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秒で終わる卒業旅行
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日が流れ、いよいよ明日から卒業旅行だなと
よくよくスケジュールを見たら
木金が卒業旅行で、土日挟んで
月曜が卒業式である。
卒業する前旅行だったんかいと、
本当にボーッとし過ぎていた。
伊野「山田さーん」
山田「うわッ…伊野さん⁈」
伊野「俺の事、視界に入ってない?」
山田「……ぇ、そんな事は」
今日はまた奇跡の如く、
伊野君単体と下校していた。
伊野「最近さー、真那人とは普通に友達で、
良との距離も縮まったみたいだけど、俺は?
俺と全然距離縮まんないじゃん」
どうしたんだ伊野君。
山田「…ぁ…そういう」
伊野「俺が山田さんに良と真那人を奪られたって
嫉妬してるって思った?」
山田「はい」
伊野「その逆」
伊野君がため息を吐いた。
伊野「俺の事、疎かにしないでよ。
山田さんにちょっかい出し始めたの俺だからね」
伊野君は、ポンと私の肩を叩いた。
山田「ぐふっ」
伊野「何、萌えたの?」
山田「…はい」
伊野「なんだかなー」
伊野君と特に進展というか、
そもそも吸ってる空気違うんだから
進展どうこうは無い。
とにかく、伊野君は私にとって…
山田「ありがとうございます」
伊野「何のお礼?」
萌え補充である。
~
次の日の朝
いよいよ、卒業旅行だ!
この高校生最後の旅行は
乙女ゲの如く、伊野君達とのドキドキな展開が
あるに違いない。
と、意気込み普段以上に色々な意味で
ワクワクしていたが、
現実はそう上手くはいかなかった。
関田「何つまんなそうな顔して、
ため息吐いてんのよ!」
山田「…いや、つまらない訳じゃない」
関田「なら何?」
平井「私達って、男っ気ないね」
山田「そう!
このビックイベントなのに、もう夜よ!」
現在の時刻は23時半。
日中、私は伊野君達との接触があるかと思っていたが、
遠目で見るくらいでなーんも起こらなかった。
山田「萌えが足りない!」
関田「あー隣のクラスの男子の話ね。
今まで関わりなかったんだから、
本来がこうでしょ」
山田「確かにそうだけど、
ほら、修学旅行って絶対何かあるじゃん」
平井「卒業旅行だよ」
山田「旅行は旅行!」
平井「夢ドキだね」
山田「そうなのよ!
夢ドキが起きて欲しいのよ!」
関田「なら、旅館内練り歩けば?
私達寝るから」
平井「あっ私はアニメ、リアタイで観ないと」
山田「夢ドキ求めて、ちょっくら行ってくるわ」
ガラッとドアを開けた途端
担任と遭遇した。
先生「早く寝ろ」
山田「かしこまりました」
ピシャッ
そして、私の夢ドキ卒業旅行は
不完全燃焼のまま、夜が明けた。
~
卒業旅行2日目
後は、ほぼお土産買って帰るだけだ。
山田「あー、帰りの新幹線ッ」
時が流れるのは新幹線みたいに高速で
本当に何も無いまま、帰りの新幹線だ。
山田「…うぅ」
平井「ねぇねぇ、これ青春モノだから。
恋愛モノじゃないから」
山田「そういう事かッ!」
関田「何の話してんのよ、早く通して」
トイレに行っていた悠里に席を譲る為に
立ち上がると誰かとぶつかった。
赤沢「服、だっさ」
赤沢君は、それだけ言って通路を歩いて行った。
関田「良かったじゃない」
山田「こんなのあんまりだ…」
私は深く傷付き、
結局頭を抱えたまま
帰りの新幹線内を過ごし解散となった。
よくよくスケジュールを見たら
木金が卒業旅行で、土日挟んで
月曜が卒業式である。
卒業する前旅行だったんかいと、
本当にボーッとし過ぎていた。
伊野「山田さーん」
山田「うわッ…伊野さん⁈」
伊野「俺の事、視界に入ってない?」
山田「……ぇ、そんな事は」
今日はまた奇跡の如く、
伊野君単体と下校していた。
伊野「最近さー、真那人とは普通に友達で、
良との距離も縮まったみたいだけど、俺は?
俺と全然距離縮まんないじゃん」
どうしたんだ伊野君。
山田「…ぁ…そういう」
伊野「俺が山田さんに良と真那人を奪られたって
嫉妬してるって思った?」
山田「はい」
伊野「その逆」
伊野君がため息を吐いた。
伊野「俺の事、疎かにしないでよ。
山田さんにちょっかい出し始めたの俺だからね」
伊野君は、ポンと私の肩を叩いた。
山田「ぐふっ」
伊野「何、萌えたの?」
山田「…はい」
伊野「なんだかなー」
伊野君と特に進展というか、
そもそも吸ってる空気違うんだから
進展どうこうは無い。
とにかく、伊野君は私にとって…
山田「ありがとうございます」
伊野「何のお礼?」
萌え補充である。
~
次の日の朝
いよいよ、卒業旅行だ!
この高校生最後の旅行は
乙女ゲの如く、伊野君達とのドキドキな展開が
あるに違いない。
と、意気込み普段以上に色々な意味で
ワクワクしていたが、
現実はそう上手くはいかなかった。
関田「何つまんなそうな顔して、
ため息吐いてんのよ!」
山田「…いや、つまらない訳じゃない」
関田「なら何?」
平井「私達って、男っ気ないね」
山田「そう!
このビックイベントなのに、もう夜よ!」
現在の時刻は23時半。
日中、私は伊野君達との接触があるかと思っていたが、
遠目で見るくらいでなーんも起こらなかった。
山田「萌えが足りない!」
関田「あー隣のクラスの男子の話ね。
今まで関わりなかったんだから、
本来がこうでしょ」
山田「確かにそうだけど、
ほら、修学旅行って絶対何かあるじゃん」
平井「卒業旅行だよ」
山田「旅行は旅行!」
平井「夢ドキだね」
山田「そうなのよ!
夢ドキが起きて欲しいのよ!」
関田「なら、旅館内練り歩けば?
私達寝るから」
平井「あっ私はアニメ、リアタイで観ないと」
山田「夢ドキ求めて、ちょっくら行ってくるわ」
ガラッとドアを開けた途端
担任と遭遇した。
先生「早く寝ろ」
山田「かしこまりました」
ピシャッ
そして、私の夢ドキ卒業旅行は
不完全燃焼のまま、夜が明けた。
~
卒業旅行2日目
後は、ほぼお土産買って帰るだけだ。
山田「あー、帰りの新幹線ッ」
時が流れるのは新幹線みたいに高速で
本当に何も無いまま、帰りの新幹線だ。
山田「…うぅ」
平井「ねぇねぇ、これ青春モノだから。
恋愛モノじゃないから」
山田「そういう事かッ!」
関田「何の話してんのよ、早く通して」
トイレに行っていた悠里に席を譲る為に
立ち上がると誰かとぶつかった。
赤沢「服、だっさ」
赤沢君は、それだけ言って通路を歩いて行った。
関田「良かったじゃない」
山田「こんなのあんまりだ…」
私は深く傷付き、
結局頭を抱えたまま
帰りの新幹線内を過ごし解散となった。
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