熊ダイブ

なゆか

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何故そうなる④

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木曜日



那須野「と言う事で
今回はビックシリーズにしてみました」

ババーンッ

私はビッグかりんとう、ビッグえびせん、
ビッグスルメイカ、ジャンボちくわを
更衣室に広げた。

一美「どんなセンス」

先輩「ちくわだけ、ジャンボなんだね」

一美「こんなの何処で売ってるの?」

那須野「企業秘密だッ!」

一美「はい、うざい」

先輩「私には、こそっと教えてよ」

那須野「先輩には隠し事出来ませんわ!」



そうして、朝練後

那須野「あー最悪」

すぐ一美のクラスに行こうとしていたのに、
監督に捕まり、少し遅くなってしまった。

廊下には、登校して来ている生徒で
溢れていて、早くしないと
朝のHR始まっちゃうよと急ぎ足をする。

那須野「あっ一美」

廊下に出て来ている一美を見つけ、
駆け寄ると腕を掴まれた。

一美「行くよ」

那須野「え、村野君は?」

一美「そっちの案件だから」

何だよ、案件って…
業務的な感じで私は一美に着いていく。



夏穂「あっ来た来た、那須野さん」

向かった先に夏穂さんが居た。

那須野「え…何…」

私は一歩後ろに下がると、
後ろから肩を掴まれる。

ポンッ

明地「おっと、つかぁ~
熊ダイブの事聞いたよぉ~
早く言ってよ、俺勘違いしちゃったじゃん」

秋緒「アホくせー事やってんな」

明地君と秋緒君までいる。

学校で目立つ3人に囲まれ、
どんな陰謀だと一美を見るが
血走った目で私の肩を見ている。

那須野「なんだよ!
邪魔するなら、許さないからな!」

私は明地君の手を叩き落とすと、
一美にキレられた。

一美「那須野ッ」

夏穂「まぁまぁ、
那須野さんも驚くよね。
突然、こんな所に呼び出されて」

夏穂さんが一美を宥めるが、
そんな事より
朝練後の熊ダイブのチャンスが
無くなったら、どうすんだと腹が立つ。

夏穂「私達ね」

那須野「何」

夏穂「そんな警戒しないでよ。
私達、昨日那須野さんが
やろうとしてる事を教えてもらったんだ」

那須野「それは、知ってるけど」

明地「面白そうだったんでぇ、
協力しようかなって」

那須野「協力してくれんのッ⁈」

明地「えっ!…あっ
協力しちゃうよぉ~」

バンッ

一美「セクハラッ」

那須野「何がッ⁈」

そんなんで
3人は私の野望に協力して
くれることになった。

秋緒「俺炭酸で」

何で秋緒君まで居るのか分からないが、
ジュースをねだられる。

夏穂「それでね
私作戦立てたんだ!」

夏穂さんは、思いの外ノリノリで
私に作戦を教えてくれた。



そして、昼休み

那須野「皆、頼みました!」

朝とは一変して、
私は3人に敵意では無く
友情を感じていた。

まぁ、1人はジュースを奢っての協力だが、
とにかく協力者が増えたら、実現性は上がる。

夏穂さんの作戦というのは、
村野君を廊下に1人にさせ
誰にも邪魔されないようにすると
結構単純だが、協力者が居ないと
出来ない作戦だ。

那須野「村野君!」

村野「あー、今日は何くれんの?」

那須野「どうぞ、お納めください!」

私はビッグシリーズを入れた紙袋を
村野君に渡して、距離を取る。

そして

那須野「熊ダイブ!」

今回、邪魔は入らないから、
成功するに間違いない!

と私は思いっきり
村野君の背中に抱きついた。

?「くッ…苦しいです」

那須野「村野君じゃないッ⁈」

いつ現れたんだこの女子と、
離れようとした瞬間に
私の背中に衝撃が走り
気が付いたら、床に寝っ転がっていた。

那須野「…え、なんだ」

夏穂「きゃーッ!!!
瑠璃ーッ!!!」

どうやら私は夏穂さんに
タックルされたっぽい…

那須野「何、誰?」

夏穂さんは横で叫びながら、
私が間違えて抱きついた瑠璃と呼ばれる女子を
過保護に心配している。

瑠璃「僕は大丈夫だよ、お姉ちゃん」

今、僕って言った?

その僕っ子かつ夏穂さんの妹っぽい瑠璃さんは、
私の横にしゃがんだ。

瑠璃「大丈夫ですか?」

那須野「大丈夫じゃない」

瑠璃「怪我しちゃいましたか?」

那須野「いや、熊ダイブを」

瑠璃「熊ダイブ?」

夏穂「瑠璃!」

瑠璃「落ち着いて、僕は大丈夫だってば」

結局、協力者居ても駄目だったなと
思ってるより力がある瑠璃さんに
起き上がらせてもらい立ち上がる。

秋緒「炭酸な」

那須野「成功してないのに?」

一美「瑠璃君、私から説明するよ」

那須野「瑠璃君?」

明地「瑠璃君は男子だよぉ~、
俺も最初女子かと思ってたけど、
夏穂ちゃんの弟」

明地君にそう言われて、
姉が巨乳で、弟がロリ…いや、ショタか…
顔も整ってるし、凄い姉弟だなと思う。

この間、村野君は居なくなっていて
私は仕方なく自分の教室に戻る。



放課後の部活中

先輩「那須野ちゃんが抱きつく相手は、
みんな個性豊かだね」

那須野「4人連続ですよ?
信じられませんよ、神のいたずらか!」

先輩「でも、成功したら
達成感凄くなりそう」

確かに、失敗×4からの成功は
感動になると思う。

先輩「頑張ってね!」

那須野「はい!必ず実現して見せます!」


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