色んなストーカー

なゆか

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思い出せない

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仲野「あっお久しぶり!」

ぽんっと肩を叩かれ、
振り向くと知らない人。

「あ…えと」

仲野「仲野だよ!
まじ、久々だね~いつ以来だっけ」

この【仲野さん】という
いつの時の誰だっけと思い出せない人は
友好的に喋り出した。

仲野さんのテンションから、
私の事を結構覚えていて、
私の方はピンとも来ないくらい
憶えていなくて、
これは失礼な事だよねと、
私もお久しぶりと誤魔化し、
お茶をする事になった。



仲野「それでさ~」

仲野さんはコーヒーを手にしているが
一口も飲まないまま、話しに花を咲かせている。

私は仲野さんの話を聞きながら、
いつの誰だっけと思い出そうとするも
全然思い出せない。

仲野「ん?どうしたの?」

「え、あっいや、何でもないよ」

仲野「もしかして、私の事憶えてない?」

完全なる図星に苦笑いをする。

仲野「え~ひどいな~」

仲野さんはヘラヘラと笑い、
冷めたであろうコーヒーを飲んだ。

仲野「それでさ!」

仲野さんはさっきの話の続きを話し、
結局どこの誰なのか教えてくれないまま
連絡先を交換して別れた。



「あのさ、仲野さんって知ってる?」

仲野さんがいつの誰なのか自分では
見当がつかず、小中、高校、大学、前の職場など
その場で仲良く連絡先を交換している友達に
片っ端から聞いてみる事にした。

しかし、当たりはなかった。

「えー…あと、どこだ?」

学校、職場以外で仲良かった人…

「習い事とか?…いやー、
小さい頃過ぎだしな」

仲野さんがアレだけ友好的だったって事は
仲良かったはずなのに、なんで思い出せないんだ。

交換した連絡先を観ながら
自分の記憶の無さにため息を吐いていると
仲野さんから着信が入った。

仲野「もしもし~」

「あ、仲野さん」

仲野「やっぱ、話し足りなくてさー!
お酒買って来ちゃった」

「え、お酒?」

仲野「今、マンションの前まで来てるんだけど
開けてくれる?」

「あっうん」

私の住んでるマンションを知ってる仲なのに、
分かんないなとオートロックを解除しようと
モニターの前に立つ。

仲野「おーい、お酒ぬるくなっちゃうよ~」

仲野さんはモニター前で手を振っている。

「…誰なんだろ」

オートロック解除ボタンを押そうとした時、
スマホに着信が入った。

「ん?」

仲野さんかと電話に出ると、
小中の友達だった。

「どうしたの?」

「さっきのナカノって誰かって聞かれて、
私も気になって周りに聞いてみたら
小学校の時に同じクラスだったことあるよ」

小学校で同じクラスとか、
昔過ぎて憶えてないのも仕方ないか。

「ありがとう、助かったよ」

「はーい」

全然思い出せないが予備知識は入ったと、
オートロックを解除して、
仲野さんを部屋に上げる。



しばらく、お酒を飲みながら
喋り続ける仲野さんの話を聞き
隙を見て、小学校の時の話を振ってみた。

仲野「小学校…それよりさ!」

小学校の時の話しをしたら、
思い出すかもしれないのに
すぐに交わされてしまった。

仲野「クリスマスの時のクマがね」

仲野さんの話しの節々から
思い出すヒントがあるが
それでも、全然思い出せず
夜が更け、酒が回り意識が朦朧としてきた。

「…ん…んん」

ぼーっとする視界の中、
頬杖をついて、仲野さんは私の顔を見ている。

仲野「さて、私はどこの誰でしょう」
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