色んなストーカー

なゆか

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行動力

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「はぁ、明日も仕事か…
怠い怠い怠い…」

社会人3年目。

フレッシュさは既に無く、
毎日仕事怠いなと思っている今日この頃
帰宅中、視線が感じた。

「猫か」

塀の上に猫が居る。

「猫、元気?」

仕事疲れ過ぎてテンションがおかしいまま、
猫に絡む。

「私、今日仕事でしくってさー、
新卒の子にフォローされちゃって
全く困ったよね」

猫は逃げずに、
ジッと私の事を見てくれる。

「話しを聞いてくれるんだね、良い猫よ。
それでさー」

しばらく、猫に愚痴っていると
後ろで袋が擦れる音がして振り返ると
髪の毛もさもさの大学生くらいの男子が居た。

もさもさ「あっ…」

もさもさは、後退りし
地面に袋を置くと逃げて行った。

「私、不審者に見える?」

ニャー

「それは肯定のニャーなのかにゃ?」

猫は塀から飛び降り、
もさもさが置いていった袋に近づいていく。

「あーごはんね」

あのもさもさは、この子の飼い主だったのか?と
私は袋の中のごはんを出し、猫に与えた。

「じゃあ、私は行くよ。
明日も仕事頑張りますわ」

猫を撫で、帰宅した。



次の日

「猫よ、聞いてくれ」

帰り際、昨日同様に猫に愚痴っていると
猫が登っている塀の隙間から人が覗いていた。

「うわッ」

この家の人か⁈
不審者だと思われて通報されたら、
やばいと私はしばらく走って逃げた。



カツンカツンカツン

コツコツコツ

カツンカツンカツン

コツコツコツ

逃げ切ったと思っていたのに、
自分の走る音と他の足音がする。

そして、止まれば後ろの足音は止まり
歩き出すとまた…

カツンカツン

コツコツ

それも歩き出す。

どんな言い訳しようかと振り向くと、
すぐそばに、昨日のもさもさが立っていた。

もさもさ「あ…あのぉ…」

「あっもさもさ」

もさもさ「…え?
あっええと、突然声を掛けてしまって…
ごめんなさい…あの…俺」

もさもさは、緊張しているのか
途切れ途切れに喋り出した。

もさもさ「…その…貴方を一目見た時から…その…
好きになってしまいまして…その…俺…
一目惚れっていうのが…初めてで…
こんなに好きになったのも…初めてで…
…それで…貴方に声を掛けようと…
頑張ろうとしたんですが…その…勇気出なくて…
貴方を追い掛けるので精一杯で…」

途切れ途切れなのに、凄い喋るなと
これは告白されてるでいいんだよねと
立ち尽くす。

もさもさ「昨日は…
貴方のマンションまで行ってしまいましたよ。
猫ちゃん飼っていたんですね、
僕も猫ちゃん好きなんです。
趣味合いますね!
でも、帰りが遅いと猫ちゃん…
あぁ、ミヤビちゃんでしたね
ミヤビちゃん寂しがりますね」

ミヤビとは、私が飼っている猫の名前だ。

もさもさ「昨日は寂しいから
貴方が大切にしていた友達からの
誕生日プレゼントに爪を立てちゃったんですね。
寂しがりのミヤビちゃんは
貴方に構って欲しかったんですよ!
あまり怒らないであげてくださいね。
でも見てください!
この引っかき傷ミヤビちゃんの爪鋭いから
痕残っちゃってて
でも、さっきやっと懐いてくれたんですよ!
可愛いですよねミヤビちゃん…あっ
違いますよ一番可愛いのは貴方ですからね!」

途切れ途切れだったのに、
随分流暢になってきたな…

今の話しからして、昨日から私の部屋に
入ってるみたいだ…

「…お…おぉ」

昨日一目惚れして、部屋に侵入してるとか、
行動力やばいな…

私の住むマンションのオートロックとは?

疲れてるからなのか変に冷静だったが、
やっぱやばいよなと逃げる事にした。

カッカッカッカッ

ストーカー「あっ待ってください!!!」

カッカッカッカッ

ストーカー「そんなに急がなくても大丈夫ですよ!
ミヤビちゃんには、ちゃんとご飯あげましたから!」

カッカッカッカッ

ストーカー「待って…」

少し声が遠くなる。

ガリッ

ヒールのピンが折れ転んだ。

ガシャンッ

ストーカー「あぁ!大丈夫ですかッ」

また近付いてくる声にすかさずヒールを脱ぎ捨て走る。

ストーカー「ちょっと、このヒールはッ…」

マンションに着き、
オートロックを解除して
エレベーターはやばいと非常階段に向かう。

カンカンカンッ

マンションの階段をかけ上がり
自分の部屋の前まで着き、
鍵を開けようとするがなかなか鍵が噛み合わない。

カチャカチャかチャッ

カンカンカンッ

ドアを開けるのに手惑うと
階段を駆け上がる音が聞こえて来た。

ガチャガチャッ

カンカンカンッ

ガチャリッ

ドアを開けたと同時に追いかけて来た
ストーカーの顔が見えた。

バタンッ

ガチャ

ドア、鍵、チェーンを閉め
その場にしゃがみ込んだ。

ドッドッドッ

鼓動が高まり息も上がる。

少しの間

ドンドンドンッ

真後ろのドアを叩かれ
ドアノブを捻られる。

ガチャガチャガチャガチャッ

ストーカー「どうしたんですかッ…
ヒールも脱ぎ捨ててッ…
このヒールお気に入りじゃないですかッ…」

ドンドンドンドンドンドンッ

ガチャガチャ

ストーカー「開けてくださいッ…
まだ俺返事貰ってませんよッ…」

ドンドンドンッ

返事?

ガチャリ

外から鍵を開けられるが、
ドアチェーンが全開を塞ぐ。

ストーカー「開けてください」

ドアの隙間から、ドアチェーンを握る。

ストーカー「開けてください、開けてください、
開けてください、開けてください」

しばらく、ドアチェーンをガチャガチャされ
ストーカーはドアを閉め、
ドアの外で音がしなくなった。

諦めたのか…

「…うわ…やば過ぎでしょ」

怖いと悲鳴が出ないし、
手もこんなに震えるんだな…

額から汗が流れ、
警察に連絡しようとすると

ニャー

ミヤビの鳴き声が部屋から聞こえて来た。

ニャーニャー

「…あ…部屋に……まッ…まさかね」

廊下を進み、部屋のドアを開け
電気を点けるとミヤビが
カーテンを引っ掻いている。

「ここ5階なのに…」

ベランダに人影があり、窓が開かれた。
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