ブラックホール

ももうた

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新しい世界

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『新入生の皆さんは、
    トイレを済ませ、廊下へ並んで下さい』


ザワザワ.....
「緊張する~」
「あの人、かっこいいね」
「は?もう見つけてんの?」
「だって~~」
私の周りでは そんな話も聞こえてきた。



『新入生が入場します。拍手でお迎え下さい』

パチパチパチ....
「お母さん、手なんか振っちゃってる、もう.....」

新入生諸君、本日は  誠におめでとう。
君たちはこれから先─────





やはり校長先生の話は長く
みんなくたびれて教室に戻る中、
「柚月?柚月じゃん!」
「え?!葵!!」
「さっきから 柚月に似てるなって思ったら
    やっぱり柚月だった!」

そこに居たのは 幼馴染みの葵だった。
「柚月、クラスは?」
「5だよ。葵は?」
「葵はね、2だよ。隣のとなりだね!」
「うん。それより時間やばいかも。」
「わ!ほんと!ホームルーム始まっちゃう、またね。」
そう言って私は葵と別れ 、教室へ戻った。



席は窓側の3番目で、景色を見る事が好きな私には
割といい席だった。
でも、周りに女子は少なく、男子に囲まれていた。



キーンコーンカーンコーン....




ホームルームも終わり、帰る準備をしていると
廊下で葵がひたすら 手を振っていた。
すかさず、私は葵の元へ急いだ。
「柚月、一緒かえろ!」
「うん。わざわざ ありがとう。」
「それより柚月、案外いい席じゃん。」
「そうなんだよね、けど 周り男子しかいないけど。」
「いいじゃん!そんなの。」
「ま、窓側だし、嬉しいんだけどね。」
「柚月さ、変わったね。」
「え?なに、どういう風に。」
「ん~、なんか かわいくなった!」
「何それ、意味分かんないし。」
「分かってよ~~!」
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