ブラックホール

ももうた

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放課後

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放課後になると、 ご機嫌な様子で
廊下に葵が立っていた。

「..................以上。」

担任のホームルームは相変わらず長かった。
葵が廊下で口パクで (遅い!)って
言ってるのを見て、笑っていると
さなえも笑っていた。
どうやら、気づいていたっぽい。


「もう~~!待ちくたびれたよぉ」
「ごめんって。行こっか!」
  

さっきまで怒っていたかと思えば、
もう鼻歌を歌ってる葵。
なんかいいことでもあったのかな.....


葵がもらったチケットのカフェは
家とは反対側の駅の近くだった。
「よかったね、今日が木曜日で。」
「たしかに!帰り遅くなるしね」

そんな会話をしていると、
コーヒーカップの看板の
おしゃれなカフェが見えてきた。

「あった!あった!」
「よし、行こう!」

食べることが好きな私たちは
一気にテンションがあがる。

カランカラン

『いらっしゃいませ、何名さまですか?』
  
私は急いで ピースサインをつくる。

『2名さまですね?あちらへどうぞ。』

案内されたテーブルへと着いた私たちは、
即座にメニューをひらく。

「おしゃれだね~ここ。」
「うんうん、看板みた?」
【コーヒーカップ!!】
 声が重なり、笑いが出る。

「これ、おいしそう~~柚月どうする?」
「えっと.....」
「また悩んでんの?これだから優柔不断は。」
早く食べたいのか、葵はブツブツ文句を言う。
「どれと悩んでんの?これ、葵と同じじゃん!」
「こっち選びなよ。半分こしたらいいでしょ?」
そう、言われて やっと 決まった。

『いちごのタルトとフルーツパンケーキ
     でよろしいでしょうか?かしこまりました。』


「柚月、あのね....」
葵が珍しく真剣な顔で話しかけてきた。
「なに?どうせ 隠し事してんでしょ。」
「え、なんで!!柚月にはお見通しか~」
「当たり前でしょ、何年一緒にいると
    思ってんの。やけにご機嫌だし?」
「実は.......」
 「は?!」

それは あまりにも急な報告だった。

 








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