、おもわなんだろう」
喋りながらも兵太郎は周囲に気を配り、後駆の役を担っている彦左衛門や熊蔵らの動きまでをも頭裡に描いているようにみえた。
「……小太郎はの、一度、坊主になったことがあるのだ」
「え?お坊様に?」
「ああ、幼少の頃にな、無理やり出家させられた、といったほうがいいな。そのおり、わしが面倒を診てやった……泣き虫でな、人見知りする線の細い坊主であったぞ。ただ、詞葉にだけは妙に懐きおって……詞葉はさながら、実の姉のごとく、いいや、母親のごとくに世話をしておった……」
なるほど、そうであったのかと、わたしのなかの謎の部分が溶けていった。小太郎が〈姉上……〉とつぶやいたことにも、得心がいく。
兵太郎が続ける……。
「生来、小太郎は厭世の情が強くての、ほら、若いというに、どことなく老成して、醒めた目で世の中を斜めから傍観する性格が抜けなくて、困りものよ」
「まっこと、そのとおりにみえました」
「ふっふ、だがの、お亀よ、どうやら小太郎は、おまえに惚れてしまったようだぞ」
えっ、とわたしは驚いたはずである。そうして顔を赤く染めただろうけれど、頬当のおかげで兵太郎には悟られなかった。
「……あやつ、いまのいままで女人に関心をもたなかったというに、妙に艶気づいてきてな、ふふふ」
兵太郎のいでたちはといえば、わたしと同じ頬当をつけ脇立のない冑をかぶっている。腰の背中の側に、一尺ほどの鍔のない小太刀を二本、鞘を斜交いにして差していた。後ろから見れば、ちょうどその小太刀が×印のようになっている。
小太刀の鞘は、見事なまでの朱塗りである。
兵太郎は、雪の上をうさぎが跳びはねるように地を蹴りながら歩いていた。やがて視界が開け、斜面沿いの丘陵が見えた。あちらこちらから煙が立ちのぼっていた。
「しまった!遅かったか!」
兵太郎が叫んだ。神立の里は、何者かに襲撃されているのだ。
「お亀!ここにいよ、おおい、大久保の彦左衛門よ、こっちへ来いっ!よいか、ここに居て、お亀を護りとおせっ!よいなっ!」
叫びつつも兵太郎は駆けていく。そのあとを配下の者らが追っていった。遠ざかる姿を見送っていた彦左が振り返りざまに、
「あいつと親しげにはなしていた・・・亀さまが遠くにいってしまったようだにぃ」
と、呟くようにいった。
「遠くにいくもなにも、翁狐の城まで連れて行ったのは、彦左でしょう」
「お、き、な、ぎ、つ、ね?」
「いったい誰が、彦左にそんなことを命じたの?半蔵さま?浜松の父上さま?」
「ちがう、ちがう、前にもいったように、それがしも一緒に連れ去られたようなものだぞ。しいていうならば、茶屋さまかなあ」
「四郎次郎どのが?それでは、背後に居るのは、やはり父上さまということになる……」
「判らない、判らない、矢継早に問い詰めるのはやめてほしいずら。あっ、亀さま、うしろへ……」
突如、彦左が長槍をしごいた。
後方に軍馬の列がみえた。薙刀を肩にかついだ僧兵が含まれている。目配せをしてすばやく佐助が駆けていった。
こちらの武士たちは、十人ほどしかおらず、戦えば不利なことはわたしにでも判る。戻ってきた佐助が、
「どうやら、もとのもくあみどのらしい」
と、彦左に告げた。
「も、と、の、も、く、あ、み……?」
いつかのわたしのように首を傾げつつ彦左が復唱したのをみて、
「筒井順慶さまのことらしい」
と、わたしが答えた。唇を八の字に結んだまま考え込んだ彦左は、
「よしっ、筒井勢ならば、それがしが談判してくる……佐助どのは熊蔵とともに亀さまをたのむ」
と、それだけ云い残して、駆けていった。その姿はなんと凛々しく映ったことだったろう。
会わなかったほんのしばらくの間に、彦左は変わったようだ。
遠ざかっていく彦左の背をみていると、佐助が、
「大丈夫だにぃ」
と、彦左の訛りを真似た。
「……順慶という武将は、まだ若いけれど、どうにもこうにも、優柔不断という評判だ。かつて、居城の筒井城を襲ったのは、ほかでもない松永弾正であるのにもかかわらず、弾正が威勢を誇れば、あちらになびこうとする。……弾正は滅びると読めば、こちらになびくはず」
佐助が物知り顔で言った。すかさず、筒井順慶さまのことを、皆が〈もとのもくあみどの〉と呼んでいる理由を訊いてみた。
「元の黙阿彌、という。それは、順慶の父親が病死したとき、まだ順慶は幼かったので、一大騒動になるとにらんだ重臣が、死んだことを隠すべしと進言したそうだ。そこで選ばれたのは、順慶の父に似ていた盲人で、黙阿弥という坊主だったそうだ……声も体つきもに似ていたので順慶が成長するまで父の影武者を務め、成長したのちに喪を公表したから、その黙阿彌は以前の身分に戻った……つまりは元の黙阿弥になった……というわけだ。あ、これは、弥右衛門さまが教えてくれたことだけど」
佐助は妙にしおらしく言った。なるほど、人にはそれぞれの物語があるらしい。
やがて立ち戻ってきた彦左の容貌は、はればれとしていた。どうやら交渉は効を奏したようだった。
「……亀さまの素性を明かし、徳川・織田に恩を売る絶好の機会だと伝えたぞ」
彦左が言い、かれの横から軽く会釈をしてきた順慶さまに、
「痛み入ります」
と、わたしは短く応じた。かれのはにかんだ笑顔は、どことなく兄信康のえくぼを連想させた。
「亀さま、これから助勢にいく。佐助どの、くれぐれも亀さまを!」
そう叫んだ彦左は、制するのもきかずに、筒井勢の半数とともに、神立の里へ駆け出した。
「あいつ、意外と、いいやつだな」
佐助が言った。その佐助の背後に、筒井勢とは別の一行がみえた。
振り向いた佐助は、
「あの菱紋は、武田!」
と叫んだ。
ならば、武藤喜兵衛どのの軍勢であろう。もっとも、軍勢と呼べるものではなく、こちらと同様に、少人数で慌しく故郷をめざしているところなのだろうとおもった。
「では、今度は、この私が、談判にのぞみましょう」
「ええっ?彦左じゃあるまいし、姫には無理だ」
「いいえ、ふと浮かんだ案があります。彦左が言っていた、徳川に恩を売る、ということば。武田にも、恩を売る機会を与えてあげればよい……佐助、はよう武藤さまのもとまで連れていってください」
渋面のまま佐助は先頭に立って、
「しばらく、しばらくお待ちあれかし」
と、大声で叫びつつ、武田勢に分け入った。
供奉の者と話していた佐助がもどってきて、わたしを喜兵衛どのの前にいざなった。
「こ、これは、意外!近衛の姫君がなにゆえこのような者どもを連れて、いずこへ参らんとされるのか」
「武藤さま、お互いに先を急ぐ身だと存じます。いま、争えば、双方、同数に近い人数ゆえ、共倒れになるやもしれませぬ。まだ、死にとうはございませぬ。ここは、道をお譲りいたしますので、ささ、お通りくださりませ」
「な、なんと、近衛の姫君が、若武者ごとき申されよう……はて、いかがなされたのかを……」
「武藤さま、正直に吐露いたします。私は、明国の皇女でも、近衛の姫でもございませぬ。徳川三河守家康の長女、奥平信昌の室、亀と申します」
「な、なんと、徳川の……で、では、亀姫さまとやら、そなた様を一緒に甲斐までお連れ参らせると申さば、いかがされましょうかの」
喜兵衛どのは、こちらが騙した意趣返しをしたいのだろうとおもった。
もっともわたしが甲斐の武田家の人質ともなれば、それなりに価値はあるのだろう。けれど、ここですんなりと引き下がるわけにはいかない。
「……武藤さま、前方の煙は、神立の里が何者かにお襲われているあかしでございます。里には、私の友が多数おります。いますぐにでも助勢にゆかねばなりませぬ。ここはひとつ、徳川に恩を売る、というのではなく、この亀に、貸しをおつくりになられればよろしかろうと存じます。いつの日か、必ず、借りたものはお返しいたしますゆえ」
一気にまくし立てると、わたしは息をついで対手の返答を待った。
遠方にあがる煙は、ときおり炎をともない激しさを増しているようにみえた。脚がふるえたのは、寒さのせいだけではないようだ。
「これもまた、騙されついでと申すものか……なるほど当方も急いでおるゆえ、そのようにいたしましょう……亀姫さま、しばらくは京畿に足を踏み入れないほうがよろしいぞ。見聞を広めるのは城の中に籠もってでもできるものです。人材を育て、配下の者をおのが手足のごとくに諸国に散らせ、報せを聴き、判断のよすがになさればよろしい。……いやいや、説教はいけませぬな、いつの日か、お目もじいたしましょう。それまでご健在にて」
「そちらさまも」
喜兵衛どのはどのように考え、このまま素通りすることを決めたのだろうか。
人というものは不可思議なもので、対手の思念の流れが気になってしかたがないのだけれど、いまは悠長に構えている暇はなかった。佐助に目で合図をして、総勢で神立の里へ向かった。
「姫、やりましたなあ」と、佐助が眉を動かした。
「あっ」
と、叫んだのはわたしで、前方に黒い母衣をかぶった男たちの姿が見えた。おもっていたよりも大勢である。里の男たちも応戦しているのだろう、あちらこちらから喊声が上がり、この一帯の雪をことごとく溶かそうとしているかのような熱さが伝わってきた。
おもわず詩葉から手渡されていた懐刀を握り締めた。
「姫は決して手出しはするな!ここにいろよ!」
大木の根元にわたしを蹲らせると、佐助は三人の武者を残し、駆けていった。仲間の一人が、すばやく黒母衣の一人に飛びつき、首のつけ根を刺したようだ。
「誰だ、おまえたちは?」
おそらく、黒母衣衆の侍が叫んだのだろうとおもう。こんな戦いの場で、いちいち丁寧に応じている場合ではなかった。ようやく兵太郎の姿を認めた。敵に立向っている。兵太郎は体をかがめたまま、両手を後ろに回し、二本の小太刀の柄をつかんだ。もう一人、黒母衣武者が兵太郎の背後から襲いかかろうとしていた。
「兵太郎!うしろが、あぶない!」
わたしが叫ぶ。前方の敵と、背後からの敵。兵太郎は、二人が自分ににじり寄ってくる速さを、瞬時に見切っていたようであった。一直線に頭上高く跳びあがると、体を丸め、空中でくるりと回転しつつ落下し、前方の敵に向かって突進していく。
まるで一滴のしずくが、ポタッと音をたてながら、落ちていくようにみえた。
相手の体躯にぶつかるとみえたその瞬間に、兵太郎の右手に握られた小太刀が柄をはなれて、敵の喉元をえぐった。その衝撃の反動を利用し、再び回転しながら、背後の敵に突進した。
そうして、右手の小太刀で相手の剣を受け、左手の小太刀を抜いて首を突いた。二人の母衣武者は、断末魔の叫び声をあげる間もなく、ほとんど同時に、雪の中に崩れて落ちた。
「ええい!まだ刃向かうかっ!」
兵太郎が叫びながら、あらたな敵に向かって突進していた。四人の黒母衣武者が倒れた。初めて目にする兵太郎の技だ。まさか、海の男であるはずの兵太郎に、このようなすばやい身のこなしができようとは思わなかった。
咄嗟にわたしは雪を手でつかみ、口の中に入れていた。なぜそんなことをしたのかまでは、わからない。この異変に、攻めて黒母衣武者たちが、いっせいに兵太郎を取り囲んだ。十数人はいただろうか。
「なぜ、この里を襲う?」
兵太郎は、間合いを取りながら、敵の顔をじっと睨んでいた。
「信長様に逆らう奴は、容赦はしない。邪魔者には消えてもらおう」
「邪魔者だと?神立の一族は、なにも、信長に逆らっているわけではないぞ。しかも、ここは、興福寺の寺領だぞ!」
そんなことを言い合っていた。戦いの最中に、どうしてそのようなやりとりをするのか、女人のわたしにはとうてい理解できない。そんな暇があるのなら、一人でも多くの敵を、斬るべきではないのか。
そんなじれったさのなかに居た。
また雪の塊を、口に淹れた。
黒母衣の首領らしい男は、左眼に刀の鍔を巻きつけていた。かれが合図したのか、敵はいっせいに兵太郎をめがけて飛びかかった。
すると兵太郎はするりと体をかわすと、ぱっと上へ跳んだ。
隻眼の武士が、それを追う。
「ぎゃぁっ」
わたしの耳元で、声が響いた。
凍りついた耳には、大きな声や音は痛みとなって、矢を射かけられたような衝撃が走った。傍には、護ってくれていたはずの武士の体が血に染まっていた。黒母衣武者が槍をしごいていた。わたしは懐刀を抜き、尻を雪の上に落としたまま、身構えた。とはいえかなうはずもない。
息を呑んだ。
唇が痺れていた。
しゅしゅゅっ。そんな音を聴いた。
聴いた、とおもったとき、取り囲んでいた武者たちが倒れた。一人は尻餅をつき、一人は腕ごと槍をはじかれ、もう一人には、あるべきところに、首が、なかった。
血飛沫が雪の上に散った。かれらを倒したのは、蛇のようにしなる鋭い鞭であった。
「佐助っ!」
わたしは飛び上がった。小さな佐助の体躯から飛び出る鞭の攻撃は、十二分に黒母衣衆を怯えさせたようだ。佐助の横から、長槍をしごきながら彦左が飛び出してきた。
「亀さまっ、大事ないか!」
彦左がこちらを向いて叫んでいる。
腕を上げて手を振っていた。わたしも無事だと合図を送った。彦左の隣には熊蔵の姿がある。まことの家来でもないのに、かいがいしく彦左の従者を演じていた。間断なく佐助は鞭をふるっている。
しゅしゅゅっ。
口笛の音色のようにも聴こえる。混戦になりかけたとき、だだだっと雪を蹴って、駆け寄ってくる一団があった。
先頭の老人を見た。
あっ、とわたしは飛び上がりたい気分になった。
奥山休賀斎の老公だ。
老公は太刀を抜いたかとおもうと、舞を愉しむようなしぐさで、ひょいひょいと踊っていた。いつか見たひょうきんな仕草だ。黒母衣武者たちが次々に倒れていった。
「亀どのよ、ご無事でなによりじゃ」
老公はにっこりと微笑んだ。そのとき、だだだぁーんと、鉄砲の轟音が響いた。
「ちぇっ、新手がきたか!散れいっ」
眼帯をしたあの武士が叫ぶと、黒母衣衆がいっせいに駆け出した。
鉄砲隊を指揮していたのは、なんと弥右衛門であった。わたしを認めると、大きなそぶりで頷いた。
「姫さまぁ、亀さまぁ……」
懐かしい声が響いた。
弥右衛門の後ろから飛び出してきたのは、笹だった。
「笹ぁ、どうして、ここに?」
「ご老公とともに駆けつけましたぁ」
「そう、よかった、よかった」
いつしかわたしは、はしゃいでいたようだ。気づくとわたしたちの周りに大勢の里の女が佇んでいた。粗末な身なりで、とても真冬のいでたちではなかった。
「姫はどこだ、明の姫は?」
兵太郎が叫ぶと、脚も腕も素肌のままの少女二人の手をひいた若者が群衆をかき分けるようにして出てきた。肩から胸にかけて鮮血に染まっていた。ぐらぐらっと揺れて、そのまま地に倒れこんだ。兵太郎とわたしが同時に叫んだ。
「小太郎!」
けれど返辞はない。
もう一度、名を叫んだ。
二人の少女が、小太郎に抱きつくように覆いかぶさり、からだを揺すりだした。秀華姫は十五、六歳と聴いている。思っていた以上に、おとなびた顔つきだが、表情はなかった。齢から察すると秀華姫にちがいない。
その隣には、同じような齢の少女がぶつぶつと異国のことばを繰り返して、血に染まった小太郎のからだをあたためるように撫でていた。近寄ると、秀華姫を守るようにわが身を投げ出して身構えた。おそらく秀華姫の侍女のようなものなのだろう。その侍女は、涙を拭きつつ、振り向いてわたしをみた。とても清らかな黒い瞳だった。
「……弾正のやつめ、よもやおのが手が届くところに、秀華姫が潜んでいようとは、おもわなんだろう」
喋りながらも兵太郎は周囲に気を配り、後駆の役を担っている彦左衛門や熊蔵らの動きまでをも頭裡に描いているようにみえた。
「……小太郎はの、一度、坊主になったことがあるのだ」
「え?お坊様に?」
「ああ、幼少の頃にな、無理やり出家させられた、といったほうがいいな。そのおり、わしが面倒を診てやった……泣き虫でな、人見知りする線の細い坊主であったぞ。ただ、詞葉にだけは妙に懐きおって……詞葉はさながら、実の姉のごとく、いいや、母親のごとくに世話をしておった……」
なるほど、そうであったのかと、わたしのなかの謎の部分が溶けていった。小太郎が〈姉上……〉とつぶやいたことにも、得心がいく。
兵太郎が続ける……。
「生来、小太郎は厭世の情が強くての、ほら、若いというに、どことなく老成して、醒めた目で世の中を斜めから傍観する性格が抜けなくて、困りものよ」
「まっこと、そのとおりにみえました」
「ふっふ、だがの、お亀よ、どうやら小太郎は、おまえに惚れてしまったようだぞ」
えっ、とわたしは驚いたはずである。そうして顔を赤く染めただろうけれど、頬当のおかげで兵太郎には悟られなかった。
「……あやつ、いまのいままで女人に関心をもたなかったというに、妙に艶気づいてきてな、ふふふ」
兵太郎のいでたちはといえば、わたしと同じ頬当をつけ脇立のない冑をかぶっている。腰の背中の側に、一尺ほどの鍔のない小太刀を二本、鞘を斜交いにして差していた。後ろから見れば、ちょうどその小太刀が×印のようになっている。
小太刀の鞘は、見事なまでの朱塗りである。
兵太郎は、雪の上をうさぎが跳びはねるように地を蹴りながら歩いていた。やがて視界が開け、斜面沿いの丘陵が見えた。あちらこちらから煙が立ちのぼっていた。
「しまった!遅かったか!」
兵太郎が叫んだ。神立の里は、何者かに襲撃されているのだ。
「お亀!ここにいよ、おおい、大久保の彦左衛門よ、こっちへ来いっ!よいか、ここに居て、お亀を護りとおせっ!よいなっ!」
叫びつつも兵太郎は駆けていく。そのあとを配下の者らが追っていった。遠ざかる姿を見送っていた彦左が振り返りざまに、
「あいつと親しげにはなしていた・・・亀さまが遠くにいってしまったようだにぃ」
と、呟くようにいった。
「遠くにいくもなにも、翁狐の城まで連れて行ったのは、彦左でしょう」
「お、き、な、ぎ、つ、ね?」
「いったい誰が、彦左にそんなことを命じたの?半蔵さま?浜松の父上さま?」
「ちがう、ちがう、前にもいったように、それがしも一緒に連れ去られたようなものだぞ。しいていうならば、茶屋さまかなあ」
「四郎次郎どのが?それでは、背後に居るのは、やはり父上さまということになる……」
「判らない、判らない、矢継早に問い詰めるのはやめてほしいずら。あっ、亀さま、うしろへ……」
突如、彦左が長槍をしごいた。
後方に軍馬の列がみえた。薙刀を肩にかついだ僧兵が含まれている。目配せをしてすばやく佐助が駆けていった。
こちらの武士たちは、十人ほどしかおらず、戦えば不利なことはわたしにでも判る。戻ってきた佐助が、
「どうやら、もとのもくあみどのらしい」
と、彦左に告げた。
「も、と、の、も、く、あ、み……?」
いつかのわたしのように首を傾げつつ彦左が復唱したのをみて、
「筒井順慶さまのことらしい」
と、わたしが答えた。唇を八の字に結んだまま考え込んだ彦左は、
「よしっ、筒井勢ならば、それがしが談判してくる……佐助どのは熊蔵とともに亀さまをたのむ」
と、それだけ云い残して、駆けていった。その姿はなんと凛々しく映ったことだったろう。
会わなかったほんのしばらくの間に、彦左は変わったようだ。
遠ざかっていく彦左の背をみていると、佐助が、
「大丈夫だにぃ」
と、彦左の訛りを真似た。
「……順慶という武将は、まだ若いけれど、どうにもこうにも、優柔不断という評判だ。かつて、居城の筒井城を襲ったのは、ほかでもない松永弾正であるのにもかかわらず、弾正が威勢を誇れば、あちらになびこうとする。……弾正は滅びると読めば、こちらになびくはず」
佐助が物知り顔で言った。すかさず、筒井順慶さまのことを、皆が〈もとのもくあみどの〉と呼んでいる理由を訊いてみた。
「元の黙阿彌、という。それは、順慶の父親が病死したとき、まだ順慶は幼かったので、一大騒動になるとにらんだ重臣が、死んだことを隠すべしと進言したそうだ。そこで選ばれたのは、順慶の父に似ていた盲人で、黙阿弥という坊主だったそうだ……声も体つきもに似ていたので順慶が成長するまで父の影武者を務め、成長したのちに喪を公表したから、その黙阿彌は以前の身分に戻った……つまりは元の黙阿弥になった……というわけだ。あ、これは、弥右衛門さまが教えてくれたことだけど」
佐助は妙にしおらしく言った。なるほど、人にはそれぞれの物語があるらしい。
やがて立ち戻ってきた彦左の容貌は、はればれとしていた。どうやら交渉は効を奏したようだった。
「……亀さまの素性を明かし、徳川・織田に恩を売る絶好の機会だと伝えたぞ」
彦左が言い、かれの横から軽く会釈をしてきた順慶さまに、
「痛み入ります」
と、わたしは短く応じた。かれのはにかんだ笑顔は、どことなく兄信康のえくぼを連想させた。
「亀さま、これから助勢にいく。佐助どの、くれぐれも亀さまを!」
そう叫んだ彦左は、制するのもきかずに、筒井勢の半数とともに、神立の里へ駆け出した。
「あいつ、意外と、いいやつだな」
佐助が言った。その佐助の背後に、筒井勢とは別の一行がみえた。
振り向いた佐助は、
「あの菱紋は、武田!」
と叫んだ。
ならば、武藤喜兵衛どのの軍勢であろう。もっとも、軍勢と呼べるものではなく、こちらと同様に、少人数で慌しく故郷をめざしているところなのだろうとおもった。
「では、今度は、この私が、談判にのぞみましょう」
「ええっ?彦左じゃあるまいし、姫には無理だ」
「いいえ、ふと浮かんだ案があります。彦左が言っていた、徳川に恩を売る、ということば。武田にも、恩を売る機会を与えてあげればよい……佐助、はよう武藤さまのもとまで連れていってください」
渋面のまま佐助は先頭に立って、
「しばらく、しばらくお待ちあれかし」
と、大声で叫びつつ、武田勢に分け入った。
供奉の者と話していた佐助がもどってきて、わたしを喜兵衛どのの前にいざなった。
「こ、これは、意外!近衛の姫君がなにゆえこのような者どもを連れて、いずこへ参らんとされるのか」
「武藤さま、お互いに先を急ぐ身だと存じます。いま、争えば、双方、同数に近い人数ゆえ、共倒れになるやもしれませぬ。まだ、死にとうはございませぬ。ここは、道をお譲りいたしますので、ささ、お通りくださりませ」
「な、なんと、近衛の姫君が、若武者ごとき申されよう……はて、いかがなされたのかを……」
「武藤さま、正直に吐露いたします。私は、明国の皇女でも、近衛の姫でもございませぬ。徳川三河守家康の長女、奥平信昌の室、亀と申します」
「な、なんと、徳川の……で、では、亀姫さまとやら、そなた様を一緒に甲斐までお連れ参らせると申さば、いかがされましょうかの」
喜兵衛どのは、こちらが騙した意趣返しをしたいのだろうとおもった。
もっともわたしが甲斐の武田家の人質ともなれば、それなりに価値はあるのだろう。けれど、ここですんなりと引き下がるわけにはいかない。
「……武藤さま、前方の煙は、神立の里が何者かにお襲われているあかしでございます。里には、私の友が多数おります。いますぐにでも助勢にゆかねばなりませぬ。ここはひとつ、徳川に恩を売る、というのではなく、この亀に、貸しをおつくりになられればよろしかろうと存じます。いつの日か、必ず、借りたものはお返しいたしますゆえ」
一気にまくし立てると、わたしは息をついで対手の返答を待った。
遠方にあがる煙は、ときおり炎をともない激しさを増しているようにみえた。脚がふるえたのは、寒さのせいだけではないようだ。
「これもまた、騙されついでと申すものか……なるほど当方も急いでおるゆえ、そのようにいたしましょう……亀姫さま、しばらくは京畿に足を踏み入れないほうがよろしいぞ。見聞を広めるのは城の中に籠もってでもできるものです。人材を育て、配下の者をおのが手足のごとくに諸国に散らせ、報せを聴き、判断のよすがになさればよろしい。……いやいや、説教はいけませぬな、いつの日か、お目もじいたしましょう。それまでご健在にて」
「そちらさまも」
喜兵衛どのはどのように考え、このまま素通りすることを決めたのだろうか。
人というものは不可思議なもので、対手の思念の流れが気になってしかたがないのだけれど、いまは悠長に構えている暇はなかった。佐助に目で合図をして、総勢で神立の里へ向かった。
「姫、やりましたなあ」と、佐助が眉を動かした。
「あっ」
と、叫んだのはわたしで、前方に黒い母衣をかぶった男たちの姿が見えた。おもっていたよりも大勢である。里の男たちも応戦しているのだろう、あちらこちらから喊声が上がり、この一帯の雪をことごとく溶かそうとしているかのような熱さが伝わってきた。
おもわず詩葉から手渡されていた懐刀を握り締めた。
「姫は決して手出しはするな!ここにいろよ!」
大木の根元にわたしを蹲らせると、佐助は三人の武者を残し、駆けていった。仲間の一人が、すばやく黒母衣の一人に飛びつき、首のつけ根を刺したようだ。
「誰だ、おまえたちは?」
おそらく、黒母衣衆の侍が叫んだのだろうとおもう。こんな戦いの場で、いちいち丁寧に応じている場合ではなかった。ようやく兵太郎の姿を認めた。敵に立向っている。兵太郎は体をかがめたまま、両手を後ろに回し、二本の小太刀の柄をつかんだ。もう一人、黒母衣武者が兵太郎の背後から襲いかかろうとしていた。
「兵太郎!うしろが、あぶない!」
わたしが叫ぶ。前方の敵と、背後からの敵。兵太郎は、二人が自分ににじり寄ってくる速さを、瞬時に見切っていたようであった。一直線に頭上高く跳びあがると、体を丸め、空中でくるりと回転しつつ落下し、前方の敵に向かって突進していく。
まるで一滴のしずくが、ポタッと音をたてながら、落ちていくようにみえた。
相手の体躯にぶつかるとみえたその瞬間に、兵太郎の右手に握られた小太刀が柄をはなれて、敵の喉元をえぐった。その衝撃の反動を利用し、再び回転しながら、背後の敵に突進した。
そうして、右手の小太刀で相手の剣を受け、左手の小太刀を抜いて首を突いた。二人の母衣武者は、断末魔の叫び声をあげる間もなく、ほとんど同時に、雪の中に崩れて落ちた。
「ええい!まだ刃向かうかっ!」
兵太郎が叫びながら、あらたな敵に向かって突進していた。四人の黒母衣武者が倒れた。初めて目にする兵太郎の技だ。まさか、海の男であるはずの兵太郎に、このようなすばやい身のこなしができようとは思わなかった。
咄嗟にわたしは雪を手でつかみ、口の中に入れていた。なぜそんなことをしたのかまでは、わからない。この異変に、攻めて黒母衣武者たちが、いっせいに兵太郎を取り囲んだ。十数人はいただろうか。
「なぜ、この里を襲う?」
兵太郎は、間合いを取りながら、敵の顔をじっと睨んでいた。
「信長様に逆らう奴は、容赦はしない。邪魔者には消えてもらおう」
「邪魔者だと?神立の一族は、なにも、信長に逆らっているわけではないぞ。しかも、ここは、興福寺の寺領だぞ!」
そんなことを言い合っていた。戦いの最中に、どうしてそのようなやりとりをするのか、女人のわたしにはとうてい理解できない。そんな暇があるのなら、一人でも多くの敵を、斬るべきではないのか。
そんなじれったさのなかに居た。
また雪の塊を、口に淹れた。
黒母衣の首領らしい男は、左眼に刀の鍔を巻きつけていた。かれが合図したのか、敵はいっせいに兵太郎をめがけて飛びかかった。
すると兵太郎はするりと体をかわすと、ぱっと上へ跳んだ。
隻眼の武士が、それを追う。
「ぎゃぁっ」
わたしの耳元で、声が響いた。
凍りついた耳には、大きな声や音は痛みとなって、矢を射かけられたような衝撃が走った。傍には、護ってくれていたはずの武士の体が血に染まっていた。黒母衣武者が槍をしごいていた。わたしは懐刀を抜き、尻を雪の上に落としたまま、身構えた。とはいえかなうはずもない。
息を呑んだ。
唇が痺れていた。
しゅしゅゅっ。そんな音を聴いた。
聴いた、とおもったとき、取り囲んでいた武者たちが倒れた。一人は尻餅をつき、一人は腕ごと槍をはじかれ、もう一人には、あるべきところに、首が、なかった。
血飛沫が雪の上に散った。かれらを倒したのは、蛇のようにしなる鋭い鞭であった。
「佐助っ!」
わたしは飛び上がった。小さな佐助の体躯から飛び出る鞭の攻撃は、十二分に黒母衣衆を怯えさせたようだ。佐助の横から、長槍をしごきながら彦左が飛び出してきた。
「亀さまっ、大事ないか!」
彦左がこちらを向いて叫んでいる。
腕を上げて手を振っていた。わたしも無事だと合図を送った。彦左の隣には熊蔵の姿がある。まことの家来でもないのに、かいがいしく彦左の従者を演じていた。間断なく佐助は鞭をふるっている。
しゅしゅゅっ。
口笛の音色のようにも聴こえる。混戦になりかけたとき、だだだっと雪を蹴って、駆け寄ってくる一団があった。
先頭の老人を見た。
あっ、とわたしは飛び上がりたい気分になった。
奥山休賀斎の老公だ。
老公は太刀を抜いたかとおもうと、舞を愉しむようなしぐさで、ひょいひょいと踊っていた。いつか見たひょうきんな仕草だ。黒母衣武者たちが次々に倒れていった。
「亀どのよ、ご無事でなによりじゃ」
老公はにっこりと微笑んだ。そのとき、だだだぁーんと、鉄砲の轟音が響いた。
「ちぇっ、新手がきたか!散れいっ」
眼帯をしたあの武士が叫ぶと、黒母衣衆がいっせいに駆け出した。
鉄砲隊を指揮していたのは、なんと弥右衛門であった。わたしを認めると、大きなそぶりで頷いた。
「姫さまぁ、亀さまぁ……」
懐かしい声が響いた。
弥右衛門の後ろから飛び出してきたのは、笹だった。
「笹ぁ、どうして、ここに?」
「ご老公とともに駆けつけましたぁ」
「そう、よかった、よかった」
いつしかわたしは、はしゃいでいたようだ。気づくとわたしたちの周りに大勢の里の女が佇んでいた。粗末な身なりで、とても真冬のいでたちではなかった。
「姫はどこだ、明の姫は?」
兵太郎が叫ぶと、脚も腕も素肌のままの少女二人の手をひいた若者が群衆をかき分けるようにして出てきた。肩から胸にかけて鮮血に染まっていた。ぐらぐらっと揺れて、そのまま地に倒れこんだ。兵太郎とわたしが同時に叫んだ。
「小太郎!」
けれど返辞はない。
もう一度、名を叫んだ。
二人の少女が、小太郎に抱きつくように覆いかぶさり、からだを揺すりだした。秀華姫は十五、六歳と聴いている。思っていた以上に、おとなびた顔つきだが、表情はなかった。齢から察すると秀華姫にちがいない。
その隣には、同じような齢の少女がぶつぶつと異国のことばを繰り返して、血に染まった小太郎のからだをあたためるように撫でていた。近寄ると、秀華姫を守るようにわが身を投げ出して身構えた。おそらく秀華姫の侍女のようなものなのだろう。その侍女は、涙を拭きつつ、振り向いてわたしをみた。とても清らかな黒い瞳だった。
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