偏屈

なゆか

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不愉快

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帰りのHRが終わると
鞠君の彼女が教室に来て、
私にドヤ顔をしてくる。

立石「東守っち、ごめん!
後で話し聞くから!」

国井「東守、落ち着いたら話そ」

作野「そんな気遣わなくてもいいよ」

「作野ー、手伝い頼む」

作野「了解です、じゃあ2人とも
部活頑張れ、また明日」

2人は教室から出て行き、一応菊乃ちゃんにも
挨拶はしとくかと席を立つ。

作野「菊乃ちゃ…」

「あっれ~?
作野さん何でいるの?
残ってても、鞠君は私と下校するからね」

言葉を遮り、鞠君の彼女が正面に立った。

「私に僻んでんでしょ!
平気なフリ見え見えだっつーの」

本当にキーキー声で、耳障りだなと
他に残っているクラスメイトも
この不穏な空気にそそくさと下校し出す。

「作野さーん、そこまで言われてんのに
平気な訳?」

イキリ達は面白がって残っている。

「鞠君は私と付き合ってんの!」

作野「いや、何度も言わなくても分かったから、
何、悔しいって顔すれば満足?」

「ほら、僻んでる」

作野「話し通じてないな、
はいはい、僻んでる僻んでる」

面倒だなと菊乃ちゃんも出てっちゃったし、
早く委員会の業務しないとなと鞄を持つ。

「作野さんはブスだから、
鞠君と釣り合わないって
言葉にしてよ」

すげーなコイツ…

作野「はいはい、私はブスなんで
鞠君と釣り合わなかったから別れた
これでいい?」

「はん」

いいのかよと、まじやべーなコイツと
イキリ達も変な顔をし出した。

作野「これでいいなら、退いてくんない」

私はうんともすんとも言わない鞠君の横を通り、
教室を後にした。



パチンッパチンッパチンッ

授業で使うらしい資料のホチキス留め。

前やった時は鞠君が居たから、
早く終わったっけなと
いつの間に外が暗くなっている事に気付いた。

作野「コレでラスト」

パチンッ

時間掛かったなと、資料を箱に詰める。

ガラッ

箭久野「やっぱ、教室に残ってたの
サクだったのか」

作野「委員会活動でね、
ヤクは部活終わったの?」

箭久野「終わった終わった!
コレから監督の奢りでファミレス」

作野「お疲れ」

箭久野「こんな時間までやってたのかよ」

作野「まぁね」

箭久野「呼んでくれりゃ、手伝ったのに」

作野「いや、部活の邪魔は出来ないでしょ。
とりま、コレで終わりだし
ファミレス行くなら、早く戻りなよ」

私は箱を持ち上げる。

箭久野「なら、持ってくのは手伝ってやるよ。
傷心モードだもんな」

作野「いや、傷心してない」

箭久野「何年腐れ縁してると思ってんだよ」

作野「それ、私が言ったセリフじゃん」

箭久野「ははは」

ヤクは相変わらずだなと、箱を奪い取られ
教室から走り出て行った。

作野「どこ持ってくか聞かないまま、
行っちゃったよ」

ヤクにも気を遣わせてしまった。

後で、ジュースでも奢るかと
自分の鞄を持つ。



ヤクが戻って来て、昇降口に向かう途中

「箭久野ー」

「箭久野くーん、早く行こーよ」

外からヤクを呼ぶ声が聞こえて来た。

箭久野「あっやば」

作野「ヤク、ありがと。
みんな待ってるから早く行きなよ」

箭久野「おー」

作野「んじゃ、また明日」

箭久野「じゃあな」

ヤクは走って行き、いい腐れ縁だなと
少しだけ気が晴れた。



バタンッ

昇降口で靴を履き替えていると、
後ろから声を掛けられた。

「フラれたんだって?」

作野「あぁ、先輩達か」

「もっと喜びなよ」

作野「嫌ですよ、一声目
完全煽ってたじゃないですか」

「だって、フラれたんだって聞いたし」

作野「この学校、情報流れるの速いですね」

私がフラれた事になってんのは
仕方ないかな…

「世間は狭いからね」

「落ち込んでんのかーい?」

作野「いや、別に」

「そうかそうか、傷心モードの作野ちゃんに
焼き芋でも奢ってやろう」

作野「春真っ只中に?」

煽ってくるが良い先輩達だなと、
焼き芋を奢ってもらい、
私の周り割と良い人多くて良かったなと
下校した。



9時過ぎ
菊乃ちゃんから電話が掛かってきた。

作野「はぁ…無視するのもな」

今日泣いちゃったし、
話しくらいはしないとか…

作野「もしもーし」

菊乃「うぅッ…東守…ちゃ…」

作野「泣いてんの?」

菊乃「聞いたんです…鞠が東守ちゃんに
酷い事言ったんですね…それで」

作野「いや、それだけじゃないよ。
普通にアウェイだったの
気付いてなかった私のせいだし、
やめたいって言ったの私だしね」

菊乃「…でも…私は鞠と東守ちゃんは
お似合いで…それで」

作野「鞠君、最初から私の事嫌がってたし、
根本的に問題があったんだよ」

菊乃「…東守ちゃんは、鞠の事
嫌いですか?」

菊乃ちゃんは人の話し聞かないのか、
自分が言いたい事ばっかだな。

作野「…はぁ、近くに鞠君居る?」

菊乃「…居ます」

本人、近くに居るのに
私とこの話題の電話してんのか…

作野「スピーカーにしてよ」

菊乃「…分かりました」

プツン

多分、今スピーカーに切り替わった。

作野「鞠君」

鞠「…何」

作野「私が付き纏ってるとか言ってたよね?
それにブスと付き合うなんて気色悪いんだって?」

鞠「そうだろ」

作野「ほら、菊乃ちゃん。
無理でしょ、こんな事思われてるし…」

なんか腹立って来た。

作野「菊乃ちゃんさ…あの噂、
払拭の為に私の事利用したんでしょ?」

菊乃「わっ私はそんなつもりじゃ」

作野「現に噂してる人も減ってるし、
計画通りにいって良かったじゃん」

菊乃「本当に…違うんです」

作野「いやいや、
結果そうなってるからね」

菊乃ちゃんの啜り泣く声が聞こえる。

作野「…当たってごめん。
とりま、鞠君にも言ったけど、
まだ2年に上がるまで、
何ヶ月もあるからさ…
それまで、同じグループだから
今後は授業に支障が出ない関係性を
築いてこうよ」

授業に支障出して、
ヤクに迷惑掛けるのもな…

菊乃「…それでもッ…鞠と」

諦めが悪い菊乃さんに
私から言える事はもう無い。

鞠「おい、菊乃を泣かすな」

作野「…はぁ、あと説得は鞠君からしてよ」

鞠「…」

作野「だんまりしないでくんない?
つか、だんまりはあの馬鹿女にさせてよ。
アレ頭おかしいでしょ、なんであんなのと?」

鞠「…」

作野「彼女なんでしょ?
反論くらいすれば?」

鞠「…」

作野「…もういいや」

このまま話してても、
腹が立つだけだ。

作野「とにかく、電話切るから」

鞠「今から行くから」

作野「は?」

菊乃「鞠?」

鞠「菊乃をこんなに泣かせて、
僕にも散々文句言ったんだ。
報復しに行くから」

バタンッ

菊乃「まっ鞠!!?」

電話の向こうで菊乃ちゃんの驚く声が聞こえ、
電話が切れた。

作野「え…来ないよね?」

来るわけ無いよなと思っていると
家のインターホンが鳴った。

作野「嘘でしょ」

こういう日によって、私以外の家族は不在だ。
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