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史実と違う三方ヶ原
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オレ達織田軍が退却したため、徳川軍の最右翼は酒井さんになった。正面の内藤隊はバラバラになり後退し、その補填として甘利信康という部隊が酒井さんに襲い掛かるが、それをオレ達が遠距離から爆竹、ロケット花火、ボウガンを撃ち込み足止めさせている感じだ。
ちなみにボウガンはオレも初見だ。なんでも、有沙さんが某有名通販サイト密林で購入したものを改造したらしい。
正式名称はコンパウンドボウガン・・・アメリカ製で主には狩猟用に使われる部類のやつらしく、そもそものポテンシャルは高いそうだ。オレも一矢射らせてもらったがまず、この時代の弓より軽い。そして威力が段違いだった。
そして、矢の部分だ。ここを改造したらしい。矢の先端に小麦粉を入れたガラス容器を取り付け射る。ガラスが割れ、小麦粉が漂い始める頃にテルミットを投げる。
ドガァァァァーーーーーーン
「ね!?あれが即席の粉塵爆発だよ♪まぁ味方が近いと敵も味方も被害が被るから気をつけないといけないけどね!ほら!あれ!あんなに甘利隊は勢いあったのにもう止まったよ!」
「お、おう・・・そうか・・・さすが有沙だ」
うん。控えめに言って科学の暴力だ。多分オレなんかより適性が高いのは有沙さんだ。
そして、まずは家康さんがオレ達の横を通る。
「合田殿!助かった!早く城へ!」
「いや、オレ達はこのままやる事があるので。悪いですけど、完璧に敵を足止めすれば作戦に支障がでるのである程度は追わせますよ?」
「夏目から聞いている!お主等が帰るまで城門は開けておく!必ず!必ず戻って参れ!」
いい逃げっぷりだと思う。恐らく史実なんかより楽な退却だろう。その家康さんを先行するのが酒井さんだ。
続いて旗本衆、三河衆、大須賀隊、榊原隊、大久保隊と退却を始める。みんながみんなオレ達とすれ違う時に挨拶してくる。その中の1人石川数正さんが深く謝してきた。
なんでも石川数正さんが相対していたのは武田勝頼らしく、かなり押し込まれていたらしい。だが、あやめさんが内藤を討ち取った時、一瞬の隙ができ部隊を整える事ができたらしい。
「お気をつけて!」
「うむ!合田殿は怪我してるじゃないか?城へ戻った折にはワシの部屋を訪ねてくれ!秘伝の薬を授けよう!矢傷によく効く薬なのだ!では・・・御免!」
勘弁してもらいたい。どうせこの時代の薬なんて薬効の糞も確認もない薬だろう。なんなら馬糞とか混ぜたものだと聞いた事がある。マジで勘弁してもらいたい。
最後は先に逃げた大久保忠世さんの弟、例の脱糞言いふらし事件の大久保忠佐さんと本多忠勝さんだ。
「うまく退却できた。感謝する!さぁ織田方も急ごう!」
「オレ達はやる事がありますので!敵をある程度着かず離れずで引き寄せてください!武田の首をオレ達が取ります」
「なんだと!?」
「あぁ、大久保殿。合田殿に任せておけば万事上手くいく。我等は城へ戻ろうぞ」
そう言ってくれたのは本多さんだ。まあまあ激戦らしかったが本当にこの人はピカピカの甲冑のままだ。
大久保さんは訝しみながらもオレ達に軽く頷き退却していった。そして、スモークを焚きオレ達は一旦この場から離れる。だが、こんな大人数では目立ってしまう。そこで、里志君が考えていた作戦を言った。
その前に・・・平手さんはまだ分からないけど今のところオレの隊に居る。里志君達が現れ急に静かになった。見慣れない装備や補給のカロリーバーやスポーツドリンクに驚いているのだろう。
その平手隊も既に浜松へ退いている。主要な人3人が居るだけだ。
まず、鳳来寺街道~祝田坂にかけて武田軍は展開している。オレ達は隊を二つに分けた。竹中さん、慶次さん、オレ、平手さん、里志君、有沙さん、あやめさんだ。
「残りの者は危険な役目だろうが果たしてほしい」
竹中さんが決定した事だった。この事にオレは反対したが、できる限り武田本陣を手薄にしないといけないため誰かがこの役を買って出てくれないと成立しないのだ。
だが、この危険な役を未来装備にだいぶ慣れた小川さんや小泉さん達が志願してくれたのだ。
「要は武田の蟻供を引き寄せておげばよいのですな?」
「簡単に言えばその通り。重矩!甲賀衆に着いて行きなさい!竹中家に恥じぬ働きを!」
「はっ!」
「小川さん?それに他の甲賀の人達も必ず死なない事!危なくなれば全速力で散り散りで逃げる事!浜松で落ち合う事!約束してください!」
「我等の事は構いませぬ。合田様こそお気をつけて。武運長久をば」
60名程の引き付け役の人達は甲賀衆の1人、黒川さんの号令のもと、武田軍に投石を始めた。少し乱れている武田軍だがそれにいち早く反応したのは山県隊と勝頼隊だ。
すぐに同じ石やら矢が飛んでくるが、すぐに反転。浜松城の方に向かって走り出す。
オレ達は更に東に進み、獣道とも言えない山の斜面にて待機している。このまま鳳来寺街道を避け、大回りして武田本陣のある根洗松に出る予定だ。
この作戦の立案者はもちろん里志君だ。
「武田本陣は暫くここで待機するはず。少なくとも俺の知ってる歴史ではそうだ。その時、本陣の周りは馬廻りと高坂昌信が居るはず」
作戦を聞いた限りでは遂行できそうだと思った。だが・・・弾がもうない事が一つ懸念だ。コンパウンドボウガンと爆弾が多数あるからなんとかなりそうってのもあるけど。
そして、30分程過ぎた頃にオレ達は静かに動き出す。悟られないように草むらに隠れて、闇夜に紛れてだ。時刻はオレの時計で19時ちょうどだ。
20分程、南下したところに武田菱の旗が並んでいるところに出る。距離にして100メートルくらいだろうか。
さすがにこの距離では無理だ。もう少し近付こうとしたが、その時・・・
ちなみにボウガンはオレも初見だ。なんでも、有沙さんが某有名通販サイト密林で購入したものを改造したらしい。
正式名称はコンパウンドボウガン・・・アメリカ製で主には狩猟用に使われる部類のやつらしく、そもそものポテンシャルは高いそうだ。オレも一矢射らせてもらったがまず、この時代の弓より軽い。そして威力が段違いだった。
そして、矢の部分だ。ここを改造したらしい。矢の先端に小麦粉を入れたガラス容器を取り付け射る。ガラスが割れ、小麦粉が漂い始める頃にテルミットを投げる。
ドガァァァァーーーーーーン
「ね!?あれが即席の粉塵爆発だよ♪まぁ味方が近いと敵も味方も被害が被るから気をつけないといけないけどね!ほら!あれ!あんなに甘利隊は勢いあったのにもう止まったよ!」
「お、おう・・・そうか・・・さすが有沙だ」
うん。控えめに言って科学の暴力だ。多分オレなんかより適性が高いのは有沙さんだ。
そして、まずは家康さんがオレ達の横を通る。
「合田殿!助かった!早く城へ!」
「いや、オレ達はこのままやる事があるので。悪いですけど、完璧に敵を足止めすれば作戦に支障がでるのである程度は追わせますよ?」
「夏目から聞いている!お主等が帰るまで城門は開けておく!必ず!必ず戻って参れ!」
いい逃げっぷりだと思う。恐らく史実なんかより楽な退却だろう。その家康さんを先行するのが酒井さんだ。
続いて旗本衆、三河衆、大須賀隊、榊原隊、大久保隊と退却を始める。みんながみんなオレ達とすれ違う時に挨拶してくる。その中の1人石川数正さんが深く謝してきた。
なんでも石川数正さんが相対していたのは武田勝頼らしく、かなり押し込まれていたらしい。だが、あやめさんが内藤を討ち取った時、一瞬の隙ができ部隊を整える事ができたらしい。
「お気をつけて!」
「うむ!合田殿は怪我してるじゃないか?城へ戻った折にはワシの部屋を訪ねてくれ!秘伝の薬を授けよう!矢傷によく効く薬なのだ!では・・・御免!」
勘弁してもらいたい。どうせこの時代の薬なんて薬効の糞も確認もない薬だろう。なんなら馬糞とか混ぜたものだと聞いた事がある。マジで勘弁してもらいたい。
最後は先に逃げた大久保忠世さんの弟、例の脱糞言いふらし事件の大久保忠佐さんと本多忠勝さんだ。
「うまく退却できた。感謝する!さぁ織田方も急ごう!」
「オレ達はやる事がありますので!敵をある程度着かず離れずで引き寄せてください!武田の首をオレ達が取ります」
「なんだと!?」
「あぁ、大久保殿。合田殿に任せておけば万事上手くいく。我等は城へ戻ろうぞ」
そう言ってくれたのは本多さんだ。まあまあ激戦らしかったが本当にこの人はピカピカの甲冑のままだ。
大久保さんは訝しみながらもオレ達に軽く頷き退却していった。そして、スモークを焚きオレ達は一旦この場から離れる。だが、こんな大人数では目立ってしまう。そこで、里志君が考えていた作戦を言った。
その前に・・・平手さんはまだ分からないけど今のところオレの隊に居る。里志君達が現れ急に静かになった。見慣れない装備や補給のカロリーバーやスポーツドリンクに驚いているのだろう。
その平手隊も既に浜松へ退いている。主要な人3人が居るだけだ。
まず、鳳来寺街道~祝田坂にかけて武田軍は展開している。オレ達は隊を二つに分けた。竹中さん、慶次さん、オレ、平手さん、里志君、有沙さん、あやめさんだ。
「残りの者は危険な役目だろうが果たしてほしい」
竹中さんが決定した事だった。この事にオレは反対したが、できる限り武田本陣を手薄にしないといけないため誰かがこの役を買って出てくれないと成立しないのだ。
だが、この危険な役を未来装備にだいぶ慣れた小川さんや小泉さん達が志願してくれたのだ。
「要は武田の蟻供を引き寄せておげばよいのですな?」
「簡単に言えばその通り。重矩!甲賀衆に着いて行きなさい!竹中家に恥じぬ働きを!」
「はっ!」
「小川さん?それに他の甲賀の人達も必ず死なない事!危なくなれば全速力で散り散りで逃げる事!浜松で落ち合う事!約束してください!」
「我等の事は構いませぬ。合田様こそお気をつけて。武運長久をば」
60名程の引き付け役の人達は甲賀衆の1人、黒川さんの号令のもと、武田軍に投石を始めた。少し乱れている武田軍だがそれにいち早く反応したのは山県隊と勝頼隊だ。
すぐに同じ石やら矢が飛んでくるが、すぐに反転。浜松城の方に向かって走り出す。
オレ達は更に東に進み、獣道とも言えない山の斜面にて待機している。このまま鳳来寺街道を避け、大回りして武田本陣のある根洗松に出る予定だ。
この作戦の立案者はもちろん里志君だ。
「武田本陣は暫くここで待機するはず。少なくとも俺の知ってる歴史ではそうだ。その時、本陣の周りは馬廻りと高坂昌信が居るはず」
作戦を聞いた限りでは遂行できそうだと思った。だが・・・弾がもうない事が一つ懸念だ。コンパウンドボウガンと爆弾が多数あるからなんとかなりそうってのもあるけど。
そして、30分程過ぎた頃にオレ達は静かに動き出す。悟られないように草むらに隠れて、闇夜に紛れてだ。時刻はオレの時計で19時ちょうどだ。
20分程、南下したところに武田菱の旗が並んでいるところに出る。距離にして100メートルくらいだろうか。
さすがにこの距離では無理だ。もう少し近付こうとしたが、その時・・・
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