ブラックホール

ももうた

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出会い

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これが、湊との出会いだった ───



「あの~~......  これ。」
「まじ? サンキュ」

 パーカーのフードで隠れていた顔は、
とても端正な顔立ちだった事に私は驚いた。

お母さんとの約束を思い出し、
すかさず、鞄の中から
折りたたみ傘を取りだし、タオルと一緒に渡した。

「おう!湊、おはよう。教室いこうぜ」
「あ、でも...」
「早く!置いてくぞ。」
「お、おう!」

そう言って彼は、私より 一足先に
学校の中へと姿を消した。


よかった、折りたたみ持ってきてて。
「おはよ~柚月。なんかいま独り言...」
「!!!  いや、何もないよ??」
「本当?あやしいな。」

さなえは勘が鋭い。
ときどき、その勘には驚かされる。


ふぅ~~
あ、青だ.....
教室に入り、いつものように外を眺めると
信号は青だった。









「柚月!柚月ってば、聞こえてる?」
「ごめん、ごめん」
「お客様だよ、お客様。」
「え?」

するとそこにいたのは、彼だった。



「あ~いたいた。柚月ちゃん?
    これ、ありがと!タオルは洗って返すよ☆」
「う、 うん。ありがとう。名前....」
「あぁ俺がなんで名前しってるかって?
       これだよ、これ。」


彼が指さしたのは私の傘。
そうだ、名前書いてたんだ。
「探すの大変だったんだからね?
     たまたま、廊下から見えたから良かったけど。
        とりあえず、サンキュ!またね」



そうして、彼は教室を後にした。



「柚月、知り合い?めっちゃかっこいいじゃん」
「知り合いって言うか、朝会っただけ」
「ふ~~ん、そうなんだ。」




綺麗な顔してたな.....
モテるんだろな...
それからは、頭の片隅に必ず彼がいた。
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