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(42)再会と呪い
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──ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ……。
──ザリ、ザリ、ザリ……、
生温かい何かが、俺の顔の上を這っている。
「う……うう……」
「いい加減、目を開けたらどうじゃ? もう、そろそろ意識は戻っておるだろうが」
グイッと頬がつねられる感触があって──痛みが俺は飛び起きた。
「うわぁっ!!! いってぇー……!」
──わふぅっ!
「あれ……? ウメコ……?」
俺の目の前には、はぁはぁ息を切らしているウメコのドアップがあった。
──わふっわふっ!
「大丈夫ですかっ?!」
「わっ! め、メイシアまで?! 一体なんでここに……?!」
「あ、先輩! 気がついたんですね! よかった!」
「ああ、九重もいるのか……ここの、え……?」
九重の声に振り返った俺は、完全に固まることになった。
「えっ……はっ……はぁぁぁぁぁぁっっっ?!!!!」
「あっ、やっぱり驚いちゃいました?」
悪びれる様子なく、照れくさそうに笑って頭を搔く九重……九重、だよな?
俺の目の前にいるのは、女、なんだけど……?
「僕たち、先輩たちを追ってきたんですけと、途中で地震に巻き込まれちゃって……気がついたら穴に落ちてしまっていたんです。それで……」
目の前の美少女は、はぁっと物憂げにため息をついた。
「何でか僕、気がついたら女の子になってしまってまして……」
俺は、さっきつねられたのと同じ頬を、自分でつねってみたが……やっぱり痛かった。
「いやぁ、僕もなんでこんなことになっちゃったのか全然わからなくてですね」
困ったように眉尻を下げる九重が可愛すぎる……こいつ、元からイケメンだったからか、女性化したら美少女っぷりが半端ないことになってる。清楚系なのに身体つきは結構けしからん感じだし……このままじゃ、開いてはいけない扉が開きそうなんだが。
「異世界だからか……」
「え?」
「それは、異世界だからだ!」
うん。わかってる。
俺も混乱中なんだよ。許してよ。
だってさ、ずっと可愛がってきた(?)後輩が実は女の子だったりしたら、ドキドキするじゃないか! 何この夢展開?!
「うーん、異世界だと女の子になっちゃうんですか。でも、先輩はなってませんよね? ズルくないですか?」
確かに俺は、そんなに柔らかそうな胸なんて生えてきてないな。
いや、それよりも、ぷっくりと頬をふくらませて不満げにこっちを睨む九重が可愛すぎて、正直俺の耳には何も入ってこない。
「これは……ウリダスの呪いじゃな」
「えっ……呪い?!」
「ああ……古代遺跡というのは、侵入者を排除するための呪いがかけられておってな。そのほとんどは死の呪いのはずなのだが……ふむ……」
「のっ、呪いならわたしに解けるかも知れません!」
思案するリアに、メイシアが提案する。
「お前は聖女だったか?」
「はいっ! 『元』聖女ですが。解呪などは神殿でやってましたから!」
メイシアが胸を張ると、九重の顔が明るくなった。
「メイシアちゃん、お願いできるかな? このままじゃ、何だか落ち着かなくて」
「はい、やってみますね! ちょっとお手を拝借できますか?」
「こうかな?」
「はい。では、気持ちを楽にしてください。リラックス、リラックスですよ!」
メイシアは、九重の手の甲を額につけると、何やらブツブツと唱え始めた。
どうやら解呪の呪文らしいが、耳慣れしない言葉のせいか、何を言っているかは全く聞き取れない。
メイシアの額あたりがぽわっと明るくなり、さあっと清涼な空気が吹き抜けた感じがした。
「これが解呪か──」
初めて見るその作業を、半ば感嘆しつつ見守っていたが、やがてメイシアは顔を上げてため息をついた。
「どうしたんだ? 成功したのか?」
「いや。失敗のようじゃぞ。あいつが男に戻っておらんからな」
ガックリと首を項垂れたメイシアが、申し訳なさげに更に頭を下げた。
「ご、ごめんなさい……! 私じゃ解けないみたいです。呪いを解こうとしても、解けないんです!」
「解けない? 強力な呪いっていうこと?」
「えっと、多分ですけど普通呪いというのは、呪いの力が影響して身体が変成させられていることが多くて。まとわりつく呪いを排除して正常に戻すことで解除をしているのですが……排除すべき呪い自体が、九重さんの中に見当たらないんです」
「どういうこと?」
「つまりですね……おそらくですが、九重さんはもう、呪いにはかかってないんです」
そこまで告げると、メイシアはヘナヘナと座り込んでしまった。
「お、お腹空いたぁ……もう動けません……」
──ザリ、ザリ、ザリ……、
生温かい何かが、俺の顔の上を這っている。
「う……うう……」
「いい加減、目を開けたらどうじゃ? もう、そろそろ意識は戻っておるだろうが」
グイッと頬がつねられる感触があって──痛みが俺は飛び起きた。
「うわぁっ!!! いってぇー……!」
──わふぅっ!
「あれ……? ウメコ……?」
俺の目の前には、はぁはぁ息を切らしているウメコのドアップがあった。
──わふっわふっ!
「大丈夫ですかっ?!」
「わっ! め、メイシアまで?! 一体なんでここに……?!」
「あ、先輩! 気がついたんですね! よかった!」
「ああ、九重もいるのか……ここの、え……?」
九重の声に振り返った俺は、完全に固まることになった。
「えっ……はっ……はぁぁぁぁぁぁっっっ?!!!!」
「あっ、やっぱり驚いちゃいました?」
悪びれる様子なく、照れくさそうに笑って頭を搔く九重……九重、だよな?
俺の目の前にいるのは、女、なんだけど……?
「僕たち、先輩たちを追ってきたんですけと、途中で地震に巻き込まれちゃって……気がついたら穴に落ちてしまっていたんです。それで……」
目の前の美少女は、はぁっと物憂げにため息をついた。
「何でか僕、気がついたら女の子になってしまってまして……」
俺は、さっきつねられたのと同じ頬を、自分でつねってみたが……やっぱり痛かった。
「いやぁ、僕もなんでこんなことになっちゃったのか全然わからなくてですね」
困ったように眉尻を下げる九重が可愛すぎる……こいつ、元からイケメンだったからか、女性化したら美少女っぷりが半端ないことになってる。清楚系なのに身体つきは結構けしからん感じだし……このままじゃ、開いてはいけない扉が開きそうなんだが。
「異世界だからか……」
「え?」
「それは、異世界だからだ!」
うん。わかってる。
俺も混乱中なんだよ。許してよ。
だってさ、ずっと可愛がってきた(?)後輩が実は女の子だったりしたら、ドキドキするじゃないか! 何この夢展開?!
「うーん、異世界だと女の子になっちゃうんですか。でも、先輩はなってませんよね? ズルくないですか?」
確かに俺は、そんなに柔らかそうな胸なんて生えてきてないな。
いや、それよりも、ぷっくりと頬をふくらませて不満げにこっちを睨む九重が可愛すぎて、正直俺の耳には何も入ってこない。
「これは……ウリダスの呪いじゃな」
「えっ……呪い?!」
「ああ……古代遺跡というのは、侵入者を排除するための呪いがかけられておってな。そのほとんどは死の呪いのはずなのだが……ふむ……」
「のっ、呪いならわたしに解けるかも知れません!」
思案するリアに、メイシアが提案する。
「お前は聖女だったか?」
「はいっ! 『元』聖女ですが。解呪などは神殿でやってましたから!」
メイシアが胸を張ると、九重の顔が明るくなった。
「メイシアちゃん、お願いできるかな? このままじゃ、何だか落ち着かなくて」
「はい、やってみますね! ちょっとお手を拝借できますか?」
「こうかな?」
「はい。では、気持ちを楽にしてください。リラックス、リラックスですよ!」
メイシアは、九重の手の甲を額につけると、何やらブツブツと唱え始めた。
どうやら解呪の呪文らしいが、耳慣れしない言葉のせいか、何を言っているかは全く聞き取れない。
メイシアの額あたりがぽわっと明るくなり、さあっと清涼な空気が吹き抜けた感じがした。
「これが解呪か──」
初めて見るその作業を、半ば感嘆しつつ見守っていたが、やがてメイシアは顔を上げてため息をついた。
「どうしたんだ? 成功したのか?」
「いや。失敗のようじゃぞ。あいつが男に戻っておらんからな」
ガックリと首を項垂れたメイシアが、申し訳なさげに更に頭を下げた。
「ご、ごめんなさい……! 私じゃ解けないみたいです。呪いを解こうとしても、解けないんです!」
「解けない? 強力な呪いっていうこと?」
「えっと、多分ですけど普通呪いというのは、呪いの力が影響して身体が変成させられていることが多くて。まとわりつく呪いを排除して正常に戻すことで解除をしているのですが……排除すべき呪い自体が、九重さんの中に見当たらないんです」
「どういうこと?」
「つまりですね……おそらくですが、九重さんはもう、呪いにはかかってないんです」
そこまで告げると、メイシアはヘナヘナと座り込んでしまった。
「お、お腹空いたぁ……もう動けません……」
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