人形

なゆか

文字の大きさ
6 / 6

4 慈愛

しおりを挟む
僕は両親からたくさんの愛情を
注がれて育てられた。

好きなモノを買い与えられ、
好きな事を何でもさせてもらえた。

祖父母にも、可愛い可愛いと
いつも頭を撫でられ、
誕生日にルネを貰った。

両親が僕を愛するように、
祖父母が僕を可愛がるように
僕もルネに愛情を注ぎながら
大切にして来た。

それなのに、僕を馬鹿にするクラスメイト、
ルネを傷付けるクラスメイトが現れた。

なんでそんな事するんだ?

理解が出来なかったから、
意地悪なクラスメイトに暴力を振るった。

両親にその事を話すと、
僕は間違った事をしていないと
抱きしめてくれた。

祖父母からは、僕に意地悪をする子は
愛情が足りてない子なんだと教えてくれた。

あぁ、なるほど…

可哀想な人達だから、
僕に意地悪をしたんだね。

それなら、この人達に
僕の愛情を分け与えればいい。

次からそうしようと思った。



ルネの腕を捥いだ、
傷だらけの欠陥品
トキは、親から愛されていなくて
可哀想だった。

自ら僕の人形になりたがった
孤独なウィリアムは周りから
非難されていて可哀想だった。

やっぱり、可哀想だから
僕に意地悪をしたんだ。

大丈夫、僕の愛情をたくさん注いで
君達を幸せにしてあげるからね。

でも、もう僕の人形なのだから
言葉なんて要らないよね。

帰る場所も僕と同じ、
ずっと一緒だよ。

先生は僕の事を異常だと言ったけど、
可哀想な想いをしている子達が居る環境が
おかしいんだ。



それから、月日が流れ
僕は僕の事を否定し続ける元副担任の先生に
毎週、面会に来ていた。

元副担任「洗脳」

羽黒「してないよ」

元副担任「おかしいわ」

羽黒「おかしいのは先生の方だったから、
逮捕されたんでしょ」

元副担任「違うわ、貴方が嘘の密告をしたから
私は冤罪で捕まってるのよ」

羽黒「僕は何もしてないよ」

元副担任「それなら、
何で私に手を出されたなんて」

羽黒「だから…【僕は】何もしてない」

きっと、僕の両親か祖父母かな…

元副担任「…もういいわ、
もう2度と来ないで」

羽黒「どうして?」

元副担任「貴方を見ると、
自分の無力さで押し潰されそうになるのよ」

悲痛な表情…

あぁ、先生も可哀想な想いを
しているんだね。

羽黒「押し潰されたら、迎えに来てあげるね」

ルネ、トキ、ウィリアム…

次はどんな人形にして、
幸せにしてあげようかな…
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

意味がわかると怖い話

邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き 基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。 ※完結としますが、追加次第随時更新※ YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*) お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕 https://youtube.com/@yuachanRio

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...