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さらになにかが……!
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『しっかりしろ! ほら、みんながついてるぞ。負けちゃダメだぞ。弱音を吐くな。枝葉をしっかり太陽に向け、太陽フレア放射線をどんどん吸収するんだ……そして、幹内で無害なものに転化させていくんだ……慣れれば、なんでもない、簡単なことだよ。な、キミならできる、さあ、恐れずに……』
諸先輩のアドバイスがなければ、あたしはマコと同じように、たちまち悪なるものに敗北してしまっていたかもしれない。
あたしはイメージする。
……小さな小さな小さな素粒子が、いたるところを飛び回っている光景を。それはくるくると踊り舞っているようでもあり、辿り着く先を探し求め気儘にさすらっているようにもみえる。
そのひと粒ひと粒を、葉脈に閉じ込め、幹の内に備わっている転換物質を分泌し、無害なものへと変えていくんだ。そのことを意識するだけで、イメージするだけで、幹のなかのさまざまな活動がより促進され、抵抗力がつき、柔軟に闘えるありとあらゆるノウハウを培っていく……そんなプロセスなのかも。
……それにね、これは、いわば、悪を退治する果てしない闘いなのだから。
「マコちゃんはどうなっちゃったの?」
幹を乗っ取られてしまったのなら、あたしたちの敵になったということなのかな……。
『まあ、そういうことだな。やつらは仲間をどんどん増やしていくはずだから、こちらも負けずに闘っていくしかないんだ……』
「それが御神木の使命なのね」
少しずつだけど、あたしにも自分の存在価値というものが分かりかけてきた。
そして、なによりの心強さは、ひとりぼっちじゃないということ。あのケンもなんとか再生しつつあるらしいから、いつか、ケンの根毛とつながることもあるだろうし。
あたしに芽生えた強固な使命感が、あたしに希望をもたらしてくれる。
“明日の種”……とは、もしかすれば、このことだったのかも。
そんなふうにも思えてきた。
いつもいつもいつも、闘っている仲間のつぶやきが絶えず聴こえてくる。感じられる。
それがなによりの支えだ、歓びだ。
仲間の息吹というものは、この世のものとは思えないほどに厳かに、ときにもの悲しく、たまに騒々しく、愉しく、さまざまなメロディとなって届くのだった。
あたしは確かに理解したのだ。感得したのだ。
いま、
あたしたちが心しなければならないことは、
やれることを
やれるときに
できるかぎりの力で
やり続けること……。
その真理をできるだけ多くの人々のこころの内に芽生えさせること。
それが、あたしのあした……。
( 了 )
諸先輩のアドバイスがなければ、あたしはマコと同じように、たちまち悪なるものに敗北してしまっていたかもしれない。
あたしはイメージする。
……小さな小さな小さな素粒子が、いたるところを飛び回っている光景を。それはくるくると踊り舞っているようでもあり、辿り着く先を探し求め気儘にさすらっているようにもみえる。
そのひと粒ひと粒を、葉脈に閉じ込め、幹の内に備わっている転換物質を分泌し、無害なものへと変えていくんだ。そのことを意識するだけで、イメージするだけで、幹のなかのさまざまな活動がより促進され、抵抗力がつき、柔軟に闘えるありとあらゆるノウハウを培っていく……そんなプロセスなのかも。
……それにね、これは、いわば、悪を退治する果てしない闘いなのだから。
「マコちゃんはどうなっちゃったの?」
幹を乗っ取られてしまったのなら、あたしたちの敵になったということなのかな……。
『まあ、そういうことだな。やつらは仲間をどんどん増やしていくはずだから、こちらも負けずに闘っていくしかないんだ……』
「それが御神木の使命なのね」
少しずつだけど、あたしにも自分の存在価値というものが分かりかけてきた。
そして、なによりの心強さは、ひとりぼっちじゃないということ。あのケンもなんとか再生しつつあるらしいから、いつか、ケンの根毛とつながることもあるだろうし。
あたしに芽生えた強固な使命感が、あたしに希望をもたらしてくれる。
“明日の種”……とは、もしかすれば、このことだったのかも。
そんなふうにも思えてきた。
いつもいつもいつも、闘っている仲間のつぶやきが絶えず聴こえてくる。感じられる。
それがなによりの支えだ、歓びだ。
仲間の息吹というものは、この世のものとは思えないほどに厳かに、ときにもの悲しく、たまに騒々しく、愉しく、さまざまなメロディとなって届くのだった。
あたしは確かに理解したのだ。感得したのだ。
いま、
あたしたちが心しなければならないことは、
やれることを
やれるときに
できるかぎりの力で
やり続けること……。
その真理をできるだけ多くの人々のこころの内に芽生えさせること。
それが、あたしのあした……。
( 了 )
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