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手綱を握る
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三田が九戸を殺そうとした次の日、
九戸は普通に登校してきた。
名原「九戸っ」
九戸「…うるせー、何の用だよ」
普段通り九戸は不貞腐れているが、
いつもの活気はない。
名原「平気なの?」
九戸「学校来てんだろ」
名原「でも」
九戸「…何様だよ…お節介なんだよ」
九戸はそっぽを向いてしまった。
昨日の花瓶で負った傷や、
殴られたであろう顔は手当してあるが
その後、本気で窓から落とされそうに
なってた事を知ってるのか?
九戸「しっしっ」
九戸に追い払われ、
私は自分の席に戻った。
本当に平気なのか?
絶対平気じゃ無いでしょ…
九戸の背中を見ながら、
心配していると、突然教室が静かになった。
その原因は、勿論…
三田「おはよう、名原さん」
よく平気な顔してられるよな…
昨日、人殺そうとしてたくせに…
九戸がチラッとこっちを見て、
すぐに前を向いてしまった。
三田「九戸君に謝って貰った?」
三田の視線の先は九戸で、
まだ何かやるつもりなのか
まぁまぁ、大きい声で尋ねて来た。
九戸「…ッ」
九戸の背中がびくつき、
身を抱えて震え出した。
名原「謝って貰ったから」
実際、謝罪はないが
今はこう嘘つくしかない。
三田「本当?」
名原「三田が居ないとこでね…」
三田「そっか…俺が居ないところでね…」
何故か残念そうにしている三田は
あぁと手を叩いた。
三田「でも、花瓶はまだだね」
名原「それもいいって…」
三田「良くないよ」
三田は九戸への報復のきっかけが、
欲しいのかしつこい。
あんな身を抱えて震える程、
ビビっちゃってんだから、
もういいでしょ…
名原「つか、昨日…九戸が買って来た花瓶
割ったの三田じゃん」
三田「それは同じ花瓶じゃなかったから」
名原「同じじゃ無くても、
花瓶は花瓶でしょ」
三田「買って来させないと」
私の言葉を振り切り、
三田は九戸の方へ行こうとしているが、
すぐに腕を掴む。
名原「やめろってば」
三田「止めるんだね」
名原「もう十分でしょ」
三田「何様?」
三田に手を叩き落とされる。
名原「痛ッ…」
三田「いじめられてたのは俺だよ。
十分って、これを決めるのは俺だよね」
名原「…確かに、そうだけど…」
三田「今まで見て見ぬ振りしてたよな」
三田は目を見開き、
私に顔を近づけてくる。
三田「そんな名原さんが
俺に口出しするつもり?」
名原「…確かに悪いと思ってるけど、
流石に限度が」
三田「その限度っていうのも決めるのは俺。
悪いのは俺にちょっかい出して来た
九戸君だよね」
名原「だからって、昨日のはやり過ぎで」
三田「俺は九戸君に
毎日嫌がらせされてきたんだ。
この不快な気持ち、
名原さんには分からないだろ」
私は何も言えなくなってしまった。
三田「…ふふっ」
何が面白いのか、突然三田は笑い出し
叩き落とした私の手を掴んで
再び腕を握らされる。
三田「名原さん、
俺の腕掴み続けててよ」
名原「…は?」
三田の手がじめっとしていて気持ち悪い。
三田「そうしないと、俺…ふふっ…
名原さんの推しを殺しちゃうからっ…」
誰にも言わなかったのに…
なんで、推しって知ってるの…
三田「あんな必死に泣く程…ふふっ
怒ってたから……分かるよ…ふっ…ふふ…」
私の手を強く握りしめる。
名原「…痛い」
三田「名原さんは
俺の手綱握ってくれるよな」
これは、脅迫だ。
私は三田の腕から
手を放せなくなってしまった。
九戸は普通に登校してきた。
名原「九戸っ」
九戸「…うるせー、何の用だよ」
普段通り九戸は不貞腐れているが、
いつもの活気はない。
名原「平気なの?」
九戸「学校来てんだろ」
名原「でも」
九戸「…何様だよ…お節介なんだよ」
九戸はそっぽを向いてしまった。
昨日の花瓶で負った傷や、
殴られたであろう顔は手当してあるが
その後、本気で窓から落とされそうに
なってた事を知ってるのか?
九戸「しっしっ」
九戸に追い払われ、
私は自分の席に戻った。
本当に平気なのか?
絶対平気じゃ無いでしょ…
九戸の背中を見ながら、
心配していると、突然教室が静かになった。
その原因は、勿論…
三田「おはよう、名原さん」
よく平気な顔してられるよな…
昨日、人殺そうとしてたくせに…
九戸がチラッとこっちを見て、
すぐに前を向いてしまった。
三田「九戸君に謝って貰った?」
三田の視線の先は九戸で、
まだ何かやるつもりなのか
まぁまぁ、大きい声で尋ねて来た。
九戸「…ッ」
九戸の背中がびくつき、
身を抱えて震え出した。
名原「謝って貰ったから」
実際、謝罪はないが
今はこう嘘つくしかない。
三田「本当?」
名原「三田が居ないとこでね…」
三田「そっか…俺が居ないところでね…」
何故か残念そうにしている三田は
あぁと手を叩いた。
三田「でも、花瓶はまだだね」
名原「それもいいって…」
三田「良くないよ」
三田は九戸への報復のきっかけが、
欲しいのかしつこい。
あんな身を抱えて震える程、
ビビっちゃってんだから、
もういいでしょ…
名原「つか、昨日…九戸が買って来た花瓶
割ったの三田じゃん」
三田「それは同じ花瓶じゃなかったから」
名原「同じじゃ無くても、
花瓶は花瓶でしょ」
三田「買って来させないと」
私の言葉を振り切り、
三田は九戸の方へ行こうとしているが、
すぐに腕を掴む。
名原「やめろってば」
三田「止めるんだね」
名原「もう十分でしょ」
三田「何様?」
三田に手を叩き落とされる。
名原「痛ッ…」
三田「いじめられてたのは俺だよ。
十分って、これを決めるのは俺だよね」
名原「…確かに、そうだけど…」
三田「今まで見て見ぬ振りしてたよな」
三田は目を見開き、
私に顔を近づけてくる。
三田「そんな名原さんが
俺に口出しするつもり?」
名原「…確かに悪いと思ってるけど、
流石に限度が」
三田「その限度っていうのも決めるのは俺。
悪いのは俺にちょっかい出して来た
九戸君だよね」
名原「だからって、昨日のはやり過ぎで」
三田「俺は九戸君に
毎日嫌がらせされてきたんだ。
この不快な気持ち、
名原さんには分からないだろ」
私は何も言えなくなってしまった。
三田「…ふふっ」
何が面白いのか、突然三田は笑い出し
叩き落とした私の手を掴んで
再び腕を握らされる。
三田「名原さん、
俺の腕掴み続けててよ」
名原「…は?」
三田の手がじめっとしていて気持ち悪い。
三田「そうしないと、俺…ふふっ…
名原さんの推しを殺しちゃうからっ…」
誰にも言わなかったのに…
なんで、推しって知ってるの…
三田「あんな必死に泣く程…ふふっ
怒ってたから……分かるよ…ふっ…ふふ…」
私の手を強く握りしめる。
名原「…痛い」
三田「名原さんは
俺の手綱握ってくれるよな」
これは、脅迫だ。
私は三田の腕から
手を放せなくなってしまった。
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