同級生同人誌

なゆか

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外元「転校生⁈」

「そうだ、美化委員のお前に
転校生の事を全て委ねた」

外元「…え、全て?」

「じゃあ、任せたぞ」

今日、クラスに転校生が来ると
朝イチで担任に言われ、
もうすぐ朝のHRなのに、
まだ登校して来ていない転校生を
校門で待っていろと背中を押された。

「朝のHRより、優先は転校生な」

そんな感じで、私は校門前に立っていた。

赤根「あれ?
外元さん、どうしたの?」

登校して来た赤根に声を掛けられた。

外元「おはよう赤根」

赤根「外元さんって、風紀委員だっけ?
朝の挨拶運動してるの?」

外元「違う、美化委員。
なんか転校生待ってて」

赤根「転校生⁈」

そりゃ、驚くよねと
私もさっき驚いたわと赤根と話していると
後ろから誰かにタックルされた。

里見「外ちゃんッ!
やっぱり、真野ちゃんおかしいよ!」

外元「うわッ里見⁈」

真野「あっおはよう外元。
それに赤根?」

赤根「…あー」

赤根は何故か顔を歪ませている。

真野「ほら、行くわよ里見」

里見「嫌ぁーッ!」

真野に里見は引き摺られて行き、
赤根は何故か私と2人を交互に見ながら、
顔を歪ませて去って行った。

外元「何だったんだ?」



和中「赤根、なんて顔して登校して来てんだよ」

赤根は教室に入って来てや否や、
和中にツッコまれていた。

赤根「うぅ…俺の本命が…どんどん
遠退いていくんだよ」

和中「どゆこと?」

朝っぱらから、またその話かよと
イヤホンを着ける。

地川「おい!真野さんと里見ちゃんが
イチャついてたんだけど!」

イヤホンしてるのに、まぁまぁなボリュームで
教室に入って来た地川にペン入れを投げた。

針谷「自重しろよ!」

地川「あっぶな!」

和中「なるほどな」

針谷「お前らも、本人達が聞いたらって
何回言わせんだよ」

俺の注意なんて、聞く耳を持たない3人は
各々が好きなカップリングの話をし始めた。



朝のHR前のチャイムが鳴ったなと思った時、
道路をダッシュで横断してくる女子が来た。

直感だが、あの子が転校生だと思う。

宮前「遅刻遅刻ー‼︎」

外元「あっぶな…」

車が走ってるのにと思いながら、
私はその子を呼び止めるとツインテールを
跳ねさせながら、こちらにやって来た転校生。

外元「転校生?」

宮前「そうでーす‼︎ 貴方も?」

外元「違う、私はクラスメイト。
貴方の事迎えに来たよ」

宮前「おやっこの展開は‼︎ 運命の出逢い的な‼︎」

外元「違う」



「転校生が来るぞー」

針谷「小塚、その顔やめろ」

小塚「にやにや」

俺は、転校生というワードに小塚が
引っかからないわけないと思った。

とにかく、男が来れば
この気持ち悪い表情をどうにか出来る。

ガラガラッ

外元「はぁ…疲れた」

宮前「えへへー」

女子だ…

ガタッ

小塚「‼︎」

針谷「リアクションがでけーよ」

外元「さっさと、自己紹介しなよ。宮前」

宮前「はーい‼︎ 宮前でーす‼︎
よろしく‼︎」

ハイテンションな女子が来た。

宮前「因みに男のむすめと書いて、男の娘でーす♡」

外元「え、男子なの?」

宮前「そうだよ!」

外元「なんで女子の制服」

宮前「秘密♡」

なんかすげーの来たなと見ていると、
小塚が落胆し、机に突っ伏している。

小塚「…うぅ…男の娘でも…いや…それだと…
ノーマルに…うぅ」

長谷「針谷、小塚がなんか唸ってる」

隣の席の長谷にこそっと言われ、
なんかぐちぐち言っている声が微かに聞こえる。

小塚「…うぅ…見た目は…完璧なのに…ぅ…
オス…」

針谷「長谷、耳塞いどけ」

長谷「ん?了解」

小塚は、もっと苦しめばいいと
ギリギリ餌食にならなそうな宮前を見ながら
安堵した。



外元「アレで男子か」

宮前はこの見た目で男だと公言し、
朝のHR後、女子達に囲まれていた。

真野「本当に男なの⁈」

宮前「ちゃんと、付いてるよ♡」

わいわいしているのを側から見ていると、
里見が飛んで来た。

里見「…外ちゃん!」

外元「何」

里見「雪橋ちゃんが唸ってる!」

そりゃ、宮前みたいなのは餌食になるよなと
後ろから雪橋さんが頭を抱えているのが見える。

外元「平常運行だから大丈夫じゃない?」

里見「でも!
何か顔が怖くて、地雷がどうだかって言ってて」

外元「平常運行だから」

里見「宮ちゃんが転校してきたから?」

外元「宮前が来ても来なくても、
普段からあんなんよ」

里見「私、雪橋ちゃんの事あまり知らなかったよ」

困り顔の里見。

外元「里見が困るに値しないから、大丈夫」

里見「そうなの?」

外元「アレは雪橋さんの平常運行だから」

ガタン

地川「外元~、里見ちゃんに下ネタは駄目でしょ」

どういう耳してんのだと地川が寄って来た。

里見「下ネタ?」

地川「そうそう、里見ちゃんは純粋強キャラだから
下ネタは駄目駄目」

外元「何が下ネタなのか、分かんないし
強キャラってなんだよ」

地川「だって、平常うんこって
スカ○ロはマズイでしょ」

外元「耳鼻科行けよ」

平常うんこって、何だよと思う。
私の隣で里見はさらに困った顔をしている。

外元「里見、この馬鹿の話なんて聞くだけ
無駄だからね」

里見「外ちゃん、スカ○ロって何?」

外元「…」

地川「大変!純粋強キャラの里見ちゃんの口から
スカ○ロって!報告しねーと!」

外元「誰にだよ!」

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