色んなストーカー

なゆか

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都合の良い解釈

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私は、ホラーが好きだ。

実際に幽霊が存在してんのか
分からないが、画面越しの安全なところで
観るからこそ、楽しめるコンテンツである。

ぎぎ…

「今日も可愛いねぇ、友果ちゃんほんとに可愛い」

幽霊…これは幽霊だ。

「いつ見ても可愛い寝顔だなぁ」

今部屋にいる男は、生きてない、死んでるんだ。

「本当に可愛いなぁ」

ツンツンと私の頬を指で突かれる感触も、
きっと力が強い幽霊で…そうだ、そうに違いない。

ホラー映画も漫画も、
今までたくさん観てきたから
怖がる事なんてないんだ。

「大好きだよ、また来るね」

幽霊って、本当に居るんだなー…



朝、目覚めると、明らかに部屋の物が動いていて
人が居た形跡がある。

友果「ここは事故物件で…ポルターガイストが
起きてたんだ」

深呼吸をして、ベットから降りるが
すぐに頭を抱えて、再びベットに座る。

友果「やっぱ、無理あるわ…
居たわ…何、ストーカー?」

世の中にもっと可愛い子居るでしょうに…
なんで、私なのさ…

友果「ノンフィクションで、
ホラーはいらんよ…」

というか、どっから入って
どっから出てってるんだ?

幽霊なら、戸締まりは関係ないが
本物のストーカーだとしたら侵入経路があるはず…

私は立ち上がり、玄関の鍵を確認するが
チェーンは掛かっている。

部屋にある窓も全て鍵が掛かっている。

天井も特に隠しドア的なのものも無い。

友果「密室じゃん…」

何これ、どっち?

友果「本当に幽霊?
いや、でも…完全気配感じるし…」

ベット下や、クローゼットを確認するが
本当に人が侵入出来る隙間も無い。

友果「どっちだよッ」



外出し、帰宅するとまた部屋のモノが
移動しているような気がする。

友果「…はぁ」

幽霊なのか、ストーカーなのか
とにかく、私は幽霊であれと思っている為
除霊方法を探す事にした。

よく知り合いの霊能力者というセリフを聞く為、
親や友達に聞いてみるがいなかった。

友果「知り合いの霊能力者なんて、
そうそういないッ!」

そもそも、どの経由を辿って
霊能力者にアポとんの?

友果「…寺?神社?
もう疲れた、寝よう」

私はベットに倒れ込み、目を閉じる。



ぎぎ…

「俺の存在を認めてくれたと思ったのに、
幽霊だなんて…ほんと…そういうところが
可愛いんだよ」

幽霊…幽霊…コイツは幽霊だ。

怖くない、怖くない…

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