色んなストーカー

なゆか

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冬瓜と勘

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休み時間

俺は窓の外を見ながら、そう言えばと
考えていた事を口に出した。

黒田「ストーカーって、ヤンデレ?」

白木「いや、知らんわ」

黒田「ヤンデレで、病んでるからストーカーに
なるって事?」

白木「突然、なんなん?」

黒田「隣のクラスの女子がストーカー被害に
遭ってるって聞いてさ」

俺の横で、スマホをいじる白木は
面倒くさそうに目を細める。

黒田「白木ってモテんじゃん。
ストーカーいるだろ?」

白木「はぁ?」

黒田「やっぱ、病んでんの?」

白木「知らんわ」

黒田「ストーカーされるのって、どんな感じ?
ストーカーが美人だったら、俺はアリかも」

白木「はぁ」

黒田「ストーカーって」

白木「ほんと、うっせーな」

黒田「いってーな!」

白木にスマホの角で殴られ、
休み時間が終わるチャイムが鳴った。



黒田「白木~、ストーカーってさ」

白木「まだ、その話か?」

授業後に再び白木にストーカーについて聞くと、
やっぱり嫌な顔をされた。

白木「何面白がってんのかしんねーけど、
モノ盗まれたり、待ち伏せられて
家まで付き纏われたり、無言電話メッセージは当たり前
変な郵便やら送られてくる身になってみろや」

黒田「モテてる証拠じゃん、
ストーカーになる程、好かれてるとか羨ましいわ」

白木「…黒田…相変わらずデリカシーねぇよな」

白木に肩パンされ、椅子から転げ落ちた。

黒田「いってー!」



放課後

白木「…ちッ…またかよ」

白木が昇降口で舌打ちをしている。

黒田「白木~、まだ帰ってなかったの?」

白木「…ほら、見てみろやコレ」

白木は自分の下駄箱を足で蹴り、
俺は白木の足先を見てみると、下駄箱の中から
手紙や写真、黒い髪の毛がゴッソリ落ちて来た。

黒田「マジでストーキングされてんの?」

白木「…ほんと、お前」

白木は再び舌打ちをし、上履きのまま外に出た。

黒田「ごめんって」

白木「誠意ねー謝罪なんていらねーよ、
お前は靴あんだろ、履き替えろや」

黒田「ういうい」

俺は靴を履き替え、白木の背中を追い掛ける。

黒田「白木~、冬瓜いる?」

白木「いらねーよ」

黒田「食い方分かんねーんだよ、貰って」

白木「せめて袋に入れてから、
差し出して来いよ」

黒田「袋持ってねー」

白木「お前なぁ」

白木はため息を吐き、俺から冬瓜を受け取ると
自分の鞄に入れた。

黒田「冬瓜って、ウリ科だし
丸齧りいけんのかな」

白木「検索でも何でもしろや、
誰から貰ったん?」

黒田「俺、園芸部じゃん?
部室に落ちてた種
片っ端から撒いたら、冬瓜出来た」

白木「へぇ」

そんな話しをしながら、下校すると
確かに誰かが着いて来てる気配はする。

黒田「白木」

白木「あ?」

黒田「お前も、大変だな」

白木「うるせ」

俺は白木と別れ、自分の家に帰るフリして
物陰に隠れた。

今日、ストーカーに遭ってる白木を怒らせたが、
俺は、どんな奴がストーカーやってるのか
見てみたかった。

ガサッ

物陰に隠れながら、白木の跡をつけてみると
思いの外、すぐに白木のストーカーは姿を現した。

黒田「英語の菅本じゃん」

白木のストーカーは、学校の教師で
英語の菅本だった。

黒田「アイツかー」

菅本は、金髪でスタイル抜群で気さくで
生徒から人気のある先生だ。

教師と生徒って禁断の愛的なヤツだから、
ああやってストーカーしてんのか。



次の日

黒田「あれ?白木は?」

「休みじゃね?」

白木は連絡無しで休み、
菅本も体調不良らしく今日は休みだった。

絶対なんかあんじゃんと、俺は放課後
白木の家に寄ってみる事にした。

確か白木の家は、両親が海外出張してて
家に1人だったはず、そこを付け込まれたのかと
インターホンを鳴らすが、誰も出て来ない。

黒田「白木~」

俺は白木を呼ぶが誰も出て来ない。

黒田「白木~」

めげずに呼び続けると、
近所の人が迷惑そうに声を掛けて来た。

「白木さん家、しばらく誰も居ませんよ」

黒田「そうなんすか?」

「ポスト見れば一目瞭然でしょう」

確かに郵便物が溢れている。

「それに、ずっと戸も閉まってるんで」

確かに見える範囲で、戸が閉まっているのが分かる。

黒田「ありがとござまーす」

俺はお礼を言うと、
近所の人は離れていった。

黒田「なら、白木は何処にいんだ?
昨日とか、普通に登校して来てたよな」

家に帰ってない事は無いよなと、
もしかして、監禁とかされてんのか?

いやでも、1日でこんな郵便物溜まるか?

黒田「おし、電話してみっか」

俺は白木に電話してみる事にした。

黒田「ん~、出ねーか」

何コールかしたが、電話に出ない白木。

黒田「ん~、んん?」

微かに聞こえてくる着信音。

黒田「ん?やっぱ、居んのか?」

俺は不法侵入上等と、白木の家の柵を飛び越え
庭に入ると、一箇所戸が開いてる窓を見つけた。

黒田「開いたりして」

ガラッ

黒田「マジかー」

俺は靴を脱ぎ、薄暗く埃臭い部屋に上がると
やっぱ、着信音が聞こえる。

黒田「白木~」

白木を呼ぶと、2階から物音が聞こえた。

黒田「ガチ監禁とかだったら、どーしよ」

俺は階段を上り、物音が聞こえる部屋のドアを開ける。

黒田「マジか⁈」

部屋には椅子に縛られて倒れ込む白木が居た。

黒田「ガチで監禁じゃん!」

俺はすぐに白木の拘束を取り、
口枷も取った。

白木「ゲホッ…ゲホ…なんで、黒田が」

黒田「連絡無しで休んでたし、
英語の菅本っていんじゃん?
アイツがストーカーでさ、菅本も休んでたから
監禁されてんじゃないかって思って」

白木「…勘、良過ぎ」

とにかく、菅本が戻ってくる前に
警察でも何でも呼ばないととスマホを出すが、
部屋の前にさっきの近所の人が居た。

「しばらく、居ないって言ったよね」

手には、釘抜く時に使う
なんつったか工具が握られている。

白木「黒田、アイツが俺のストーカー」

黒田「えっマジで?
さっき普通に話かけられたけど」

白木「お前だけでもいいから、早く逃げろ」

黒田「それって、死亡フラグじゃね!」

その近所の人もとい、ストーカーは
工具を俺に振りかざした。

黒田「うわっ」

俺は咄嗟に落ちていた白木のバックから、
冬瓜を取り出し、防御した。

グチュッ

冬瓜の皮は厚く、防御に成功した。

黒田「コレがウリ科でもキュウリとかだったら、
頭割られてたな!」

白木「この状況でふざけんなや」

黒田「冬瓜は防御に使えるって事は、
攻撃にも使えるって事だろ!
冬瓜、便利!食い方分かんないけど!」

俺はストーカーに思い切り、冬瓜を投げ付け
白木を背負い部屋から出る。

黒田「今日収穫して来た冬瓜がもう一個!」

俺は冬瓜を再びストーカーに投げつけ、
部屋のドアを閉める。

ガチャガチャと中から、ドアノブを回されるが
ここでまた冬瓜が役に立った。

黒田「ドアノブ、冬瓜でドーン!」

白木「ふざけてねぇで、下に行くぞ」

そういう白木の足は血だらけで、
自力で歩けなさそうだった。

黒田「白木を背負いながら、
階段降りてたら、背中ガラ空きじゃん」

白木「ずっと、ドアを閉め続ける気か?」

黒田「ほら、俺のスマホ渡すから
119、119!」

白木「警察は110やろ」

俺は白木にスマホを投げ、
ドアを塞ぎ続けた。

白木が警察に連絡をしたところで、
ストーカーは窓から外に逃げたらしく、
物音が聞こえなくなった。

しばらくすると、警察が来て
白木拉致監禁事件は、俺の好奇心と冬瓜のおかげで
解決する事になった。

監禁時に白木の足の腱はズタボロにされたらしく、
足が不自由になった。

黒田「車椅子生活とか大変だから、
俺が身の回りの世話をしてやろー!」

白木の親は、仕事優先で子供が監禁されても
帰って来ないっぽいと、
親に話したら、家族が1人増えても
かまやしないと白木が俺の家に来る事になった。

白木「お世話になります」

白木はイケメンだからか、母や妹は喜び
学校、家と白木と一緒にいる事が増える結果となった。

黒田「そういや、菅本って消息不明らしい」

白木「へぇ」

黒田「ストーカーって、
菅本だけなんだと思ってた」

白木「もう居ない人の事はいいだろ」

黒田「夜道襲われたらどーすんだよ、
ストーカー1人だけじゃなかったわけだし」

そういや、黒田を監禁してたのは茶髪の女だった。
菅本は金髪だ。

黒田「下駄箱に黒い髪の毛の束入ってたじゃん?
まだ、黒髪のストーカーいるって事だろ」

白木「そんな事より、課題やれよ」

黒田「茶、金、黒髪のストーカー。
次は赤髪だな」

白木「本当デリカシーねぇな」

~~

午前2時

黒田「…んぐぅ…うぅ…ぐぅ」

白木「イビキうるせーな」

俺の隣で眠るイビキのうるさいデリカシー皆無の黒田。

白木「…はぁ」

黒田の勘の良さにより、
俺は監禁から逃げることが出来た。

白木「全く、馬鹿のくせによ」

俺は黒田の頬を突く。

白木「…可愛い」

何もかも上手くいった、
やっと黒田に近付く事が出来た。

白木「黒田」

チュ…

俺は眠る黒田に口付けた。

白木「お前のその勘が、
俺に通用する時が来たら冬瓜投げてくるんかな」

楽しみだなと、俺は再び黒田に口付けると
眠りについた。

~~

冬瓜の花言葉
【静かなる愛】

黒田「マジかー」

横で眠る白木に、俺は自分の口元を拭きながら
ため息を吐く。

黒田「…はぁ」

俺は白木拉致監禁事件の前日
白木の跡を追いかけていた菅本に気付かれていた。

菅本「白木君には気を付けて」

菅本はその言葉を最後に消息不明になり、
白木は何故か埃が積もった家で監禁されていた。

普段、生活してるはずの家があんな埃臭い訳ないよな。

それに、ポストに詰められていた普通郵便、
誰がやったのか犯人が分からない
部室にぶちまけられてた冬瓜の種、
白木の親…

白木に対しての違和感があり過ぎて、
それを紐づけると
白木の目的は、俺だったと
俺の名推理は先程のキスで立証された。

黒田「厄介な事になっちまったなー」

ストーカーの対処って、どうやんだろと
俺は布団を被り眠りについた。
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