1 / 6
1-1 濡れ衣
しおりを挟む
【ピグマリオンコンプレックス】
人形を愛する人の事を言うっぽいと
昨日、テレビでやっていた。
山台「これって…」
~
入学当初、同級生に人形を持った
滅茶苦茶イケメンがいると噂になっていた。
人形?と思っていたが、
何度か見かける度、
彼はフランス人形と戯れてる。
そんな変わり者が気に入らないのか、
一部の男子達は彼に嫌がらせをしていた。
結果、嫌がらせをしていた男子達は
全員退学になったらしい…
違うクラスだった為、
詳しい状況は知らないがその件があり、
『羽黒鳴』は、
腫物扱いされるようになった。
山台「まじか」
そして…二年に進級し、
私は羽黒と同じクラスだった。
~
教室にて
「どっどうすんの⁈」
「やっやばいでしょ」
「病院送りにされるッ」
クラスメイト達が教室の中心に集っていた。
山台「どうしたの?」
「あぁっ山台!」
私は男子に腕を引かれ、
何事かと集団の中心を見ると
なんと羽黒の人形が床に落ちていた。
羽黒の後ろの席の赤戸が誤って
落としたらしく、青ざめた顔をしていた。
山台「正直に謝れば」
赤戸「…殺される」
そんな怯える?と思っていると、
赤戸は一年の時、
羽黒と同じクラスだったと捕捉された。
山台「でも、このまま落としっぱなしは
まずいでしょ」
私は、誰も拾う気配すらない人形を
手に取ったタイミングで教室の
ドアが開かれた。
ガラッ
羽黒「ルネ」
…羽黒だ。
クラスメイト達が凍りついたのが分かる。
赤戸「はっ羽黒、
山台がその子落としたんだ」
山台「は?」
突然、濡れ衣を着せられた。
山台「ちょっと…何言って」
羽黒「僕のルネに触るな」
ガンッ
一瞬の事で分からなかったが、
私は床に倒れ込んでいた。
山台「ゲホッ…ゲホッ…」
蹴られた?
私の手には、まだ人形があり
倒れた衝撃で腕がもげた。
カランッ
腕が床に転がり、
更にクラスメイト達は凍りつく。
羽黒「…よくも…僕のルネを傷付けたな」
羽黒は椅子を振り上げている。
山台「…ほ…本気?」
濡れ衣で殴られるなんて
たまったもんじゃ無い…
椅子を振り下ろされる前に
私は羽黒の腕を掴んだ。
羽黒「…っ」
山台「うわッ…」
羽黒が暴れたせいで
足がもつれ、後ろに倒れた。
ガシャーンッ
ガラスが割れる音…
羽黒「…ぁ」
なんだ…何で…廊下に…
私に覆い被さる羽黒は目を見開いている。
カチャッ
何かが上から降って来て、
それを私は掴んだ。
山台「…な…に」
手が熱くドクドクいっている…
山台「…は…はッ…はぁ…」
ジワジワと背中が熱くなっていく。
羽黒「…真っ赤だ」
羽黒の言葉に身体中に
尋常じゃない痛みが走る。
私は悲鳴を上げ、羽黒を押し退け
散らばったガラスを避ける。
山台「い"ぃッ……救急車…呼んでッ」
この光景を教室から見ている
クラスメイト達に怒鳴る。
山台「すぅ…ッ…痛ッ…はぁ…」
ヤバい…ガラスが身体中に刺さってる。
担任「血だらけじゃ無いかッ
山台、大丈夫か⁈」
先生が教室に駆け込んで来て、
私はすぐに保健室に運ばれた。
~
「すぐに救急車来るからね」
ガラスを抜くと出血がどうなるか分からないと
ガラスが刺さった箇所は一旦抜かずに、
切り傷のみ、応急処置をされた。
山台「ゔッ…痛ぃ…」
「大丈夫だから、すぐに救急車来るから」
保健の先生に励まされるが、
痛みに冷や汗が止まらない。
しばらくするとサイレンが聞こえ、
血だらけのまま救急車で運ばれた。
~
「申し訳ないのだけど、
痕は残ってしまいます」
病院でガラスを抜き、応急処置を受けた。
最近は糸で縫わないらしいが、
痕は残るとのこと。
「どうしたのよ!」
母は珍しく会社を中抜けし、病院に来た。
母は担任から経緯を説明されたらしいが、
話が食い違っていた。
私は羽黒に腹を蹴られ、
椅子で殴られそうになったのを
阻止しようとした結果
ガラスに突っ込んだ。
それが事実なのに…
担任から聞かされた経緯というのは、
老朽化して割れたガラスから
羽黒を庇ったという事になっていた。
山台「…なんで」
庇ったというのは、
ガラスを掴んだ事に対して?
いや、そもそも私は暴力を振るわれてるし、
赤戸に濡れ衣も着せられている。
「この程度で呼び出すんじゃないわよ」
母にとって、私に起こった事は、
【この程度】らしい…
「全く、こっちは仕事してるんだから
これ以上迷惑かけさせないで」
母は私を慰める事なく、担任の言葉を鵜呑みにし
怒ったまま会社に戻っていった。
一生消えない傷を負わされてるのに
なんで私が怒られないといけないんだと
怒りで泣いた。
~
次の日、
当たり前だが学校を休み
何日か療養する事にした。
人形を愛する人の事を言うっぽいと
昨日、テレビでやっていた。
山台「これって…」
~
入学当初、同級生に人形を持った
滅茶苦茶イケメンがいると噂になっていた。
人形?と思っていたが、
何度か見かける度、
彼はフランス人形と戯れてる。
そんな変わり者が気に入らないのか、
一部の男子達は彼に嫌がらせをしていた。
結果、嫌がらせをしていた男子達は
全員退学になったらしい…
違うクラスだった為、
詳しい状況は知らないがその件があり、
『羽黒鳴』は、
腫物扱いされるようになった。
山台「まじか」
そして…二年に進級し、
私は羽黒と同じクラスだった。
~
教室にて
「どっどうすんの⁈」
「やっやばいでしょ」
「病院送りにされるッ」
クラスメイト達が教室の中心に集っていた。
山台「どうしたの?」
「あぁっ山台!」
私は男子に腕を引かれ、
何事かと集団の中心を見ると
なんと羽黒の人形が床に落ちていた。
羽黒の後ろの席の赤戸が誤って
落としたらしく、青ざめた顔をしていた。
山台「正直に謝れば」
赤戸「…殺される」
そんな怯える?と思っていると、
赤戸は一年の時、
羽黒と同じクラスだったと捕捉された。
山台「でも、このまま落としっぱなしは
まずいでしょ」
私は、誰も拾う気配すらない人形を
手に取ったタイミングで教室の
ドアが開かれた。
ガラッ
羽黒「ルネ」
…羽黒だ。
クラスメイト達が凍りついたのが分かる。
赤戸「はっ羽黒、
山台がその子落としたんだ」
山台「は?」
突然、濡れ衣を着せられた。
山台「ちょっと…何言って」
羽黒「僕のルネに触るな」
ガンッ
一瞬の事で分からなかったが、
私は床に倒れ込んでいた。
山台「ゲホッ…ゲホッ…」
蹴られた?
私の手には、まだ人形があり
倒れた衝撃で腕がもげた。
カランッ
腕が床に転がり、
更にクラスメイト達は凍りつく。
羽黒「…よくも…僕のルネを傷付けたな」
羽黒は椅子を振り上げている。
山台「…ほ…本気?」
濡れ衣で殴られるなんて
たまったもんじゃ無い…
椅子を振り下ろされる前に
私は羽黒の腕を掴んだ。
羽黒「…っ」
山台「うわッ…」
羽黒が暴れたせいで
足がもつれ、後ろに倒れた。
ガシャーンッ
ガラスが割れる音…
羽黒「…ぁ」
なんだ…何で…廊下に…
私に覆い被さる羽黒は目を見開いている。
カチャッ
何かが上から降って来て、
それを私は掴んだ。
山台「…な…に」
手が熱くドクドクいっている…
山台「…は…はッ…はぁ…」
ジワジワと背中が熱くなっていく。
羽黒「…真っ赤だ」
羽黒の言葉に身体中に
尋常じゃない痛みが走る。
私は悲鳴を上げ、羽黒を押し退け
散らばったガラスを避ける。
山台「い"ぃッ……救急車…呼んでッ」
この光景を教室から見ている
クラスメイト達に怒鳴る。
山台「すぅ…ッ…痛ッ…はぁ…」
ヤバい…ガラスが身体中に刺さってる。
担任「血だらけじゃ無いかッ
山台、大丈夫か⁈」
先生が教室に駆け込んで来て、
私はすぐに保健室に運ばれた。
~
「すぐに救急車来るからね」
ガラスを抜くと出血がどうなるか分からないと
ガラスが刺さった箇所は一旦抜かずに、
切り傷のみ、応急処置をされた。
山台「ゔッ…痛ぃ…」
「大丈夫だから、すぐに救急車来るから」
保健の先生に励まされるが、
痛みに冷や汗が止まらない。
しばらくするとサイレンが聞こえ、
血だらけのまま救急車で運ばれた。
~
「申し訳ないのだけど、
痕は残ってしまいます」
病院でガラスを抜き、応急処置を受けた。
最近は糸で縫わないらしいが、
痕は残るとのこと。
「どうしたのよ!」
母は珍しく会社を中抜けし、病院に来た。
母は担任から経緯を説明されたらしいが、
話が食い違っていた。
私は羽黒に腹を蹴られ、
椅子で殴られそうになったのを
阻止しようとした結果
ガラスに突っ込んだ。
それが事実なのに…
担任から聞かされた経緯というのは、
老朽化して割れたガラスから
羽黒を庇ったという事になっていた。
山台「…なんで」
庇ったというのは、
ガラスを掴んだ事に対して?
いや、そもそも私は暴力を振るわれてるし、
赤戸に濡れ衣も着せられている。
「この程度で呼び出すんじゃないわよ」
母にとって、私に起こった事は、
【この程度】らしい…
「全く、こっちは仕事してるんだから
これ以上迷惑かけさせないで」
母は私を慰める事なく、担任の言葉を鵜呑みにし
怒ったまま会社に戻っていった。
一生消えない傷を負わされてるのに
なんで私が怒られないといけないんだと
怒りで泣いた。
~
次の日、
当たり前だが学校を休み
何日か療養する事にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる