ブラックホール

ももうた

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教室

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入学して、約半年が過ぎろうとしていた。
私はこうして毎日 葵と登校している。
葵とは 家が近いため、登下校は一緒だった。
「柚月、クラスどう?慣れた?」
「うん、友達できたし、ぼちぼち。そっちは?」
「葵は全然平気!内田たちいるし!」
「そっか~、いいなぁ。」
「なんで 柚月だけ外れてんだろね。」

内田たちとは、
内田、西野、山口の3人組のこと。
中学の友達であり、3人とも葵のクラスらしい。

「じゃ、また放課後ね ♪」
「うん。またね、内田たちによろしく。」


そうして、いつも通り
窓側の3番目に座った私は、外を眺めた。
赤!はずれかぁ....
外の奥には、信号が かすかに見える。
その信号を見たとき、青だったら
ラッキーっていうシステムの自己流“ おみくじ ”
これが 凄いってぐらい当たらない、赤ばかり。
その分、青が見れたら 嬉しいのだ。



「柚月ちゃん!おはよ~」
「おはよう~、元気?」
「うん、元気。今日もサル熱かったね。」
「いっつも時間ぎりぎり。やばい、次  移動!!」
「まじ?急ごう。」

サルとは、担任のことで 
なかなか熱く、ホームルームが長い。
だから、こうやって一限が移動だったりすると
かなり困る。なのに、先生は  遅れるなよ!って言う。
そんな 日常にも慣れ、
私のクラスだけは、授業準備だけは良い。
こうしないと間に合わないからだ。

「は~~、間に合った。」
「今日はセーフだね。」
「怒られたら、サルのせいにしてやるんだから。」


さっきから話しているこの子は、さなえ。
唯一、席が近くの女の子で 
自然と仲良くなった。
葵が同じクラスじゃないため、
クラスにいるときは 
ほぼ、さなえと一緒にいる。






お昼になると、葵が珍しく教室に来た。
「ごめん、ちょっと待ってて、さなえ。」
「ん?OK OK。」


「柚月~~!カフェのチケットもらっちゃった!
    帰りに行こう、予定ないでしょ。」
「ないでしょ。って言い方ひどい。」
「ごめんって~~、なら放課後ね ♪」

わざわざ 言いに来てくれたらしい。
そして、すぐ私を暇人 扱いする。
たしかに暇人なんだけどね。



「ただいま。」
「おかえり、よかったね~太るぞ。」
「え?聞こえてたの?」
「うん、葵ちゃんだっけ?声 でかいから。」

たしかに、葵は声がでかい。
廊下ですれ違う時も、 話 全部聞こえちゃってる。

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