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港は金と度胸
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現在の川之江港は大型フェリーやなんかも入れるような所だろう。なら戦国時代はどうか?
「(ハァー ハァー)静樹・・・オレは今、特性が発動した後より疲れたんだけど・・・マジでこの時代のお金重過ぎな件・・・」
「(クスッ)お疲れ様です!ここからは船での移動になりますので、だいぶ楽になりますよ!」
「あ、あぁ。どの船か分かる?ってか、思ってた以上に栄えているんだな?明らかに酒屋や飯屋のようなのが見えるし、船宿かな?それに、現代のような投網のような漁具も見えるし」
「川之江浦は大港ではありませんが、瀬戸内の要衝ですし、金生川と連携と上手く取れていますので、小さな浜辺荷揚げ中心の港ですが、丸太浅橋ではなく、ちゃんと板を組んだ安全な浅橋作りで、潮位に合わせているので、船の着きは多いですよ。堺ともそんなに離れていませんからね」
この時代に来て、なるほど・・・と分かる事が多い。
そして船宿の方へ歩いていると、荷揚げしている人達が見えたが、やはり米俵をよく見かけた。その他に何が入ってあるかは分からないが、樽も見えた。衣類らしき物も見えるし、藁に挟んだ魚の干物らしき物も見える。
「総じて思ってたより栄えているわ」
「おぅ!そこお武家さん!その巨大な背負子は見慣れないな?どこか船で向かうかぃ?」
「えぇ。まぁ堺に」
なんの魚か分からないが、良い匂いの煙をあげながら魚を焼いている、中年のおじさんが話し掛けてきた。
「そんな怖い顔しなさんな!ま、旅の前にこれでも食べてくれ!ツバクロって雑魚なんだが、漁師の皆が捨てるから俺が藁で燻しながら焼いているんだ!案外美味いと思うんだが、中々売れ行きが悪くてな?感想を聞かせてほしい」
案外、通な事をしてるんだな、と思いながら竹串に刺され焼かれた魚を一口齧る。小さい魚で食い出はないが・・・
「いや、美味っ!これ美味っ!静樹!静樹も食べてみてくれ!おじさん!悪いが、もう一匹くれ!銭は払う!」
「おっ!嬉しい事言ってくれるじゃないか!3文貰っても構わないか?」
オレは通貨価値が分からないため、静樹に紐で通した永楽通宝を渡す。
そしてそのやり取りを見ていたが、
「はっはっ!さすがお武家さんだ!良銭じゃないか!これなら2文でいいぜ?それにしても何結持ってるんだ!?金持ちだな!」
と、おじさんがご機嫌になり、静樹が2枚渡していたのを見ると、1枚1文だというのが分かった。まぁこれが鐚銭ならまた変わるんだろう。見た感じオレが持っているのに鐚はないように思う。
「ふふふ。堺に買い物に参りますからね。それなりに銭は必要でしょう?受け取りなさい。美味しかったから私と、私の夫である山岡尊様からの気持ちよ?その代わり、堺に向かう船を紹介してほしいんだけど?」
「おっと?こんなにいいのかぃ!?あんた山岡さんっていうんだな!?覚えておくぜ!川之江城のお武家さんか?その出立ちで只者ではない事は分かっていたんだぜ!?」
おじさんは静樹がチップを渡すと上機嫌になり色々と教えてくれた。
堺に向かう船は大きく分けて3つ。まず、川之江廻船衆というのが率いている船、堺納屋衆が率いる船、村上水軍が率いる船とあるそうだ。
「まぁ、山岡さん達が急ぐなら村上水軍の船が速いと思うぞ?なんせ寄り道せずに向かってくれるからな。ただ、少し値段は高くなると思うぜ?ゆっくりでも良いならやはり堺納屋衆の船だな!安いが方々に寄るから日にちが掛かる。川之江廻船衆の船は安いし速いが、船が小さくてな」
「分かった。貴重な意見すまない。恩に着る」
「はっはっ!いいさ!いいさ!山岡さんみたい気さくなお武家さんは初めてさ!」
その後は浅橋の方へ向かい、荷揚げしている男に1文を払い、どれがどの船なのかと聞く。
「あぁん?見て分からないのか?ワシは忙・・・し・・(チャリン)おぉ!話の分かる男だな!あそこの一際大きい船が堺の船さ!堺に行くならあれ一択さ!話付けて来てやろうか?」
こんな事でお金を渡すのは勿体無い。現代感覚ならそうだろうが戦国ではそうはいかない。人が動けば、例え口だけだろうと銭が動く。必要経費だ。
「あぁ。任せる」
荷揚げの男は褌一丁だったが案外できる男なのか、沖に停泊している堺の船に小舟で向かい、数分の内に戻って来た。
「おーい!話付けて来たぜ!一人40文、手荷物一つに付き、もう10文増えるそうだ!」
「助かった。案内してくれるか?」
「分かった!あの小舟に乗ってくれ!それにしても女連れの漫遊とは、さてはアンちゃんは金持ちだな?」
「貧乏ではないかな」
「羨ましいぜ!」
他の男達から少し注目を浴びながら小舟に乗る。オレは内心ビビっている。いっぱい人がいるが、マジで手作り感満載のこんな小舟で堺船まで行けるのかと。
だが、カッコつける感じで顰めっ面で乗っている。そして再び視界の横に点滅する特性が出る。
《韜晦》
己の内情を巧みに隠し、何事もなかったかのように振る舞う高度な処世術。
「アンちゃんは船乗りだったのか?どんな屈強な男でも大概船の上では驚くんだけどな!ほら!着いたぜ!そこの縄から乗りな!話は付けてあるから、荷揚げの平八からの紹介と言やぁ~分かる!帰りもまたワシを使ってくれ!安くしておくぜ!じゃあな!気ぃ~つけてな!」
「口は悪いけど面白い男ね。(ヒョイ)貰っておきなさい!また帰った時に貴方を使ってあげるわ。私は山岡静樹。山岡尊様の妻よ」
「おいおい・・・名字持ちって武家だったのか!?すまねぇ~!」
「平八。助かった。頑張れよ」
静樹の更に上乗せしたチップとオレの悟られない特性、韜晦のおかげで堺船まで何事もなく到着する。まぁ相変わらず切れた後の副作用中だ。
「誰からの紹介だ?」
「荷揚げの平八という男からだ」
「女連れの男と聞いていたが間違いないか?」
「あぁ。手荷物は互いに一つずつ。乗り賃は一人40文、手荷物一つに10文と聞いている。人間2人と背負子2つだ。ちょうどここに100文、1結ある。確認してくれ」
「話が早いな。算術が分かる者だ。武家か?商人には見えねぇ~。それにして変わった背負子だな?どうやって作っているんだ?」
「まぁそこは詮索しないでくれ。川之江城詰めだ」
「武家か。あぁ、間違いない。ちょうど刻も良かった。もう半刻もすれば出航致す。今は最後の荷の確認中だ。時に・・・アンちゃんは銭を持ってそうだからな。もう50文出せば、最上級の個室の船室にしてやれるがどうだ?女連れならその方がいいだろう?」
「商魂逞しいな。まぁ銭はあるからな。ほらよ。(ヒョイ)
「ヒッヒッ。おおきにな!声も漏れにくいように作ってあるさかいに・・・。備前で1日、備後で1日、摂津で2日、その後は堺だが、天候により少し変わる。アンちゃんは今後とも末長く付き合いたいものだ。飯はそんな豪華な物は用意できないが用意しよう」
「あぁ。助かる」
「おっと・・・ワイは堺納屋衆 今井家支配内 船頭 今井屋甚兵衛。あそこに見えるのが、手代 今井屋藤左衛門、あそこの男が堺商 今井屋 喜助だ。おっと・・・念の為にこれも渡しておく。甲賀の気付け薬だ。船の上で吐かないでくれよ?カッカッカッ!」
この船の船頭、今井屋甚兵衛・・・たまに関西弁の出る、憎みにくい商魂逞しい男だ。言葉は悪いが案外気が効く。まぁそれはオレがお金を持っているからというのもあるからだろう。
そしてあてがわれた部屋に入ると驚きだ。オレはたかが50文プラスでと思ったが、これが凄い。現代の布団とは程遠いが布団の原型のような物が敷かれてある。ほのかに柑橘系の香りがしている。ちゃんと鍵も簡易的だが有り、外から中へは戸を壊さない限り入れないような作りだ。
「これは凄いな」
「確かに素晴らしいですね!流石、堺船というべきでしょうか」
「なぁ?静樹?こんな所でなんだけどさ?」
本当に最悪な男だ。静樹の服はオレが課金して10着ぐらいある。ゲームで着させる服により能力が変わるんだが、今は外行きの、少し丈が短めの小袖と羽織、陣笠を装備させていた。ゲーム内ではこの服装で素の能力値が全体的に5~10くらいプラスされてた記憶がある。
ゲームでは思わなかったが現実で見ると・・・
「尊様・・・外に人が居ります・・・」
「構わない・・・最低の男だと分かっている・・・けど静樹を見たら我慢できないんだ・・・」
我ながらマジで色欲モンスターかと思うが、本当に静樹に惹かれているんだから仕方がない。
「尊様・・・ありがとうございます・・・いついつまでもお慕いしています・・・」
……やはり、秒だった。
「(ハァー ハァー)静樹・・・オレは今、特性が発動した後より疲れたんだけど・・・マジでこの時代のお金重過ぎな件・・・」
「(クスッ)お疲れ様です!ここからは船での移動になりますので、だいぶ楽になりますよ!」
「あ、あぁ。どの船か分かる?ってか、思ってた以上に栄えているんだな?明らかに酒屋や飯屋のようなのが見えるし、船宿かな?それに、現代のような投網のような漁具も見えるし」
「川之江浦は大港ではありませんが、瀬戸内の要衝ですし、金生川と連携と上手く取れていますので、小さな浜辺荷揚げ中心の港ですが、丸太浅橋ではなく、ちゃんと板を組んだ安全な浅橋作りで、潮位に合わせているので、船の着きは多いですよ。堺ともそんなに離れていませんからね」
この時代に来て、なるほど・・・と分かる事が多い。
そして船宿の方へ歩いていると、荷揚げしている人達が見えたが、やはり米俵をよく見かけた。その他に何が入ってあるかは分からないが、樽も見えた。衣類らしき物も見えるし、藁に挟んだ魚の干物らしき物も見える。
「総じて思ってたより栄えているわ」
「おぅ!そこお武家さん!その巨大な背負子は見慣れないな?どこか船で向かうかぃ?」
「えぇ。まぁ堺に」
なんの魚か分からないが、良い匂いの煙をあげながら魚を焼いている、中年のおじさんが話し掛けてきた。
「そんな怖い顔しなさんな!ま、旅の前にこれでも食べてくれ!ツバクロって雑魚なんだが、漁師の皆が捨てるから俺が藁で燻しながら焼いているんだ!案外美味いと思うんだが、中々売れ行きが悪くてな?感想を聞かせてほしい」
案外、通な事をしてるんだな、と思いながら竹串に刺され焼かれた魚を一口齧る。小さい魚で食い出はないが・・・
「いや、美味っ!これ美味っ!静樹!静樹も食べてみてくれ!おじさん!悪いが、もう一匹くれ!銭は払う!」
「おっ!嬉しい事言ってくれるじゃないか!3文貰っても構わないか?」
オレは通貨価値が分からないため、静樹に紐で通した永楽通宝を渡す。
そしてそのやり取りを見ていたが、
「はっはっ!さすがお武家さんだ!良銭じゃないか!これなら2文でいいぜ?それにしても何結持ってるんだ!?金持ちだな!」
と、おじさんがご機嫌になり、静樹が2枚渡していたのを見ると、1枚1文だというのが分かった。まぁこれが鐚銭ならまた変わるんだろう。見た感じオレが持っているのに鐚はないように思う。
「ふふふ。堺に買い物に参りますからね。それなりに銭は必要でしょう?受け取りなさい。美味しかったから私と、私の夫である山岡尊様からの気持ちよ?その代わり、堺に向かう船を紹介してほしいんだけど?」
「おっと?こんなにいいのかぃ!?あんた山岡さんっていうんだな!?覚えておくぜ!川之江城のお武家さんか?その出立ちで只者ではない事は分かっていたんだぜ!?」
おじさんは静樹がチップを渡すと上機嫌になり色々と教えてくれた。
堺に向かう船は大きく分けて3つ。まず、川之江廻船衆というのが率いている船、堺納屋衆が率いる船、村上水軍が率いる船とあるそうだ。
「まぁ、山岡さん達が急ぐなら村上水軍の船が速いと思うぞ?なんせ寄り道せずに向かってくれるからな。ただ、少し値段は高くなると思うぜ?ゆっくりでも良いならやはり堺納屋衆の船だな!安いが方々に寄るから日にちが掛かる。川之江廻船衆の船は安いし速いが、船が小さくてな」
「分かった。貴重な意見すまない。恩に着る」
「はっはっ!いいさ!いいさ!山岡さんみたい気さくなお武家さんは初めてさ!」
その後は浅橋の方へ向かい、荷揚げしている男に1文を払い、どれがどの船なのかと聞く。
「あぁん?見て分からないのか?ワシは忙・・・し・・(チャリン)おぉ!話の分かる男だな!あそこの一際大きい船が堺の船さ!堺に行くならあれ一択さ!話付けて来てやろうか?」
こんな事でお金を渡すのは勿体無い。現代感覚ならそうだろうが戦国ではそうはいかない。人が動けば、例え口だけだろうと銭が動く。必要経費だ。
「あぁ。任せる」
荷揚げの男は褌一丁だったが案外できる男なのか、沖に停泊している堺の船に小舟で向かい、数分の内に戻って来た。
「おーい!話付けて来たぜ!一人40文、手荷物一つに付き、もう10文増えるそうだ!」
「助かった。案内してくれるか?」
「分かった!あの小舟に乗ってくれ!それにしても女連れの漫遊とは、さてはアンちゃんは金持ちだな?」
「貧乏ではないかな」
「羨ましいぜ!」
他の男達から少し注目を浴びながら小舟に乗る。オレは内心ビビっている。いっぱい人がいるが、マジで手作り感満載のこんな小舟で堺船まで行けるのかと。
だが、カッコつける感じで顰めっ面で乗っている。そして再び視界の横に点滅する特性が出る。
《韜晦》
己の内情を巧みに隠し、何事もなかったかのように振る舞う高度な処世術。
「アンちゃんは船乗りだったのか?どんな屈強な男でも大概船の上では驚くんだけどな!ほら!着いたぜ!そこの縄から乗りな!話は付けてあるから、荷揚げの平八からの紹介と言やぁ~分かる!帰りもまたワシを使ってくれ!安くしておくぜ!じゃあな!気ぃ~つけてな!」
「口は悪いけど面白い男ね。(ヒョイ)貰っておきなさい!また帰った時に貴方を使ってあげるわ。私は山岡静樹。山岡尊様の妻よ」
「おいおい・・・名字持ちって武家だったのか!?すまねぇ~!」
「平八。助かった。頑張れよ」
静樹の更に上乗せしたチップとオレの悟られない特性、韜晦のおかげで堺船まで何事もなく到着する。まぁ相変わらず切れた後の副作用中だ。
「誰からの紹介だ?」
「荷揚げの平八という男からだ」
「女連れの男と聞いていたが間違いないか?」
「あぁ。手荷物は互いに一つずつ。乗り賃は一人40文、手荷物一つに10文と聞いている。人間2人と背負子2つだ。ちょうどここに100文、1結ある。確認してくれ」
「話が早いな。算術が分かる者だ。武家か?商人には見えねぇ~。それにして変わった背負子だな?どうやって作っているんだ?」
「まぁそこは詮索しないでくれ。川之江城詰めだ」
「武家か。あぁ、間違いない。ちょうど刻も良かった。もう半刻もすれば出航致す。今は最後の荷の確認中だ。時に・・・アンちゃんは銭を持ってそうだからな。もう50文出せば、最上級の個室の船室にしてやれるがどうだ?女連れならその方がいいだろう?」
「商魂逞しいな。まぁ銭はあるからな。ほらよ。(ヒョイ)
「ヒッヒッ。おおきにな!声も漏れにくいように作ってあるさかいに・・・。備前で1日、備後で1日、摂津で2日、その後は堺だが、天候により少し変わる。アンちゃんは今後とも末長く付き合いたいものだ。飯はそんな豪華な物は用意できないが用意しよう」
「あぁ。助かる」
「おっと・・・ワイは堺納屋衆 今井家支配内 船頭 今井屋甚兵衛。あそこに見えるのが、手代 今井屋藤左衛門、あそこの男が堺商 今井屋 喜助だ。おっと・・・念の為にこれも渡しておく。甲賀の気付け薬だ。船の上で吐かないでくれよ?カッカッカッ!」
この船の船頭、今井屋甚兵衛・・・たまに関西弁の出る、憎みにくい商魂逞しい男だ。言葉は悪いが案外気が効く。まぁそれはオレがお金を持っているからというのもあるからだろう。
そしてあてがわれた部屋に入ると驚きだ。オレはたかが50文プラスでと思ったが、これが凄い。現代の布団とは程遠いが布団の原型のような物が敷かれてある。ほのかに柑橘系の香りがしている。ちゃんと鍵も簡易的だが有り、外から中へは戸を壊さない限り入れないような作りだ。
「これは凄いな」
「確かに素晴らしいですね!流石、堺船というべきでしょうか」
「なぁ?静樹?こんな所でなんだけどさ?」
本当に最悪な男だ。静樹の服はオレが課金して10着ぐらいある。ゲームで着させる服により能力が変わるんだが、今は外行きの、少し丈が短めの小袖と羽織、陣笠を装備させていた。ゲーム内ではこの服装で素の能力値が全体的に5~10くらいプラスされてた記憶がある。
ゲームでは思わなかったが現実で見ると・・・
「尊様・・・外に人が居ります・・・」
「構わない・・・最低の男だと分かっている・・・けど静樹を見たら我慢できないんだ・・・」
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