ブラックホール

ももうた

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ポツポツ.....
雨が降り出した。
私はそんなことも気にせず歩き続ける。


ザアーー
雨はまるで自分のように 悲しみと共に強くなる。

はぁ.....
お元気ですか?
あなたはどんな顔をしているの、笑ってますか?
私は 約束が守れなさそうです。
ごめんなさい。














             7年前  ──────


「お母さん、まだ?」
「ちょっと待って、お父さんが...」
「もう。私の入学式なんだからね。
     お父さん かっこつけなくていいから」
「すまない、すまない...」


桜並木に沿って車を走らせること15分、
名前の由来ともなる星がついている校門が見えてきた。
校門では、職員たちが 慌ただしく
車の誘導を行っている。



そう、今日は入学式。
慣れないブレザーに身を包み、
跳ね上がる鼓動を感じながら
私、 坂下 柚月は 第一志望だった
星ヶ丘高校へやってきた。


「お友達つくるのよ?」
「わかってるよ、心配しないで」
「困ってる人は助けてあげるのよ?」
「わかってるって。
   ほら、お母さん達あっちでしょ?」
「あら、やだ。行きましょう あなた。」


そういって 私は別れを告げた。
張り切ってるのお母さんだけじゃなくてよかった....
周りを見渡せば、保護者が 集まって
話に夢中になっている。

ちなみに 困ってる人を助けなさい。っていうは
お母さんの口ぐせ。
小さい頃からよく言い聞かせられてきた。

「新入生ですか?」
「あ、はい!」
「あちらのボードで名前を探し、
      書かれた番号の教室へ行って下さい。」
「ありがとうございます!」

えっと、坂下柚月.....
あった!!



スーーーーー
私は大きく深呼吸をし、ボードに書かかれていた
5番の教室の中へ足を踏み入れた。
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