妄想女子、イケメン男子に揶揄われる

なゆか

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慰謝料

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毎度の放課後、
どうしたものかと悩んでいた。

先生「今日中じゃないと卒業旅行に
行けないぞ」

私は帰り際に先生に捕まり、職員室で
卒業旅行の費用の事を話された。

ここ最近、伊野君達が頭を駆け回っていたり
学年末の結果は赤点ギリギリとかで、
完全に親へ卒業旅行の費用振り込みの件を
話していなかった。

山田「先生…えと」

先生「今日が入金日だから、
16時に学校出るからな」

山田「一旦家に帰って、親に頼んで貰うんじゃ
間に合いませんね」

先生「そうだな」

山田「建て替えという手は…」

先生「費用の件は、プリント配布してあっただろ。
今週の月曜も催促しただろ、それを守れない時点で
卒業旅行行く気が無いと判断するからな、
それに建て替えは職務的に無理だ」

山田「うぅ…」

先生「日頃ボーッとしてるのが悪いんだろ。
どうにも出来ないから、諦めな」

まぁど忘れしてた私が悪い、
でも、高校生最後の旅行だしなと頭を抱える。

山田「5万か…」

赤沢「俺が建て替えてあげても良いけど?」

後ろから声がして、振り返ると赤沢君だった。

山田「え…」

昨日ボロクソ言って来たのに、
何なんだと顔が引きつる。

先生「赤沢、そんな持って来てんのか?」

赤沢「今日参考書買おうと思ってたんで、
たまたまですよ」

先生「そうなのか、でも気を付けろよ」

赤沢「はーい」

先生「で、山田はどうするんだ?」

先生に言われるが、私は言葉が出ない。

赤沢「はい、コレ5万。
こいつの費用という事で」

赤沢君は先生に勝手に5万を渡した。

先生「山田良かったな。
でもちゃんと赤沢に費用返すんだぞ」

山田「いや…私は」

赤沢「用済んだんなら、行くよ」

赤沢君は私の腕を引き、職員室から出た。



山田「…なんなんだよ」

赤沢「は? 金貸してやったのに、何その態度」

赤沢君は私から手を放した。

山田「お金借りるくらいなら、
行かない方がマシだった…」

赤沢「つか、何怒ってんの? 」

山田「…何って…とにかく、お金は必ず返すんで」

赤沢「5万くらい別にいい、あげるよ」

山田「は?」

赤沢君の金銭感覚どうなってんだよと断る。

赤沢「そんな事よりさー、お前のせいで
かっしーにキレられたんだけど」

柏木君は赤沢君に説教したっぽく、
天使本当良い人過ぎる。

赤沢「かっしー、怒らせると面倒なんだよね」

だから、お金を建て替えたのかと思うが
赤沢君は全く謝る気はないようだ。

山田「…お金は明日までに返すから」

赤沢「まだ、それ言ってんの?
別に良いって言ってんじゃん、しつこい」

山田「良いわけがない…
赤沢君に借り作りたくないし」

赤沢「5万くらいで何言ってんの?
ウケんだけど」

山田「…とにかく返すから」

赤沢「持って来ても、受け取んないし」

まじで何考えてんのか不明な赤沢君。

山田「参考書買うって」

赤沢「あれ、嘘だわ」

山田「は?」

赤沢「俺の家、金持ちで親が過保護だから
いつもそんくらい持たされてんだよね」

リアル金持ち初めて見たと思うが、
そんな場合じゃない。

山田「返すから」

赤沢「うっざ」

山田「何なんだよ、返すって言ってるのに」

多分甘やかされて育ったから、
こんなクソな性格なんだろうなと思う。

山田「とにかく、絶対返すから
返したお金をどうするかは知らないけど
赤沢君にお金を借りたってのが嫌だから」

赤沢「まじしつこいわ、
俺がボロクソ言ったから怒ってるわけ?」

山田「分かってんだろ」

赤沢「じゃあ謝ればいいわけ?」

お金の話から、昨日の話に切り替わった。

赤沢「せっかく悪者になってあげたのに」

山田「……ぇ」

赤沢「恩を仇で返す的な?
そもそも気づいてすらないとか」

何言ってんだこいつ。

赤沢「はぁ…もういいや、
馬鹿にははっきり言わないと
わかんないか」

赤沢君はため息を吐いた。

赤沢「前にお前相手に勘違いする奴
居ないって言ったけど、
俺とかがお前の事揶揄ってんの
よく思ってない奴まじで居たわけよ」

多分、他クラスの子達の事だろう…

赤沢「よくお前の陰口言ってたから、
昨日お前泣いてんの見て虐めとか嫌がらせ
始まったのかなって思ったから、
みんなの前で俺はお前をキモいとしか
思ってないって、フラグ折ったのを
見せつけたわけ。そしたら、そいつらは
嫉妬じゃなくて同情に変わるかなって」

山田「……ぇ」

赤沢「5万も慰謝料的な?」

山田「ちょ…待って」

赤沢「何」

山田「ツンデレじゃん」

赤沢「は?」

また、急過ぎるだろと私もパニックだ。

山田「え…滅茶苦茶分かりづらい
ツンデレじゃん」

赤沢「…お前のその発想力。まじキモいね」

山田「うわ…本当やめてほしい」

私の中で赤沢君の印象が丸っと変わり、
自分ちょろ過ぎかよと頭を抱える。

山田「萌えるわ…」

赤沢「は? こっわ何で萌えてんの?」

山田「嫌な奴のまま居てくれよ、
それでツンデレでしたとか…反則だろ」

今までの罵倒が愛情の裏返しとか
勘違いしてしまう。

赤沢「キモすぎ、
感情の切り替わり激し過ぎだし
何に対してデレとか言ってんのか意味不明」

山田「なんやかんやで私の為に、
嫌な役に回ってくれたって事ですよね…デレや」

赤沢「敬語だかタメ口だか、はっきりしろし」

山田「…ちょ…どうした…たまらんよ」

赤沢「…よく本人目の前でそんなこと言えんね。
弘樹とかっしー、まじすげぇわ。
こんな変態との話題が笑い話だもんな」

山田「えと…私の事話すんですか?」

赤沢「陰口程度だから、勘違いすんな」

山田「まぁ、伊野さんも柏木君も
許容範囲広いし、かなり萌えるのでネタ的には
結果オーライというか」

赤沢「友達ズリネタにすんの
やめてくんない?」

山田「いやいやッ、オナッたりしませんよ。
妄想でよだれ垂らして終わりです」

赤沢「脳内でもアウトだし、お前さー
俺らの立場になって考えてよ。
真正面でたまらないからネタにしてますって
言われてみ? 引くの通り過ぎて逆に冷静だから」

山田「ど正論ですね」

赤沢「とにかく、キモい妄想やめてくんない」

山田「だったら、どんな妄想なら」

赤沢「妄想内容云々じゃなくて、
俺らで妄想すんなって話」

山田「えぇっ」

赤沢「マジでキモい」

結果、赤沢君は超ツンデレで
卒業旅行費用の件は解決した。
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