風使い魔王の逆襲英雄譚

SchweinDikiy

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2'〜謎の少女との出会い〜

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今日もまたいつものようにモンスターを狩っていた。
俺は学園卒業以来ずっと旅人のように各街を転々とし、モンスター狩りに努め、式展開をかなりの速度でできるようになっていた。 

俺はある意味で有名人になっていた。
各街の凶暴なモンスターだけを退治し、次の街でもそれを繰り返す。
そうやっていた俺に付けられた別名が「さすらいの風使い」だ。
今までモンスターを狩る時は必ず風式を使って倒してきた。

俺がここまで強くなったのには理由がある。
それは風式の扱い方を熟知したからだ。
学園時代は風式などとバカにされ続け、ついには理解されてもらえなかった風式は今の俺には最強の式と言っても過言ではないだろう。
風と一言で言うこの風式は風を操るだけの式ではないのだ。
気圧や気候、気温などのその場の空気を変える力がある。

さらにそれらを扱っていた時に俺は空式を手に入れていた。
空式とはある一定の空間を設定しその空間内にだけ風式を行ったりすることが出来る、まさに俺にうってつけ、いや風式使いにはうってつけの式である。
さらに空式は空間と空間を入れ替えるという式も存在する。
つまり、瞬間移動が可能なのだ。
そしてこれは武器にもなる。
相手の首と胴体の間に線を入れるように空間を設定し、何も無い空気だけがあるその空間と入れ替えるだけで、モンスターの首を狩ることが出来る。
ただし、空式はそれだけに強いため、式展開には時間がかかる。
2つの空間の設定もまた結構難しく、倒すこと自体は問題ないがそれまでの過程に時間がかかりすぎてしまう。

俺はまだ多式展開という、複数の式の同時展開は出来ない。
何としてでも多式展開を使いこなせるようにならなければならない。
そうしなければ魔王に勝つなど不可能である。
魔王と言われるレベルは多式展開で二重展開どころか三重、四重展開は当然である。

俺はまだレベルが全然足りない。
もっと強くならなければならない。

そう考えていた時、俺はまたいつものようにモンスターを狩りに来ていた森の中で後ろから視線を感じた。
それは殺意に満ちているのを感じとれる。
俺は俺の周り半径1m以内に俺以外の者の侵入を拒む結界を張った。
もし俺の回り半径1m以内に指1本入ればそれは俺の風結界の餌食になる。

しばらく進んでいたが、襲いかかってこない所見ると人間である可能性が高い。
実際俺の事を狙うやつがいない訳では無い。
当然俺は風式という、最弱と言われている式の使い手でありながら強力なモンスターばかり狩っている為、金も大量に持っている。
山賊やら何やらだろう。

面倒なので二度と俺に近づかないようにする。

「おい。いつまで人の背中を見つめていれば気が済むんだ?見られてる側の気持ちも考えたらどうなんだ。」

突然話しかけられたことに驚いたのか左後方からガサガサと音がする。
振り向きそこを見る。
出てきたのは少女だった。
見るからにその少女はボロボロになっており、奴隷のような扱いを受けてきたのであろう痣や傷跡が薄い布の隙間から見え隠れしている。

俺は結界を解き、少女に近づき話しかける。

「君は一体?何故俺を追った?」

少女は嗚咽しながら少しずつ話し始めた。

「あ、あの、え、えと、あなたは、英雄様、ですよね?」

英雄?俺は英雄などと言われたことがないが誰かと勘違いしてるのではなかろうか。

「すまないが俺は英雄などではない。人違いだ。他を当たってくれ。」

と、突き放そうとした瞬間に少女が縋りついてきた。

「お、お願いです。助け、て、助けてください。」

俺の、いや、俺とこの少女の旅の始まりだ。

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