BAD END後

なゆか

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外野のHAPPY END確定

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友達の矢野香穂子は、
恋愛漫画でいうところの
ヒロインのライバルキャラっぽい。

幼馴染である
石田良伸の事を出会った時から
一途に想い続け、多分両想いで
いつ告るんだよとなっていたのに
彼女は彗星の如く現れた。

これまた恋愛漫画いうところの主人公
theヒロイン性格スタイル良しの
立武花音

そんな最強ライバルが現れ、
友達ながら不憫だなと思う。

良伸君に早く告白してれば、
むしゃくしゃする事もなかったろうに…

私は毎日香穂子が嫉妬で、
立武さんに不正な行為をしないように
見張る事にした。

そして、そんな私の今の口癖は…

今谷「後から後悔することやめな」

そう言って、やらかしそうな
香穂子を止めている。

香穂子「良伸がどんどん
あいつに惹かれちゃうじゃん! 
それを黙って見てろって? 
まじ乃利の鬼!」

今谷「陰で嫌がらせとかして
後に良伸君の評価下げる事を
しようとしてるのを止めてやってる
友達に感謝しろって思うけどね」

香穂子「くたばれ、アバズレ!」

今谷「はいはい、抑えて抑えて」

君坂「ボク、かほちゃんの言ってる事
分かるな~新規が横入りするなって思うよ」

パンを食べながら、ニコニコと毒突くのは
1年から同じクラスでよく連んでいる
君坂拓郎

君坂「あざといよね~、あの一生懸命感。
本心は知ったこっちゃないけど、
ボクは嫌いだな~」

今谷「陰口やめろ」

君坂「え~陰口ほど盛り上がる話ないじゃん」

今谷「思ってる事は心に留めとけ」

君坂「こんちゃん、真面目~
狭間君もなんか言ってやってよ」

狭間「えっ…おっ俺ですか⁈」

タクローは、たまたま近くに居た
クラスメイトの狭間実に声を掛けた。

君坂「こんちゃんは、真面目過ぎだよね~
普通、人の悪口で飯食うもんだって」

今谷「どんなおかずだよ」

狭間「…ぇ…えと」

君坂「狭間君も陰口好きでしょ?」

今谷「だる絡みすんな」

狭間「…俺はあまり陰口好きでは」

君坂「つまんな~2人揃って真面目ちゃん」

今谷「真面目とかそういう問題じゃ無い、
とにかくごめんね狭間君」

狭間「いや…俺は…」

狭間君はおどおどしながら、
教室から出て行った。

君坂「狭間君ってさ~、
見るからにいじめられっ子タイプだよね」

今谷「タクローは影響力あるんだから、
そういうこと言うの、やめろ」

タクローはスクールカーストで言うところの
頂点に君臨し、クラスの中心人物である。

君坂「ぶーぶー」

香穂子「ぎゃぁぁあッ、アイツッ」

窓に張り付いて外を見ていた香穂子が
奇声を上げた。

君坂「なになに~、
あぁ、かほちゃんの王子様が
女狐をおんぶしてるじゃん」

香穂子「殺すッ!」

今谷「殺人犯になるから、やめな」

本当、毎日ヒヤヒヤである。



その日の放課後

石田「今谷、ちょっといいか?」

帰り際に良伸君に呼び止められた。

君坂「なになに~」

石田「君坂はいいんだよ、
今谷に用がある」

君坂「えぇ~、
じゃあかほちゃんも呼ぶよ」

石田「…はぁ、やっぱいい」

今谷「タクローは余計なこと言うな、
とりま、今日バイトだから
終わったら連絡するね」

石田「おー」

君坂「寝取り?」

今谷「何言っての?
ほらほら、タクローもバイトでしょ」

君坂「へ~い」



バイト終わり、良伸君に連絡すると
近くの公園で会う事になった。

今谷「遅くなって、ごめん」

バイト終わりにパートの人に声を掛けられ、
少し遅くなってしまった。

石田「バイトお疲れ」

今谷「ありがとう、それで話しとは」

石田「香穂子の事なんだけどな」

今谷「うん」

香穂子…私の見てないところで
なんかやらかしたのか?

石田「香穂子が最近、
俺の事避けてるようなんだが…
俺に何かされたとか聞いてないか?」

今谷「いや」

石田「今谷はもう知ってるかと思うが、
俺は香穂子の事好きなんだ。
なのに、最近声を掛けても睨んでくるんだ」

サラッと両想い確定発言をした。

今谷「良伸君って、
香穂子の事好きなの?」

石田「え、そうだが…
気付いてなかったのか?」

今谷「まじか!
じゃあ、今から香穂子に告白して」

石田「は?」

今谷「色んな問題すぐ解決するから」

これで、ムシャクシャ香穂子と
おさらば出来るわと、
私は香穂子を公園に呼び出した。



そして、結果は勿論…

香穂子「私も良伸の事、ずっと好き…」

石田「香穂子!」

無事、ここにカップルが誕生した。

君坂「今までのなんだったの?」

香穂子と一緒に居たらしいタクローは、
私の隣でタピオカを飲んでいる。

今谷「まぁ、HAPPYENDという事で」



次の日、香穂子と良伸君が付き合い出したと
校内に周知された。

立武さんはチラチラと
2人を見ているようだが、
2人の間に入り込める隙はないようで
立武さんの失恋が確定し、
多少は同情した。

それから一週間、
香穂子と良伸君から惚気話をされるも、
まぁ平和に過ごしていた。

君坂「こんちゃーん」

今谷「ん?」

君坂「こんちゃん」

今谷「何」

君坂「呼んだだけ~」

今谷「なんだそれ」

平和ではあるが、
タクローのだる絡みが増えうざい。

君坂「あははっ
あっそうそう、あれ見てみ」

今谷「ん? あれって何」

君坂「あれあれ」

タクローが指差す方には立武さんがいる。

今谷「立武さんがどうしたの?」

君坂「負け犬の敗北者」

今谷「…はぁ、
頭痛が痛いみたいな事言うな」

君坂「あははっ」

タクローは相変わらずで、
失恋した立武さんを馬鹿にして笑い
本当性格悪いなと思う。



放課後

今谷「じゃ」

香穂子「また明日ねー」

良伸「またな」

今谷「あれ、タクローは?
タクローもバイトじゃないの?」

香穂子「タクローは、バイト辞めたよ」

今谷「そうなの?」

香穂子とタクローは同じバイト先で
先日突然、タクローはバイトを辞めたらしく、
理由は知らないとの事。

石田「今谷、時間平気か?」

今谷「あっやば」

私は急いで下校した。




立武花音

可哀想な子だなと思う。

ただ純粋に好きな人に想いをぶつけただけ、
それが彼女にとって地獄への
始まりになってしまった。

君坂「狭間く~ん、君も入りたかったら
入ってもいいんだよ」

狭間「俺は…いいです」

立武「いだぃぃいッ」

耳を塞ぎたくなる立武さんの
断末魔のような悲鳴。

そして、彼女に群がるクラスメイト達。

君坂「充電100パーになったし、
かーえろっと」

ロッカーに座っていた君坂君は、
充電ケーブルから
スマホを外して鞄を持った。

君坂「臭いから換気してってね~」

この状況で普段と変わらないテンションの彼に
異常性を感じる。

狭間「…今谷さんはこの事
知っているんですか?」

君坂「はぁ? 常識的に考えて
こんちゃんに教えるわけないじゃん。
こんなん知られたら、
ドン引きで絶交されちゃう」

狭間「…」

君坂「バラそうとしてんの?」

狭間「…いや」

君坂「なら、変な質問しないでくんない?
つか、君はなんなの?」

小柄な君坂君は俺のネクタイを掴んだ。

君坂「まじきもいよ」

狭間「…ッ」

パッとネクタイを放される。

君坂「何もしないのに
ここにいる意味って、
まじでなんなわけ?」

狭間「君坂君だって、
何もしないじゃないですか」

君坂「何、ボクと一緒的なこと言いたいわけ?
きもいわ~ありえないでしょ」

君坂君も俺同様に
ただ見ているだけで参加はしない。

立武「き…みざか…く…」

後ろでこの悪魔に助けを求める立武さん。

君坂「気安く名前呼ぶなっての」

彼は、彼女の声に振り向きもしない。

狭間「立武さんは君坂君のために…」

そう、立武さんが輪姦されているのは
君坂君の為である。

君坂「ボクが好きだから、
なんでも言うこと聞くとか馬鹿でしょ。
普通にあんな汚いの無理」

君坂君は彼女を嫌悪感丸出しで睨んだ。

君坂「きもいんだよね~」

ガラガラッ

君坂君はそれだけを言って、
下校していった。

何故、立武さんは
クラスメイト達から犯されてまで、
君坂君に固執するのか分からない…

人の事を好きになったら、
そんな事まで受け入れてしまうのだろうか…

人を好きになった事がない俺でも、
彼女を嫌う悪魔のような君坂君とは
絶対に報われないという事は分かる。

彼女の進む未来はBADENDだ。
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