偏屈

なゆか

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敬遠された双子

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私のクラスには
珍しく男女の双子が揃っている。

姉の二宮菊乃
弟の二宮鞠

本来なら双子はクラスバラバラになる事が
多いが、何故かこの双子は同じクラスだった。

この双子とは、
今まで一切接した事ないのだが、
中学が同じで偶然、
同じ高校を受験していたらしく
元中という接点だけはあった。

まぁ、私が認識してても
あの双子は私の事知らないだろうな…

中学の時から、一部の噂で聞いていたが
近親相姦とか…民度が低い噂を流されている。

そんな噂と思っていたが、
ちらほら双子を見る度、
恋人繋ぎをしていたり
2人だけの世界というか…
双子が他の人と話しているところを
見た事がない為、
噂が本当なのかなんなのか、
関わって来なかった私には分かる術がない。

まぁ、今後も関わる事ないしなと思っていたが
今日この時から関わる事になった。



作野「グループ行動?」

箭久野「そうそう」

この学校は、入学してすぐに
班分けをし今後その班で
行動していく方針との事。

これは、趣味合わない人とか嫌な人と
一緒だったら、1年間最悪だろうな…

ちなみに今話しかけて来たのは、
幼馴染の男子、箭久野である。

私はヤクと呼んでいる。

作野「それよか、なんでヤクまで
この学校受けてたの?
サッカーの強豪行けよ」

箭久野「えー、すげードライじゃん」

作野「なんやかんや、
ヤクの顔は見飽きたんだよ。
高校でやっと離れると
思ってたのにまた同じかよ」

箭久野「まじで、ひでぇな!」

作野「このパターン…班も一緒になりそうな…
嫌な気が…」

箭久野「いーじゃんか! 顔馴染みの方が
やりやすいだろ」

作野「新鮮味が微塵もないのが、嫌だ」

なんて話していると、担任の先生らしき人が
入って来て、一旦席に着くと軽い挨拶と
すぐにグループ発表が始まった。



作野「と、いうわけで
この班なんで同中だけなの」

私の前にいる2人は、恋人繋ぎをしている
あの双子…そして、隣にはヤク。

箭久野「やべーよ、俺話した事ない」

こそこそ話でヤクが話してくるが、
無論私もである

作野「とりあえず、
挨拶しようか…作野です。
2人と同じ中学だよ」

箭久野「俺は、箭久野章大でーす」

菊乃「…」

鞠「…」

ヤクのハイテンションも、
双子のローテンションにドン滑る形となる。

作野「ええと」

私が話を切り出そうとすると、
意外にも二宮姉が口を開いた。

菊乃「二宮菊乃です。同じ中学だって
知ってますよ。作野さん」

作野「えっそうなの」

菊乃「作野さんには、一度中学の体育祭で
怪我の手当てをして貰った事があって
その時はお礼言えなかったから…」

二宮姉は驚く私の手を握った。

菊乃「ありがとうございます」

にこりと微笑む二宮姉を間近に見たのは
初めてだが、とにかく顔が整ってる。

山成「どっどういたしまして」

私は全然覚えてないが、
なんか手当てした事が
凄い好印象だったらしい。

鞠「…」

それをジトーッと見ている二宮弟。

菊乃「鞠、睨まない」

鞠「…」

二宮姉に注意され、そっぽを向く二宮弟。

菊乃「作野さん!
ぜひ、お友達になって下さい」

作野「おぉっ是非是非」

姉の方は思ってたより、
接しやすそうで安堵した。

菊乃「鞠も」

二宮姉は手を離すと、
瞬時に私に二宮弟の手を握らせた。

作野「お…」

ジワリと少し汗ばんでいる二宮弟の手。

鞠「…やだ」

菊乃「だめ」

鞠「僕は菊乃だけが居ればいい」

菊乃「無理」

鞠「やだ」

菊乃「いい加減にして」

鞠「無理」

菊乃「しつこい」

ポツポツとしたやり取りだが、
何となく二宮姉はしっかり者で、
駄々をこねる弟を
成長させようとしてるのかと思って
少し面白かった。

ぐい

私は無理やり握らされた
二宮弟の手を引く。

鞠「な…何」

作野「親離れならぬ、
姉離れの時だってさ」

鞠「うるさい、放せ」

作野「なんか、面白いね」

鞠「何面白がってる…放して」

作野「はい、握手握手」

にぎにぎ

鞠「やめろ」

作野「是非是非~」

にぎにぎ

鞠「放せ」

作野「友達になってね~」

にぎにぎ

鞠「放せって言ってんの!」

ブンブンと手を振り払おうとするが
私はしつこくいじるタイプである。

作野「はい、友達友達」

にぎにぎ

鞠「放せってば!
うわっ…」

バサッ

突然、私の方に倒れこんで来た二宮弟。

なんだなんだと二宮弟の後ろには明らかに
背中を押したであろう二宮姉。

作野「びっくりした」

私の腹部にしがみ付いた二宮弟は、
すぐに離れると見る見るうちに
顔が真っ赤になった。

鞠「ちっ違う!」

二宮弟の思ったよりも大きかった声は、
教室中に響いた。

そのせいでクラス中の視線が
二宮弟に突き刺さり、更に顔が赤く染まる。

鞠「…ッ」

作野「なんかごめんね」

私は怒って震えている二宮弟の肩を叩く。

鞠「触るな!お前なんて嫌いだ!!!」

初っ端から嫌われたかなと思ったが、
二宮弟の嫌い発言の後、すぐに…

菊乃「鞠は天邪鬼なので、
作野さんの事好きだって事ですよ」

作野「えっそうなの?」

鞠「違ッ…何変な事言ってるの菊乃!
僕は菊乃だけが居れば」

菊乃「作野さん、早速ではありますが
私の弟、鞠の恋人になってくれませんか」

再び二宮姉に手を握られたかと思ったら
とんでも無い事言われた。

作野「え…こっ恋人って…あの恋人⁈」

菊乃「はい!」

鞠「そんな勝手な事」

作野「友達ならまだしも、突然の恋人って…」

菊乃「鞠の今後の人生には作野さんが
必要不可欠なんです!」

鞠「違うっ作野なんて要らない!」

パンパン

手を叩く音がして、振り返ると
ヤクがやれやれ顔をしている。

箭久野「俺の事忘れてね?
すげー寂しいんだけど」

確かにヤクは、会話…
いや会話なのか分からないやり取りに
参加出来ていなかった。

箭久野「あとさー、
もう他の班は席着いてるから」

そう言われれば、立っているのは私達だけで
担任にも呆れ顔をされる。

作野「あっすいません、席着きます」

ガタッ

キーンコーンカーンコーン

席に着いたと同時に、チャイムが鳴った。

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