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第二章 使命を探す旅
第23話 家族の団らん
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フィオナが言っていた通り、ドルトムントの稼ぎはあまり期待できないようである。
夕方になると、ハダルとジオは汗だくになって帰ってきた。
今日は香辛料店の棚卸の手伝いと帳簿付けだったから、割の良い仕事だったと言いながら、フィオナにお金を渡している。
フィオナはそれを拝むように受け取ると、大切そうにしまっていた。
フィオナも今日は、部屋で針仕事をしていた。
みんな自分のできることをして必死に生きている。
飛翔は何もしないで世話になるのが申し訳なくなってきた。
明日からは何かできることを探さなくては。
井戸水で体を清めたハダルとジオが入ってくると、夕食になった。
慎ましくも、フィオナの工夫に満ちた食卓に舌鼓を打つ。
「あー、食ったっ食ったー!」
ジオは満足そうに叫ぶと、ゴロンと長椅子に寝転がった。
「ちょっと! ジオ! 食べてすぐ寝ると 馬になるわよ!」
フィオナがすかさずそう言って、ジオを乱暴に揺り動かす。
「んなもん、なるわけないだろ! ほんとにそうなったらヒヒーンって鳴いてやる!」
「何よー! 心配して言ってるのに!」
「フィオナ、なんか甘いものないかな?」
暢気なドルトムントの言葉に、フィオナが冷たく答える。
「ありません。あってもあげません。それ以上太らないように」
たちまちしゅんとなるドルトムント。
ハダルはそんなみんなを笑いながら見ている。その眼差しは宝物を見るように温かい。
「飛翔、騒がしくて驚いたか? いつもこんな感じさ。だから、飛翔も気遣い不要だぜ」
ハダルのその優しい言葉が、一気に飛翔を仲間に引き入れてくれた。
「ジオも俺も行き倒れのところを拾ってもらったんだ。飛翔と一緒さ。でも、こんなふうに家族同然に受け入れてくれる。ドルトムントもフィオナも温かい人達だから、心配するな」
「うん、ありがとう」
飛翔は素直に頷いた。
「フィオナはいつも、ドルトムントの稼ぎが無いようなこと言っているけどな、実はドルトムントは凄い歴史学者なんだぜ。壮国の王都、 華陀の学校から招聘されるくらい優秀なんだ。でも、あの調子で堅苦しいのが嫌いだし、現場が好きな人だから、その誘いを断り続けているんだよね。だから、お金が無いだけなんだよ」
ちょっと肩をすくめて、こっそり教えてくれた。
「まあ、それでフィオナが苦労しているのは本当だけどな。でも、いい子だろ。どんなに苦しくても、絶対弱音を吐かないんだよ。ドルトムントの発掘現場は体力的にキツイ現場が多いのに、男の俺たちよりもタフでさ。いつも明るくて、あきらめない。だから俺も励まされているんだ」
そう言って愛おしそうにフィオナを見つめるハダルを見て、飛翔は思わず突っ込みたくなった。
ハダルと話していると、まるで飛王と話している時のような安心感を得て不思議に思う。出会って間もないのに、落ち着く……なぜだろう?
達観したような眼差しと、温かい笑顔のせいだろうか。
何故かはわからないが、飛王と同じ雰囲気を感じて話しやすかった。
まあ、飛王と好きな 女性の話をしたことは無かったけどな……
でも、もしも、二人共にリフィアを想っていたのでなければ、こんなふうに、気安く突っ込み合えたのかも知れない……そんなことを考えながら、ハダルに声をかける。
「ハダルはフィオナが好きなんだな」
「まあな」
思いきり素直に肯定して、ハダルは照れ臭そうに笑った。
その甘い笑顔は、どんな女性も虜にしてしまいそうなくらい魅力的だった。
「初めてフィオナと出会った時のことは忘れられない。世界が変わった瞬間だったぜ」
「世界が変わった瞬間か……」
飛翔も思わずリフィアと出会った時のことを思い出した。
優しい笑顔になった飛翔を見て、ハダルも突っ込んでくる。
「飛翔も、そんな 女性いるみたいだな」
「まあな」
「どんな女性なんだ」
「優しくて、儚くて、でも真がしっかりしていて、いざとなると強い」
ハダルが笑い出した。
「結局女は強いって話か!」
「確かに!」
二人で楽しそうに笑っているのに気づいたフィオナが、訝し気に聞いてきた。
「なーに? そんなに面白い事あったの?」
「なんだよー。俺にも教えてくれよー」
ジオも口を挟んでくる。
ようやく立ち直ったドルトムントも、目をまん丸にして見つめてくる。
ハダルと顔を見合わせた後、飛翔はもう一度、心の底から笑った。
そんな飛翔を見て、ハダルも、フィオナもジオもドルトムントも安心したような顔になる。
そしてみんなもつられて、嬉しそうに笑った。
夕方になると、ハダルとジオは汗だくになって帰ってきた。
今日は香辛料店の棚卸の手伝いと帳簿付けだったから、割の良い仕事だったと言いながら、フィオナにお金を渡している。
フィオナはそれを拝むように受け取ると、大切そうにしまっていた。
フィオナも今日は、部屋で針仕事をしていた。
みんな自分のできることをして必死に生きている。
飛翔は何もしないで世話になるのが申し訳なくなってきた。
明日からは何かできることを探さなくては。
井戸水で体を清めたハダルとジオが入ってくると、夕食になった。
慎ましくも、フィオナの工夫に満ちた食卓に舌鼓を打つ。
「あー、食ったっ食ったー!」
ジオは満足そうに叫ぶと、ゴロンと長椅子に寝転がった。
「ちょっと! ジオ! 食べてすぐ寝ると 馬になるわよ!」
フィオナがすかさずそう言って、ジオを乱暴に揺り動かす。
「んなもん、なるわけないだろ! ほんとにそうなったらヒヒーンって鳴いてやる!」
「何よー! 心配して言ってるのに!」
「フィオナ、なんか甘いものないかな?」
暢気なドルトムントの言葉に、フィオナが冷たく答える。
「ありません。あってもあげません。それ以上太らないように」
たちまちしゅんとなるドルトムント。
ハダルはそんなみんなを笑いながら見ている。その眼差しは宝物を見るように温かい。
「飛翔、騒がしくて驚いたか? いつもこんな感じさ。だから、飛翔も気遣い不要だぜ」
ハダルのその優しい言葉が、一気に飛翔を仲間に引き入れてくれた。
「ジオも俺も行き倒れのところを拾ってもらったんだ。飛翔と一緒さ。でも、こんなふうに家族同然に受け入れてくれる。ドルトムントもフィオナも温かい人達だから、心配するな」
「うん、ありがとう」
飛翔は素直に頷いた。
「フィオナはいつも、ドルトムントの稼ぎが無いようなこと言っているけどな、実はドルトムントは凄い歴史学者なんだぜ。壮国の王都、 華陀の学校から招聘されるくらい優秀なんだ。でも、あの調子で堅苦しいのが嫌いだし、現場が好きな人だから、その誘いを断り続けているんだよね。だから、お金が無いだけなんだよ」
ちょっと肩をすくめて、こっそり教えてくれた。
「まあ、それでフィオナが苦労しているのは本当だけどな。でも、いい子だろ。どんなに苦しくても、絶対弱音を吐かないんだよ。ドルトムントの発掘現場は体力的にキツイ現場が多いのに、男の俺たちよりもタフでさ。いつも明るくて、あきらめない。だから俺も励まされているんだ」
そう言って愛おしそうにフィオナを見つめるハダルを見て、飛翔は思わず突っ込みたくなった。
ハダルと話していると、まるで飛王と話している時のような安心感を得て不思議に思う。出会って間もないのに、落ち着く……なぜだろう?
達観したような眼差しと、温かい笑顔のせいだろうか。
何故かはわからないが、飛王と同じ雰囲気を感じて話しやすかった。
まあ、飛王と好きな 女性の話をしたことは無かったけどな……
でも、もしも、二人共にリフィアを想っていたのでなければ、こんなふうに、気安く突っ込み合えたのかも知れない……そんなことを考えながら、ハダルに声をかける。
「ハダルはフィオナが好きなんだな」
「まあな」
思いきり素直に肯定して、ハダルは照れ臭そうに笑った。
その甘い笑顔は、どんな女性も虜にしてしまいそうなくらい魅力的だった。
「初めてフィオナと出会った時のことは忘れられない。世界が変わった瞬間だったぜ」
「世界が変わった瞬間か……」
飛翔も思わずリフィアと出会った時のことを思い出した。
優しい笑顔になった飛翔を見て、ハダルも突っ込んでくる。
「飛翔も、そんな 女性いるみたいだな」
「まあな」
「どんな女性なんだ」
「優しくて、儚くて、でも真がしっかりしていて、いざとなると強い」
ハダルが笑い出した。
「結局女は強いって話か!」
「確かに!」
二人で楽しそうに笑っているのに気づいたフィオナが、訝し気に聞いてきた。
「なーに? そんなに面白い事あったの?」
「なんだよー。俺にも教えてくれよー」
ジオも口を挟んでくる。
ようやく立ち直ったドルトムントも、目をまん丸にして見つめてくる。
ハダルと顔を見合わせた後、飛翔はもう一度、心の底から笑った。
そんな飛翔を見て、ハダルも、フィオナもジオもドルトムントも安心したような顔になる。
そしてみんなもつられて、嬉しそうに笑った。
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