完結•王女ですが国を救うため、軟派な執事と怪盗になります~本当は硬派な騎士と恋がしたいのに!~

文字の大きさ
2 / 3

怪盗と騎士隊長

しおりを挟む
 数日後。
 サボット侯爵の屋敷は厳重に警備されていた。わらわらと集まる警備兵。その中には数人の騎士の姿も。
 その光景をコーラルは隣の屋敷の庭にある高い木の上から眺めていた。長い髪を一つにまとめ、顔の上半分は仮面で隠した怪盗の衣装。
 ようやく城以外の場所で見ることができた騎士の姿にコーラルがうっとりと声をこぼす。

「あの中に私の運命の騎士がおりますのね」
『寝言は寝てからおっしゃってください』

 頭に直接響くジェットの声にコーラルが頬を膨らます。

「もう。どうして、そう簡単に夢を壊しますの?」
『今は夢より現実ですから』

 ジェットが調べた結果、人質はサボット侯爵が客人として軟禁状態にしていること。侯爵という高位貴族のため騎士隊長は内部告発もできず、渋々従っていること。
 しかもサボット侯爵は贈賄、恐喝、偽証、強盗などなど探ればいくらでも悪事が出てくる。

『人質は別塔の最上階におります。不正の証拠となる書類はサボット侯爵の寝室の隠し金庫の中です』

 目を閉じたコーラルが神経を集中させる。予告状には『サボット侯爵の家宝である“夜空の虹”をいただく』と書いたが本当の狙いは別。
 長い睫毛が揺れ、水色の瞳が月光を弾く。

「では、手筈通りにまいりましょう」

 一陣の風が舞い上がり、コーラルの姿が消えた。



 突如、サボット侯爵の屋敷内が騒がしくなる。
 金庫が置いてあるサボット侯爵の執務室に控えている魔導師が叫んだ。

「屋敷内で魔力を検知! 来ます!」

 サボット侯爵家の家宝である“夜空の虹”が入った金庫を守る兵たちに緊張が走る。全員が金庫を背にして隙間なく囲む。
 ジリジリと流れる時間。兵たちの気配がピリピリと鋭くなっていく。

「どこだ? どこから……」

 これ以上、怪盗の好きにはさせられない。地に落ちた威信を回復させるため、なにがなんでも捕まえなければならない。
 後がない警備兵たちが待ち構える中、怪盗姿のコーラルは別の部屋にいた。

 誰もいないサボット侯爵の寝室。
 誰にも見つかることなく部屋に入ったコーラルが豪華な寝台と家具を抜け、ズラリと本が並んだ本棚の前に立つ。目的はこの裏にある金庫の中身。

「まずは、こちらからいただきましょう」

 決められた順番通りに本を動かせば本棚の裏に隠された金庫が現れる仕組み。

「最初に宝石大全集と薬草辞典を交換して……」

 本へ手を伸ばしたところで天井から金属が擦れる音がした。

「えっ!?」

 ゾワリとした寒気が背中に走る。反射的に手を引っ込めたところで天井の一部が開き、鉄柵が降ってきた。

 ガシャン!

 重い音とともに柵の中に閉じ込められる。そこにドアが開き、聞き覚えがある声がした。

「こんなにあっさり捕まるとはな。小娘一人に警備兵は何をしていたのか」

 白髪交じりの茶髪を頭に撫でつけた壮年の男。ジャラジャラと過剰な装飾で身を包み、ジットリとしたこげ茶の目でコーラルを値踏みする。

(……サボット侯爵)

 国王が体調不良で政権から離れるとすぐに反国王派となった貴族の一人。コーラルへの不躾で無礼な態度をとる筆頭。
 コーラルは声に出さず、サボット侯爵の背後にいる騎士たちに目を向けた。

(あぁ! やっと近くで会えましたわ!)

 水色の瞳に映るのは騎士たち。キリッとした隙のない表情と態度は理想通りの堅物たち。

(この中に運命の騎士がおりますのね)

 ときめくコーラルを野暮な声が現実に戻す。

「恐怖で声も出ないか。私の言うことを聞けば悪いようにはせんぞ」

 交渉をするような口ぶりにコーラルは視線をサボット侯爵へ戻した。

「まず、今まで盗んだ宝石を隠している場所を言えば命は助けてやろう。それからのことは……」

 じっとりとした目でコーラルを眺める。仮面に隠れた顔からスラリと伸びた足先まで見た後、再び視線をあげて豊満な胸で止めた。

「おまえ次第だな」

 下心が見え見えの下卑た笑み。理想の騎士とは真逆のだらしない顔。
 今すぐにでもその目を潰したい気持ちを抑え、コーラルは柵を見上げた。

「その柵から抜け出すことは不可能だぞ。その柵は最強の硬さを持つアダマンタイトを素材に加えて作ったからな。重さも……」

 サボット侯爵の悠々と柵の強度について語るが、それを遮るようにコーラルの耳に声が響いた。

『早く不正の書類を盗んでください。予定が押してきてます』
「わかっておりますわ」

 コーラルはサボット侯爵には聞こえない小声で応えた後、右手を挙げた。

落雷フルメン

 目を焼く強烈な光とともにドガンという轟音が響く。

「何事だ!?」

 叫ぶサボット侯爵を守るように騎士が前に立つ。しかし、全員が光に視力を奪われたため何も見えない。
 時間とともに真っ白だった世界に色がついていく。

「なっ!?」

 ようやく見えた光景に絶句の声が落ちる。
 砕けた柵と床に散らばる本。そして、壊れた本棚と扉が開いた金庫。

「まさか、魔法だったのか!?」

 普段は口数が少ない騎士たちが驚愕の声をあげる。

「魔法は長文の詠唱が必要なんだぞ!」
「たった一言で魔法を発動させるなどあり得ん!」
「まさか、怪盗は魔族か!?」

 騎士たちが騒ぐ中、サボット侯爵が金庫に駆け寄る。

「クソッ! 中身を盗まれた! おまえら、さっさとあの小娘を捕まえろ!」
「ハッ!」

 声を揃えた騎士たちが一斉に動き出す。

「クソッ! 忌々しい小娘め!」

 サボット侯爵が怒りを含んだ声とともに壊れた柵を蹴り上げた。


 一方のコーラルは廊下を走りながら腰に付けているポーチに不正の証拠が書かれた書類を収めていた。
 見た目は小さい普通のポーチだが、魔力を組み込んで作られた魔道具でどんな物でも収納できる。

「次へ参りましょう」

 軽やかな足取りで目的の部屋へ。

「城内ではこんなに走れませんから、気持ちいいですわ」

 いつもは裾が長いドレスに歩きにくいヒールだが、怪盗の時は膝丈のスカートに動きやすいブーツ。体を締め付けるコルセットもない。
 コーラルは勢いをつけたままドアを開けた。そこには兵どころか人影すらない応接室。

「ここでよろしいの?」
『はい。八歩先の真上に金庫があります』
「では、金庫だけいただきましょう」

 右手を天井へ伸ばしたコーラルはそのまま大きく円を描く。

切断セクティオ

 天井に丸い穴が開き、床と金庫が降ってきた。

「金庫が消えた!?」
「いきなり穴が開いたぞ!」
「しまった! 下の部屋だ!」

 穴を覗きコーラルの存在に気づいた兵たちが騒ぎ出す。

「急げ! 下に降りろ!」

 ドタバタと部屋を飛び出し階段へと向かう警備兵たち。
 その足音を聞きながらコーラルは微笑んだ。

解錠アペルタ

 勝手に金庫のドアが開く。
 コーラルは金庫から虹色に輝く宝石を取り出した。手のひらほどの大きさの世にも珍しいブラックオパール。
 真っ黒なのに角度によって様々な色が浮かぶ。まるで夜空の月光に照らされた虹のような宝石。

「“夜空の虹”たしかにいただきましたわ」

 誰に言うともなく呟くとコーラルは宝石を腰のポーチへ入れた。それから窓を開け、外にある木へ飛び移る。枝を掴み、全身をバネにして上へと跳ねた。
 夜空にピンクゴールドの髪をなびかせながら屋根に着地する。

 視線の先にあるのは高くそびえたつ別塔。その最上階の窓に華奢な人影が映る。

「あそこですのね」

 走り出そうとしたところで頭に直接ジェットの声が響いた。

『魔……う、つか……せん。少……おまち……くだ』
「ジェット? どういたしましたの?」

 言葉が途切れて聞き取れない。
 状況が分からず周囲を探っていると聞いたことがない低い声がした。

「そこまでだ!」

 別塔とは反対側から騎士が屋根に登ってきた。
 短く刈り上げたくすんだ金髪に青い目。謁見の間で見たときよりやつれた顔をしているが、警備隊の騎士隊長。
 遅れて登ってきたサボット侯爵が騎士隊長の後ろで居丈高にコーラルを指さした。

「阻害魔法を発動した! 魔法では逃げられんぞ!」

 その言葉にコーラルが納得する。

「それでジェットの声が聞こえなかったのですね」

 試しに魔法を発動させようと魔力を練るがすぐに霧散する。神経を研ぎ澄ませば屋敷全体に魔法封じの魔法陣が敷かれているのが分かる。

「これだけの魔法陣を展開するなんて、魔導師たちはしばらく魔力切れで動けないでしょうね」

 コーラルはサボット侯爵たちと向かい合ったまま視線だけを別塔に向けた。予定では魔法で別塔の最上階の窓まで飛び、人質を盗んで逃げるという計画だった。
 しかし、魔法が封じられていては実行できない。

「さて、どうしましょう」

 白い手を顎に添えて考える。まるでお茶菓子を選んでいるような優雅さと気品。ただし、追い詰められた状況でする態度ではない。
 場違いな雰囲気にサボット侯爵が声を荒げた。

「こいつは警備隊の騎士隊長だ! いままでの兵とは実力が違う! 痛い目にあいたくなければ、おとなしく投降しろ!」
「そう言われましても……」

 騎士隊長の真剣な眼差しは正直美味しい。捕まってもいいかも、と気持ちがグラつくぐらい。誰にでも愛想を振りまくどこぞの軟派な執事とは違う。
 だが、少し視線をずらせば勝利を確信し、下劣で下心丸出しの顔をしたサボット侯爵。絶対、捕まりたくない。

「やはり遠慮いたしますわ」

 コーラルが大きくため息を吐いたところで、騎士隊長が剣を抜いた。

「あなたに恨みはありませんが、全力でいかせていただく」
「ダンスのお誘いでしてたら喜んでお受けいたしましたのに、残念ですわ」

 二人は屋根の上で向かい合った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断罪された私ですが、気づけば辺境の村で「パン屋の奥さん」扱いされていて、旦那様(公爵)が店番してます

さら
恋愛
王都の社交界で冤罪を着せられ、断罪とともに婚約破棄・追放を言い渡された元公爵令嬢リディア。行き場を失い、辺境の村で倒れた彼女を救ったのは、素性を隠してパン屋を営む寡黙な男・カイだった。 パン作りを手伝ううちに、村人たちは自然とリディアを「パン屋の奥さん」と呼び始める。戸惑いながらも、村人の笑顔や子どもたちの無邪気な声に触れ、リディアの心は少しずつほどけていく。だが、かつての知り合いが王都から現れ、彼女を嘲ることで再び過去の影が迫る。 そのときカイは、ためらうことなく「彼女は俺の妻だ」と庇い立てる。さらに村を襲う盗賊を二人で退けたことで、リディアは初めて「ここにいる意味」を実感する。断罪された悪女ではなく、パンを焼き、笑顔を届ける“私”として。 そして、カイの真実の想いが告げられる。辺境を守り続けた公爵である彼が選んだのは、過去を失った令嬢ではなく、今を生きるリディアその人。村人に祝福され、二人は本当の「パン屋の夫婦」となり、温かな香りに包まれた新しい日々を歩み始めるのだった。

婚約破棄したら食べられました(物理)

かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。 婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。 そんな日々が日常と化していたある日 リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる グロは無し

溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~

紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。 ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。 邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。 「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」 そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。

双子の姉に聴覚を奪われました。

浅見
恋愛
『あなたが馬鹿なお人よしで本当によかった!』 双子の王女エリシアは、姉ディアナに騙されて聴覚を失い、塔に幽閉されてしまう。 さらに皇太子との婚約も破棄され、あらたな婚約者には姉が選ばれた――はずなのに。 三年後、エリシアを迎えに現れたのは、他ならぬ皇太子その人だった。

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

「陛下、子種を要求します!」~陛下に離縁され追放される七日の間にかなえたい、わたしのたったひとつの願い事。その五年後……~

ぽんた
恋愛
「七日の後に離縁の上、実質上追放を言い渡す。そのあとは、おまえは王都から連れだされることになる。人質であるおまえを断罪したがる連中がいるのでな。信用のおける者に生活できるだけの金貨を渡し、託している。七日間だ。おまえの国を攻略し、おまえを人質に差し出した父王と母后を処分したわが軍が戻ってくる。そのあと、おまえは命以外のすべてを失うことになる」 その日、わたしは内密に告げられた。小国から人質として嫁いだ親子ほど年齢の離れた国王である夫に。 わたしは決意した。ぜったいに願いをかなえよう。たったひとつの望みを陛下にかなえてもらおう。 そう。わたしには陛下から授かりたいものがある。 陛下から与えてほしいたったひとつのものがある。 この物語は、その五年後のこと。 ※ハッピーエンド確約。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。

死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?

六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」 前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。 ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを! その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。 「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」 「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」 (…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?) 自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。 あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか! 絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。 それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。 「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」 氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。 冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。 「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」 その日から私の運命は激変! 「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」 皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!? その頃、王宮では――。 「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」 「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」 などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。 悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!

婚約破棄された令嬢は、“神の寵愛”で皇帝に溺愛される 〜私を笑った全員、ひざまずけ〜

夜桜
恋愛
「お前のような女と結婚するくらいなら、平民の娘を選ぶ!」 婚約者である第一王子・レオンに公衆の面前で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢セレナ。 彼女は涙を見せず、静かに笑った。 ──なぜなら、彼女の中には“神の声”が響いていたから。 「そなたに、我が祝福を授けよう」 神より授かった“聖なる加護”によって、セレナは瞬く間に癒しと浄化の力を得る。 だがその力を恐れた王国は、彼女を「魔女」と呼び追放した。 ──そして半年後。 隣国の皇帝・ユリウスが病に倒れ、どんな祈りも届かぬ中、 ただ一人セレナの手だけが彼の命を繋ぎ止めた。 「……この命、お前に捧げよう」 「私を嘲った者たちが、どうなるか見ていなさい」 かつて彼女を追放した王国が、今や彼女に跪く。 ──これは、“神に選ばれた令嬢”の華麗なるざまぁと、 “氷の皇帝”の甘すぎる寵愛の物語。

処理中です...