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夢の確認
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ゴッ
国岡「…ん、あれ」
ゴッ
国岡「夢ちゃん?」
また夢かと起き上がると、
私の部屋ではない所だった。
国岡「施設か」
ゴッ
国岡「夢ちゃん、強いって」
頭突きの衝撃で、寝ていた場所から転げ落ちた。
ゴッ
国岡「痛い痛いッ」
何を考えているのか、夢ちゃんは
私の髪の毛を噛み引っ張り出した。
国岡「分かった、立つから!」
たまらず立ち上がり、
私の後ろに回った夢ちゃんの頭突きで
何処かへ誘導された。
~
昨日、警官と回った時には無かった
地下への階段
ゴッ
国岡「分かった分かった!」
夢ちゃんに押されながら、
階段を降りると大きい扉があり開くと
沢山のゲージがあった。
一階の保護動物達と比べ、不衛生な地下に
鼻を押さえながら
中に入るとゲージ一つに対し、
2人女性が裸の状態で入っていた。
国岡「…元子のせいだな」
元子の入れ知恵のせいで、
こんな悪趣味な夢を見てるんだなと奥へ進むと
寧々とミモも他の女性達と同様に
裸でゲージの中に入っていた。
国岡「何やってんの」
寧々「ひぃッごめんなさいごめんなさいッ」
ミモ「…ゔぁ…ゔー…」
首に鎖を繋げられていて、
怯えている寧々と涎を垂らしながら、
口をぱくぱくさせているミモ。
私が声を掛けても、
私だと分からないようで
寧々は怯え続ける。
その光景があまりにもリアルで
本当タチの悪い夢だと思う。
ゴッ
夢ちゃんに頭突かれ、
更に奥へ進めと言うのか…
~
奥にあるドアを開き、
中へ入るとスラッシャー…いや、
スプラッターか
手術台がある部屋だった。
国岡「ここで人間を解体って、
お決まりのヤツか」
ガチャン
蒔生「あれ、夢ちゃん。
こんな所に入ったら駄目ですよ」
後ろから声がして、振り返ると
蒔生さんが居た。
蒔生「こんな不衛生な所にいたら、
病気になってしまいますからね」
私に対し、何も言わない蒔生さんは
夢ちゃんの頭を撫でた。
蒔生「戻りましょう」
蒔生さんは夢ちゃんと
寧々達が入っているゲージを素通りし
去って行った。
まぁ、夢だからな…
~
バサッ
国岡「うわッ」
目を覚ますと、時刻は遅刻ギリギリの時間
私は夢の事を考えるのをやめ、
すぐに支度して家を出た。
~
元子「地下で全裸で監禁⁈
やっぱ、スラッシャーだったじゃん!
寧々とミモの写真は撮らされたか、
隠蔽工作のための加工だよ!」
話すべきじゃ無かったなと、
また不謹慎にテンションを上げる元子。
国岡「夢の話ね」
元子「実際、寧々とミモの2人と
連絡取れないでしょ?」
国岡「それは…」
2人に再度電話を掛けてみたが、
スマホの電源を切っているのか
繋がる事はなかった。
元子「夢ってのも、予知夢とかだよ」
国岡「…そこまで言うなら、
また行ってみるから、元子も来てよ」
元子「断る!
私は視聴者側でいたいの!」
他人事だと思って、楽しんでんだなと
元子も2人と変わらず、クズだなと思う。
~
結局、毎週この保護施設に来てるなと
窓口に向かう。
尼口「国岡さん!」
国岡「何度もすみません」
尼口「国岡さんならフリーパスなんで、
どうぞどうぞ」
見学料を払わないまま、
中へ通されてしまった。
久世「おや、国岡さん、
また来てくれたんだね」
国岡「あ、はい」
昨日、迷惑掛けて誤解晴らしてもらったのに
また疑ってると思われたくなく
前に言っていたとっておき動物というのを
見に来たと話した。
久世「他の見学者達が居るから、
また自由に見て回りながら、待っててね」
そう言うと久世施設長は
見学者達の方へ向かった。
ゴッ
国岡「あ、夢ちゃん」
夢であの地下室に誘導されたんだよな…
蒔生「またいらっしゃったんですね」
蒔生さんだ。
国岡「蒔生さん、
ここに地下室ってあります?」
蒔生「…え、
昨日施設を見て回りましたよね…
まだ、疑っているんですか?」
国岡「あ、いや…夢で」
蒔生「夢?」
所詮夢だしなと、蒔生さんに
夢の話しをしてみる事にした。
蒔生「そんな夢を…」
蒔生さんは呆れた顔をしている。
国岡「友達がスラッシャーだというので、
それが夢に反映されたというか…
なんか、失礼な事言ってすみません」
蒔生「そうですね…まぁ、夢に見るくらい
疑ってるなら、その地下室へ繋がる階段を
探してみてください」
呆れているというか怒っているようで、
そりゃ失礼な事言ったしなと謝る。
蒔生「謝らなくていいですよ、
探してください」
国岡「…はい」
怒らせちゃったなと、
夢では夢ちゃんに頭突きされながら
誘導されたが、夢ちゃんは蒔生さんが
押さえてる為私が先陣を切る事になった。
~
国岡「嘘」
地下への階段を見つけてしまった。
蒔生「ありましたね…
僕も驚きました」
蒔生さんは施設の図面を持ち出して、
地下室への階段の場所を照らし合わせている。
蒔生「ここ、防火扉のダミーだったんですね」
昨日、警官と回った時
流石に防火扉は開けなかった。
蒔生「どうします?」
国岡「どうって…」
地下へ行って、
夢のような事になってたらと思うと
ゾッとする。
蒔生「行きますよね」
蒔生さんは夢ちゃんと階段を降りて行った。
国岡「…これこそ、警察に」
蒔生「国岡さん、早くしてください」
国岡「…は、はい」
私も着いていくことにした。
~
地下に降り、重い扉を開けると
そこの部屋には沢山のゲージが…
蒔生「どうです?
夢の通りですか?」
本当にゲージだらけの部屋だった。
国岡「…はい」
蒔生「夢ちゃん、こんな不衛生な所にいたら、
病気になってしまいますからね」
夢と同じ事を言った蒔生さんは、
一旦夢ちゃんを部屋から出すと出て行った。
国岡「うわ…嘘でしょ」
部屋を見渡すと本当に夢で見た部屋と同じで、
私は寧々とミモが入っていたゲージ前に向かう。
国岡「…はぁ」
ゲージには、誰もいなく安心した。
私は手術台があった部屋のドアを開ける。
ぶわっと埃が顔に掛かり、
しばらく開けられてなかったんだと分かるが
やっぱり夢通りの部屋だった。
何でそんな夢見たんだろうなと、
振り向くと久世施設長と蒔生さんが居た。
久世「自由に回っていいと言ったけど、
まさかここに入ってるなんてね」
蒔生「申し訳ございません。
僕が誘発しました」
久世「そうだったんだね。
いやー、でも懐かしいな」
久世施設長は部屋を見て回りながら、
懐かしいとボヤく。
国岡「ここって」
久世「蒔生君から国岡さんの夢の話は聞いたけど、
そんな非人道的な事はしてないよ。
元々この施設は、犬猫問わず色んな動物の
殺処分などを行う施設だったんだ」
だから、こんなゲージがあるのか…
久世「あまりにも悲惨で、
私はこの施設を引き継いだ時、
色々試行錯誤してね、
今のような保護施設にしたんだ」
国岡「…そうだったんですね」
久世「お金もたくさん掛かるから、
スタッフ達にも協力してもらって…
今の形になってしまったけど、
動物を守る為、蒔生君のようなスタッフ達は
皆辞めずに着いて来てくれたんだ」
久世施設長は、蒔生さんの肩を叩く。
久世「この地下室を隠していたのは、
過去の悲劇を隠したかったってのもあるかな」
全部に納得がいって、感心した。
国岡「…本当に疑ってしまって、
申し訳ございませんでした」
久世「さっこんな埃っぽい所から出ようか」
私は背中を押され、部屋から出た。
久世「蒔生君も行こうか」
蒔生「…ぇ…あっはい」
3人で階段を上がり、
休憩スペースに向かった。
久世「とっておきの動物は、
また今度かな」
国岡「何の動物ですか?」
久世「それは、秘密にしておくよ。
また国岡さんが来てくれる口実になるからね」
国岡「上手いですね」
久世「何年施設長してると思ってるんだ」
国岡「はははっ」
改めて自分が馬鹿なんだと分かった、
そんな素晴らしい久世施設長に
疑うなんてお門違いにも程がある。
私は持って来てもらったお茶を飲みながら、
しばらく、楽しく雑談して…
雑談して…どうしたんだっけ…
~
~
蒔生「施設長も悪い人ですね」
久世「どうしてだい?」
蒔生「あんなに平然と嘘をつくなんて」
久世「嘘?
別に嘘ではないよ、事実でしょ」
蒔生「まぁ、これで国岡さんが
通ってくれるようになるならいいですが」
嘘ってなんの事?
~
~
国岡「…ん」
久世「ほら、起きたよ」
蒔生「おはようございます、国岡さん」
目を覚ますと休憩スペースだった。
国岡「…あ」
久世「疲れちゃってたんだね、
こんな涎出ちゃってる」
久世施設長に口元を拭かれ、
やらかしたと起き上がる。
また、なんか夢を見たような気がするが
とにかく、うたた寝した事を謝る。
蒔生「国岡さん、スマホです」
蒔生さんからスマホを受け取り、
ポケットにしまう。
国岡「しゅみましぇん…」
窓の外を見ると、薄暗くなっていて
どんだけ寝てたんだと
寝過ぎたせいか口が回らない。
蒔生「時間が遅いので、
家まで送りましょうか」
国岡「いやいや、しょんな」
久世「夜道は危ないから、
蒔生君を貸すから帰りなね」
そう促され、蒔生さんと夢ちゃんに
送って貰うことになった。
~
蒔生「夢ちゃん、良かったですね。
いつもよりお散歩コースが長くて」
国岡「車内にヤギって大丈夫だったんですね」
施設までの交通手段は、
電車とバスの為、バス停まででいいと言ったが
蒔生さんはバスの運転手と駅の窓口に
夢ちゃんの事を話し、
一緒に乗る了承を得ていた。
これもイケメンパワーなのかなと思う。
蒔生「国岡さんは、ショートケーキの苺を
先に食べますか?それとも、後に食べますか?」
突然、そんな質問をされ
先かなと答える。
国岡「突然、どうしたんですか?」
蒔生「夢ちゃんは後で食べるんですよ」
国岡「え、そうなんですね」
蒔生「面白いですよね、
他の動物は目の前に置かれた好物を
真っ先に食べるのに、
夢ちゃんだけは他を食べた後に
ゆっくり味わって食べるんです」
国岡「私と真逆だね、夢ちゃん」
夢ちゃんは頭突きをせずに、
ジッと私の顔を見ている。
蒔生「あっ夢ちゃん、こんな道の真ん中で」
ジッとしていたのは出すモノを
出していたからだった。
国岡「うち、すぐなので箒とか持って来ます」
蒔生「助かります」
~
私は部屋から水を入れたバケツと箒を持ち、
大急ぎで戻ると人集りが出来ていた。
通れないなと人混みをかき分け、
人集りの真ん中を見ると夢ちゃんが居た。
国岡「あれ」
夢ちゃんは私を見るなり、
頭突きに突進して来た。
「貴方のヤギですか?」
国岡「え…」
「こんな所で放置されたら困るよ」
注意されたが、蒔生さんどこ行ってんだと
夢ちゃんの人集りは散っていき、
蒔生さんを待ちながら、夢ちゃんが出したモノを
片付けた。
国岡「…蒔生さん、戻って来ないな」
夢ちゃんは、私が持って来た
バケツの水を飲んでいる。
本当にどこ行ったんだと、
このまま夢ちゃんとここに居てもなと
急いでた為、部屋の鍵開けっぱなしで
来ちゃったしと、しばらく待っていると
蒔生さんが戻って来た。
蒔生「待たせてしまって、すみませんね」
トイレかなんかか?
国岡「えと、もうすぐなので
ここまででいいですよ」
蒔生「では、また」
蒔生さんと夢ちゃんと別れ、
アパートへ帰った。
~
国岡「うわ、ドア半開きだった」
自分の部屋の前まで来て、
鍵はおろかドア半開きの状態だったなと
部屋に入り、流石にこの短時間で泥棒とか
入んないだろうなと思い部屋に入る。
~
元子「えーそんな出来すぎた話しある?」
疑い続ける元子に一応、今日聞いた事実を話し
久世施設長は素晴らしい人だと伝えた。
国岡「本当に凄いんだよ」
元子「洗脳が始まってるじゃん」
国岡「洗脳?」
元子「このパターン、
次の殺されるの国ちゃんだよ」
国岡「何、まだその話し?
つか、殺されるとかないない」
久世施設長がそんな事するわけない。
国岡「とにかく、そういう事だから
誤解はやめてね」
そう電話を切り、布団に潜る。
国岡「…ん、あれ」
ゴッ
国岡「夢ちゃん?」
また夢かと起き上がると、
私の部屋ではない所だった。
国岡「施設か」
ゴッ
国岡「夢ちゃん、強いって」
頭突きの衝撃で、寝ていた場所から転げ落ちた。
ゴッ
国岡「痛い痛いッ」
何を考えているのか、夢ちゃんは
私の髪の毛を噛み引っ張り出した。
国岡「分かった、立つから!」
たまらず立ち上がり、
私の後ろに回った夢ちゃんの頭突きで
何処かへ誘導された。
~
昨日、警官と回った時には無かった
地下への階段
ゴッ
国岡「分かった分かった!」
夢ちゃんに押されながら、
階段を降りると大きい扉があり開くと
沢山のゲージがあった。
一階の保護動物達と比べ、不衛生な地下に
鼻を押さえながら
中に入るとゲージ一つに対し、
2人女性が裸の状態で入っていた。
国岡「…元子のせいだな」
元子の入れ知恵のせいで、
こんな悪趣味な夢を見てるんだなと奥へ進むと
寧々とミモも他の女性達と同様に
裸でゲージの中に入っていた。
国岡「何やってんの」
寧々「ひぃッごめんなさいごめんなさいッ」
ミモ「…ゔぁ…ゔー…」
首に鎖を繋げられていて、
怯えている寧々と涎を垂らしながら、
口をぱくぱくさせているミモ。
私が声を掛けても、
私だと分からないようで
寧々は怯え続ける。
その光景があまりにもリアルで
本当タチの悪い夢だと思う。
ゴッ
夢ちゃんに頭突かれ、
更に奥へ進めと言うのか…
~
奥にあるドアを開き、
中へ入るとスラッシャー…いや、
スプラッターか
手術台がある部屋だった。
国岡「ここで人間を解体って、
お決まりのヤツか」
ガチャン
蒔生「あれ、夢ちゃん。
こんな所に入ったら駄目ですよ」
後ろから声がして、振り返ると
蒔生さんが居た。
蒔生「こんな不衛生な所にいたら、
病気になってしまいますからね」
私に対し、何も言わない蒔生さんは
夢ちゃんの頭を撫でた。
蒔生「戻りましょう」
蒔生さんは夢ちゃんと
寧々達が入っているゲージを素通りし
去って行った。
まぁ、夢だからな…
~
バサッ
国岡「うわッ」
目を覚ますと、時刻は遅刻ギリギリの時間
私は夢の事を考えるのをやめ、
すぐに支度して家を出た。
~
元子「地下で全裸で監禁⁈
やっぱ、スラッシャーだったじゃん!
寧々とミモの写真は撮らされたか、
隠蔽工作のための加工だよ!」
話すべきじゃ無かったなと、
また不謹慎にテンションを上げる元子。
国岡「夢の話ね」
元子「実際、寧々とミモの2人と
連絡取れないでしょ?」
国岡「それは…」
2人に再度電話を掛けてみたが、
スマホの電源を切っているのか
繋がる事はなかった。
元子「夢ってのも、予知夢とかだよ」
国岡「…そこまで言うなら、
また行ってみるから、元子も来てよ」
元子「断る!
私は視聴者側でいたいの!」
他人事だと思って、楽しんでんだなと
元子も2人と変わらず、クズだなと思う。
~
結局、毎週この保護施設に来てるなと
窓口に向かう。
尼口「国岡さん!」
国岡「何度もすみません」
尼口「国岡さんならフリーパスなんで、
どうぞどうぞ」
見学料を払わないまま、
中へ通されてしまった。
久世「おや、国岡さん、
また来てくれたんだね」
国岡「あ、はい」
昨日、迷惑掛けて誤解晴らしてもらったのに
また疑ってると思われたくなく
前に言っていたとっておき動物というのを
見に来たと話した。
久世「他の見学者達が居るから、
また自由に見て回りながら、待っててね」
そう言うと久世施設長は
見学者達の方へ向かった。
ゴッ
国岡「あ、夢ちゃん」
夢であの地下室に誘導されたんだよな…
蒔生「またいらっしゃったんですね」
蒔生さんだ。
国岡「蒔生さん、
ここに地下室ってあります?」
蒔生「…え、
昨日施設を見て回りましたよね…
まだ、疑っているんですか?」
国岡「あ、いや…夢で」
蒔生「夢?」
所詮夢だしなと、蒔生さんに
夢の話しをしてみる事にした。
蒔生「そんな夢を…」
蒔生さんは呆れた顔をしている。
国岡「友達がスラッシャーだというので、
それが夢に反映されたというか…
なんか、失礼な事言ってすみません」
蒔生「そうですね…まぁ、夢に見るくらい
疑ってるなら、その地下室へ繋がる階段を
探してみてください」
呆れているというか怒っているようで、
そりゃ失礼な事言ったしなと謝る。
蒔生「謝らなくていいですよ、
探してください」
国岡「…はい」
怒らせちゃったなと、
夢では夢ちゃんに頭突きされながら
誘導されたが、夢ちゃんは蒔生さんが
押さえてる為私が先陣を切る事になった。
~
国岡「嘘」
地下への階段を見つけてしまった。
蒔生「ありましたね…
僕も驚きました」
蒔生さんは施設の図面を持ち出して、
地下室への階段の場所を照らし合わせている。
蒔生「ここ、防火扉のダミーだったんですね」
昨日、警官と回った時
流石に防火扉は開けなかった。
蒔生「どうします?」
国岡「どうって…」
地下へ行って、
夢のような事になってたらと思うと
ゾッとする。
蒔生「行きますよね」
蒔生さんは夢ちゃんと階段を降りて行った。
国岡「…これこそ、警察に」
蒔生「国岡さん、早くしてください」
国岡「…は、はい」
私も着いていくことにした。
~
地下に降り、重い扉を開けると
そこの部屋には沢山のゲージが…
蒔生「どうです?
夢の通りですか?」
本当にゲージだらけの部屋だった。
国岡「…はい」
蒔生「夢ちゃん、こんな不衛生な所にいたら、
病気になってしまいますからね」
夢と同じ事を言った蒔生さんは、
一旦夢ちゃんを部屋から出すと出て行った。
国岡「うわ…嘘でしょ」
部屋を見渡すと本当に夢で見た部屋と同じで、
私は寧々とミモが入っていたゲージ前に向かう。
国岡「…はぁ」
ゲージには、誰もいなく安心した。
私は手術台があった部屋のドアを開ける。
ぶわっと埃が顔に掛かり、
しばらく開けられてなかったんだと分かるが
やっぱり夢通りの部屋だった。
何でそんな夢見たんだろうなと、
振り向くと久世施設長と蒔生さんが居た。
久世「自由に回っていいと言ったけど、
まさかここに入ってるなんてね」
蒔生「申し訳ございません。
僕が誘発しました」
久世「そうだったんだね。
いやー、でも懐かしいな」
久世施設長は部屋を見て回りながら、
懐かしいとボヤく。
国岡「ここって」
久世「蒔生君から国岡さんの夢の話は聞いたけど、
そんな非人道的な事はしてないよ。
元々この施設は、犬猫問わず色んな動物の
殺処分などを行う施設だったんだ」
だから、こんなゲージがあるのか…
久世「あまりにも悲惨で、
私はこの施設を引き継いだ時、
色々試行錯誤してね、
今のような保護施設にしたんだ」
国岡「…そうだったんですね」
久世「お金もたくさん掛かるから、
スタッフ達にも協力してもらって…
今の形になってしまったけど、
動物を守る為、蒔生君のようなスタッフ達は
皆辞めずに着いて来てくれたんだ」
久世施設長は、蒔生さんの肩を叩く。
久世「この地下室を隠していたのは、
過去の悲劇を隠したかったってのもあるかな」
全部に納得がいって、感心した。
国岡「…本当に疑ってしまって、
申し訳ございませんでした」
久世「さっこんな埃っぽい所から出ようか」
私は背中を押され、部屋から出た。
久世「蒔生君も行こうか」
蒔生「…ぇ…あっはい」
3人で階段を上がり、
休憩スペースに向かった。
久世「とっておきの動物は、
また今度かな」
国岡「何の動物ですか?」
久世「それは、秘密にしておくよ。
また国岡さんが来てくれる口実になるからね」
国岡「上手いですね」
久世「何年施設長してると思ってるんだ」
国岡「はははっ」
改めて自分が馬鹿なんだと分かった、
そんな素晴らしい久世施設長に
疑うなんてお門違いにも程がある。
私は持って来てもらったお茶を飲みながら、
しばらく、楽しく雑談して…
雑談して…どうしたんだっけ…
~
~
蒔生「施設長も悪い人ですね」
久世「どうしてだい?」
蒔生「あんなに平然と嘘をつくなんて」
久世「嘘?
別に嘘ではないよ、事実でしょ」
蒔生「まぁ、これで国岡さんが
通ってくれるようになるならいいですが」
嘘ってなんの事?
~
~
国岡「…ん」
久世「ほら、起きたよ」
蒔生「おはようございます、国岡さん」
目を覚ますと休憩スペースだった。
国岡「…あ」
久世「疲れちゃってたんだね、
こんな涎出ちゃってる」
久世施設長に口元を拭かれ、
やらかしたと起き上がる。
また、なんか夢を見たような気がするが
とにかく、うたた寝した事を謝る。
蒔生「国岡さん、スマホです」
蒔生さんからスマホを受け取り、
ポケットにしまう。
国岡「しゅみましぇん…」
窓の外を見ると、薄暗くなっていて
どんだけ寝てたんだと
寝過ぎたせいか口が回らない。
蒔生「時間が遅いので、
家まで送りましょうか」
国岡「いやいや、しょんな」
久世「夜道は危ないから、
蒔生君を貸すから帰りなね」
そう促され、蒔生さんと夢ちゃんに
送って貰うことになった。
~
蒔生「夢ちゃん、良かったですね。
いつもよりお散歩コースが長くて」
国岡「車内にヤギって大丈夫だったんですね」
施設までの交通手段は、
電車とバスの為、バス停まででいいと言ったが
蒔生さんはバスの運転手と駅の窓口に
夢ちゃんの事を話し、
一緒に乗る了承を得ていた。
これもイケメンパワーなのかなと思う。
蒔生「国岡さんは、ショートケーキの苺を
先に食べますか?それとも、後に食べますか?」
突然、そんな質問をされ
先かなと答える。
国岡「突然、どうしたんですか?」
蒔生「夢ちゃんは後で食べるんですよ」
国岡「え、そうなんですね」
蒔生「面白いですよね、
他の動物は目の前に置かれた好物を
真っ先に食べるのに、
夢ちゃんだけは他を食べた後に
ゆっくり味わって食べるんです」
国岡「私と真逆だね、夢ちゃん」
夢ちゃんは頭突きをせずに、
ジッと私の顔を見ている。
蒔生「あっ夢ちゃん、こんな道の真ん中で」
ジッとしていたのは出すモノを
出していたからだった。
国岡「うち、すぐなので箒とか持って来ます」
蒔生「助かります」
~
私は部屋から水を入れたバケツと箒を持ち、
大急ぎで戻ると人集りが出来ていた。
通れないなと人混みをかき分け、
人集りの真ん中を見ると夢ちゃんが居た。
国岡「あれ」
夢ちゃんは私を見るなり、
頭突きに突進して来た。
「貴方のヤギですか?」
国岡「え…」
「こんな所で放置されたら困るよ」
注意されたが、蒔生さんどこ行ってんだと
夢ちゃんの人集りは散っていき、
蒔生さんを待ちながら、夢ちゃんが出したモノを
片付けた。
国岡「…蒔生さん、戻って来ないな」
夢ちゃんは、私が持って来た
バケツの水を飲んでいる。
本当にどこ行ったんだと、
このまま夢ちゃんとここに居てもなと
急いでた為、部屋の鍵開けっぱなしで
来ちゃったしと、しばらく待っていると
蒔生さんが戻って来た。
蒔生「待たせてしまって、すみませんね」
トイレかなんかか?
国岡「えと、もうすぐなので
ここまででいいですよ」
蒔生「では、また」
蒔生さんと夢ちゃんと別れ、
アパートへ帰った。
~
国岡「うわ、ドア半開きだった」
自分の部屋の前まで来て、
鍵はおろかドア半開きの状態だったなと
部屋に入り、流石にこの短時間で泥棒とか
入んないだろうなと思い部屋に入る。
~
元子「えーそんな出来すぎた話しある?」
疑い続ける元子に一応、今日聞いた事実を話し
久世施設長は素晴らしい人だと伝えた。
国岡「本当に凄いんだよ」
元子「洗脳が始まってるじゃん」
国岡「洗脳?」
元子「このパターン、
次の殺されるの国ちゃんだよ」
国岡「何、まだその話し?
つか、殺されるとかないない」
久世施設長がそんな事するわけない。
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誤解はやめてね」
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弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
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それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
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