スピンオフ要員

なゆか

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スピンオフの幕開け

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6月、青龍学園では体育祭イベントがある。

この体育祭イベント、
別の学校の生徒も入場可能で
遂にこの時が来たんだと、
カメラを新調して、いざ行かんと校門前に来た。

丸田「よしよしよっしゃ」

まぁ、楽満ショーリは主人公タクマにボロ負けして
修行の為に、今学園に居ないが
とにかく青龍学園に入れるなら
良いと思っていたのに…

「NO、NO!」

やっぱ警備ロボットが邪魔をして来た。

「NO、NO!」

丸田「イベントでしょ!」

「NO、NO!」

丸田「ふざけないでよ!」

戸狩「日頃の行いだろ」

神江「警備ロボに目付けられてるからだよ」

丸田「ちくしょうッ」

そして私はケイトとキオにカメラを託し、
日が暮れるまで警備ロボットと格闘する事になった。



丸田「蹴るからね!」

「NO、NO」

すぐそこは大賑わいなのに、
何なんだよと警備ロボットに電撃を食らいそうに
なった時、門から誰かが飛び出して来た。

丸田「あっぶな」

私は反射的に飛び出して来た人の腕を掴み、
電撃を避け、ひとまず距離を取った。

丸田「すみません、私のせいで怪我させそうに…」

痛華「何するのよッ」

丸田「げっ」

プレビ初対面キャラが、生徒会長の許嫁で
ヒロインを目の敵にしている
俗に言う負けヒロインかつ悪役令嬢の
痛華ミネンだった。

確かヒロインと何かの競技で決闘して、
ヒロインに勝つが、勝ち方が卑怯だと
タクマと生徒会長に非難され、
可哀想な事になるイベントあったっけな…

まぁ、痛華とかの女キャラには興味無いし
どうでもいいな…

痛華「放しなさいよッ」

痛華の目は赤く腫れていて泣いてんだなと
私は手を放した。

痛華「この私に触れるなんて、
この野蛮人!」

どうでもいいキャラだけど、やっぱキャラなんだなと
オーラ違うし、信じられないくらい顔が整ってる。

コイツの能力って、なんだったっけ?

痛華「何か言いなさいよ!
野蛮人!」

丸田「キャンキャン吠えて犬みたい、
まぁ、犬って言っても負け犬だけどね!
ははっ!」

痛華「負け犬ですって⁈」

丸田「とにかく、中に入りたいから
着いて来て」

私は痛華の手を再び掴む。

痛華「なッ…何するのよ!」

痛華と一緒なら、警備ロボットを
通過出来るんじゃないかと、
決闘イベントで大恥かいた痛華の気持ちなんて
どうでもいいし、
とにかく私は男キャラ達を拝みたいんだ!と
痛華の手を引いた。

痛華「放しなさい!」

「…YES」

丸田「YES!」

警備ロボットの目が青くなり、
初めて校門を通過する事が出来た。

遂にこの時が来た…やっと、
私はプレビの世界に入ったんだ。

丸田「YES!YES!」

痛華「この私にこんな事して、
貴方は狂っている様ね」

丸田「YES!」

校門通過した所で、
痛華から手を放すと、警備ロボットが飛んで来た。

「NO、NO!」

丸田「えっ通過出来たじゃん!」

「NO、NO!」

離れて行こうとする痛華の手を再び掴む。

「YES」

丸田「よし」

痛華「放しなさい!」

丸田「YES!」

私は痛華の手を掴んだまま、
校内を見渡すが、後ろから警備ロボットが
着いてくる。

丸田「来るな、YESYES」

「YES、YES」

丸田「YESなんでしょ、YES!」

私は痛華から手を離すと、
すぐにNOと言われ、ロボの目が赤く点滅する。

「NO、NO!」

丸田「どれだけ、私は危険人物なんだよ。
異能力ないのに、ねぇ!」

痛華「無能ですって⁈
それなのにこの私を振り回すなんて
この野蛮人!」

丸田「負け犬に言われたくないわ」

痛華「初対面の野蛮人にそんな事言われたくないわ」

丸田「黙れ、負け犬。
痛華は私の通過許可証なんだからね」

私は痛華の手を強く握り締め、
引き摺りながら、人混みの方へ向かう。



しばらく歩くと、スタジオが見えて来て
ケイトとキオの姿を見つけた。

丸田「ケイトー、キオー、
良い写真は撮れた?」

カメラを持つ2人に近付くと、
2人の顔色が真っ青になっている。

丸田「写真は?」

神江「タエ…何してるの」

丸田「顔色悪、なんか遭った?」

戸狩「タエ!こっちの事じゃなくて
その人、痛華ミネンだろ!」

丸田「知ってんの?」

戸狩「知ってるに決まってんだろ!
とんでもない人だろ」

神江「そうだよ、何考えてるのか分からないけど
そんな人を担ぐなんて、どんな神経してるの」

痛華が暴れる為、面倒だなと
今は肩に担いでいる。

神江「ちょっと…見えてるから」

パンツ丸見えなのは、どうでもいい事だ。

丸田「今なんの競技中?」

戸狩「そうじゃないだろ!
とにかく、その人下ろせよ」

キオに言われ、私は痛華を肩から下ろし、
横に抱え込む。

神江「何してるの、ちゃんと下ろしなよ」

丸田「いや、警備ロボットがさ」

ほぼ、背後に密着してる警備ロボットを見る。

戸狩「とにかく、捕まる前に帰ろう」

丸田「やだよ!
せっかく、ここまで入れたのに」

戸狩「俺らまで目付けられるだろ」

丸田「えー超嫌なんですけどー」

神江「タエ、僕らまで目付けられたら
こうやって、タエの頼みも聞いてあげられなくなるよ」

ケイトはカメラの画面を見せてくれて、
私が望んでいたキャラ達が写されている。

丸田「うひょう」

神江「とにかく、門までは仕方ないけど
ちゃんと、外に出たら痛華さんを謝罪しなよ」

丸田「分かった、
とりあえず一競技だけ見せてよ」

神江「駄目!」

丸田「YES、YES!」

神江「NO、NO!」

戸狩「ほら、出るぞ」



校門前

丸田「せっかく、入れたのに」

神江「ちゃんと、謝罪しないと
カメラ壊すからね」

ケイトは、カメラを振り上げている。

丸田「ちょいちょいちょーい!」

戸狩「ケイトがこんな怒ってんの見た事ないからな」

丸田「キオとケイトって、幼馴染なんだっけ?」

戸狩「今それどころじゃ無いだろ」

キオに肩パンされ、痛華を下ろす。

そういえば、痛華を担いだ以降暴れる事も
口を開く事もなかったなと顔を見る。

丸田「私の肩、心地良くて寝た?」

痛華「信じられないわ、
この私にあんな羞恥心を…」

丸田「寝た?」

痛華「寝るわけないじゃ無い!
どんな神経してるのよ!」

丸田「なら、何で微動だにしなかったの?
大恥かいて疲れたから、寝てたんじゃないの?」

神江「タエ」

丸田「ケイト…そんな顔しないでよ、
こんな冗談真に受けるわけないでしょ、ねえ!」

痛華「じょ…冗談だって分かってるに
決まってるじゃない!」

丸田「ほら」

戸狩「タエ、そう言うとこだぞ」

丸田「とにかく、カメラ壊されたくないから帰るわ。
痛華、今日はごめんね!またね!」

痛華「またなんて、あると思わないでちょうだい!」

丸田「ま・た・ね!」

痛華「二度と会わないわ!」



私はケイトとキオからカメラを受け取り、
帰宅した。

丸田「キャラ達、こんな写ってんのに」

カメラの中身は、完全プレビの世界だ。

丸田「手が届きそうで、全く届かないな」

今度は痛華みたいに面倒なのじゃなくて、
他の生徒捕まえて校内に入ろっかな。
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