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第九章 玉英王動く
第79話 復讐
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忘れられたらどんなに楽だろう……
俺を庇って死んだ兄さん。 血まみれで倒れていた母さんと妹。
みんな何にも悪いことしてないのに。
毎日一生懸命笑いながら暮らしていたのに。
それがある日見知らぬ人達に拉致されて、知らないところへ連れて来られて、殺された!
自分だけが生き残った……罪悪感。
フィオナたちに出会い、傷を癒されれば癒されるほど、幸せを感じれば感じるほど、膨れ上がる罪悪感と、復讐の炎。
俺が復讐してやらなきゃ、誰が家族の無念をはらせるって言うんだ!
俺しかいないじゃないか!
復讐しなければ、俺は生き残った意味が無いんだ!
「お前、もしかしてあの時のガキか! 生きていたのか……良かった……」
ランボルトの言葉には驚きと安堵の響きがあった。
ジオの腹に突き付けられた剣から、力が抜ける。
「あの時?」
ジオが驚いたようにランボルトを見た。
茶色い髪、幅の広い筋肉質な背中……
『小僧! 逃げろ!』
そう言って暗殺者との間に割って入ってくれた 壮国の兵士。
「そうか、お前はあの時の子だったんだな。よく今まで生き残ってこれたな」
ランボルトの目に光るものがあった。
それを隠すようにジオに深く頭を下げた。
「あの時、お前たち家族を人質として連れてくるように命令を受けたのが、俺の配属された部隊だったんだ。だが、国境を越えて壮国へ入国した直後にいきなり暗殺部隊がやってきて、お前たちを惨殺していった。俺たちは、そんな事知らなかったんだ……すまない……」
いきなりのランボルトの言葉に、ジオの目に戸惑いが浮かんだ。
だが、そんな話に騙されないぞと言うように、 玉英王の首に押し当てた刃物に力が籠る。
玉英王の首筋から、また細い血の筋が滲み出た。
赤い流れが玉英王の襟元を染めていくが、当の本人は気にする様子も無く、淡々と言葉を発した。
「そうか、お前がガルドラド・エシュルーファの息子か」
そう言って視線だけ向けると、ニヤリとして言った。
「人質暗殺の命令を出したのは余ではない。だがまあ、余の父親だからな。子の余が責任を取るのは筋が通っているな。まあ、余は別に死んでもかまわない。だがな、余を殺す前に、父親に会ってからでも遅くは無いだろう」
「今、何て言った!」
玉英王の言葉にジオの瞳が揺れ動いた。
見えすいた嘘をつくなと言う怒りと、本当であって欲しいと言う願望。
「お前の父親は生きているぞ」
断言するように繰り返した玉英王の顔は真剣だった。
「それは本当か! 嘘ではないだろうな」
「そなたの父親は真面目だからな。六年前に拉致された時、フェルテを攻撃するための武器づくりを拒否した。本来ならそんないらない奴は殺されるが、お前の父親は優秀な技術者だ。さすがの父、 麗希王も、殺すには惜しかったらしい」
ジオの顔が引きつる。
「連れて来て直ぐに牢に閉じ込めた。余は三年前に即位した直後に会いに行った。そして話をした。今は 華陀の東の 錦呉の製鉄工房で中心的に働いてくれている」
「まさか、おやじが 壮国のために武器づくりを?」
「違う。お前の父親とは約束した。武器では無くて、農具を作ってくれと」
ジオの目から涙が零れ落ちた。
「でもおかしい。いくら農具の製作だとしても、なんで壮国のために作らせるんだよ。本当に悪いと思うなら、なんでおやじをフェルテへ帰してくれないんだよ!」
「すまない。そうしてやりたかったが時期が悪かった。壮国の兵がフェルテの村を襲ったばかりだったのでな。やたらにお前の父親を帰すと、却ってスパイ容疑で殺されかねなかった。だから壮国で農具を作ってもらった。襲った村の復興に役立ててもらうためにな」
ジオが弾かれたように顔を上げた。
「フェルテに届けるための農具!」
「まあ、全部では無いがな。壮国はもともと資源が少ない。 鉄鋼石も燃える黒い石も無い。だから砂鉄を使った製法を教えてもらったんだ」
玉英王は微かに辛そうな表情になると、ジオに向かって静かに言った。
「そなたを長年苦しませてすまなかった。だが、余を殺して自殺するのはちょっと早いぞ。せめて父親に会ってからにしろ」
ジオの手から刃物が滑り落ちた。
そして一気に泣き崩れた。
「約束だぞ! お前、もう絶対フェルテを襲うなよ! 絶対フェルテと戦争するなよ! 俺が今我慢するのはお前のためにじゃない。お前を生かす事で、この先無意味な争いが減るなら、もう二度と俺のような気持ちを抱く奴を出さないために、俺は、歯を食いしばって耐えんだからな! 忘れるなよ!」
全身からほとばしる悲しみと悔しさが、嗚咽となって響いた。
ジオがどれほどの絶望を味わったのか、どれほどの決意で今諦めたのか。
みんなの心に迫ってくる。
「ああ、約束する」
玉英王はそう言うと、今まで見せたこともない静かな思慮深い瞳になった。
「ランボルトのことも許してやってくれ。こいつは命令に背ける立場じゃなかった。そして、お前の家族の暗殺の件も本当に知らなかったんだ。現にこいつは味方である壮国の暗殺部隊に刃を向けた罪で、牢に繋がれた後、死地に送られた。今こうやって生き残っているのは、奇跡なんだよ」
そう言って立ち上がると、ジオの前に跪き、頭を下げた。
「すまない……」
ランボルトも玉英王の隣に跪き、ジオに頭を下げた。
それは稀有で尊い光景だった。
確かに命を奪った行為に対して許しを乞うても、失った命は戻ってこない。
だから、謝罪は何の慰めにもならない事は確かだ。
だが、奪った国の王が、被害者の国の民に頭を下げるなどと言うことは、今まででは考えられないような状況であった。
それを、こんなに自然に、しかも大国、 壮国の王が行ったと言うことは、飛翔にとって希望を持てる瞬間に思えた。
そして同時に、不思議に思う。
玉英王とはどういう男なのか……
フィオナたちがジオの傍へ行き、肩を抱くようにして寄り添った。
その様子を見届けた玉英王は、ゆっくりと立ち上がるとまた椅子に腰かけた。
今度は真正面を向いて普通に腰かける。
「玉英王、先ほどまでのあなたの態度と、今のあなたの態度を比べると、全然印象が違います。あなたは本当は争いを好まない王のような気がします。なのになぜ、人を試すような事を言ったり、恐怖に陥れるような発言をしたりするのですか?」
玉英王はふっと笑うと、飛翔を珍しい者でも見るような眼差しになって言った。
「お前は本当に素直に育ってきたんだな。真っすぐに。理想に向かって真っすぐに。人を疑うこと無く。人に疑われることも無く。幸せに生きてきたことが駄々洩れだな。だが、だからこそ甘いな。そんなことを言っていたから、お前の故郷は滅びてしまったんじゃないのか」
「だからと言って、人を疑心暗鬼にさせるようなことをわざと言ったりやったりするのは、混乱を招くだけだ。王なら人々の心が穏やかになるように努力すべきだろう」
「別に私が疑心暗鬼にさせているわけじゃない。人々が勝手になっているだけさ。私の事を悪く言ったり、恐れている者がいることは分かっている。だが、それを簡単には覆せない。なぜなら、玉英王は弱腰だと思われたり、恐れが無くなったら、人々の不満が爆発して、戦乱の世に戻ってしまうかもしれないからな。この国は大きいが一枚岩では無い。異なる文化、民族、土地柄で生活している人々が、ぎりぎりの妥協の中で一つの国として生き残っているんだ。そこへ皇帝と言う重石が失われてみろ。きっとみんな反乱を起こすぞ。一か所でおきれば波のように、次から次へと次の反乱を呼び起こす。そうなったら、折角今平和に暮らしている人々も、また戦火に巻き込まれることになる。それだけは避けたい。だから、多少の恐怖も必要なのだ」
「でも、大きすぎる恐怖もまた、反乱を呼ぶことになる」
「その通りだ。だから加減が難しい」
玉英王が初めて本心を語り出したようだった。
「私が王に即位したのは三年前だ。まだたった三年……国は未だ立ち直るどころか停滞している。腐り切った膿を出し切るのも遅々として進まない。不満や不安を抑えながら改革していくのは、言うほど簡単な事じゃない!」
絞り出すような言葉に、疲労が滲んだ。
「父王、 麗希王は欲深い人々の間で翻弄され、毒を盛られ、疑心暗鬼になった。そして狂気に落ちた。周りの人々はこれ幸いと腐敗した政治を繰り広げ、その腐臭は国の隅々まで犯していったのだ。曾祖父、 延世王が戦の無い世を作ろうとして必死で統一した理想の国は、アッと言う間に崩れ去ったんだ」
悔しそうな顔になる。
「統一するために、きっと多くの血が犠牲になったに違いない。それでも、理想の国はできあがらない。どうしたら、みんなが幸せに暮らせる世の中になるのか、いくら調べてもわからない。だから、『知恵の泉』が欲しい! 『剣と指輪』が欲しい!
宇宙の神に返すのなんて、まだ早い! 俺に知恵を与えてくれ!」
飛翔は驚いて声をあげる。
「玉英王! なぜあなたは『知恵の泉』を神に返すことを知っているんだ! からくり箱には一体何が入っていたんだ?」
玉英王は顔を上げると、急に納得したように頷いた。
「そなたの知り人の手紙かもしれないな。一緒に見るか」
手紙!
飛翔も待ちきれない気持ちになって頷いた。
「だがその前に、余の昔話でも聞いてくれないか……」
そう言って、玉英王は幼き頃の出来事を話し始めたのだった。
俺を庇って死んだ兄さん。 血まみれで倒れていた母さんと妹。
みんな何にも悪いことしてないのに。
毎日一生懸命笑いながら暮らしていたのに。
それがある日見知らぬ人達に拉致されて、知らないところへ連れて来られて、殺された!
自分だけが生き残った……罪悪感。
フィオナたちに出会い、傷を癒されれば癒されるほど、幸せを感じれば感じるほど、膨れ上がる罪悪感と、復讐の炎。
俺が復讐してやらなきゃ、誰が家族の無念をはらせるって言うんだ!
俺しかいないじゃないか!
復讐しなければ、俺は生き残った意味が無いんだ!
「お前、もしかしてあの時のガキか! 生きていたのか……良かった……」
ランボルトの言葉には驚きと安堵の響きがあった。
ジオの腹に突き付けられた剣から、力が抜ける。
「あの時?」
ジオが驚いたようにランボルトを見た。
茶色い髪、幅の広い筋肉質な背中……
『小僧! 逃げろ!』
そう言って暗殺者との間に割って入ってくれた 壮国の兵士。
「そうか、お前はあの時の子だったんだな。よく今まで生き残ってこれたな」
ランボルトの目に光るものがあった。
それを隠すようにジオに深く頭を下げた。
「あの時、お前たち家族を人質として連れてくるように命令を受けたのが、俺の配属された部隊だったんだ。だが、国境を越えて壮国へ入国した直後にいきなり暗殺部隊がやってきて、お前たちを惨殺していった。俺たちは、そんな事知らなかったんだ……すまない……」
いきなりのランボルトの言葉に、ジオの目に戸惑いが浮かんだ。
だが、そんな話に騙されないぞと言うように、 玉英王の首に押し当てた刃物に力が籠る。
玉英王の首筋から、また細い血の筋が滲み出た。
赤い流れが玉英王の襟元を染めていくが、当の本人は気にする様子も無く、淡々と言葉を発した。
「そうか、お前がガルドラド・エシュルーファの息子か」
そう言って視線だけ向けると、ニヤリとして言った。
「人質暗殺の命令を出したのは余ではない。だがまあ、余の父親だからな。子の余が責任を取るのは筋が通っているな。まあ、余は別に死んでもかまわない。だがな、余を殺す前に、父親に会ってからでも遅くは無いだろう」
「今、何て言った!」
玉英王の言葉にジオの瞳が揺れ動いた。
見えすいた嘘をつくなと言う怒りと、本当であって欲しいと言う願望。
「お前の父親は生きているぞ」
断言するように繰り返した玉英王の顔は真剣だった。
「それは本当か! 嘘ではないだろうな」
「そなたの父親は真面目だからな。六年前に拉致された時、フェルテを攻撃するための武器づくりを拒否した。本来ならそんないらない奴は殺されるが、お前の父親は優秀な技術者だ。さすがの父、 麗希王も、殺すには惜しかったらしい」
ジオの顔が引きつる。
「連れて来て直ぐに牢に閉じ込めた。余は三年前に即位した直後に会いに行った。そして話をした。今は 華陀の東の 錦呉の製鉄工房で中心的に働いてくれている」
「まさか、おやじが 壮国のために武器づくりを?」
「違う。お前の父親とは約束した。武器では無くて、農具を作ってくれと」
ジオの目から涙が零れ落ちた。
「でもおかしい。いくら農具の製作だとしても、なんで壮国のために作らせるんだよ。本当に悪いと思うなら、なんでおやじをフェルテへ帰してくれないんだよ!」
「すまない。そうしてやりたかったが時期が悪かった。壮国の兵がフェルテの村を襲ったばかりだったのでな。やたらにお前の父親を帰すと、却ってスパイ容疑で殺されかねなかった。だから壮国で農具を作ってもらった。襲った村の復興に役立ててもらうためにな」
ジオが弾かれたように顔を上げた。
「フェルテに届けるための農具!」
「まあ、全部では無いがな。壮国はもともと資源が少ない。 鉄鋼石も燃える黒い石も無い。だから砂鉄を使った製法を教えてもらったんだ」
玉英王は微かに辛そうな表情になると、ジオに向かって静かに言った。
「そなたを長年苦しませてすまなかった。だが、余を殺して自殺するのはちょっと早いぞ。せめて父親に会ってからにしろ」
ジオの手から刃物が滑り落ちた。
そして一気に泣き崩れた。
「約束だぞ! お前、もう絶対フェルテを襲うなよ! 絶対フェルテと戦争するなよ! 俺が今我慢するのはお前のためにじゃない。お前を生かす事で、この先無意味な争いが減るなら、もう二度と俺のような気持ちを抱く奴を出さないために、俺は、歯を食いしばって耐えんだからな! 忘れるなよ!」
全身からほとばしる悲しみと悔しさが、嗚咽となって響いた。
ジオがどれほどの絶望を味わったのか、どれほどの決意で今諦めたのか。
みんなの心に迫ってくる。
「ああ、約束する」
玉英王はそう言うと、今まで見せたこともない静かな思慮深い瞳になった。
「ランボルトのことも許してやってくれ。こいつは命令に背ける立場じゃなかった。そして、お前の家族の暗殺の件も本当に知らなかったんだ。現にこいつは味方である壮国の暗殺部隊に刃を向けた罪で、牢に繋がれた後、死地に送られた。今こうやって生き残っているのは、奇跡なんだよ」
そう言って立ち上がると、ジオの前に跪き、頭を下げた。
「すまない……」
ランボルトも玉英王の隣に跪き、ジオに頭を下げた。
それは稀有で尊い光景だった。
確かに命を奪った行為に対して許しを乞うても、失った命は戻ってこない。
だから、謝罪は何の慰めにもならない事は確かだ。
だが、奪った国の王が、被害者の国の民に頭を下げるなどと言うことは、今まででは考えられないような状況であった。
それを、こんなに自然に、しかも大国、 壮国の王が行ったと言うことは、飛翔にとって希望を持てる瞬間に思えた。
そして同時に、不思議に思う。
玉英王とはどういう男なのか……
フィオナたちがジオの傍へ行き、肩を抱くようにして寄り添った。
その様子を見届けた玉英王は、ゆっくりと立ち上がるとまた椅子に腰かけた。
今度は真正面を向いて普通に腰かける。
「玉英王、先ほどまでのあなたの態度と、今のあなたの態度を比べると、全然印象が違います。あなたは本当は争いを好まない王のような気がします。なのになぜ、人を試すような事を言ったり、恐怖に陥れるような発言をしたりするのですか?」
玉英王はふっと笑うと、飛翔を珍しい者でも見るような眼差しになって言った。
「お前は本当に素直に育ってきたんだな。真っすぐに。理想に向かって真っすぐに。人を疑うこと無く。人に疑われることも無く。幸せに生きてきたことが駄々洩れだな。だが、だからこそ甘いな。そんなことを言っていたから、お前の故郷は滅びてしまったんじゃないのか」
「だからと言って、人を疑心暗鬼にさせるようなことをわざと言ったりやったりするのは、混乱を招くだけだ。王なら人々の心が穏やかになるように努力すべきだろう」
「別に私が疑心暗鬼にさせているわけじゃない。人々が勝手になっているだけさ。私の事を悪く言ったり、恐れている者がいることは分かっている。だが、それを簡単には覆せない。なぜなら、玉英王は弱腰だと思われたり、恐れが無くなったら、人々の不満が爆発して、戦乱の世に戻ってしまうかもしれないからな。この国は大きいが一枚岩では無い。異なる文化、民族、土地柄で生活している人々が、ぎりぎりの妥協の中で一つの国として生き残っているんだ。そこへ皇帝と言う重石が失われてみろ。きっとみんな反乱を起こすぞ。一か所でおきれば波のように、次から次へと次の反乱を呼び起こす。そうなったら、折角今平和に暮らしている人々も、また戦火に巻き込まれることになる。それだけは避けたい。だから、多少の恐怖も必要なのだ」
「でも、大きすぎる恐怖もまた、反乱を呼ぶことになる」
「その通りだ。だから加減が難しい」
玉英王が初めて本心を語り出したようだった。
「私が王に即位したのは三年前だ。まだたった三年……国は未だ立ち直るどころか停滞している。腐り切った膿を出し切るのも遅々として進まない。不満や不安を抑えながら改革していくのは、言うほど簡単な事じゃない!」
絞り出すような言葉に、疲労が滲んだ。
「父王、 麗希王は欲深い人々の間で翻弄され、毒を盛られ、疑心暗鬼になった。そして狂気に落ちた。周りの人々はこれ幸いと腐敗した政治を繰り広げ、その腐臭は国の隅々まで犯していったのだ。曾祖父、 延世王が戦の無い世を作ろうとして必死で統一した理想の国は、アッと言う間に崩れ去ったんだ」
悔しそうな顔になる。
「統一するために、きっと多くの血が犠牲になったに違いない。それでも、理想の国はできあがらない。どうしたら、みんなが幸せに暮らせる世の中になるのか、いくら調べてもわからない。だから、『知恵の泉』が欲しい! 『剣と指輪』が欲しい!
宇宙の神に返すのなんて、まだ早い! 俺に知恵を与えてくれ!」
飛翔は驚いて声をあげる。
「玉英王! なぜあなたは『知恵の泉』を神に返すことを知っているんだ! からくり箱には一体何が入っていたんだ?」
玉英王は顔を上げると、急に納得したように頷いた。
「そなたの知り人の手紙かもしれないな。一緒に見るか」
手紙!
飛翔も待ちきれない気持ちになって頷いた。
「だがその前に、余の昔話でも聞いてくれないか……」
そう言って、玉英王は幼き頃の出来事を話し始めたのだった。
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